四半期報告書-第33期第2四半期(令和1年7月1日-令和1年9月30日)

【提出】
2019/11/08 9:33
【資料】
PDFをみる
【項目】
39項目
(1)経営成績の状況
当社グループは、「JR西日本グループ中期経営計画2022」及びその中核をなす「JR西日本グループ鉄道安全考動計画2022」(以下、「安全考動計画2022」)に基づき、中長期的な企業価値向上に向けて、各種施策を着実に推進しました。
当第2四半期連結累計期間においては、多客期を含めて運輸収入が好調であったこと等により、営業収益は前年同期比3.4%増の7,620億円、営業利益は同13.7%増の1,288億円、経常利益は同14.9%増の1,216億円、法人税等を控除した親会社株主に帰属する四半期純利益は同42.5%増の804億円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
① 運輸業
[安全性向上等]
当社は、2005年4月25日、福知山線塚口駅~尼崎駅間において、106名のお客様の尊い命を奪い、500名を超えるお客様を負傷させるという、極めて重大な事故を惹き起こしました。引き続き被害に遭われた方々への真摯な対応、安全性向上への弛まぬ努力を積み重ねるとともに、福知山線列車事故のような事故を二度と発生させないとの決意のもと、「安全考動計画2022」を策定し、ハード、ソフト両面から安全性向上の取り組みや安全マネジメントの仕組みづくりを進めました。
新幹線では、より安全性、信頼性を追究した新製車両への置き換えを進めています。また、走行中の台車の異常を把握するための装置の整備も推進しています。
ホームの安全対策としては、山陽新幹線の主要駅及び在来線のご利用の多い駅等におけるホーム柵の整備等を引き続き進めています。
激甚化する自然災害への対策としては、引き続き、斜面防災対策をはじめとした豪雨対策を行うとともに、地震に対しては、山陽新幹線における逸脱防止ガードの整備や、建物、高架橋等の耐震補強等の対策を進めています。
加えて、列車内における防犯対策も推進しました。
(主な具体的取り組み)
ア.新幹線安全対策
・東海道・山陽新幹線を直通する700系車両の新製車両(N700A)への置き換え
・山陽新幹線での地上に設置する台車温度検知装置の整備推進
・N700系への台車異常検知装置の整備推進
イ.ホーム、踏切の安全対策
・京橋駅、三ノ宮駅の一部のりばのホーム柵使用開始(10月)
・岡山駅(新幹線)等へのホーム柵の設置推進
ウ.自然災害対策
・琵琶湖線、JR京都線の主に特急・新快速列車が走行する区間等における斜面防災対策の継続
エ.車内防犯対策
・特急「はるか」車内への防護装具等の搭載や駅への防護盾の配備拡大(6月以降順次)
[営業施策等]
営業施策についてはCS(お客様満足)の向上を鉄道事業の基本戦略の一つに位置付け、お客様の多様なニーズにお応えする施策を推進しながら、訪日のお客様も含めたビジネス・観光需要の獲得、創出に取り組んでいます。
引き続き、CSの向上に向けた各種施策に取り組むとともに、新幹線における輸送サービスの品質向上、近畿エリアでの線区価値向上、西日本各エリアでの地域と連携した観光誘客等を進めました。
(主な具体的取り組み)
ア.新幹線
・JR東海エリアの駅でのネット予約「e5489」の取り扱い開始(4月)
・「熊本デスティネーションキャンペーン」を活用した九州方面への送客(7月~9月)
イ.近畿エリア
・「はじまる、つながる、奈良の旅 ~おおさか東線全線開業記念~」キャンペーンの実施(3月~6月)
・大阪環状線への新型車両「323系」の投入完了(6月)
ウ.西日本各エリア
・山陰地区におけるアフターデスティネーションキャンペーンの実施(7月~9月)
・「せとうち島たびクルーズ」の運行(5月~)
エ.訪日のお客様への対応
・「JR-WEST ONLINE TRAIN RESERVATION」での訪日のお客様向け専用商品の取り扱い開始(5月)
・新大阪駅に「Travel Service Center SHIN-OSAKA」を開設(8月)
・有力プラットホーム(KLOOK、アリババ)等と連携した商品の販売促進(9月~)
バス事業、船舶事業(宮島航路)については、安全輸送を基本とし、お客様のご利用に応じた輸送改善等の実施により、利便性向上に努めました。
運輸業セグメントでは、これらの取り組みに加え、多客期等のご利用が好調であったこと等により、営業収益は前年同期比4.2%増の4,910億円、営業利益は同17.4%増の1,031億円となりました。
② 流通業
流通業については、直営業態の運営力を強化し、駅ナカの利便性向上を図るとともに、駅ソトへの展開も推進し、競争力のあるブランドの確立に向けて取り組んでいます。
百貨店においては、さらなる魅力向上のため、ジェイアール京都伊勢丹の2~5階の大規模リニューアルを、2020年春の完成に向けて段階的に進めました。
さらに、流通業セグメントに区分される宿泊特化型ホテルについては、「ヴィアイン」4店舗(京都駅八条口、博多口駅前、心斎橋四ツ橋、日本橋人形町)を5月から8月にかけて開業しました。
流通業セグメントでは、営業収益は駅ナカテナントとの契約方式の変更等により、前年同期比2.5%減の1,165億円となりましたが、営業利益は㈱セブン-イレブン・ジャパン提携店舗をはじめとする物販・飲食業の売上げが堅調に推移し、同5.1%増の31億円となりました。
③ 不動産業
不動産業については、当社グループの保有資産の活用によりお客様の利便性向上や沿線価値向上につながる鉄道事業と親和性の高い事業と捉えて、ショッピングセンターの開発、運営や住宅分譲をはじめとする販売事業等を進めました。
さらに、当社鉄道の沿線外及びエリア外の有望市場についても、不動産販売、賃貸事業展開を進めました。
7月には、「ルクア大阪」を運営するJR西日本SC開発㈱と「天王寺ミオ」を運営する天王寺SC開発㈱とを合併しました。両社が保有するノウハウや人材等の経営資源を一元化し、グループSC全体で活用し、専門性に磨きをかけていきます。
また、9月にはJR西日本グループショッピングセンター共通ポイント及びスマートフォン向けアプリ「WESPO」のサービスを開始したほか、10月の広島駅の商業施設「エキエ」グランドオープンに向けた準備を進めました。
不動産業セグメントでは、不動産販売が好調であったこと等により、営業収益は前年同期比7.1%増の740億円、営業利益は同4.9%増の191億円となりました。
④ その他
ホテル業については、堅調な宿泊需要とお客様の多様なニーズに対応するため、訪日のお客様の受入体制整備等の運営力の強化や、新規ホテルの出店拡大等を推進しました。
5月には、ハイクラス宿泊主体型ホテル「ホテルヴィスキオ京都」を開業しました。今後も「ホテルグランヴィア」をはじめとするシティホテルや、宿泊特化型ホテル「ヴィアイン」等とあわせて、多様なブランド構成で沿線外及びエリア外も含めて展開していきます。
旅行業については、訪日のお客様への営業展開を強化するとともに、法人営業における受注拡大、WEB専用商品をはじめとする個人向け商品の販売拡大等に取り組みました。
その他セグメントでは、営業収益は昨年開業したホテルの効果等により、前年同期比4.6%増の803億円となりましたが、営業利益は工事業での受注減の影響により、同20.5%減の23億円となりました。
運輸業のうち、当社の鉄道事業の営業成績は以下のとおりであります。
ア.輸送実績
区分単位第33期第2四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
前年同期比
営業日数183-
キロ程新幹線キロ812.6812.6
在来線キロ( 28.0 )
4,090.5
( 28.0 )
4,088.0
キロ( 28.0 )
4,903.1
( 28.0 )
4,900.6
輸送人員定期千人624,428102.8%
定期外千人384,571106.5
千人1,009,000104.1




