有価証券報告書-第78期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

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2020/06/26 15:00
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(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の不透明感から輸出に弱さが見られたものの、好調な企業収益を背景に、雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調を維持しておりました。しかしながら、長引く米中通商問題や英国のEU離脱問題による海外経済の不確実性に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、国内経済は急速に悪化しており、政府は3月の月例経済報告で2013年7月から維持してきた景気回復判断を6年9か月ぶりに撤回いたしました。
日経平均株価は、4月に米中通商問題が打開されるとの見方が広まり、22,000円を超えて上昇したものの、その後は上値の重い展開となり、20,000円~21,000円台で一進一退の値動きとなりました。10月に入り、米中閣僚級会議において、農作物や為替政策等の特定分野で合意がなされたことが好感され、半年ぶりに22,000円台まで回復すると、12月には一部制裁関税緩和合意により米国株が史上最高値圏で推移した影響を受け、日経平均株価は24,000円を超えて上昇し、年初来高値を更新しました。しかし、2月に入り新型コロナウイルス感染症の急速な蔓延により世界経済の悪化懸念が広がると、株価は急落し、週間としてはリーマン・ショック直後の2008年10月以来となる、2,243円の下げ幅を記録しました。その後も株式市場では動揺が収まらず、特に米国株式市場ではダウ工業株30種平均が過去最大の下落幅を記録したほか、日経平均株価も連日、取引時間中の下げ幅が1,000円近くまで広がる事態となり、3月には約3年4か月ぶりの低水準となる16,552円まで下落すると、その後は日銀の追加緩和政策により19,000円台まで回復したものの、不安定な値動きが続く展開となりました。
2020年3月末の日経平均株価は18,917円となり、2019年3月末と比較して10.8%下落して取引を終えております。
このような環境下でありますが、当社におきましては、「顧客中心主義」に基づいた魅力ある商品・サービス・手数料体系の提供に努めた結果、当連結会計年度には494,106口座の新規口座を獲得し、2020年3月末の総合口座数は5,124,782口座、信用取引口座数は656,301口座となっております。また、預り資産は11兆868億円となっております。
業績に関しましては、信用取引の減少により、当連結会計年度の「金融収益」は35,946百万円(前年同期比14.8%減)となったものの、株式・債券を中心としたトレーディング収益の増加等により、「トレーディング損益」は35,431百万円(同28.1%増)となり、株式委託売買代金の増加により「委託手数料」は31,851百万円(同4.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、営業収益124,466百万円(前年同期比1.6%増)、純営業収益113,418百万円(同0.9%減)、営業利益42,126百万円(同23.9%減)、経常利益42,622百万円(同23.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益27,976百万円(同26.1%減)となっております。
当連結会計年度の主な取り組みは以下のとおりであります。
・テーマ投資「テーマキラー!」5万円コースの導入を記念して、テーマキラー!にかかる株式買付手数料を全額キャッシュバックするキャンペーンを実施(2019年4月)
・株式会社三重銀行との共同店舗の運営を開始(2019年4月)
・株式会社島根銀行との金融商品仲介業サービスを開始(2019年4月)
・投資信託の積立専用のスマートフォン向け新アプリ「かんたん積立 アプリ」の提供を開始(2019年4月)
・株式会社東和銀行との共同店舗の運営を開始(2019年4月)
・iDeCo(個人型確定拠出年金)利用者サイトのスマートフォン対応を開始(2019年5月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて、ブラジルレアル/円、ロシアルーブル/円のスプレッドを縮小(2019年5月)
・国内株式取引における一般信用取引(無期限)の買方金利を2.80%、貸株料を1.10%へ引き下げ(2019年6月)
・つみたてNISAまたはiDeCoの口座開設で国内株式、投資信託(当社指定対象商品)の買付手数料を全額キャッシュバックするキャンペーンを実施(2019年6月)
・碧海信用金庫との金融商品仲介業サービスを開始(2019年6月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて、5通貨ペア(トルコリラ/円、南アランド/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円)のスプレッドを縮小するキャンペーンを実施(2019年6月)
・東京東信用金庫との金融商品仲介業サービスを開始(2019年6月)
・新ポイントサービスとしてTポイントプログラムを導入(2019年7月)
・米国株式の最低取引手数料を無料化(2019年7月)
・米国株式の移管入庫時にかかる出庫手数料を当社で負担し実質0円とするキャンペーンを実施(2019年7月)
