四半期報告書-第32期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)
(1)経営成績の状況
当社は、2005年4月25日、福知山線塚口駅~尼崎駅間において、106名のお客様の尊い命を奪い、500名を超えるお客様を負傷させるという、極めて重大な事故を惹き起こしました。引き続き被害に遭われた方々へ真摯に向き合い対応するとともに、安全性の向上に向け、弛まぬ努力を積み重ねていきます。
また、この度の西日本エリアを中心とした豪雨の影響でお亡くなりになられた方々に心よりご冥福をお祈り申しあげるとともに、被災された皆様にお見舞いを申しあげます。当社も一部の線区で運転を見合わせ、バス等による代行輸送を行っていますが、全社を挙げて復旧に取り組むとともに被災地復興の支援となる取り組みを実施していきます。
当社グループは、今年度より「JR西日本グループ中期経営計画2022」(以下、「中計2022」)と、その中核をなす安全の具体的計画として、「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」(以下、「安全考動計画2022」)をスタートさせました。また、当社グループのありたい姿の実現を技術面から模索していく「JR西日本グループ技術ビジョン」を策定しました。
「中計2022」や「安全考動計画2022」のもと、中長期的な企業価値向上に向けて、各種施策を推進しました。
引き続き、「中計2022」に掲げるグループ共通戦略である「地域価値の向上」、「線区価値の向上」、「事業価値の向上」に加え、鉄道事業、創造事業それぞれの基本戦略、事業戦略を推進し、めざす未来である「人々が出会い、笑顔が生まれる、安全で豊かな社会」づくりに貢献していきます。
当第1四半期連結累計期間においては、運輸収入は大阪北部地震の影響があったものの、多客期等のご利用が好調であったこと等により増収となりました。また、流通業も堅調に推移しました。
その結果、営業収益は前年同期比2.4%増の3,611億円、営業利益は同10.0%増の602億円、経常利益は同11.7%増の564億円、法人税等を控除した親会社株主に帰属する四半期純利益は同11.0%増の385億円となりました。
人口減少に伴う市場の縮小や労働力の減少、激甚化する自然災害等、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況にありますが、当社グループの強みに磨きをかけ続けるとともに、新たな市場や事業領域への展開に挑戦し、中長期的な企業価値向上に向けて取り組んでいきます。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 運輸業
[安全性向上等]
当社グループは、「安全考動計画2022」のもと、「組織全体で安全を確保する仕組み」、「安全最優先の風土」の構築に向けた取り組みを推進しています。
安全性向上の取り組みとして、地震対策や豪雨対策等の自然災害対策についても推進しています。
地震対策については、過去の震災の経験等を踏まえ、高架橋柱や駅舎等の耐震補強工事、山陽新幹線における逸脱防止ガードの整備等を推進してきました。その結果、6月に発生した大阪北部地震においては、朝の通勤時間帯で多くの列車が走行していましたが、大きなお怪我をされたお客様はおらず、当社施設の大きな損傷もありませんでした。一方で、運転再開までに時間を要したこと、お客様への情報提供のあり方等の課題も残りました。これらの状況を踏まえ、早期の運転再開等に向けた適切な対策を引き続き推進していきます。
豪雨対策については、京阪神エリアにおいて集中的に取り組んでいる斜面防災対策により、対象線区における運転規制時間を対策実施前と比較して45%程度削減するレベルに到達しています。その結果、7月の西日本エリアを中心とした豪雨に際しても、JR京都線とJR神戸線の主に普通電車が走行する区間では、運転を見合わせる時間を大幅に削減することができました。
また、新幹線の安全性向上については、昨年12月の新幹線の重大インシデントに関して、台車の異常を発見できなかったことと、運行中に異常を感じたにもかかわらず運転を継続させたことを重く受け止め、目視による台車の入念点検等により車両の安全確保に万全を尽くすとともに、異常時の適切な対応に向けた対策を着実に実施しています。
一方、6月に「のぞみ176号」が博多駅~小倉駅間において線路内に侵入した人と衝突する事象が発生したことを踏まえ、社員が異常を認めた場合や安全が確認できない場合はただちに関係者に報告し、速やかな組織的対応により安全の確保を行うことを改めて徹底します。また、線路内への侵入防止対策として、防護柵等の設備の強化等を計画的に実施していきます。
