四半期報告書-第102期第3四半期(令和2年10月1日-令和2年12月31日)
以下の分析には、当社及び連結子会社の将来に関する記述が含まれています。こうした将来に関する記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた現時点における仮定、予期及び見解に基づくものであり、既知及び未知のリスク、不確実性並びにその他の要素を内包するものです。かかるリスク、不確実性及びその他の要素によって、当社の実際の連結財政状態、連結経営成績及び連結キャッシュ・フローが、こうした将来に関する記述とは大きく異なる可能性があります。
特に断りのない限り、将来に関する記述は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営環境
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、各国の経済対策の効果や中国の早い景気回復などにより最悪期は脱したものの、秋以降多くの国で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、景気回復のモメンタムが弱まりました。
米国では、2020年末にかけて感染再拡大により減速感が強まりましたが、今後新政権による大型の追加経済対策やワクチン接種の進展により、景気が押し上げられることが期待されます。欧州では、感染再拡大の動きから各国で強化された外出制限により景気が再び悪化しており、ワクチンの普及には一定の時間を要することから、景気回復の遅れが懸念されます。日本では、経済対策の効果や中国等の需要回復を受け、個人消費や輸出の持ち直しが続いていましたが、年末からの感染の急拡大、緊急事態宣言の再発出に伴い、景気はいったん悪化すると見込まれます。中国では、輸出の高い伸びが続き、投資や個人消費も回復しており、感染拡大前の経済成長率を取り戻しつつあります。ロシアやブラジルでは原油価格の上昇など景気回復に向けたプラス要因もみられますが、ロシアでは感染再拡大を受けた外出制限強化が景気回復の足枷になることが見込まれます。
先行きは各国での追加経済対策に加えてワクチンの普及が世界経済の回復を後押しすると考えられますが、ワクチンが広く普及するには一定の時間が必要であることから、感染拡大前の経済活動の水準を取り戻すのは早くとも2021年後半以降になると見込まれます。
(2)経営成績の分析
① 連結損益計算書
(*)四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。
収益
・収益は4兆6,991億円となり前年同期の5兆1,940億円から4,949億円の減少となりました。
売上総利益
・主にエネルギーセグメント、機械・インフラセグメント、金属資源セグメント及び生活産業セグメントで減益となった一方、次世代・機能推進セグメントで増益となりました。
販売費及び一般管理費
・主に、金属資源セグメントでは負担増加があった一方、生活産業セグメントでは負担減少がありました。
その他の収益・費用
有価証券損益:
・当期は、主に機械・インフラセグメントにおいて有価証券売却益を計上しました。
固定資産評価損益:
・当期は、主にエネルギーセグメント、機械・インフラセグメントにおいて固定資産評価損を計上した一方、次世代・機能推進セグメントで固定資産評価益を計上しました。
・前年同期は、主に生活産業セグメントにおいて固定資産評価損を計上しました。
雑損益:
・当期は、主に金属資源セグメント、機械・インフラセグメントにおいて、モザンビークにおける事業に関連する損失を計上しました。他、金属資源セグメントにおいて為替関連損益を計上した一方、化学品セグメントの北米の事業において保険金収入を計上しました。
・前年同期は、次世代・機能推進セグメントにおいて保有株式のプットオプションに関わるデリバティブ評価益を、生活産業セグメントにおいてマンション管理事業売却益をそれぞれ計上しました。
金融収益・費用
受取配当金:
・主に、エネルギーセグメントで減益となった一方、金属資源セグメントで増益となりました。
持分法による投資損益
・主に、エネルギーセグメント、生活産業セグメント、鉄鋼製品セグメント、機械・インフラセグメントで減益となった一方、金属資源セグメントで増益となりました。
法人所得税
・法人所得税は631億円の負担となり、前年同期の1,130億円から499億円負担が減少しました。当期には、エネルギーセグメントにおける米国子会社群の再編に伴い繰延税金資産を認識した結果、390億円の利益を計上しました。
・当期の実効税率は23.1%となり、前年同期の24.0%から0.9ポイント低下しました。金属資源セグメントにおいて、税効果を認識しない減損損失による実効税率の上昇があったものの、その一方でエネルギーセグメントでの繰延税金資産の認識による実効税率の押し下げがあったことから、法人所得税の負担割合が減少しました。
四半期利益(親会社の所有者に帰属)
・新型コロナウイルス感染症に伴う需要の減退や商品価格の変動による業績への影響が含まれております。これらの結果、前年同期から1,362億円減益の1,989億円となりました。
② オペレーティング・セグメント情報
オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。
なお、当期より機械・インフラセグメントの新世代電力事業をエネルギーセグメントへ移管しております。この変更に伴い、前年同期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しております。
鉄鋼製品
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、Gestamp事業会社にて自動車生産減少に因る操業率の低下、為替変動の影響及びコスト構造改革に関する一時的コストを主因に80億円の減益
金属資源
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 豪州石炭事業は、販売価格の下落を主因に260億円の減益
- 豪州鉄鉱石事業は、販売価格の上昇を主因に172億円の増益
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- チリの銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiは、販売数量の増加を主因に58億円の増益
- 豪州鉄鉱石事業は、販売価格の上昇を主因に37億円の増益
- 豪州石炭事業は、販売価格の下落を主因に減益
- モザンビーク共和国のナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において38億円、前年同期において51億円の減損損失をそれぞれ計上
・受取配当金は、豪州鉄鉱石事業からの受取配当金増加を主因に増益になりました。
・販売費及び一般管理費の増加の主因は以下のとおりです。
- モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において359億円、前年同期において98億円の融資に係る減損損失をそれぞれ計上
- 当期において、カセロネス銅鉱山を開発するMinera Lumina Copper Chileの持分譲渡契約を締結したことを受け、融資に係る減損損失83億円を計上
・上記のほか、以下要因がありました。
- モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において減損損失192億円を計上
- 豪州鉄鉱石事業は、為替関連損益で43億円の減益
- 豪州石炭事業は、為替関連損益で40億円の減益
エネルギー
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 三井石油開発は、生産量減少や原油ガス価格の下落を主因に447億円減益
- 本店営業部にてハリケーンを主因としたLNGトレーディング収益の減少
- Mitsui E&P USA は、原油ガス価格の下落を主因に51億円減益
- MEP Texas Holdingsは、原油ガス価格の下落を主因に47億円減益
- Mitsui E&P Italia Aは、コスト増加等を主因に39億円減益