・株式会社清水銀行との入金サービス「清水銀行 リアルタイム入金」の提供を開始(2019年7月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて、7通貨ペア(米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円、トルコリラ/円、南アランド/円、メキシコペソ/円)のスプレッドを縮小するキャンペーンを実施(2019年8月)
・株式会社四国銀行との金融商品仲介業サービスを開始(2019年8月)
・HDI-Japan「問合せ窓口格付け」及び「Webサポート格付け」における「三つ星」を獲得(2019年8月)
・日経225先物、ミニ日経225先物手数料の引き下げを実施(2019年8月)
・株式会社愛媛銀行との入金サービス「愛媛銀行 リアルタイム入金」の提供を開始(2019年8月)
・株式会社東和銀行との入金サービス「東和銀行 リアルタイム入金」の提供を開始(2019年8月)
・SBIジャパンネクスト証券株式会社の運営する「ジャパンネクストPTS」で信用取引を開始(2019年8月)
・株式会社京葉銀行との共同店舗の運営を開始(2019年9月)
・テーマ投資「テーマキラー!」にかかる株式買付手数料を全額キャッシュバックするキャンペーンを実施(2019年9月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて、7通貨ペア(米ドル/円、メキシコペソ/円、カナダドル/円、シンガポールドル/円、ノルウェークローネ/円、スウェーデンクローナ/円、ポーランドズロチ/円)のスプレッドを縮小するキャンペーンを実施(2019年9月)
・バンガードとの共同ブランドファンド「SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンド」の募集を開始(2019年9月)
・株式会社秋田銀行と市場誘導業務に関する業務提携を開始(2019年9月)
・テーマ投資「テーマキラー!」の買付手数料をキャッシュバックするキャンペーンを実施(2019年9月)
・「コンタクトセンター・アワード2019」において「オペレーション部門賞」を受賞(2019年9月)
・iDeCo(個人型確定拠出年金)の口座数が30万口座を突破(2019年9月)
・株式会社島根銀行とM&A業務に関する提携を開始(2019年9月)
・一般信用(無期限)の取引手数料を全額キャッシュバックするキャンペーンを実施(2019年10月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて、11通貨ペア(米ドル/円、ユーロ/円、ポンド/円、豪ドル/円、NZドル/円、南アランド/円、トルコリラ/円、カナダドル/円、メキシコペソ/円、ポンド/米ドル、豪ドル/米ドル)の基準スプレッドを縮小(2019年10月)
・証券会社5社と共同で日本STO協会を設立(2019年10月)
・子会社SBI Securities (Singapore) Pte. Ltd.が証券免許を取得(2019年10月)
・総額100万円が1,040名の方に当たる「はじめよう投信積立キャンペーン!」を実施(2019年10月)
・証券投資の日(10月4日)に投資信託の買付手数料を実質無料(全額キャッシュバック)とするキャンペーンを実施(2019年10月)
・米国株式取引にて、「逆指値注文(指値/成行)」を追加し、期間指定注文最大日を15現地営業日先から90現地営業日先まで延長(2019年10月)
・証券総合口座開設と所定の条件達成で、もれなく現金777円をプレゼントするキャンペーンを実施(2019年10月)
・株式会社きらやか銀行との共同店舗の運営を開始(2019年10月)
・iDeCo(個人型確定拠出年金)専用ダイヤルの営業日を日曜日にも拡大(2019年10月)
・最大Tポイント15,000ポイントをプレゼントする「SBI証券のポイント投資ご紹介キャンペーン」を実施(2019年11月)
・ベトナム株式取引において、対象となる取引の取引手数料の半額をキャッシュバックするキャンペーンを実施(2019年11月)
・米ドル/円の基準スプレッドを0.3銭から0.2銭へ縮小(2019年11月)
・株式会社四国銀行との入金サービス「四国銀行 リアルタイム入金」の提供を開始(2019年11月)
・投資信託の積立設定金額が150億円を突破(2019年11月)
・「ふるさとチョイス」との連携を開始(2019年11月)
・「第23回企業電話応対コンテスト」において「理事長賞」を受賞し、「ゴールドランク企業」として認定(2019年11月)
・「MINKABU PRESSニュース」の配信を開始(2019年11月)
・資金移動業の登録完了(2019年12月)
・『「米国株」年末Wキャンペーン!』として、米国株式・米国ETFを合計50万円以上買付された方全員にAmazonギフト券400円分をプレゼントし、さらに抽選で50名の方に追加でAmazonギフト券10,000円分をプレゼントするキャンペーンを実施(2019年12月)
・「ユーロ/円、ポンド/円のスプレッド縮小キャンペーン」を実施(2019年12月)
・株式会社島根銀行との共同店舗の運営を開始(2019年12月)
・全ての投資信託の販売手数料、ETF・REIT等の信用取引の取引手数料及び夜間PTS取引の手数料を無料化(2019年12月)
・現物・信用取引ともに、株式委託手数料(アクティブプラン)の1日の約定代金合計額「10万円まで無料」を「50万円まで無料」へ拡大(2019年12月)
・「つみたてNISA スタートダッシュキャンペーン!」として、つみたてNISA口座での投信積立の新規または増額設定による合計約定金額が各条件を満たした方に、抽選で現金をプレゼントするキャンペーンを実施(2020年1月)
・米国ETF(9銘柄)の買付手数料を無料化(2020年1月)