さらに、同月の東海道新幹線における殺傷事件を踏まえ、引き続き車内防犯カメラの増設や警備員の車内巡回強化等に取り組むとともに、防護用品の整備等を進め、新幹線のセキュリティ確保に努めていきます。
(主な具体的取り組み)
ア.自然災害への対処
・山陽新幹線における逸脱防止ガードの整備推進
・斜面の補強、排水設備の整備等、斜面防災対策の推進
・雨量、風速、震度等を一元的に管理する「気象災害対応システム」の整備推進
イ.安全を支える技術の取り組み
・車上主体式の新保安システム(D-TAS)の山陽本線西広島駅~岩国駅間での使用開始(5月)
・連続的な無線通信によって列車間の安全な間隔を確保する「無線式ATC」の開発(2023年春頃、和歌山線橋本駅~和歌山駅間に導入予定)
[営業施策等]
営業施策については、CS(お客様満足)を鉄道事業の基本戦略の一つに位置付け、お客様の多様なニーズにお応えする施策を推進しながら、ビジネス・観光需要の獲得、創出に取り組んでいます。
引き続き、CSの向上に向けた各種施策に取り組むとともに、新幹線における輸送サービスの品質向上、近畿エリアでの線区価値向上、西日本各エリアでの地域と連携した観光誘客を進めました。また、訪日のお客様の受入体制の整備に取り組みました。
(主な具体的取り組み)
ア.新幹線
・500系「ハローキティ新幹線」の運行開始(6月)
・「日本の美は、北陸にあり。」キャンペーンの実施(4~11月)
イ.近畿エリア
・茨木駅のリニューアル工事完了、グランドオープン(4月)
ウ.西日本各エリア
・「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」運行開始1周年記念イベントの実施(6月)
・「せとうちキャンペーン」の実施(3~6月)
エ.CSの向上
・チャットによるお忘れ物問い合わせ窓口の設置及びお忘れ物専用ダイヤルの開設(5月)
オ.訪日のお客様への対応、需要の創出
・京都駅の「みどりの窓口」内における訪日のお客様専用窓口の機能強化(4月)
・シンガポール事務所の支店化による現地旅行業者との販売連携や宣伝活動の強化(4月)
バス事業、船舶事業(宮島航路)については、安全輸送を基本とし、お客様のご利用に応じた輸送改善等の実施により、利便性向上に努めました。
大阪北部地震の影響があったものの、これらの取り組みに加え、多客期等のご利用が好調であったこと等により、運輸業セグメントの営業収益は前年同期比1.4%増の2,329億円、営業利益は同14.6%増の489億円となりました。
② 流通業
流通業については、直営業態の運営力を強化し、駅ナカの利便性向上を図るとともに、駅ソトへの展開も推進し、競争力のあるブランドの確立に向けて取り組んでいます。
当第1四半期連結累計期間においては、㈱セブン-イレブン・ジャパン(以下、SEJ)との提携店舗の新規出店拡大を推進するとともに、既存店舗の収益性向上に取り組みました。また、駅ナカ店舗開発や駅ソトへの店舗展開も進めています。
百貨店においては、訪日観光需要の獲得等に取り組むとともに、さらなる魅力向上のため、ジェイアール京都伊勢丹では開業以来最大規模となるリニューアル工事を進めました。
さらに、流通業セグメントに区分される宿泊特化型ホテルについては、7月に「ヴィアイン新大阪正面口」、8月に「ヴィアイン名古屋駅前椿町」を開業するとともに、9月に「ヴィアイン飯田橋後楽園」を開業すべく準備を進めています。
その結果、流通業セグメントでは、SEJ提携店舗をはじめとする物販・飲食業の売上げが堅調に推移し、営業収益は前年同期比3.4%増の585億円、営業利益は同17.8%増の17億円となりました。
③ 不動産業
不動産業については、当社グループの保有資産の活用によりお客様の利便性向上や沿線価値向上につながる鉄道事業と親和性の高い事業と捉えて、ショッピングセンターの開発、運営や住宅分譲をはじめとする販売事業等を進めました。
4月には、「LUCUA osaka」地下2階に、新しい食のエリア「LUCUA FOOD HALL」を開業し、昨年からの地下階リニューアルが完了しました。また、同月に商業施設「ビエラ千里丘」を開業するとともに、「ビエラ山科」をリニューアルオープンしました。
さらに、当社鉄道の沿線外及びエリア外の有望市場についても、不動産販売、賃貸事業展開を進めました。
その結果、不動産業セグメントでは、商業施設のリニューアル効果等があったものの、昨年の不動産販売の反動を受け、営業収益は前年同期比3.4%減の338億円、営業利益は同9.4%減の96億円となりました。
④ その他
ホテル業については、堅調な宿泊需要とお客様の多様なニーズに対応するため、訪日のお客様の受入体制整備等の運営力の強化や、新規ホテルの出店拡大等を推進しました。