新幹線定期千人キロ468,125104.7
定期外千人キロ10,507,898104.0
千人キロ10,976,024104.1




定期千人キロ9,891,533102.4
定期外千人キロ5,750,541106.1
千人キロ15,642,075103.7


定期千人キロ2,145,503102.7
定期外千人キロ2,221,064109.7
千人キロ4,366,568106.1
定期千人キロ12,037,037102.4
定期外千人キロ7,971,605107.1
千人キロ20,008,643104.2
合計定期千人キロ12,505,162102.5
定期外千人キロ18,479,504105.3
千人キロ30,984,667104.2

(注)1.キロ程欄の上段括弧書は、外数で第三種鉄道事業のキロ程であり、それ以外は第一種鉄道事業及び第二種鉄道事業のキロ程であります。また、前年同期比は、前年第2四半期末の数値を記載しております。
2.輸送人キロ欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
イ.収入実績
区分単位第33期第2四半期累計期間
(自 2019年4月1日
至 2019年9月30日)
前年同期比








新幹線定期百万円5,754102.2%
定期外百万円229,606103.6
百万円235,360103.6




定期百万円59,407100.0
定期外百万円101,729109.6
百万円161,136105.9


定期百万円12,62499.7
定期外百万円43,851110.6
百万円56,476108.0
定期百万円72,03199.9
定期外百万円145,581109.9
百万円217,612106.4
合計定期百万円77,786100.1
定期外百万円375,187106.0
百万円452,973104.9
荷物収入百万円197.0
合計百万円452,975104.9
鉄道線路使用料収入百万円2,516112.2
運輸雑収百万円34,06093.8
収入合計百万円489,551104.1

(注) 旅客収入欄の近畿圏は、近畿統括本部の地域について記載しております。
(2)資産、負債及び純資産の状況
当第2四半期連結会計期間末の総資産額は3兆2,135億円となり、前連結会計年度末と比較し240億円減少しました。これは主に、現金及び預金の減少によるものです。
負債総額は1兆9,775億円となり、前連結会計年度末と比較し802億円減少しました。これは主に、未払金の減少によるものです。
純資産総額は1兆2,359億円となり、前連結会計年度末と比較し561億円増加しました。これは主に、利益剰余金の増加によるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ427億円減少し、937億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、税金等調整前四半期純利益が増加したことなどから、営業活動において得た資金は前年同期に比べ142億円多い1,078億円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、固定資産の取得による支出が増加したことなどから、投資活動において支出した資金は前年同期に比べ123億円多い933億円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、社債の償還があったことなどから、財務活動において支出した資金は前年同期に比べ778億円多い565億円となりました。
(4)経営方針、事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当連結会社の経営方針、事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第2四半期連結累計期間の研究開発費の総額は19億円であります。
なお、当第2四半期連結累計期間における研究開発活動の状況に、重要な変更はありません。
(6)主要な設備
① 新設、休止、大規模改修、除却、売却等について、当第2四半期連結累計期間に著しい変動があったものは、次のとおりであります。
当第2四半期連結累計期間において完成した重要な設備の新設
工事件名セグメントの名称総工事費完成年月
車両新造工事運輸業百万円
4,6722019年6月
13,3492019年9月

② 前連結会計年度末において計画中であった重要な設備の新設、除却等について、当第2四半期
連結累計期間に著しい変更があったものは、次のとおりであります。
当第2四半期連結累計期間に新たに確定した重要な設備の新設の計画
工事件名セグメントの名称予算総額工事着手年月完成予定年月
吹田総合車両所のリニューアル運輸業百万円2019年7月2028年度
35,534