・「2020年 オリコン顧客満足度ランキング ネット証券」において総合1位を獲得(2020年1月)
・当社が協賛する企業IR番組「~攻めのIR~ Market Breakthrough」(日経CNBC放送)の放送を開始(2020年1月)
・ロボアドバイザー「WealthNavi for SBI証券」残高500億円を達成(2020年1月)
・国内ETF(104銘柄)の取引手数料を無料化(2020年1月)
・米国株式・ETF定期買付サービスを利用した「iシェアーズETF」の買付にかかる手数料をキャッシュバックするキャンペーンを実施(2020年1月)
・「WealthNavi for SBI証券」において資金移動サービスを開始し、サービス開始を記念してアンケートの回答者のうち、抽選で20名の方にWealthNavi株式会社CEO 柴山氏の著書をプレゼントするキャンペーンを実施(2020年1月)
・株式会社福島銀行との共同店舗の運営を開始(2020年1月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて、ユーロ/円、ポンド/円の基準スプレッドを縮小(2020年1月)
・海外ETFに関するアンケートへの回答で、Amazonギフト券1,000円分が200名の方に当たるキャンペーンを実施(2020年1月)
・日計り信用の取引手数料を無料化、買方金利・貸株料の1.80%への引き下げを実施 (約定金額100万円以上の場合は0%)(2020年1月)
・米国株式の取扱い銘柄に1,000銘柄を追加し、ETF・ADRを含む全3,300銘柄の取扱いを開始(2020年1月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて、豪ドル/円、NZドル/円のスプレッドを縮小するキャンペーンを実施(2020年1月)
・AI(人工知能)を用いた売買審査業務を開始(2020年1月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて、指定数量以上の新規取引をした方に、新規取引の合計数量に応じて最大39,000円をキャッシュバックするキャンペーンを実施(2020年2月)
・外国株式取引の口座数200万口座達成を記念して、総額200万円相当のプレゼントが当たるキャンペーンを実施(2020年2月)
・株式会社島根銀行の投資信託・債券の取扱いにかかる事業の譲り受けに関する契約を締結(2020年2月)
・ETFに関するアンケートの回答および「MAXIS」シリーズ(21銘柄)の取引をされた方のうち、先着16,650名の方に期間固定Tポイント200ポイントをプレゼントするキャンペーンを実施(2020年2月)
・証券総合口座数が500万口座を達成(2020年2月)
・投資信託専用のスマートフォンサイトの提供を開始(2020年2月)
・株式会社清水銀行との2店舗目となる共同店舗の運営を開始(2020年3月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて、豪ドル/円、NZドル/円の基準スプレッドを縮小(2020年3月)
・CFDを初めて取引された方を対象に、対象期間中の取引枚数に応じて手数料を最大10,000円キャッシュバックするキャンペーンを実施(2020年3月)
・AI(OCR・顔認証)および銀行APIの活用によるオンライン完結の口座開設(eKYC)を開始(2020年3月)
・投資信託の積立設定金額が200億円を突破(2020年3月)
・SBI FXα(外国為替保証金取引)にて新規取引をされた方を対象に、新規取引の合計数量に応じて、GW期間中(4/27~5/7)のCFDの取引手数料を最大50枚分(7,800円相当)キャッシュバックするキャンペーンを実施(2020年3月)
・株式会社福島銀行との入金サービス「福島銀行 リアルタイム入金」提供開始(2020年3月)
・スマートフォンアプリ「SBI証券 株」アプリをバージョンアップし、新機能「スピード注文」の追加、歩み値の表示、プッシュ通知機能および銘柄検索機能の拡充を実施(2020年3月)
・当社WEBサイトでのYahoo! JAPAN IDを利用したログイン対応を開始し、ID連携開始を記念してTポイント総額150万円相当が当たるキャンペーンを実施(2020年3月)
また、業績の概要は以下のとおりであります。
(受入手数料)
当連結会計年度は53,028百万円(前年同期比0.8%増)を計上しておりますが、その内訳は以下のとおりであります。
・委託手数料
主にインターネットによる株式取引により31,851百万円(同4.1%増)を計上しております。
・引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
株式及び債券の引受け等により2,019百万円(同40.4%減)を計上しております。
・募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
主に投資信託の販売により2,044百万円(同62.6%減)を計上しております。
・その他の受入手数料
投資信託の代行手数料等により17,111百万円(同29.9%増)を計上しております。
(トレーディング損益)
FX取引に係るスプレッド及び債券の販売等により35,431百万円(前年同期比28.1%増)を計上しております。(金融収支)
信用取引等の減少により「金融収益」は35,946百万円(前年同期比14.8%減)、「金融費用」は7,279百万円(同28.3%増)となりました。その結果、金融収支は28,667百万円(同21.5%減)となっております。