- AWEは、減価償却費の減少により37億円増益
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- Mitsui E&P Mozambique Area 1は、前年同期における最終投資決断に伴う繰延税金資産計上の反動を主因に116億円減益
- Japan Australia LNG (MIMI)は、原油ガス価格の下落を主因に減益
- Mitsui & Co. LNG Investment USAは、キャメロン操業開始に伴い59億円増益
・LNGプロジェクト6案件(サハリンⅡ、カタールガス1、オマーン、アブダビ、カタールガス3及び赤道ギニア)からの受取配当金は195億円となり、前年同期から256億円の減少となりました。
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、米国エネルギー子会社群のMBK Energy Holdings USAへの移管による再編に伴い、繰延税金資産を認識した結果、390億円の利益を法人所得税に計上
- 当期において、主に原油価格の下落を反映し、Mitsui E&P Italia Aにおいてテンパロッサ事業に係る評価損321億円を計上
機械・インフラ
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、自動車、建機・産機事業、鉄道関連の子会社は新型コロナウイルスの影響により減益
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- ブラジルのガス配給事業は、前年同期において仲裁決着に伴う支払サービス税回収の一過性収益があった一方で、当期において過年度調整によるタリフ減、伯レアル安進行、及び新型コロナウイルスの影響による需要減の結果、50億円減益
- モザンビーク共和国のナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において9億円、前期において13億円の減損損失をそれぞれ計上
・販売費及び一般管理費の負担は減少しましたが、その一方で以下負担の増加要因がありました。
- 当期において、モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、融資に係る減損損失90億円を計上
・上記のほか、以下の要因がありました。
- 当期において、鉄道車輛リース事業会社における評価損91億円を計上
- モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において減損損失48億円を計上
- 当期において、北米発電事業の売却に伴い有価証券売却益を計上
化学品
・その他において以下要因がありました。
- 当期において、北米の事業における保険金収入を計上
生活産業
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、緊急事態宣言及び外出規制による店舗閉鎖及び外食産業向けの業務用食材の需要減により、ファッション、食品及び流通関連の子会社において減益
- 当期において、ファッション事業を手掛けるアジア連結子会社が持分法適用会社になったことに伴い44億円減益
- 前年同期において、MBK Pharma Partnering経由で出資する創薬支援ファンドにつき、投資対象医薬品の開発中止を主因に公正価値評価損41億円を計上
・販売費及び一般管理費の減少の主因は以下のとおりです。
- 当期において、ファッション事業を手掛けるアジア連結子会社が持分法適用会社になったことに伴い44億円負担減
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、外出規制や自粛等の影響による需要減により、食品、ファッション、サービス事業関連の持分法適用会社において減益
- 当期において、IHH Healthcareにて新型コロナウイルス感染拡大に伴うメディカルツーリズムや軽症患者減少に因る稼働率の低下、印子会社の暖簾減損を主要因として46億円の減益
・上記のほか、以下要因がありました。
- 前年同期において、リクルートホールディングス株式などFVTOCIの金融資産の売却により、その他の包括利益として認識される税金費用に関連して、法人所得税の負担が125億円減少
- 前年同期において、米国にて看護師派遣事業を営むAccountable Healthcare Holdingにおける一部業績不振により、固定資産評価損58億円を計上
- 前年同期において、三井物産フォーサイトにおけるマンション管理事業売却益を計上
次世代・機能推進
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、米国OSIsoft株式売却契約締結に伴い、持株会社で評価益を計上
- 前年同期において、中国の医薬品開発会社Hutchison China MediTech株式の公正価値評価損31億円を計上した一方、当期において公正価値評価益56億円を計上
- Mitsui Bussan Commoditiesは、好調なエネルギートレーディングを主因に49億円の増益
- 前年同期において、メルカリ株式の公正価値評価損と売却損を計上した一方、当期において全量売却に伴う売却益を計上したことにより26億円の増益
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、土地の減損損失戻入益43億円を計上
- 前年同期において、保有株式のプットオプションに関わるデリバティブ評価益44億円を計上
(3)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 資産及び負債並びに資本
(*)当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して算出しています。
・有利子負債は長短債務からリース負債を除外して計算。
・有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。
資産
流動資産:
・現金及び現金同等物は802億円減少しました。
・営業債権及びその他の債権は1,009億円増加しました。
- 投融資事業に係る貸付金が短期化したことに伴い、498億円増加
- 金属セグメントにおける市況上昇、生活産業セグメントでの取扱数量増加を主因に、売掛金が446億円増加
・その他の金融資産は、エネルギーセグメント、次世代・機能推進セグメントにおけるデリバティブ取引に係る市況変動及び取扱数量減少を主因に、1,328億円減少しました。
・棚卸資産は、金属資源セグメント、次世代・機能推進セグメントにおける取扱数量増加を主因に、483億円増加しました。
非流動資産:
・持分法適用会社に対する投資は468億円減少しました。
- Mitsui & Co. Cameron LNG Investment にて、株主融資への切替に伴い259億円減少
- 為替変動の影響により227億円減少
- Japan Arctic LNGを通じたロシアArctic LNG2プロジェクトの持分公正価値評価により減少
- 当期における持分法による投資損益の見合いで1,550億円増加した一方、持分法適用会社からの受取配当金により1,558億円減少
- モザンビークLNGプロジェクトMitsui E&P Mozambique Area 1への出資により260億円増加
- ロシアArctic LNG2プロジェクトJapan Arctic LNGへの出資により増加
・その他の投資は3,234億円増加しました。
- 株価上昇を主因に、FVTOCIの金融資産の公正価値評価が3,213億円増加
・営業債権及びその他の債権は1,294億円減少しました。
- モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における融資に係る減損による669億円の減少
- 投融資事業に係る貸付金が短期化したことに伴い、498億円減少
- Mitsui & Co. Cameron LNG Investmentにて、株主融資への切替に伴い259億円の増加
・有形固定資産は78億円増加しました。
- 豪州鉄鉱石事業で691億円増加(為替変動の影響による534億円の増加を含む)
