有価証券報告書-第18期(2025/04/01-2026/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
1)経営成績
当連結会計年度における当社及び連結子会社の全社売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の主に民間市場において、部品供給不足による生産・販売減の影響を大きく受けたことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野及びエンタテインメント ソリューションズ分野のメディア事業において、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となりました。
減収の影響を受けたことから、全社事業利益以下親会社の所有者に帰属する当期利益までの段階損益も、前年同期比で減益となりました。
当連結会計年度の連結経営成績のサマリーは以下のとおりです。
(単位:百万円)
※売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなるその他の収益、その他の費用、為替差損益などを含みません。セグメントの業績評価は「事業利益」を使用して説明します。
また、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
* 売上収益
当連結会計年度における売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の主に民間市場において部品供給不足による生産・販売減の影響を大きく受けたことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野及びエンタテインメント ソリューションズ分野のメディア事業において米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で約134億円減(3.6%減収)となる3,568億65百万円となりました。
*事業利益
当社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを「事業利益」としています。
当連結会計年度における事業利益は、上記のとおり減収となったことなどから、前年同期比で約44億円減(17.5%減益)となる208億80百万円となりました。
*営業利益
当連結会計年度における営業利益は、その他の収益・費用が大きく改善したものの、事業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約13億円減(5.7%減益)となる205億40百万円となりました。
* 税引前利益
当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約18億円減(7.8%減益)となる216億60百万円となりました。
* 親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が減益となったことなどから、前年同期比で約35億円減(17.2%減益)となる167億87百万円となりました。
2)財政状態
*資産
資産合計は、現金及び現金同等物や営業債権などの流動資産の増加に加えて、無形資産などの非流動資産が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約343億円増となる3,476億5百万円となりました。
*負債
負債合計は、借入金の返済を進めましたが、転換社債型新株予約権付社債を発行したことなどから、前連結会計年度末比で約160億円増となる1,979億6百万円となりました。
*資本
資本合計は、自己株式取得による減少はありましたが、利益剰余金が約147億円増加したことに加えて、前期末から主要通貨で円安が進行し、その他の資本の構成要素が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約183億円増となる1,496億98百万円となりました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は、利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末比で1.5ポイント増加し41.4%となりました。
② セグメントごとの売上収益及び損益
セグメントごとの売上収益及び事業利益は以下のとおりです。
(百万円)
* モビリティ&テレマティクスサービス分野
当連結会計年度におけるモビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約75億円減(3.7%減収)となる1,957億48百万円、事業利益は同約5億円増(10.6%増益)となる53億99百万円となりました。
(売上収益)
OEM事業は、自動車関連部品や電子機器受託生産などを手掛けるJVCKENWOOD Hong Kong Holdings Limited(以下「JKHL」)の販売が、中国経済低迷による影響を受けて減少したものの、国内の用品事業の販売が好調に推移したことや、車載用スピーカー、アンプ、アンテナ、ケーブルなどを手掛けるASK Industries S.p.A.の販売が堅調に推移したことなどから、前年同期並みの実績となりました。
アフターマーケット事業は、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となりました。
テレマティクスサービス事業は、損害保険会社向け通信型ドライブレコーダーの販売が減少したことなどから、前年同期比で減収となりました。
(事業利益)
OEM事業のJKHLが中国経済低迷による影響を受けたものの、国内の用品事業の販売が好調に推移したことや、アフターマーケット事業が減収の影響を受けながらも、価格改定にともなう利益改善効果があったこと、また、分野全体で固定費の削減に取り組んだことなどから、モビリティ&テレマティクスサービス分野全体では、前年同期比で増益となりました。
* セーフティ&セキュリティ分野
当連結会計年度におけるセーフティ&セキュリティ分野の売上収益は、前年同期比で約53億円減(5.3%減収)となる946億95百万円、事業利益は同約58億円減(31.4%減益)となる127億36百万円となりました。
(売上収益)
無線システム事業は、第1四半期連結会計期間に受けた部品供給不足による生産・販売減の影響から、第2四半期連結会計期間以降は回復に向かいましたが、下期は民間市場において製品供給タイミングの遅れによる販売機会損失の影響を受けました。加えて公共安全市場においても、米国政府機関の閉鎖による予算執行の遅延の影響を受けたことなどから、第1四半期連結会計期間に受けた影響を挽回するまでにはいたらず、前年同期比で約50億円の減収となりました。
業務用システム事業は、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムの販売が堅調に推移しましたが、ヘルスケアが減収となったことから、前年同期比で約3億円の減収となりました。
(事業利益)
無線システム事業は、ヘルスケアの撤退による損失引当を計上したことなどから、セーフティ&セキュリティ分野全体では、前年同期比で減益となりました。
* エンタテインメント ソリューションズ分野
当連結会計年度におけるエンタテインメント ソリューションズ分野の売上収益は、前年同期比で約11億円減(1.9%減収)となる568億19百万円、事業利益は同約7億円の大幅増となる25億17百万円(36.2%増益)となりました。
(売上収益)
メディア事業は、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で約43億円の減収となりました。