(販売費及び一般管理費)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は71,292百万円(前年同期比20.7%増)となりました。これは、広告宣伝費の増加により「取引関係費」が17,011百万円(同41.4%増)となったこと及び従業員数の増加により「人件費」が18,117百万円(同11.1%増)となったこと等によるものであります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、603,177百万円となり、前連結会計年度末の525,671百万円から77,506百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは122,563百万円の収入(前年同期は17,961百万円の支出)となりました。これは主に、「有価証券担保貸付金及び有価証券担保借入金の増減額」が160,892百万円の減少となった一方で「預り金の増減額」が180,297百万円及び「信用取引資産及び信用取引負債の増減額」が136,192百万円の増加となったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは48,635百万円の支出(前年同期は33,954百万円の支出)となりました。これは主に、「貸付金の回収による収入」が193,021百万円となった一方で、「貸付けによる支出」が222,157百万円及び「定期預金の預入による支出」が10,290百万円となったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは5,101百万円の収入(前年同期は325,906百万円の収入)となりました。これは主に、「社債の発行による収入」が57,217百万円となった一方で、「社債の償還による支出」が31,526百万円及び「短期借入金の純増減額」が19,900百万円の減少となったこと等によるものであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の不透明感から輸出に弱さが見られたものの、好調な企業収益を背景に、雇用・所得環境の改善が続き、景気は緩やかな回復基調を維持しておりました。しかしながら、長引く米中通商問題や英国のEU離脱問題による海外経済の不確実性に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な蔓延により、国内経済は急速に悪化しており、政府は3月の月例経済報告で2013年7月から維持してきた景気回復判断を6年9か月ぶりに撤回いたしました。
日経平均株価は、4月に米中通商問題が打開されるとの見方が広まり、22,000円を超えて上昇したものの、その後は上値の重い展開となり、20,000円~21,000円台で一進一退の値動きとなりました。10月に入り、米中閣僚級会議において、農作物や為替政策等の特定分野で合意がなされたことが好感され、半年ぶりに22,000円台まで回復すると、12月には一部制裁関税緩和合意により米国株が史上最高値圏で推移した影響を受け、日経平均株価は24,000円を超えて上昇し、年初来高値を更新しました。しかし、2月に入り新型コロナウイルス感染症の急速な蔓延により世界経済の悪化懸念が広がると、株価は急落し、週間としてはリーマン・ショック直後の2008年10月以来となる、2,243円の下げ幅を記録しました。その後も株式市場では動揺が収まらず、特に米国株式市場ではダウ工業株30種平均が過去最大の下落幅を記録したほか、日経平均株価も連日、取引時間中の下げ幅が1,000円近くまで広がる事態となり、3月には約3年4か月ぶりの低水準となる16,552円まで下落すると、その後は日銀の追加緩和政策により19,000円台まで回復したものの、不安定な値動きが続く展開となりました。
2020年3月末の日経平均株価は18,917円となり、2019年3月末と比較して10.8%下落して取引を終えております。
このような環境下でありますが、当社におきましては、「顧客中心主義」に基づいた魅力ある商品・サービス・手数料体系の提供に努めた結果、当連結会計年度には494,106口座の新規口座を獲得し、2020年3月末の総合口座数は5,124,782口座、信用取引口座数は656,301口座となっております。また、預り資産は11兆868億円となっております。
業績に関しましては、信用取引の減少により、当連結会計年度の「金融収益」は35,946百万円(前年同期比14.8%減)となったものの、株式・債券を中心としたトレーディング収益の増加等により、「トレーディング損益」は35,431百万円(同28.1%増)となり、株式委託売買代金の増加により「委託手数料」は31,851百万円(同4.1%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、営業収益124,466百万円(前年同期比1.6%増)、純営業収益113,418百万円(同0.9%減)、営業利益42,126百万円(同23.9%減)、経常利益42,622百万円(同23.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益27,976百万円(同26.1%減)となっております。
なお、詳細は、「(1) 経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
当社の総合口座数、信用取引口座数及び預り資産の最近5連結会計年度の推移は、以下のとおりとなっております。
第74期第75期第76期第77期第78期
(2016年3月期)(2017年3月期)(2018年3月期)(2019年3月期)(2020年3月期)
総合口座数3,563,881口座3,839,883口座4,261,410口座4,630,676口座5,124,782口座
信用取引口座数409,473口座462,555口座527,102口座592,312口座656,301口座
預り資産8,313,373百万円9,388,246百万円11,425,775百万円11,412,816百万円11,086,890百万円

