有価証券報告書-第80期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
業績等の概要
(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、消費税増税前の駆け込みによる設備投資・個人消費の上振れが見られましたが、増税以降は駆け込み需要の反動減や大型台風などの影響を受け、企業収益は下振れに転じました。さらに、年明け以降の新型コロナウイルス感染拡大はパンデミック(世界的大流行)となり、これに伴う世界経済・日本経済への破壊的な打撃は、予想できない状況にあります。
当不動産業界におきましても、ビル賃貸市場は、都心部において空室率は低水準で推移し、賃料も上昇が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響によるテナントへの対応も含め急激な悪化も視野に入れざるを得ない状況となってきております。
マンション分譲市場につきましては、首都圏における新規供給戸数が前年度より減少いたしました。平均価格は若干上昇し、特に都心部では依然として高水準の価格で推移しております。しかしながら、「新築マンションの初月契約率」は好不調の目安とされる70%を4年連続で割り込むなど販売の低調さが目立ってきており、さらに今後新型コロナウイルス感染症による販売への影響が出てくる可能性が大きくなっております。
このような厳しい事業環境の下、当社グループは、短期的な成果に拘らず「緩やかながら着実に成長」を目標に、東京と埼玉を主要な営業地盤として、ビル賃貸事業、月極および時間貸駐車場事業、マンション分譲等の住宅事業、不動産の仲介を中心とした不動産営業事業、有料老人ホーム事業を展開しております。
ビル賃貸事業、駐車場事業および住宅事業につきましては、事業基盤の拡大のため慎重ながらも積極的な姿勢をもって事業用資産の取得を行っております。
この結果、当連結会計年度の営業収益は21,995百万円(前連結会計年度31,902百万円、前連結会計年度比31.1%減)、経常利益は4,288百万円(前連結会計年度4,240百万円、前連結会計年度比1.1%増)を計上いたしました。また、投資有価証券評価損等の特別損失382百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,655百万円(前連結会計年度2,844百万円、前連結会計年度比6.6%減)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
① ビル賃貸事業
ビル賃貸事業につきましては、不動産ファンド投資の大口配当等もあり営業収益は11,125百万円(前連結会計年度比1,271百万円増)となり、営業利益は5,405百万円(前連結会計年度比1,570百万円増)となりました。
② 駐車場事業
駐車場事業につきましては、積極的な駐車場開設による収容台数の増加や料金設定等の見直しによる既存駐車場の収益改善に注力するとともに、キャッシュレス決済サービスの拡充による利便性の向上および駅前時間貸駐輪場の取得等の多様化を図った結果、営業収益は3,106百万円(前連結会計年度比33百万円増)となり、営業利益は693百万円(前連結会計年度比28百万円減)となりました。
③ 住宅事業
住宅事業につきましては、首都圏の中規模物件を中心に竣工引渡しが行われた結果、営業収益は5,434百万円(前連結会計年度比11,236百万円減)となり、営業利益は296百万円(前連結会計年度比1,406百万円減)となりました。
④ 不動産営業事業
不動産営業事業につきましては、投資用不動産の取引は前年度に続き低迷しましたが、法人向け提案型ソリューション事業の推進により事業用不動産の取引が成約した結果、営業収益は1,273百万円(前連結会計年度比78百万円増)となり、営業利益は399百万円(前連結会計年度比53百万円増)となりました。
⑤ 有料老人ホーム事業
有料老人ホーム事業につきましては、入居者が増加する中、多様化するお客様のニーズをより重視した受入れ体制を維持し、質の高いサービスとホスピタリティの向上に努めた結果、営業収益は1,013百万円(前連結会計年度比2百万円増)となり、営業利益は△73百万円(前連結会計年度は△32百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による収入が4,926百万円、有形固定資産の取得等の投資活動による支出が8,973百万円、借入れ等の財務活動による収入が6,104百万円あったことにより、前連結会計年度に比べ2,058百万円増加し、16,278百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は4,926百万円(前連結会計年度は13,215百万円増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益3,905百万円に加え、減価償却費1,835百万円、仕掛販売用不動産の減少373百万円等の資金増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は8,973百万円(前連結会計年度は6,947百万円減少)となりました。これは有形及び無形固定資産取得による支出8,528百万円、投資有価証券の取得による支出2,320百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の増加は6,104百万円(前連結会計年度は793百万円減少)となりました。これは借入金の返済による支出17,732百万円等があったものの、借入による収入18,850百万円、社債の発行による収入5,500百万円等があったことによるものであります。