エンタテインメント事業は、コンテンツの販売が好調に推移したことなどから、前年同期比で約32億円の大幅な増収となりました。
(事業利益)
メディア事業が減収影響を受けたものの、エンタテインメント事業が大幅な増収となったことから、エンタテインメント ソリューションズ分野全体でも前年同期比で増益となりました。
③ キャッシュ・フロー
* 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は337億58百万円となり、前年同期比で約23億円収入が増加しました。主な要因は、税引前利益は減少しましたが、運転資金が減少したことなどによるものです。
* 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は223億4百万円となり、前年同期比で約8億円支出が増加しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出は減少しましたが、有形固定資産の売却による収入も減少したことなどによるものです。
* 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動により増加した資金は17億61百万円となり、前年同期比で約206億円支出が減少しました。主な要因は、銀行借入れの返済や自己株式の取得による支出の増加はあったものの、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入があったことなどによるものです。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約171億円増となる657億16百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
* 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。
* 受注実績
当社グループの製品のうち、モビリティ&テレマティクスサービス分野、セーフティ&セキュリティ分野、エンタテインメント ソリューションズ分野、その他については原則として見込生産によっています。ただし、エンタテインメント ソリューションズ分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。
* 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2025年10月31日付で2026年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。
(百万円)
当連結会計年度の経営成績は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の主に民間市場において、部品供給不足による生産・販売減の影響を大きく受けたことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野及びエンタテインメント ソリューションズ分野のメディア事業において、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、売上収益は3,568億65百万円、営業利益は205億40百万円、税引前利益は216億60百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は167億87百万円となりました。
2) 財政状態
財政状態の分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態」に記載しています。
3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
*キャッシュ・フロー
当社は、事業活動に必要な資金について、営業活動で獲得したキャッシュ・フローを投入し、不足分については主に銀行等金融機関から借入金により資金調達を行っています。
また、戦略的な資金調達として、ゼロ・クーポンで調達コストを抑えることができるユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を総額300億円で発行するなど資金調達方法の多様化を図っています。
なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。
また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。
(百万円)
*資金需要
当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。
*財務政策
当社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。
この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。
(百万円)
※1. 株主還元は、配当支払い額と自己株式の取得額の合計額。ただし、2025年11月14日付で実施した自己株式の取得額50億円は含めておりません。
※2. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。
※3. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。
4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループにおいては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
1)経営成績
当連結会計年度における当社及び連結子会社の全社売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の主に民間市場において、部品供給不足による生産・販売減の影響を大きく受けたことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野及びエンタテインメント ソリューションズ分野のメディア事業において、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となりました。
減収の影響を受けたことから、全社事業利益以下親会社の所有者に帰属する当期利益までの段階損益も、前年同期比で減益となりました。
当連結会計年度の連結経営成績のサマリーは以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前年同期比 | 増減率 | |
| 売上収益 | 370,308 | 356,865 | △13,443 | △3.6% |
| 事業利益※ | 25,307 | 20,880 | △4,427 | △17.5% |
| 営業利益 | 21,792 | 20,540 | △1,252 | △5.7% |
| 税引前利益 | 23,490 | 21,660 | △1,830 | △7.8% |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 20,276 | 16,787 | △3,488 | △17.2% |
※売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなるその他の収益、その他の費用、為替差損益などを含みません。セグメントの業績評価は「事業利益」を使用して説明します。
また、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | ||