(注)総合口座数、信用取引口座数及び預り資産は、㈱SBI証券単体の数値であります。
当社グループの経営成績は、株式市場の売買高・売買代金等の動向に強い影響を受けます。当社グループでは、取引発注システムの充実、取扱商品の拡充、取引形態の拡大、投資情報の充実等により、委託業務を拡大していく方針であります。
しかし、その一方で、株式委託手数料に依存する収益体質を改善する目的で、引受・募集業務にも注力しております。また、米国株取引等の外国株式取引、外国為替保証金取引やCFD取引等の導入により、国内株式以外の取扱商品を増やすなど、収益源の多様化を図っております。なお、当社における新規公開株式引受件数の推移は、以下のとおりとなっております。
第74期第75期第76期第77期第78期
(2016年3月期)(2017年3月期)(2018年3月期)(2019年3月期)(2020年3月期)
引受件数82件77件75件90件86件

(注)1.上場日ベースで集計しております。また、委託販売のみの件数は除いております。
2.㈱SBI証券単体の数値であります。
2020年初頭から、全世界的に新型コロナウィルス感染拡大がみられ、特に2月以降の当社の業務には影響が及びました。
当社は金融商品取引業の社会的責任に鑑み、感染拡大により外出・出勤を控え、テレワークを活用するなどの取組みが推進されている中でも、業務運営体制の工夫とリモートオフィス、リモートアクセス環境の活用により、業務範囲・業務量について平時の水準を維持して運営してまいりました。
2020年3月は、市場変動が取引を活性化させるプラスの効果を生み、また、外出自粛を機会にインターネットによる個人顧客の取引が伸長したことなどから、インターネットのリテールチャネル(特に信用取引・外国為替証拠金取引等)を中心に取引量、収益等が最高水準に達しました。ホールセール・自己勘定でのトレーディング業務においても、取引が活況となり、むしろ当社の経営成績・財政状態にはプラスの効果をもたらして期末を迎えました。
一方で、対面にてサービス提供を行う投資銀行業務やM&A・財務アドバイザリー業務などにおいては、顧客企業との面談が制約を受けるなどで、案件の進捗に影響がありました。
4月以降の翌期の状況は未だ不透明ですが、当社の事業が直接重大な影響を受けていないことから、新年度の事業戦略に則って積極的に業務を運営してまいります。むしろ、今般のコロナウィルス感染拡大は、デジタルトランスフォーメーションの急激な推進要素となったものと考えられます。当社は従来より、インターネット取引を主たるチャネルとしていることからも、よりリテール顧客の裾野が広がっていくものと考え、決済手段などのSBIグループの関連サービスとのシナジーを追及しつつ事業の成長を図っていきます。
なお、当社グループの事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一のセグメントに属しているため、セグメント別の記載を省略しております。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1) 経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
当社グループの事業活動における主な資金需要としては、信用取引に係る一般顧客への貸付資金等がございます。この資金需要に対して、市場環境や長短のバランスを考慮し、短期金融市場における取引や金融機関及び証券金融会社からの借入による間接金融、社債による直接金融並びに有価証券貸借取引等により資金を調達しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。具体的には、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(1976年大蔵省令第28号)並びに同規則第46条及び第68条の規定に基づき、「金融商品取引業等に関する内閣府令」(2007年内閣府令第52号)及び「有価証券関連業経理の統一に関する規則」(1974年11月14日付日本証券業協会自主規制規則)に準拠して作成しております。
この連結財務諸表の作成にあたりまして、特に以下の重要な事項が、当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、2020年初頭から、全世界的に新型コロナウィルス感染拡大がみられましたが、市場変動が取引を活性化させるプラスの効果を生み、また、外出自粛を機会にインターネットによる個人顧客の取引が伸長したことなどから、インターネットのリテールチャネル(特に信用取引・外国為替証拠金取引等)を中心に取引量、収益等が最高水準に達しました。ホールセール・自己勘定でのトレーディング業務においても、取引が活況となり、むしろ当社の経営成績・財政状態にはプラスの効果をもたらして期末を迎えました。4月以降の翌期の状況は未だ不透明ですが、当社の事業が直接重大な影響を受けていないことから、当社の連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については変更しておりません。
a.無形固定資産(リース資産を除く)の減価償却の方法
ソフトウエア(自社利用分)については、社内における利用可能期間(5年)に基づく定額法により償却額を計算しております。しかしながら、今後、顧客満足度・信頼性の維持・向上のため、あるいは、インターネットツールの性能向上に対応するため、より早い段階で既存ソフトウエアのリプレイスの必要性が高まる可能性があります。この場合、耐用年数の短縮若しくは減損処理が必要となる可能性があります。
b.貸倒引当金
債権の貸倒による損失に備えるため、貸倒引当金を計上しております。しかしながら、当該債権の債務者の財政状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
c.金融商品取引責任準備金
証券事故による損失に備えるため、金融商品取引責任準備金を計上しております。しかしながら、当該計上額を超える規模の証券事故が発生した場合、追加の費用計上が必要となる可能性があります。
d.繰延税金資産
繰延税金資産の計上にあたりましては、将来の課税所得の発生見込みを充分に検討しておりますが、繰延税金資産の全部又は一部を将来回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産の調整額を費用として計上することになる可能性があります。