6月には、当社グループホテルの新業態であるハイクラス宿泊主体型ホテル「ホテルヴィスキオ大阪」を開業し、さらに尼崎駅直結の「ホテルホップインアミング」を「ホテルヴィスキオ尼崎」としてリブランドオープンしました。今後も「ホテルグランヴィア」をはじめとするシティホテルや、宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」等とあわせて、多様なブランド構成で沿線外及びエリア外も含めて展開していきます。
旅行業については、訪日のお客様への営業展開を強化するとともに、法人営業における受注拡大、WEB専用商品をはじめとする個人向け商品の販売拡大等に取り組みました。
その結果、その他セグメントでは、工事業において受注が増加しましたが、ホテル業における「三宮ターミナルホテル」閉館の影響等により、営業収益は前年同期比15.1%増の357億円、営業損失は9億円となりました。
運輸業のうち、当社の鉄道事業の営業成績は以下のとおりであります。
ア.輸送実績
(注)1.キロ程欄の上段括弧書は、外数で第三種鉄道事業のキロ程であり、それ以外は第一種鉄道事業及び第二種鉄道事業のキロ程であります。また、前年同期比は、前年第1四半期末の数値を記載しております。
2.輸送人キロ欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
イ.収入実績
(注) 旅客収入欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産額は3兆559億円となり、前連結会計年度末と比較し158億円減少しました。これは主に、未収金の減少によるものです。
負債総額は1兆9,210億円となり、前連結会計年度末と比較し344億円減少しました。これは主に、未払金の減少によるものです。
純資産総額は1兆1,348億円となり、前連結会計年度末と比較し185億円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、資産、負債及び純資産の状況については当該会計基準等を遡って適用した前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(3)経営方針、事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の経営方針、事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は10億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に、重要な変更はありません。
(5)主要な設備
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変動があったものは、次のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間において完成した重要な設備の新設
当社は、2005年4月25日、福知山線塚口駅~尼崎駅間において、106名のお客様の尊い命を奪い、500名を超えるお客様を負傷させるという、極めて重大な事故を惹き起こしました。引き続き被害に遭われた方々へ真摯に向き合い対応するとともに、安全性の向上に向け、弛まぬ努力を積み重ねていきます。
また、この度の西日本エリアを中心とした豪雨の影響でお亡くなりになられた方々に心よりご冥福をお祈り申しあげるとともに、被災された皆様にお見舞いを申しあげます。当社も一部の線区で運転を見合わせ、バス等による代行輸送を行っていますが、全社を挙げて復旧に取り組むとともに被災地復興の支援となる取り組みを実施していきます。
当社グループは、今年度より「JR西日本グループ中期経営計画2022」(以下、「中計2022」)と、その中核をなす安全の具体的計画として、「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」(以下、「安全考動計画2022」)をスタートさせました。また、当社グループのありたい姿の実現を技術面から模索していく「JR西日本グループ技術ビジョン」を策定しました。
「中計2022」や「安全考動計画2022」のもと、中長期的な企業価値向上に向けて、各種施策を推進しました。
引き続き、「中計2022」に掲げるグループ共通戦略である「地域価値の向上」、「線区価値の向上」、「事業価値の向上」に加え、鉄道事業、創造事業それぞれの基本戦略、事業戦略を推進し、めざす未来である「人々が出会い、笑顔が生まれる、安全で豊かな社会」づくりに貢献していきます。
当第1四半期連結累計期間においては、運輸収入は大阪北部地震の影響があったものの、多客期等のご利用が好調であったこと等により増収となりました。また、流通業も堅調に推移しました。
その結果、営業収益は前年同期比2.4%増の3,611億円、営業利益は同10.0%増の602億円、経常利益は同11.7%増の564億円、法人税等を控除した親会社株主に帰属する四半期純利益は同11.0%増の385億円となりました。