- 豪州石炭事業で257億円増加(為替変動の影響による112億円の増加を含む)
- 石油・ガス生産事業(*)で、Mitsui E&P Italia Aにおける評価損を主因に、896億円減少(為替変動の影響による136億円の減少を含む)。
(*)当期より石油・ガス生産事業に米国シェールガス・オイル事業を含めております。
・投資不動産は、次世代・機能推進セグメントにおける増加を主因に169億円増加しました。
・繰延税金資産は、米国エネルギー子会社群のMBK Energy Holdings USAへの移管による再編に伴い、繰延税金資産を390億円認識したことを主因に303億円増加しました。
負債
流動負債:
・短期債務は228億円減少しました。1年以内に返済予定の長期債務は、短期化による増加を主因に140億円増加しました。
・営業債務及びその他の債務は、営業債権及びその他の債権の増加に対応し555億円増加しました。
・その他の金融負債は、その他の金融資産の減少に対応する減少、大手町一丁目2番地区の複合開発事業に関する未払金の支払を主因に2,672億円減少しました。
非流動負債:
・長期債務(1年以内返済予定分を除く)は1,292億円減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分合計
・利益剰余金は、134億円増加しました。
・その他の資本の構成要素は、3,023億円増加しました。
- FVTOCIの金融資産が2,491億円増加
- 米ドル安、伯レアル安の一方、対円での豪ドル高を主因に、外貨換算調整勘定が780億円増加
・自己株式の取得を460億円(従業員向け株式報酬のための取得69億円を含む)実施した一方、467億円の自己株式を消却したことを主因として、株主資本の減算項目となる自己株式は10億円減少しました。
② キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フロー
・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは356億円の資金支出、リース負債の返済は447億円の資金支出となり、これらを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、4,934億円となりました。なお、当期より、営業活動からの定常的な現金創出力をより適切に反映させるため、リース負債の返済による支出額を減算しております。これに伴い、前年同期の基礎営業キャッシュ・フローを修正再表示しております。
- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は2,315億円となり、前年同期の2,145億円から170億円増加
- 減価償却費及び無形資産等償却費は2,002億円となり、前年同期の1,854億円から148億円増加
基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
投資活動によるキャッシュ・フロー
・持分法適用会社に対する投資の取得及び売却・回収の純額は、498億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・回収は以下のとおりです。
- モザンビークLNGプロジェクトMitsui E&P Mozambique Area 1への出資による260億円の資金支出
- ロシアArctic LNG2プロジェクトJapan Arctic LNGへの出資による資金支出
- 北米発電事業の売却に伴う資金回収
・その他の投資の取得及び売却・償還の純額は、20億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・償還は以下のとおりです。
- サンエイ糖化株式の売却による135億円の資金回収
・有形固定資産等の取得及び売却の純額は、1,722億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 大手町一丁目2番地区の複合開発事業による368億円の資金支出
- 豪州鉄鉱石事業で304億円の資金支出
- 石油・ガス生産事業で297億円の資金支出
- 豪州石炭事業で157億円の資金支出
・投資不動産の取得及び売却の純額は、493億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 大手町一丁目2番地区の複合開発事業による373億円の資金支出
財務活動によるキャッシュ・フロー
・短期債務の増減は329億円の資金支出、長期債務の増加及び返済の純額は108億円の資金支出、リース負債の返済による支出は447億円の資金支出となりました。
・自己株式の取得による460億円(従業員向け株式報酬のための取得69億円を含む)の資金支出がありました。
・配当金支払いによる1,355億円の資金支出がありました。
(4)対処すべき課題
① 2021年3月期連結業績予想
・2020年10月に公表しました2021年3月期業績予想においては、当期利益(親会社の所有者に帰属)を1,800億円に据え置いておりました。多くの国で新型コロナウイルスの感染が再拡大するなど懸念すべき要因はありますが、堅調な一部商品の市況動向や、事業環境の変化を踏まえ最新業績予想においては2,700億円に上方修正致しました。また、基礎営業キャッシュ・フローについても同様に4,800億円から6,000億円へ、1,200億円上方修正致しました。
・為替レートは第3四半期連結累計期間の105.54円/米ドル、74.75円/豪ドル及び19.55円/伯レアルに対し、第4四半期はそれぞれ104.00円/米ドル、76.00円/豪ドル及び19.00円/伯レアルを想定しています。また、第4四半期の原油価格(JCC)を48米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の通期業績予想に適用される原油価格の平均を45米ドル/バレル(従来予想比1米ドル/バレル上昇)と想定しています。
オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。
オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。
② 2021年3月期連結業績予想における前提条件
2021年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。
(*1) 原油価格は0~6ヶ月遅れで当社連結業績に反映されるため、この期ずれを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。21/3期には約30%が4~6ヵ月遅れで、約50%が1~3ヵ月遅れで、約20%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は連結油価に対する年間インパクトで、原油価格に連動する部分を示す。
(*2) 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しない為、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。
(*3) 米国ガスの21/3期3Q累計実績欄には、2020年1月~9月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。
(*4) 21/3期4Q予想前提欄には、2020年10~12月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。
(*5) Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。
(*6) 鉄鉱石・石炭の前提価格は非開示。
(*7) 鉄鉱石の21/3期3Q累計実績欄には、2020年4月~12月の複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。
(*8) 石炭の21/3期3Q累計実績欄には、対日代表銘柄石炭価格(US$/MT)の四半期価格の平均値を記載。
(*9) 銅価格は3ヶ月遅れで当社連結業績に反映される為、上記感応度は2020年3月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。