| 損益為替レート | 米ドル | 約145円 | 約147円 | 約154円 | 約157円 |
| ユーロ | 約164円 | 約172円 | 約179円 | 約184円 | |
| 前期(参考) | 米ドル | 約156円 | 約150円 | 約152円 | 約153円 |
| ユーロ | 約168円 | 約164円 | 約163円 | 約161円 |
* 売上収益
当連結会計年度における売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の主に民間市場において部品供給不足による生産・販売減の影響を大きく受けたことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野及びエンタテインメント ソリューションズ分野のメディア事業において米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で約134億円減(3.6%減収)となる3,568億65百万円となりました。
*事業利益
当社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを「事業利益」としています。
当連結会計年度における事業利益は、上記のとおり減収となったことなどから、前年同期比で約44億円減(17.5%減益)となる208億80百万円となりました。
*営業利益
当連結会計年度における営業利益は、その他の収益・費用が大きく改善したものの、事業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約13億円減(5.7%減益)となる205億40百万円となりました。
* 税引前利益
当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約18億円減(7.8%減益)となる216億60百万円となりました。
* 親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が減益となったことなどから、前年同期比で約35億円減(17.2%減益)となる167億87百万円となりました。
2)財政状態
*資産
資産合計は、現金及び現金同等物や営業債権などの流動資産の増加に加えて、無形資産などの非流動資産が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約343億円増となる3,476億5百万円となりました。
*負債
負債合計は、借入金の返済を進めましたが、転換社債型新株予約権付社債を発行したことなどから、前連結会計年度末比で約160億円増となる1,979億6百万円となりました。
*資本
資本合計は、自己株式取得による減少はありましたが、利益剰余金が約147億円増加したことに加えて、前期末から主要通貨で円安が進行し、その他の資本の構成要素が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約183億円増となる1,496億98百万円となりました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は、利益剰余金が増加したことなどから、前連結会計年度末比で1.5ポイント増加し41.4%となりました。
② セグメントごとの売上収益及び損益
セグメントごとの売上収益及び事業利益は以下のとおりです。
(百万円)
| セグメントの名称 | 2025年3月期 | 2026年3月期 | 前連結会計年度比 | |
| モビリティ&テレマティクス | 売上収益 | 203,243 | 195,748 | △7,495 |
| サービス分野 | 事業利益 | 4,881 | 5,399 | +518 |
| セーフティ&セキュリティ分野 | 売上収益 | 100,008 | 94,695 | △5,313 |
| 事業利益 | 18,579 | 12,736 | △5,842 | |
| エンタテインメント | 売上収益 | 57,936 | 56,819 | △1,116 |
| ソリューションズ分野 | 事業利益 | 1,849 | 2,517 | +668 |
| その他 | 売上収益 | 9,120 | 9,602 | +482 |
| 事業利益 | △1 | 226 | +228 | |
| 合計 | 売上収益 | 370,308 | 356,865 | △13,443 |
| 事業利益 | 25,307 | 20,880 | △4,427 | |
* モビリティ&テレマティクスサービス分野
当連結会計年度におけるモビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約75億円減(3.7%減収)となる1,957億48百万円、事業利益は同約5億円増(10.6%増益)となる53億99百万円となりました。
(売上収益)
OEM事業は、自動車関連部品や電子機器受託生産などを手掛けるJVCKENWOOD Hong Kong Holdings Limited(以下「JKHL」)の販売が、中国経済低迷による影響を受けて減少したものの、国内の用品事業の販売が好調に推移したことや、車載用スピーカー、アンプ、アンテナ、ケーブルなどを手掛けるASK Industries S.p.A.の販売が堅調に推移したことなどから、前年同期並みの実績となりました。
アフターマーケット事業は、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となりました。
テレマティクスサービス事業は、損害保険会社向け通信型ドライブレコーダーの販売が減少したことなどから、前年同期比で減収となりました。
(事業利益)
OEM事業のJKHLが中国経済低迷による影響を受けたものの、国内の用品事業の販売が好調に推移したことや、アフターマーケット事業が減収の影響を受けながらも、価格改定にともなう利益改善効果があったこと、また、分野全体で固定費の削減に取り組んだことなどから、モビリティ&テレマティクスサービス分野全体では、前年同期比で増益となりました。
* セーフティ&セキュリティ分野
当連結会計年度におけるセーフティ&セキュリティ分野の売上収益は、前年同期比で約53億円減(5.3%減収)となる946億95百万円、事業利益は同約58億円減(31.4%減益)となる127億36百万円となりました。
(売上収益)
無線システム事業は、第1四半期連結会計期間に受けた部品供給不足による生産・販売減の影響から、第2四半期連結会計期間以降は回復に向かいましたが、下期は民間市場において製品供給タイミングの遅れによる販売機会損失の影響を受けました。加えて公共安全市場においても、米国政府機関の閉鎖による予算執行の遅延の影響を受けたことなどから、第1四半期連結会計期間に受けた影響を挽回するまでにはいたらず、前年同期比で約50億円の減収となりました。
業務用システム事業は、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムの販売が堅調に推移しましたが、ヘルスケアが減収となったことから、前年同期比で約3億円の減収となりました。
(事業利益)
無線システム事業は、ヘルスケアの撤退による損失引当を計上したことなどから、セーフティ&セキュリティ分野全体では、前年同期比で減益となりました。
* エンタテインメント ソリューションズ分野
当連結会計年度におけるエンタテインメント ソリューションズ分野の売上収益は、前年同期比で約11億円減(1.9%減収)となる568億19百万円、事業利益は同約7億円の大幅増となる25億17百万円(36.2%増益)となりました。
(売上収益)
メディア事業は、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、前年同期比で約43億円の減収となりました。