人口減少に伴う市場の縮小や労働力の減少、激甚化する自然災害等、当社グループを取り巻く経営環境は厳しい状況にありますが、当社グループの強みに磨きをかけ続けるとともに、新たな市場や事業領域への展開に挑戦し、中長期的な企業価値向上に向けて取り組んでいきます。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 運輸業
[安全性向上等]
当社グループは、「安全考動計画2022」のもと、「組織全体で安全を確保する仕組み」、「安全最優先の風土」の構築に向けた取り組みを推進しています。
安全性向上の取り組みとして、地震対策や豪雨対策等の自然災害対策についても推進しています。
地震対策については、過去の震災の経験等を踏まえ、高架橋柱や駅舎等の耐震補強工事、山陽新幹線における逸脱防止ガードの整備等を推進してきました。その結果、6月に発生した大阪北部地震においては、朝の通勤時間帯で多くの列車が走行していましたが、大きなお怪我をされたお客様はおらず、当社施設の大きな損傷もありませんでした。一方で、運転再開までに時間を要したこと、お客様への情報提供のあり方等の課題も残りました。これらの状況を踏まえ、早期の運転再開等に向けた適切な対策を引き続き推進していきます。
豪雨対策については、京阪神エリアにおいて集中的に取り組んでいる斜面防災対策により、対象線区における運転規制時間を対策実施前と比較して45%程度削減するレベルに到達しています。その結果、7月の西日本エリアを中心とした豪雨に際しても、JR京都線とJR神戸線の主に普通電車が走行する区間では、運転を見合わせる時間を大幅に削減することができました。
また、新幹線の安全性向上については、昨年12月の新幹線の重大インシデントに関して、台車の異常を発見できなかったことと、運行中に異常を感じたにもかかわらず運転を継続させたことを重く受け止め、目視による台車の入念点検等により車両の安全確保に万全を尽くすとともに、異常時の適切な対応に向けた対策を着実に実施しています。
一方、6月に「のぞみ176号」が博多駅~小倉駅間において線路内に侵入した人と衝突する事象が発生したことを踏まえ、社員が異常を認めた場合や安全が確認できない場合はただちに関係者に報告し、速やかな組織的対応により安全の確保を行うことを改めて徹底します。また、線路内への侵入防止対策として、防護柵等の設備の強化等を計画的に実施していきます。
さらに、同月の東海道新幹線における殺傷事件を踏まえ、引き続き車内防犯カメラの増設や警備員の車内巡回強化等に取り組むとともに、防護用品の整備等を進め、新幹線のセキュリティ確保に努めていきます。
(主な具体的取り組み)
ア.自然災害への対処
・山陽新幹線における逸脱防止ガードの整備推進
・斜面の補強、排水設備の整備等、斜面防災対策の推進
・雨量、風速、震度等を一元的に管理する「気象災害対応システム」の整備推進
イ.安全を支える技術の取り組み
・車上主体式の新保安システム(D-TAS)の山陽本線西広島駅~岩国駅間での使用開始(5月)
・連続的な無線通信によって列車間の安全な間隔を確保する「無線式ATC」の開発(2023年春頃、和歌山線橋本駅~和歌山駅間に導入予定)
[営業施策等]
営業施策については、CS(お客様満足)を鉄道事業の基本戦略の一つに位置付け、お客様の多様なニーズにお応えする施策を推進しながら、ビジネス・観光需要の獲得、創出に取り組んでいます。
引き続き、CSの向上に向けた各種施策に取り組むとともに、新幹線における輸送サービスの品質向上、近畿エリアでの線区価値向上、西日本各エリアでの地域と連携した観光誘客を進めました。また、訪日のお客様の受入体制の整備に取り組みました。
(主な具体的取り組み)
ア.新幹線
・500系「ハローキティ新幹線」の運行開始(6月)
・「日本の美は、北陸にあり。」キャンペーンの実施(4~11月)
イ.近畿エリア
・茨木駅のリニューアル工事完了、グランドオープン(4月)
ウ.西日本各エリア
・「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」運行開始1周年記念イベントの実施(6月)
・「せとうちキャンペーン」の実施(3~6月)
エ.CSの向上
・チャットによるお忘れ物問い合わせ窓口の設置及びお忘れ物専用ダイヤルの開設(5月)
オ.訪日のお客様への対応、需要の創出
・京都駅の「みどりの窓口」内における訪日のお客様専用窓口の機能強化(4月)
・シンガポール事務所の支店化による現地旅行業者との販売連携や宣伝活動の強化(4月)
バス事業、船舶事業(宮島航路)については、安全輸送を基本とし、お客様のご利用に応じた輸送改善等の実施により、利便性向上に努めました。