生産、受注および販売の実績
(1) 生産および受注の実績
当社グループの事業内容は不動産関連事業のため、生産については該当事項はありません。
また、受注については当社グループの営業収益に対して重要な影響を及ぼしていないため、記載を省略しております。
(2) 販売の実績
当連結会計年度における営業収益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.金額は、セグメント間取引高相殺消去前の数値によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについては過去の実績および新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「追加情報」に記載のとおりです。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は143,343百万円となり、前連結会計年度末と比べ9,783百万円の増加となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べ1,865百万円増加し29,510百万円となりました。これは住宅事業における「仕掛販売用不動産」が373百万円減少したものの、「現金及び預金」が2,083百万円増加したことが主な要因となっております。また、固定資産は、前連結会計年度末と比べ7,918百万円増加し113,833百万円となりました。これはビル賃貸事業において事業基盤拡大のため事業用資産を取得したことや競争力の維持・向上のため資本的支出等を行った結果「有形固定資産」が5,478百万円増加したことが主な要因となっております。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、長期借入金や社債の増加等により前連結会計年度末と比べ7,364百万円増加し104,439百万円となりました。これは新型コロナウイルス感染症の影響に伴う景気低迷の長期化に備えるため、手元流動性の確保を図ったことによるものです。
当社グループの総資産における有利子負債残高の割合等は以下のとおりであります。
(注)有利子負債は連結貸借対照表に計上された負債のうち、利息を支払っているすべての負債の合計額を記載しております。
有利子負債のうち長期借入金(1年以内返済含む)が74,417百万円、社債(1年以内償還予定含む)が11,500百万円となっており、返済・償還期限が長期に設定されている資金が有利子負債の98.6%を占めております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は38,903百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,419百万円増加いたしました。これは利益剰余金が2,343百万円増加したこと等によるものです。
この結果、当連結会計年度における自己資本比率は27.1%(前連結会計年度は27.3%)、ネットDEレシオ((有利子負債-現金および預金)÷純資産額)は1.80倍(同1.80倍)、有利子負債対EBITDA倍率は13.1倍(同12.3倍)となりました。今後とも将来を見据えた投資を行いながら財務の健全化に取り組んでまいります。
(3) 経営成績の状況
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は21,995百万円となり、前連結会計年度に比べ9,906百万円の減収となりました。これはビル賃貸事業において不動産ファンド投資の大口配当等で営業収益が1,271百万円増加したものの、住宅事業において首都圏の中規模物件を中心に竣工引渡しが行われた結果、営業収益が11,236百万円減少したこと等が主な要因となっております。
(営業利益・経常利益)
当連結会計年度の営業利益は4,824百万円となり、前連結会計年度に比べ30百万円の増益となりました。これは、住宅事業において営業利益が減少したものの、ビル賃貸事業の営業利益が1,570百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度の経常利益は4,288百万円となり、前連結会計年度と比べ47百万円の増益となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損失は382百万円となりました。これは投資有価証券評価損等によるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,655百万円と前連結会計年度に比べ188百万円の減少となり、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度に比べ15.04円減少し212.16円となりました。