(*10) 銅の21/3期3Q累計実績欄には、2020年1月~9月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。また21/3期4Q予想前提欄には、2020年10~12月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。
(*11) 上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。金属資源・エネルギー生産事業における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドル・伯レアルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。
③ 利益配分に関する基本方針
当社の利益配分に関する基本方針は以下のとおりです:
・ 企業価値向上・株主価値極大化を図るべく、内部留保を通じて重点分野・成長分野での資金需要に対応する一方で、業績の一部について配当を通じて株主に直接還元していくことを基本方針とする
・ 上記に加え、資本効率向上等を目的とする自己株式取得につき、引続き投資需要の将来動向、フリーキャッシュ・フロー水準、有利子負債及び株主資本利益率等、経営を取り巻く諸環境を勘案し、その金額、時期も含め都度機動的に決定する
中期経営計画では、安定性・継続性を重視し、安定的に創出可能と判断した基礎営業キャッシュ・フローの水準に基づき、80円を一株当たり年間配当額の下限と設定すると共に、業績の向上を通じた配当金額の継続的増加を目指します。
また、中期経営計画期間中の業績に応じて、成長投資や追加株主還元(追加配当・自己株式取得)への柔軟且つ機動的な資金配分を実行します。
2021年3月期の年間配当金額に関しては、連結業績における基礎営業キャッシュ・フロー及び当期利益(親会社の所有者に所属)並びに配当金額の安定性・継続性を総合的に勘案し、1株あたり80円(前期比増減なし、中間配当40円含む)とすることを予定しています。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、「要約四半期連結財務諸表注記事項 2.要約四半期連結財務諸表の基本事項 (2)見積り及び判断の利用」を参照ください。
(6)研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。
特に断りのない限り、将来に関する記述は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)経営環境
当第3四半期連結累計期間の世界経済は、各国の経済対策の効果や中国の早い景気回復などにより最悪期は脱したものの、秋以降多くの国で新型コロナウイルスの感染が再拡大し、景気回復のモメンタムが弱まりました。
米国では、2020年末にかけて感染再拡大により減速感が強まりましたが、今後新政権による大型の追加経済対策やワクチン接種の進展により、景気が押し上げられることが期待されます。欧州では、感染再拡大の動きから各国で強化された外出制限により景気が再び悪化しており、ワクチンの普及には一定の時間を要することから、景気回復の遅れが懸念されます。日本では、経済対策の効果や中国等の需要回復を受け、個人消費や輸出の持ち直しが続いていましたが、年末からの感染の急拡大、緊急事態宣言の再発出に伴い、景気はいったん悪化すると見込まれます。中国では、輸出の高い伸びが続き、投資や個人消費も回復しており、感染拡大前の経済成長率を取り戻しつつあります。ロシアやブラジルでは原油価格の上昇など景気回復に向けたプラス要因もみられますが、ロシアでは感染再拡大を受けた外出制限強化が景気回復の足枷になることが見込まれます。
先行きは各国での追加経済対策に加えてワクチンの普及が世界経済の回復を後押しすると考えられますが、ワクチンが広く普及するには一定の時間が必要であることから、感染拡大前の経済活動の水準を取り戻すのは早くとも2021年後半以降になると見込まれます。
(2)経営成績の分析
① 連結損益計算書
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
収益 | 46,991 | 51,940 | △4,949 | |
売上総利益 | 5,682 | 6,404 | △722 | |
販売費及び一般管理費 | △4,518 | △4,379 | △139 | |
その他の 収益・費用 | 有価証券損益 | 70 | 26 | +44 |
固定資産評価損益 | △401 | △116 | △285 | |
固定資産処分損益 | 12 | 72 | △60 | |
雑損益 | △43 | 262 | △305 | |
金融 収益・費用 | 受取利息 | 166 | 325 | △159 |
受取配当金 | 619 | 821 | △202 | |
支払利息 | △410 | △694 | +284 | |
持分法による投資損益 | 1,550 | 1,992 | △442 | |
法人所得税 | △631 | △1,130 | +499 | |
四半期利益 | 2,096 | 3,583 | △1,487 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 1,989 | 3,351 | △1,362 |
(*)四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。
収益
・収益は4兆6,991億円となり前年同期の5兆1,940億円から4,949億円の減少となりました。
売上総利益
・主にエネルギーセグメント、機械・インフラセグメント、金属資源セグメント及び生活産業セグメントで減益となった一方、次世代・機能推進セグメントで増益となりました。
販売費及び一般管理費
・主に、金属資源セグメントでは負担増加があった一方、生活産業セグメントでは負担減少がありました。
その他の収益・費用
有価証券損益:
・当期は、主に機械・インフラセグメントにおいて有価証券売却益を計上しました。
固定資産評価損益:
・当期は、主にエネルギーセグメント、機械・インフラセグメントにおいて固定資産評価損を計上した一方、次世代・機能推進セグメントで固定資産評価益を計上しました。
・前年同期は、主に生活産業セグメントにおいて固定資産評価損を計上しました。
雑損益:
・当期は、主に金属資源セグメント、機械・インフラセグメントにおいて、モザンビークにおける事業に関連する損失を計上しました。他、金属資源セグメントにおいて為替関連損益を計上した一方、化学品セグメントの北米の事業において保険金収入を計上しました。
・前年同期は、次世代・機能推進セグメントにおいて保有株式のプットオプションに関わるデリバティブ評価益を、生活産業セグメントにおいてマンション管理事業売却益をそれぞれ計上しました。
金融収益・費用
受取配当金:
・主に、エネルギーセグメントで減益となった一方、金属資源セグメントで増益となりました。
持分法による投資損益
・主に、エネルギーセグメント、生活産業セグメント、鉄鋼製品セグメント、機械・インフラセグメントで減益となった一方、金属資源セグメントで増益となりました。
法人所得税
・法人所得税は631億円の負担となり、前年同期の1,130億円から499億円負担が減少しました。当期には、エネルギーセグメントにおける米国子会社群の再編に伴い繰延税金資産を認識した結果、390億円の利益を計上しました。
・当期の実効税率は23.1%となり、前年同期の24.0%から0.9ポイント低下しました。金属資源セグメントにおいて、税効果を認識しない減損損失による実効税率の上昇があったものの、その一方でエネルギーセグメントでの繰延税金資産の認識による実効税率の押し下げがあったことから、法人所得税の負担割合が減少しました。
四半期利益(親会社の所有者に帰属)
・新型コロナウイルス感染症に伴う需要の減退や商品価格の変動による業績への影響が含まれております。これらの結果、前年同期から1,362億円減益の1,989億円となりました。
② オペレーティング・セグメント情報
オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。
なお、当期より機械・インフラセグメントの新世代電力事業をエネルギーセグメントへ移管しております。この変更に伴い、前年同期のオペレーティング・セグメント情報を修正再表示しております。
鉄鋼製品
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | △28 | 35 | △63 | |
売上総利益 | 148 | 183 | △35 | |
持分法による投資損益 | △3 | 92 | △95 | |
受取配当金 | 11 | 17 | △6 | |
販売費及び一般管理費 | △168 | △198 | +30 | |
その他 | △16 | △59 | +43 |
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、Gestamp事業会社にて自動車生産減少に因る操業率の低下、為替変動の影響及びコスト構造改革に関する一時的コストを主因に80億円の減益
金属資源
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 769 | 1,359 | △590 | |
売上総利益 | 1,675 | 1,765 | △90 | |
持分法による投資損益 | 453 | 435 | +18 | |
受取配当金 | 258 | 184 | +74 | |
販売費及び一般管理費 | △641 | △335 | △306 | |
その他 | △976 | △690 | △286 |
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 豪州石炭事業は、販売価格の下落を主因に260億円の減益
- 豪州鉄鉱石事業は、販売価格の上昇を主因に172億円の増益
・持分法による投資損益の増益の主因は以下のとおりです。
- チリの銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiは、販売数量の増加を主因に58億円の増益
- 豪州鉄鉱石事業は、販売価格の上昇を主因に37億円の増益
- 豪州石炭事業は、販売価格の下落を主因に減益
- モザンビーク共和国のナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において38億円、前年同期において51億円の減損損失をそれぞれ計上
・受取配当金は、豪州鉄鉱石事業からの受取配当金増加を主因に増益になりました。
・販売費及び一般管理費の増加の主因は以下のとおりです。
- モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において359億円、前年同期において98億円の融資に係る減損損失をそれぞれ計上
- 当期において、カセロネス銅鉱山を開発するMinera Lumina Copper Chileの持分譲渡契約を締結したことを受け、融資に係る減損損失83億円を計上
・上記のほか、以下要因がありました。
- モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において減損損失192億円を計上
- 豪州鉄鉱石事業は、為替関連損益で43億円の減益
- 豪州石炭事業は、為替関連損益で40億円の減益
エネルギー
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 267 | 961 | △694 | |
売上総利益 | 447 | 1,097 | △650 | |
持分法による投資損益 | 156 | 328 | △172 | |
受取配当金 | 199 | 470 | △271 | |
販売費及び一般管理費 | △346 | △340 | △6 | |
その他 | △189 | △594 | +405 |
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 三井石油開発は、生産量減少や原油ガス価格の下落を主因に447億円減益
- 本店営業部にてハリケーンを主因としたLNGトレーディング収益の減少
- Mitsui E&P USA は、原油ガス価格の下落を主因に51億円減益
- MEP Texas Holdingsは、原油ガス価格の下落を主因に47億円減益
- Mitsui E&P Italia Aは、コスト増加等を主因に39億円減益
- AWEは、減価償却費の減少により37億円増益
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- Mitsui E&P Mozambique Area 1は、前年同期における最終投資決断に伴う繰延税金資産計上の反動を主因に116億円減益
- Japan Australia LNG (MIMI)は、原油ガス価格の下落を主因に減益
- Mitsui & Co. LNG Investment USAは、キャメロン操業開始に伴い59億円増益
・LNGプロジェクト6案件(サハリンⅡ、カタールガス1、オマーン、アブダビ、カタールガス3及び赤道ギニア)からの受取配当金は195億円となり、前年同期から256億円の減少となりました。
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、米国エネルギー子会社群のMBK Energy Holdings USAへの移管による再編に伴い、繰延税金資産を認識した結果、390億円の利益を法人所得税に計上
- 当期において、主に原油価格の下落を反映し、Mitsui E&P Italia Aにおいてテンパロッサ事業に係る評価損321億円を計上
機械・インフラ
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 352 | 612 | △260 | |
売上総利益 | 758 | 1,003 | △245 | |
持分法による投資損益 | 733 | 762 | △29 | |
受取配当金 | 27 | 44 | △17 | |
販売費及び一般管理費 | △942 | △975 | +33 | |
その他 | △224 | △222 | △2 |
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、自動車、建機・産機事業、鉄道関連の子会社は新型コロナウイルスの影響により減益
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- ブラジルのガス配給事業は、前年同期において仲裁決着に伴う支払サービス税回収の一過性収益があった一方で、当期において過年度調整によるタリフ減、伯レアル安進行、及び新型コロナウイルスの影響による需要減の結果、50億円減益
- モザンビーク共和国のナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において9億円、前期において13億円の減損損失をそれぞれ計上
・販売費及び一般管理費の負担は減少しましたが、その一方で以下負担の増加要因がありました。
- 当期において、モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、融資に係る減損損失90億円を計上
・上記のほか、以下の要因がありました。
- 当期において、鉄道車輛リース事業会社における評価損91億円を計上
- モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における各種前提を見直した結果、当期において減損損失48億円を計上
- 当期において、北米発電事業の売却に伴い有価証券売却益を計上
化学品
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 324 | 166 | +158 | |
売上総利益 | 922 | 897 | +25 | |
持分法による投資損益 | 73 | 100 | △27 | |
受取配当金 | 22 | 25 | △3 | |
販売費及び一般管理費 | △701 | △774 | +73 | |
その他 | 8 | △82 | +90 |
・その他において以下要因がありました。