大阪北部地震の影響があったものの、これらの取り組みに加え、多客期等のご利用が好調であったこと等により、運輸業セグメントの営業収益は前年同期比1.4%増の2,329億円、営業利益は同14.6%増の489億円となりました。
② 流通業
流通業については、直営業態の運営力を強化し、駅ナカの利便性向上を図るとともに、駅ソトへの展開も推進し、競争力のあるブランドの確立に向けて取り組んでいます。
当第1四半期連結累計期間においては、㈱セブン-イレブン・ジャパン(以下、SEJ)との提携店舗の新規出店拡大を推進するとともに、既存店舗の収益性向上に取り組みました。また、駅ナカ店舗開発や駅ソトへの店舗展開も進めています。
百貨店においては、訪日観光需要の獲得等に取り組むとともに、さらなる魅力向上のため、ジェイアール京都伊勢丹では開業以来最大規模となるリニューアル工事を進めました。
さらに、流通業セグメントに区分される宿泊特化型ホテルについては、7月に「ヴィアイン新大阪正面口」、8月に「ヴィアイン名古屋駅前椿町」を開業するとともに、9月に「ヴィアイン飯田橋後楽園」を開業すべく準備を進めています。
その結果、流通業セグメントでは、SEJ提携店舗をはじめとする物販・飲食業の売上げが堅調に推移し、営業収益は前年同期比3.4%増の585億円、営業利益は同17.8%増の17億円となりました。
③ 不動産業
不動産業については、当社グループの保有資産の活用によりお客様の利便性向上や沿線価値向上につながる鉄道事業と親和性の高い事業と捉えて、ショッピングセンターの開発、運営や住宅分譲をはじめとする販売事業等を進めました。
4月には、「LUCUA osaka」地下2階に、新しい食のエリア「LUCUA FOOD HALL」を開業し、昨年からの地下階リニューアルが完了しました。また、同月に商業施設「ビエラ千里丘」を開業するとともに、「ビエラ山科」をリニューアルオープンしました。
さらに、当社鉄道の沿線外及びエリア外の有望市場についても、不動産販売、賃貸事業展開を進めました。
その結果、不動産業セグメントでは、商業施設のリニューアル効果等があったものの、昨年の不動産販売の反動を受け、営業収益は前年同期比3.4%減の338億円、営業利益は同9.4%減の96億円となりました。
④ その他
ホテル業については、堅調な宿泊需要とお客様の多様なニーズに対応するため、訪日のお客様の受入体制整備等の運営力の強化や、新規ホテルの出店拡大等を推進しました。
6月には、当社グループホテルの新業態であるハイクラス宿泊主体型ホテル「ホテルヴィスキオ大阪」を開業し、さらに尼崎駅直結の「ホテルホップインアミング」を「ホテルヴィスキオ尼崎」としてリブランドオープンしました。今後も「ホテルグランヴィア」をはじめとするシティホテルや、宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」等とあわせて、多様なブランド構成で沿線外及びエリア外も含めて展開していきます。
旅行業については、訪日のお客様への営業展開を強化するとともに、法人営業における受注拡大、WEB専用商品をはじめとする個人向け商品の販売拡大等に取り組みました。
その結果、その他セグメントでは、工事業において受注が増加しましたが、ホテル業における「三宮ターミナルホテル」閉館の影響等により、営業収益は前年同期比15.1%増の357億円、営業損失は9億円となりました。
運輸業のうち、当社の鉄道事業の営業成績は以下のとおりであります。
ア.輸送実績
区分 | 単位 | 第32期第1四半期累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) | |||||
前年同期比 | |||||||
営業日数 | 日 | 91 | - | ||||
キロ程 | 新幹線 | キロ | 812.6 | 812.6 | |||
在来線 | キロ | ( 28.0 ) 4,088.0 | ( 28.0 ) 4,196.1 | ||||
計 | キロ | ( 28.0 ) 4,900.6 | ( 28.0 ) 5,008.7 | ||||
輸送人員 | 定期 | 千人 | 308,846 | 100.6 | % | ||
定期外 | 千人 | 181,689 | 99.7 | ||||
計 | 千人 | 490,536 | 100.3 | ||||
輸 送 人 キ ロ | 新幹線 | 定期 | 千人キロ | 225,008 | 104.0 | ||
定期外 | 千人キロ | 4,850,566 | 101.4 | ||||
計 | 千人キロ | 5,075,575 | 101.5 | ||||
在 来 線 | 近 畿 圏 | 定期 | 千人キロ | 4,913,586 | 100.0 | ||
定期外 | 千人キロ | 2,697,330 | 100.0 | ||||
計 | 千人キロ | 7,610,916 | 100.0 | ||||