当連結会計年度の経営成績における新型コロナウイルス感染症の影響は軽微でありますが、1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり各事業部門の課題に対処してまいります。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「業績等の概要」に記載のとおりです。
(5) 資本の財源および資金の流動性について
当社グループでは、税金等調整前当期純利益および減価償却費等からなる営業キャッシュ・フロー(自己資金)と長期借入金および社債等によるファイナンス(借入金)を原資とし、事業の運営および将来の事業投資として新規ビルの取得、既存ビルの建替えを含む開発、マンション用地の仕入・マンションの建築、エクイティ投資等を行っております。
当連結会計年度におきましては、ビル賃貸事業で6,933百万円、駐車場事業で1,068百万円等の設備投資、またエクイティ出資を含む投資有価証券の取得2,320百万円等を行いました。その一方で新型コロナウイルス感染症の影響に伴う景気低迷の長期化に対処すべく借入金や社債発行等で十分な手元流動性を確保いたしました。
今後につきましては、大宮地区の再開発事業に3,546百万円(2022年3月完了予定)、池袋の再開発事業に787百万円(2022年6月完了予定)の投資計画があり、その他に50億円規模の賃貸ビルの取得を予定しております。
当社グループでは、資金需要に対し短期資金・長期資金のバランスを考慮しながら事業運営上必要な流動性と資金の源泉を確保し安定的な財務運営に努めてまいります。
(1) 業績
当連結会計年度のわが国経済は、消費税増税前の駆け込みによる設備投資・個人消費の上振れが見られましたが、増税以降は駆け込み需要の反動減や大型台風などの影響を受け、企業収益は下振れに転じました。さらに、年明け以降の新型コロナウイルス感染拡大はパンデミック(世界的大流行)となり、これに伴う世界経済・日本経済への破壊的な打撃は、予想できない状況にあります。
当不動産業界におきましても、ビル賃貸市場は、都心部において空室率は低水準で推移し、賃料も上昇が続いておりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響によるテナントへの対応も含め急激な悪化も視野に入れざるを得ない状況となってきております。
マンション分譲市場につきましては、首都圏における新規供給戸数が前年度より減少いたしました。平均価格は若干上昇し、特に都心部では依然として高水準の価格で推移しております。しかしながら、「新築マンションの初月契約率」は好不調の目安とされる70%を4年連続で割り込むなど販売の低調さが目立ってきており、さらに今後新型コロナウイルス感染症による販売への影響が出てくる可能性が大きくなっております。
このような厳しい事業環境の下、当社グループは、短期的な成果に拘らず「緩やかながら着実に成長」を目標に、東京と埼玉を主要な営業地盤として、ビル賃貸事業、月極および時間貸駐車場事業、マンション分譲等の住宅事業、不動産の仲介を中心とした不動産営業事業、有料老人ホーム事業を展開しております。
ビル賃貸事業、駐車場事業および住宅事業につきましては、事業基盤の拡大のため慎重ながらも積極的な姿勢をもって事業用資産の取得を行っております。
この結果、当連結会計年度の営業収益は21,995百万円(前連結会計年度31,902百万円、前連結会計年度比31.1%減)、経常利益は4,288百万円(前連結会計年度4,240百万円、前連結会計年度比1.1%増)を計上いたしました。また、投資有価証券評価損等の特別損失382百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,655百万円(前連結会計年度2,844百万円、前連結会計年度比6.6%減)となりました。
セグメントごとの業績は、次のとおりであります。
① ビル賃貸事業
ビル賃貸事業につきましては、不動産ファンド投資の大口配当等もあり営業収益は11,125百万円(前連結会計年度比1,271百万円増)となり、営業利益は5,405百万円(前連結会計年度比1,570百万円増)となりました。
② 駐車場事業
駐車場事業につきましては、積極的な駐車場開設による収容台数の増加や料金設定等の見直しによる既存駐車場の収益改善に注力するとともに、キャッシュレス決済サービスの拡充による利便性の向上および駅前時間貸駐輪場の取得等の多様化を図った結果、営業収益は3,106百万円(前連結会計年度比33百万円増)となり、営業利益は693百万円(前連結会計年度比28百万円減)となりました。
③ 住宅事業