- 当期において、北米の事業における保険金収入を計上
生活産業
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | △4 | 181 | △185 | |
売上総利益 | 950 | 1,034 | △84 | |
持分法による投資損益 | 46 | 165 | △119 | |
受取配当金 | 54 | 39 | +15 | |
販売費及び一般管理費 | △971 | △1,070 | +99 | |
その他 | △83 | 13 | △96 |
・売上総利益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、緊急事態宣言及び外出規制による店舗閉鎖及び外食産業向けの業務用食材の需要減により、ファッション、食品及び流通関連の子会社において減益
- 当期において、ファッション事業を手掛けるアジア連結子会社が持分法適用会社になったことに伴い44億円減益
- 前年同期において、MBK Pharma Partnering経由で出資する創薬支援ファンドにつき、投資対象医薬品の開発中止を主因に公正価値評価損41億円を計上
・販売費及び一般管理費の減少の主因は以下のとおりです。
- 当期において、ファッション事業を手掛けるアジア連結子会社が持分法適用会社になったことに伴い44億円負担減
・持分法による投資損益の減益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、外出規制や自粛等の影響による需要減により、食品、ファッション、サービス事業関連の持分法適用会社において減益
- 当期において、IHH Healthcareにて新型コロナウイルス感染拡大に伴うメディカルツーリズムや軽症患者減少に因る稼働率の低下、印子会社の暖簾減損を主要因として46億円の減益
・上記のほか、以下要因がありました。
- 前年同期において、リクルートホールディングス株式などFVTOCIの金融資産の売却により、その他の包括利益として認識される税金費用に関連して、法人所得税の負担が125億円減少
- 前年同期において、米国にて看護師派遣事業を営むAccountable Healthcare Holdingにおける一部業績不振により、固定資産評価損58億円を計上
- 前年同期において、三井物産フォーサイトにおけるマンション管理事業売却益を計上
次世代・機能推進
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
四半期利益(親会社の所有者に帰属) | 374 | 60 | +314 | |
売上総利益 | 762 | 423 | +339 | |
持分法による投資損益 | 89 | 111 | △22 | |
受取配当金 | 37 | 29 | +8 | |
販売費及び一般管理費 | △473 | △474 | +1 | |
その他 | △41 | △29 | △12 |
・売上総利益の増益の主因は以下のとおりです。
- 当期において、米国OSIsoft株式売却契約締結に伴い、持株会社で評価益を計上
- 前年同期において、中国の医薬品開発会社Hutchison China MediTech株式の公正価値評価損31億円を計上した一方、当期において公正価値評価益56億円を計上
- Mitsui Bussan Commoditiesは、好調なエネルギートレーディングを主因に49億円の増益
- 前年同期において、メルカリ株式の公正価値評価損と売却損を計上した一方、当期において全量売却に伴う売却益を計上したことにより26億円の増益
・上記のほか、以下要因がありました。
- 当期において、土地の減損損失戻入益43億円を計上
- 前年同期において、保有株式のプットオプションに関わるデリバティブ評価益44億円を計上
(3)財政状態及びキャッシュ・フローの状況の分析
① 資産及び負債並びに資本
(単位:億円) | 2020年12月末 | 2020年3月末 | 増減 | |
総資産 | 118,417 | 118,063 | +354 | |
流動資産 | 40,120 | 41,244 | △1,124 | |
非流動資産 | 78,297 | 76,819 | +1,478 | |
流動負債 | 24,964 | 27,011 | △2,047 | |
非流動負債 | 49,644 | 50,443 | △799 | |
ネット有利子負債 | 34,251 | 34,867 | △616 | |
親会社の所有者に帰属する持分合計 | 41,359 | 38,177 | +3,182 | |
ネットDER | 0.83倍 | 0.91倍 | △0.08 |
(*)当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼んでいます。当社は「ネット有利子負債」を以下のとおり定義して算出しています。
・有利子負債は長短債務からリース負債を除外して計算。
・有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする。
資産
流動資産:
・現金及び現金同等物は802億円減少しました。
・営業債権及びその他の債権は1,009億円増加しました。
- 投融資事業に係る貸付金が短期化したことに伴い、498億円増加
- 金属セグメントにおける市況上昇、生活産業セグメントでの取扱数量増加を主因に、売掛金が446億円増加
・その他の金融資産は、エネルギーセグメント、次世代・機能推進セグメントにおけるデリバティブ取引に係る市況変動及び取扱数量減少を主因に、1,328億円減少しました。
・棚卸資産は、金属資源セグメント、次世代・機能推進セグメントにおける取扱数量増加を主因に、483億円増加しました。
非流動資産:
・持分法適用会社に対する投資は468億円減少しました。
- Mitsui & Co. Cameron LNG Investment にて、株主融資への切替に伴い259億円減少
- 為替変動の影響により227億円減少
- Japan Arctic LNGを通じたロシアArctic LNG2プロジェクトの持分公正価値評価により減少
- 当期における持分法による投資損益の見合いで1,550億円増加した一方、持分法適用会社からの受取配当金により1,558億円減少
- モザンビークLNGプロジェクトMitsui E&P Mozambique Area 1への出資により260億円増加
- ロシアArctic LNG2プロジェクトJapan Arctic LNGへの出資により増加
・その他の投資は3,234億円増加しました。
- 株価上昇を主因に、FVTOCIの金融資産の公正価値評価が3,213億円増加
・営業債権及びその他の債権は1,294億円減少しました。
- モザンビーク共和国のモアティーズ炭鉱事業、ナカラ回廊鉄道・港湾インフラ事業における融資に係る減損による669億円の減少
- 投融資事業に係る貸付金が短期化したことに伴い、498億円減少
- Mitsui & Co. Cameron LNG Investmentにて、株主融資への切替に伴い259億円の増加
・有形固定資産は78億円増加しました。
- 豪州鉄鉱石事業で691億円増加(為替変動の影響による534億円の増加を含む)
- 豪州石炭事業で257億円増加(為替変動の影響による112億円の増加を含む)
- 石油・ガス生産事業(*)で、Mitsui E&P Italia Aにおける評価損を主因に、896億円減少(為替変動の影響による136億円の減少を含む)。
(*)当期より石油・ガス生産事業に米国シェールガス・オイル事業を含めております。
・投資不動産は、次世代・機能推進セグメントにおける増加を主因に169億円増加しました。
・繰延税金資産は、米国エネルギー子会社群のMBK Energy Holdings USAへの移管による再編に伴い、繰延税金資産を390億円認識したことを主因に303億円増加しました。
負債
流動負債:
・短期債務は228億円減少しました。1年以内に返済予定の長期債務は、短期化による増加を主因に140億円増加しました。
・営業債務及びその他の債務は、営業債権及びその他の債権の増加に対応し555億円増加しました。
・その他の金融負債は、その他の金融資産の減少に対応する減少、大手町一丁目2番地区の複合開発事業に関する未払金の支払を主因に2,672億円減少しました。