IRBANK 採用情報

フルスタックエンジニア

  • 10年以上蓄積したファイナンスデータとAIを掛け合わせて、投資の意思決定を加速させるポジションです。
  • UI からデータベースまで一貫して関われるポジションです。

プロダクトMLエンジニア

  • MLとLLMを掛け合わせ、分析から予測までをスピーディかつ正確な投資体験に落とし込むポジションです。

AI Agent エンジニア

  • 開示資料・決算・企業データを横断し、投資家の意思決定を支援するAI Agent機能を設計・実装するポジションです。
  • RAG・検索・ランキングを含む情報取得/推論パイプラインの設計から運用まで一気通貫で担います。

UI/UXデザイナー

  • IRBANK初の一人目デザイナーとして、複雑な金融情報を美しく直感的に届ける体験をつくるポジションです。

Webメディアディレクター

  • 月間500万PVを超える、大規模DBサイトを運営できます。
  • これから勢いよく伸びるであろうサービスの根幹部分を支えるポジションです。

クラウドインフラ & セキュリティエンジニア

  • Google Cloud 上でマイクロサービス基盤の信頼性・可用性・セキュリティを担うポジションです。
  • 大規模金融データを安全かつ高速に処理するインフラを設計・構築できます。

学生インターン

  • 月間500万PVを超える日本最大級のIRデータプラットフォームの運営に携わり、金融・データ・プロダクトの現場を学生のうちから体験できます。

マーケティングマネージャー

  • IRBANKのブランドと文化の構築。
  • 百万人の現IRBANKユーザーとまだIRBANKを知らない数千万人に対してマーケティングをしてみたい方。