住宅事業につきましては、首都圏の中規模物件を中心に竣工引渡しが行われた結果、営業収益は5,434百万円(前連結会計年度比11,236百万円減)となり、営業利益は296百万円(前連結会計年度比1,406百万円減)となりました。
④ 不動産営業事業
不動産営業事業につきましては、投資用不動産の取引は前年度に続き低迷しましたが、法人向け提案型ソリューション事業の推進により事業用不動産の取引が成約した結果、営業収益は1,273百万円(前連結会計年度比78百万円増)となり、営業利益は399百万円(前連結会計年度比53百万円増)となりました。
⑤ 有料老人ホーム事業
有料老人ホーム事業につきましては、入居者が増加する中、多様化するお客様のニーズをより重視した受入れ体制を維持し、質の高いサービスとホスピタリティの向上に努めた結果、営業収益は1,013百万円(前連結会計年度比2百万円増)となり、営業利益は△73百万円(前連結会計年度は△32百万円)となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
2019年3月期 | 2020年3月期 | |
営業活動によるキャッシュ・フロー | 百万円 13,215 | 百万円 4,926 |
投資活動によるキャッシュ・フロー | △6,947 | △8,973 |
財務活動によるキャッシュ・フロー | △793 | 6,104 |
現金および現金同等物の期末残高 | 14,220 | 16,278 |
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、営業活動による収入が4,926百万円、有形固定資産の取得等の投資活動による支出が8,973百万円、借入れ等の財務活動による収入が6,104百万円あったことにより、前連結会計年度に比べ2,058百万円増加し、16,278百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は4,926百万円(前連結会計年度は13,215百万円増加)となりました。これは税金等調整前当期純利益3,905百万円に加え、減価償却費1,835百万円、仕掛販売用不動産の減少373百万円等の資金増加要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は8,973百万円(前連結会計年度は6,947百万円減少)となりました。これは有形及び無形固定資産取得による支出8,528百万円、投資有価証券の取得による支出2,320百万円等の資金減少要因があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の増加は6,104百万円(前連結会計年度は793百万円減少)となりました。これは借入金の返済による支出17,732百万円等があったものの、借入による収入18,850百万円、社債の発行による収入5,500百万円等があったことによるものであります。
生産、受注および販売の実績
(1) 生産および受注の実績
当社グループの事業内容は不動産関連事業のため、生産については該当事項はありません。
また、受注については当社グループの営業収益に対して重要な影響を及ぼしていないため、記載を省略しております。
(2) 販売の実績
当連結会計年度における営業収益をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 当連結会計年度 | 前年同期比(%) |
ビル賃貸(百万円) | 11,125 | 12.9 |
駐車場(百万円) | 3,106 | 1.1 |
住宅(百万円) | 5,434 | △67.4 |
不動産営業(百万円) | 1,273 | 6.5 |
有料老人ホーム(百万円) | 1,013 | 0.3 |
報告セグメント計(百万円) | 21,953 | △31.0 |
その他(百万円) | 116 | △37.5 |
合計(百万円) | 22,069 | △31.0 |
(注)1.金額は、セグメント間取引高相殺消去前の数値によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況の分析
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 重要な会計方針および見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債および収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについては過去の実績および新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5[経理の状況]の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」および「追加情報」に記載のとおりです。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末の総資産は143,343百万円となり、前連結会計年度末と比べ9,783百万円の増加となりました。流動資産は、前連結会計年度末と比べ1,865百万円増加し29,510百万円となりました。これは住宅事業における「仕掛販売用不動産」が373百万円減少したものの、「現金及び預金」が2,083百万円増加したことが主な要因となっております。また、固定資産は、前連結会計年度末と比べ7,918百万円増加し113,833百万円となりました。これはビル賃貸事業において事業基盤拡大のため事業用資産を取得したことや競争力の維持・向上のため資本的支出等を行った結果「有形固定資産」が5,478百万円増加したことが主な要因となっております。