非流動負債:
・長期債務(1年以内返済予定分を除く)は1,292億円減少しました。
親会社の所有者に帰属する持分合計
・利益剰余金は、134億円増加しました。
・その他の資本の構成要素は、3,023億円増加しました。
- FVTOCIの金融資産が2,491億円増加
- 米ドル安、伯レアル安の一方、対円での豪ドル高を主因に、外貨換算調整勘定が780億円増加
・自己株式の取得を460億円(従業員向け株式報酬のための取得69億円を含む)実施した一方、467億円の自己株式を消却したことを主因として、株主資本の減算項目となる自己株式は10億円減少しました。
② キャッシュ・フローの状況
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 5,025 | 3,869 | +1,156 | |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △3,085 | △2,064 | △1,021 | |
フリーキャッシュ・フロー | 1,940 | 1,805 | +135 | |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △2,823 | △1,898 | △925 | |
現金及び現金同等物の為替相場変動の影響額等 | 81 | △6 | +87 | |
現金及び現金同等物の増減 | △802 | △99 | △703 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | a | 5,025 | 3,869 | +1,156 |
営業活動に係る資産・負債の増減 | b | △356 | △1,299 | +943 |
リース負債の返済による支出 | c | △447 | △446 | △1 |
基礎営業キャッシュ・フロー | a-b+c | 4,934 | 4,722 | +212 |
・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは356億円の資金支出、リース負債の返済は447億円の資金支出となり、これらを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、4,934億円となりました。なお、当期より、営業活動からの定常的な現金創出力をより適切に反映させるため、リース負債の返済による支出額を減算しております。これに伴い、前年同期の基礎営業キャッシュ・フローを修正再表示しております。
- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は2,315億円となり、前年同期の2,145億円から170億円増加
- 減価償却費及び無形資産等償却費は2,002億円となり、前年同期の1,854億円から148億円増加
基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
(単位:億円) | 当期 | 前年同期 | 増減 |
鉄鋼製品 | 21 | 12 | +9 |
金属資源 | 2,052 | 1,702 | +350 |
エネルギー | 1,027 | 1,841 | △814 |
機械・インフラ | 645 | 599 | +46 |
化学品 | 485 | 273 | +212 |
生活産業 | 113 | 107 | +6 |
次世代・機能推進 | 401 | △9 | +410 |
その他/調整・消去 | 190 | 197 | △7 |
連結合計 | 4,934 | 4,722 | +212 |
投資活動によるキャッシュ・フロー
・持分法適用会社に対する投資の取得及び売却・回収の純額は、498億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・回収は以下のとおりです。
- モザンビークLNGプロジェクトMitsui E&P Mozambique Area 1への出資による260億円の資金支出
- ロシアArctic LNG2プロジェクトJapan Arctic LNGへの出資による資金支出
- 北米発電事業の売却に伴う資金回収
・その他の投資の取得及び売却・償還の純額は、20億円の資金支出となりました。主な取得及び売却・償還は以下のとおりです。
- サンエイ糖化株式の売却による135億円の資金回収
・有形固定資産等の取得及び売却の純額は、1,722億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 大手町一丁目2番地区の複合開発事業による368億円の資金支出
- 豪州鉄鉱石事業で304億円の資金支出
- 石油・ガス生産事業で297億円の資金支出
- 豪州石炭事業で157億円の資金支出
・投資不動産の取得及び売却の純額は、493億円の資金支出となりました。主な支出及び回収は以下のとおりです。
- 大手町一丁目2番地区の複合開発事業による373億円の資金支出
財務活動によるキャッシュ・フロー
・短期債務の増減は329億円の資金支出、長期債務の増加及び返済の純額は108億円の資金支出、リース負債の返済による支出は447億円の資金支出となりました。
・自己株式の取得による460億円(従業員向け株式報酬のための取得69億円を含む)の資金支出がありました。
・配当金支払いによる1,355億円の資金支出がありました。
(4)対処すべき課題
① 2021年3月期連結業績予想
<業績予想の前提条件> | 3Q累積実績 | 4Q予想 | 年間予想 | 2Q時年間予想 |
期中平均米ドル為替レート | 105.54 | 104.00 | 105.16 | 106.16 |
原油価格(JCC) | 38ドル | 48ドル | 41ドル | 39ドル |
期ずれを考慮した当社連結決算に反映される原油価格 | 46ドル | 45ドル | 45ドル | 44ドル |
単位:億円 | 2021年3月期 業績予想 (今回公表) | 2021年3月期 従来予想 (2020年10月公表) | 増減 | 増減要因 |
売上総利益 | 7,500 | 6,900 | + 600 | 鉄鉱石価格堅調、 トレーディング堅調 |
販売費及び一般管理費 | △6,000 | △6,200 | + 200 | 経費減 |
有価証券・固定資産関係損益等 | △350 | 0 | △350 | 減損損失 |
利息収支 | △300 | △300 | - | |
受取配当金 | 900 | 700 | + 200 | 鉄鉱石事業配当 |
持分法による投資損益 | 2,000 | 1,700 | + 300 | 鉄鉱石価格堅調、事業環境改善 |
法人所得税前利益 | 3,750 | 2,800 | + 950 | |
法人所得税 | △950 | △850 | △100 | |
非支配持分 | △100 | △150 | + 50 | |
当期利益 (親会社の所有者に帰属) | 2,700 | 1,800 | + 900 | |
減価償却費・無形資産等償却費 | 3,000 | 3,000 | - | |
基礎営業キャッシュ・フロー | 6,000 | 4,800 | + 1,200 |
・2020年10月に公表しました2021年3月期業績予想においては、当期利益(親会社の所有者に帰属)を1,800億円に据え置いておりました。多くの国で新型コロナウイルスの感染が再拡大するなど懸念すべき要因はありますが、堅調な一部商品の市況動向や、事業環境の変化を踏まえ最新業績予想においては2,700億円に上方修正致しました。また、基礎営業キャッシュ・フローについても同様に4,800億円から6,000億円へ、1,200億円上方修正致しました。
・為替レートは第3四半期連結累計期間の105.54円/米ドル、74.75円/豪ドル及び19.55円/伯レアルに対し、第4四半期はそれぞれ104.00円/米ドル、76.00円/豪ドル及び19.00円/伯レアルを想定しています。また、第4四半期の原油価格(JCC)を48米ドル/バレルと仮定し、期ずれを考慮した当社の通期業績予想に適用される原油価格の平均を45米ドル/バレル(従来予想比1米ドル/バレル上昇)と想定しています。