そ の 他 | 定期 | 千人キロ | 1,084,013 | 99.6 | |||
定期外 | 千人キロ | 979,804 | 101.3 | ||||
計 | 千人キロ | 2,063,818 | 100.4 | ||||
計 | 定期 | 千人キロ | 5,997,600 | 99.9 | |||
定期外 | 千人キロ | 3,677,134 | 100.3 | ||||
計 | 千人キロ | 9,674,734 | 100.1 | ||||
合計 | 定期 | 千人キロ | 6,222,608 | 100.1 | |||
定期外 | 千人キロ | 8,527,701 | 100.9 | ||||
計 | 千人キロ | 14,750,310 | 100.6 |
(注)1.キロ程欄の上段括弧書は、外数で第三種鉄道事業のキロ程であり、それ以外は第一種鉄道事業及び第二種鉄道事業のキロ程であります。また、前年同期比は、前年第1四半期末の数値を記載しております。
2.輸送人キロ欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
イ.収入実績
区分 | 単位 | 第32期第1四半期累計期間 (自 2018年4月1日 至 2018年6月30日) | ||||||
前年同期比 | ||||||||
旅 客 運 輸 収 入 | 旅 客 収 入 | 新幹線 | 定期 | 百万円 | 2,815 | 103.8 | % | |
定期外 | 百万円 | 106,889 | 102.2 | |||||
計 | 百万円 | 109,705 | 102.2 | |||||
在 来 線 | 近 畿 圏 | 定期 | 百万円 | 29,950 | 100.2 | |||
定期外 | 百万円 | 47,594 | 100.1 | |||||
計 | 百万円 | 77,544 | 100.2 | |||||
そ の 他 | 定期 | 百万円 | 6,458 | 99.7 | ||||
定期外 | 百万円 | 20,038 | 101.0 | |||||
計 | 百万円 | 26,496 | 100.7 | |||||
計 | 定期 | 百万円 | 36,408 | 100.1 | ||||
定期外 | 百万円 | 67,632 | 100.4 | |||||
計 | 百万円 | 104,041 | 100.3 | |||||
合計 | 定期 | 百万円 | 39,224 | 100.4 | ||||
定期外 | 百万円 | 174,522 | 101.5 | |||||
計 | 百万円 | 213,747 | 101.3 | |||||
荷物収入 | 百万円 | 0 | 52.1 | |||||
合計 | 百万円 | 213,748 | 101.3 | |||||
鉄道線路使用料収入 | 百万円 | 1,135 | 93.3 | |||||
運輸雑収 | 百万円 | 17,560 | 103.3 | |||||
収入合計 | 百万円 | 232,444 | 101.4 |
(注) 旅客収入欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第1四半期連結会計期間末の総資産額は3兆559億円となり、前連結会計年度末と比較し158億円減少しました。これは主に、未収金の減少によるものです。
負債総額は1兆9,210億円となり、前連結会計年度末と比較し344億円減少しました。これは主に、未払金の減少によるものです。
純資産総額は1兆1,348億円となり、前連結会計年度末と比較し185億円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、資産、負債及び純資産の状況については当該会計基準等を遡って適用した前連結会計年度末の数値で比較を行っております。
(3)経営方針、事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当連結会社の経営方針、事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間の研究開発費の総額は10億円であります。
なお、当第1四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に、重要な変更はありません。
(5)主要な設備
新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第1四半期連結累計期間に著しい変動があったものは、次のとおりであります。
当第1四半期連結累計期間において完成した重要な設備の新設
工事件名 | セグメントの名称 | 総工事費 | 完成年月 |
車両新造工事 | 運輸業 | 百万円 | 2018年6月 |
11,694 |