エンタテインメント事業は、コンテンツの販売が好調に推移したことなどから、前年同期比で約32億円の大幅な増収となりました。
(事業利益)
メディア事業が減収影響を受けたものの、エンタテインメント事業が大幅な増収となったことから、エンタテインメント ソリューションズ分野全体でも前年同期比で増益となりました。
③ キャッシュ・フロー
* 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は337億58百万円となり、前年同期比で約23億円収入が増加しました。主な要因は、税引前利益は減少しましたが、運転資金が減少したことなどによるものです。
* 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は223億4百万円となり、前年同期比で約8億円支出が増加しました。主な要因は、有形固定資産の取得による支出は減少しましたが、有形固定資産の売却による収入も減少したことなどによるものです。
* 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動により増加した資金は17億61百万円となり、前年同期比で約206億円支出が減少しました。主な要因は、銀行借入れの返済や自己株式の取得による支出の増加はあったものの、転換社債型新株予約権付社債の発行による収入があったことなどによるものです。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約171億円増となる657億16百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
* 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| モビリティ&テレマティクスサービス分野 | 197,302 | △1.68 |
| セーフティ&セキュリティ分野 | 100,770 | 2.10 |
| エンタテインメント ソリューションズ分野 | 57,346 | △1.76 |
| その他 | 10,292 | 12.85 |
| 合計 | 365,711 | △0.31 |
(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。
* 受注実績
当社グループの製品のうち、モビリティ&テレマティクスサービス分野、セーフティ&セキュリティ分野、エンタテインメント ソリューションズ分野、その他については原則として見込生産によっています。ただし、エンタテインメント ソリューションズ分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。
* 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第312条の規定によりIFRS会計基準に準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2025年10月31日付で2026年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。
(百万円)
| (参考) 2026年3月期 通期連結業績予想 (2025年5月1日付 期初業績予想) | 2026年3月期 通期連結業績予想 (2025年10月31日付 修正業績予想) | 2026年3月期 通期連結実績 | 2026年3月期 通期連結業績予想比 (2025年10月31日付 修正業績予想比) | |
| 売上収益 | 358,000 | 360,000 | 356,865 | 99.1% |
| 事業利益 | 20,000 | 21,000 | 20,880 | 99.4% |
| 営業利益 | 19,000 | 20,500 | 20,540 | 100.2% |
| 税引前利益 | 19,500 | 21,000 | 21,660 | 103.1% |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 14,000 | 15,500 | 16,787 | 108.3% |
当連結会計年度の経営成績は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の主に民間市場において、部品供給不足による生産・販売減の影響を大きく受けたことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野及びエンタテインメント ソリューションズ分野のメディア事業において、米国の関税措置による影響を受けたことなどから、売上収益は3,568億65百万円、営業利益は205億40百万円、税引前利益は216億60百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は167億87百万円となりました。
2) 財政状態
財政状態の分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態」に記載しています。
3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
*キャッシュ・フロー
当社は、事業活動に必要な資金について、営業活動で獲得したキャッシュ・フローを投入し、不足分については主に銀行等金融機関から借入金により資金調達を行っています。
また、戦略的な資金調達として、ゼロ・クーポンで調達コストを抑えることができるユーロ円建転換社債型新株予約権付社債を総額300億円で発行するなど資金調達方法の多様化を図っています。
なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。
また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。
(百万円)
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 31,452 | 33,758 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △21,545 | △22,304 |
| フリーキャッシュ・フロー | 9,906 | 11,454 |
*資金需要
当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。
*財務政策
当社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。
この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。
(百万円)
| 2025年3月期 | 2026年3月期 | |
| 株主還元 | 7,066 | 7,365 |
| 投融資 | 26,460 | 24,225 |
| 有利子負債の返済 | 11,155 | 14,107 |
※1. 株主還元は、配当支払い額と自己株式の取得額の合計額。ただし、2025年11月14日付で実施した自己株式の取得額50億円は含めておりません。
※2. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。
※3. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。
4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループにおいては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。