オペレーティング・セグメント別での業績予想(当期利益(親会社の所有者に帰属))は以下のとおりです。
(単位:億円) | 2021年3月期 業績予想 (今回公表) | 2021年3月期 従来予想 (2020年10月公表) | 増減 | 増減要因 |
鉄鋼製品 | 0 | △50 | + 50 | 鋼材市況の回復 |
金属資源 | 1,550 | 1,200 | + 350 | 鉄鉱石価格堅調、受取配当金増 |
エネルギー | 200 | 0 | + 200 | 原油・ガス価格堅調、 ハリケーン影響改善 |
機械・インフラ | 350 | 350 | - | |
化学品 | 400 | 250 | + 150 | 市況・トレーディング堅調 |
生活産業 | 0 | △100 | + 100 | トレーディング好調、病院事業の収益回復 |
次世代・機能推進 | 400 | 350 | + 50 | FVTPL益、コモディティ取引好調 |
その他/調整・消去 | △200 | △200 | - | |
連結合計 | 2,700 | 1,800 | + 900 |
オペレーティング・セグメント別での基礎営業キャッシュ・フロー予想は以下のとおりです。
(単位:億円) | 2021年3月期 業績予想 (今回公表) | 2021年3月期 従来予想 (2020年10月公表) | 増減 | 増減要因 |
鉄鋼製品 | 0 | 0 | - | |
金属資源 | 2,850 | 2,300 | + 550 | 鉄鉱石価格堅調、受取配当金増 |
エネルギー | 1,100 | 1,000 | + 100 | 原油・ガス価格堅調、 ハリケーン影響改善 |
機械・インフラ | 650 | 600 | + 50 | 自動車関連事業復調 |
化学品 | 650 | 450 | + 200 | トレーディング堅調 |
生活産業 | 150 | 50 | + 100 | トレーディング堅調 |
次世代・機能推進 | 450 | 350 | + 100 | FVTPL益、コモディティ取引好調 |
その他/調整・消去 | 150 | 50 | + 100 | 経費減 |
連結合計 | 6,000 | 4,800 | + 1,200 |
② 2021年3月期連結業績予想における前提条件
2021年3月期連結業績予想における商品市況及び為替の前提と価格及び為替変動による当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額は以下のとおりです。
価格・為替変動による2021年3月期 当期利益(親会社の所有者に帰属)への影響額 (2020年5月公表) | 従来予想 (2020年10月公表) | 2021年3月期 | 業績予想 (3Q累計・ 4Q平均値) (今回公表) | ||||||
3Q累計 (実績) | 4Q予想 (前提) | ||||||||
市 況 商 品 | 原油/JCC | - | 39 | → | 38 | 48 | → | 41 | |
連結油価(*1) | 32億円(US$1/バレル) | 44 | 46 | 45 | 45 | ||||
米国ガス(*2) | 9億円(US$0.1/mmBtu) | 2.06 | 1.92(*3) | 2.76(*4) | 2.13 | ||||
鉄鉱石(*5) | 22億円(US$1/トン) | (*6) | 115(*7) | (*6) | (*6) | ||||
石炭 | 原料炭 | 4億円(US$1/トン) | (*6) | 121(*8) | (*6) | (*6) | |||
一般炭 | 1億円(US$1/トン) | (*6) | 69(*8) | (*6) | (*6) | ||||
銅(*9) | 7億円(US$100/トン) | 5,965 | 5,834(*10) | 7,174(*10) | 6,169 | ||||
為 替 (*11) | 米ドル | 13億円(\1/米ドル) | 106.16 | 105.54 | 104.00 | 105.16 | |||
豪ドル | 16億円(\1/豪ドル) | 74.95 | 74.75 | 76.00 | 75.06 | ||||
伯レアル | 3億円(\1/伯レアル) | 19.37 | 19.55 | 19.00 | 19.41 |
(*1) 原油価格は0~6ヶ月遅れで当社連結業績に反映されるため、この期ずれを考慮した連結業績に反映される原油価格を連結油価として推計している。21/3期には約30%が4~6ヵ月遅れで、約50%が1~3ヵ月遅れで、約20%が遅れ無しで反映されると想定される。上記感応度は連結油価に対する年間インパクトで、原油価格に連動する部分を示す。
(*2) 当社が米国で取り扱う天然ガスはその多くがHenry Hub(HH)に連動しない為、上記感応度はHH価格の変動に対するものではなく、加重平均ガス販売価格に対するインパクト。
(*3) 米国ガスの21/3期3Q累計実績欄には、2020年1月~9月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。
(*4) 21/3期4Q予想前提欄には、2020年10~12月のNYMEXにて取引されるHenry Hub Natural Gas Futuresの直近限月終値のdaily平均値を記載。
(*5) Valeからの受取配当金に対する影響は含まない。
(*6) 鉄鉱石・石炭の前提価格は非開示。
(*7) 鉄鉱石の21/3期3Q累計実績欄には、2020年4月~12月の複数業界紙によるスポット価格指標Fe 62% CFR North Chinaのdaily平均値(参考値)を記載。
(*8) 石炭の21/3期3Q累計実績欄には、対日代表銘柄石炭価格(US$/MT)の四半期価格の平均値を記載。
(*9) 銅価格は3ヶ月遅れで当社連結業績に反映される為、上記感応度は2020年3月~12月のLME cash settlement price平均価格がUS$100/トン変動した場合に対するインパクト。
(*10) 銅の21/3期3Q累計実績欄には、2020年1月~9月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。また21/3期4Q予想前提欄には、2020年10~12月のLME cash settlement priceのmonthly averageの平均値を記載。
(*11) 上記感応度は、各国所在の関係会社が報告する機能通貨建て当期利益に対するインパクト。円安は機能通貨建て当期利益の円貨換算を通じて増益要因となる。金属資源・エネルギー生産事業における販売契約上の通貨である米ドルと機能通貨の豪ドル・伯レアルの為替変動、及び為替ヘッジによる影響を含まない。
③ 利益配分に関する基本方針
当社の利益配分に関する基本方針は以下のとおりです:
・ 企業価値向上・株主価値極大化を図るべく、内部留保を通じて重点分野・成長分野での資金需要に対応する一方で、業績の一部について配当を通じて株主に直接還元していくことを基本方針とする
・ 上記に加え、資本効率向上等を目的とする自己株式取得につき、引続き投資需要の将来動向、フリーキャッシュ・フロー水準、有利子負債及び株主資本利益率等、経営を取り巻く諸環境を勘案し、その金額、時期も含め都度機動的に決定する
中期経営計画では、安定性・継続性を重視し、安定的に創出可能と判断した基礎営業キャッシュ・フローの水準に基づき、80円を一株当たり年間配当額の下限と設定すると共に、業績の向上を通じた配当金額の継続的増加を目指します。
また、中期経営計画期間中の業績に応じて、成長投資や追加株主還元(追加配当・自己株式取得)への柔軟且つ機動的な資金配分を実行します。
2021年3月期の年間配当金額に関しては、連結業績における基礎営業キャッシュ・フロー及び当期利益(親会社の所有者に所属)並びに配当金額の安定性・継続性を総合的に勘案し、1株あたり80円(前期比増減なし、中間配当40円含む)とすることを予定しています。
(5)重要な会計方針及び見積り
当社及び連結子会社の財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目の詳細は、「要約四半期連結財務諸表注記事項 2.要約四半期連結財務諸表の基本事項 (2)見積り及び判断の利用」を参照ください。
(6)研究開発活動
特に記載すべき事項はありません。