(負債)
当連結会計年度末の負債は、長期借入金や社債の増加等により前連結会計年度末と比べ7,364百万円増加し104,439百万円となりました。これは新型コロナウイルス感染症の影響に伴う景気低迷の長期化に備えるため、手元流動性の確保を図ったことによるものです。
当社グループの総資産における有利子負債残高の割合等は以下のとおりであります。
2019年3月期 | 2020年3月期 | |
総資産額(百万円) | 133,560 | 143,343 |
有利子負債額(百万円) | 80,626 | 87,144 |
有利子負債÷総資産額(%) | 60.4 | 60.8 |
(注)有利子負債は連結貸借対照表に計上された負債のうち、利息を支払っているすべての負債の合計額を記載しております。
有利子負債のうち長期借入金(1年以内返済含む)が74,417百万円、社債(1年以内償還予定含む)が11,500百万円となっており、返済・償還期限が長期に設定されている資金が有利子負債の98.6%を占めております。
(純資産)
当連結会計年度末の純資産は38,903百万円となり、前連結会計年度末と比べ2,419百万円増加いたしました。これは利益剰余金が2,343百万円増加したこと等によるものです。
この結果、当連結会計年度における自己資本比率は27.1%(前連結会計年度は27.3%)、ネットDEレシオ((有利子負債-現金および預金)÷純資産額)は1.80倍(同1.80倍)、有利子負債対EBITDA倍率は13.1倍(同12.3倍)となりました。今後とも将来を見据えた投資を行いながら財務の健全化に取り組んでまいります。
(3) 経営成績の状況
(営業収益)
当連結会計年度の営業収益は21,995百万円となり、前連結会計年度に比べ9,906百万円の減収となりました。これはビル賃貸事業において不動産ファンド投資の大口配当等で営業収益が1,271百万円増加したものの、住宅事業において首都圏の中規模物件を中心に竣工引渡しが行われた結果、営業収益が11,236百万円減少したこと等が主な要因となっております。
(営業利益・経常利益)
当連結会計年度の営業利益は4,824百万円となり、前連結会計年度に比べ30百万円の増益となりました。これは、住宅事業において営業利益が減少したものの、ビル賃貸事業の営業利益が1,570百万円増加したこと等によるものです。
当連結会計年度の経常利益は4,288百万円となり、前連結会計年度と比べ47百万円の増益となりました。
(特別損益)
当連結会計年度の特別損失は382百万円となりました。これは投資有価証券評価損等によるものであります。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は2,655百万円と前連結会計年度に比べ188百万円の減少となり、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度に比べ15.04円減少し212.16円となりました。
当連結会計年度の経営成績における新型コロナウイルス感染症の影響は軽微でありますが、1「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおり各事業部門の課題に対処してまいります。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「業績等の概要」に記載のとおりです。
(5) 資本の財源および資金の流動性について
当社グループでは、税金等調整前当期純利益および減価償却費等からなる営業キャッシュ・フロー(自己資金)と長期借入金および社債等によるファイナンス(借入金)を原資とし、事業の運営および将来の事業投資として新規ビルの取得、既存ビルの建替えを含む開発、マンション用地の仕入・マンションの建築、エクイティ投資等を行っております。
当連結会計年度におきましては、ビル賃貸事業で6,933百万円、駐車場事業で1,068百万円等の設備投資、またエクイティ出資を含む投資有価証券の取得2,320百万円等を行いました。その一方で新型コロナウイルス感染症の影響に伴う景気低迷の長期化に対処すべく借入金や社債発行等で十分な手元流動性を確保いたしました。
今後につきましては、大宮地区の再開発事業に3,546百万円(2022年3月完了予定)、池袋の再開発事業に787百万円(2022年6月完了予定)の投資計画があり、その他に50億円規模の賃貸ビルの取得を予定しております。
当社グループでは、資金需要に対し短期資金・長期資金のバランスを考慮しながら事業運営上必要な流動性と資金の源泉を確保し安定的な財務運営に努めてまいります。