有価証券報告書-第16期(2023/04/01-2024/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
1)経営成績
当社は企業価値最大化へ向けて当社の強みが活かせる収益性の高い市場への事業ポートフォリオ変革に際し、当社の目指す事業戦略を明確にするため、2023年4月1日付で、「パブリックサービス分野」を「セーフティ&セキュリティ分野」へ、「メディアサービス分野」を「エンタテインメント ソリューションズ分野」へそれぞれ名称変更いたしました。
当連結会計年度における当社及び連結子会社の全社売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の好調継続に加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業が堅調に推移したことなどから前年同期比で増収となり、全社事業利益は増益となりました。全社営業利益については前年同期比で減益となりましたが、前期の第3四半期連結会計期間に計上した固定資産譲渡益(約97億円)の影響を除けば、前年同期比で大幅な増益となりました。
なお、当連結会計年度の連結経営成績のサマリーは以下のとおりです。
(単位:百万円)
※売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなるその他の収益、その他の費用、為替差損益などを含みません。セグメントの業績評価は「事業利益」を使用して説明します。なお2024年3月期より、「コア営業利益」から「事業利益」に名称を変更しています。
また、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
* 売上収益
当連結会計年度における売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の販売が、前期に引き続き非常に好調に推移したことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業、エンタテインメント ソリューションズ分野のエンタテインメント事業の販売が堅調に推移したことなどから、全社では前年同期比で約225億円増(6.7%増収)となる3,594億59百万円となりました。
*事業利益
当社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを「事業利益」としています。
当連結会計年度における事業利益は、上記のとおり増収となったことなどから、前年同期比で約39億円増(24.5%増益)となる197億10百万円となりました。
*営業利益
当連結会計年度における営業利益は、事業利益は増益となったものの、前期は第3四半期連結会計期間に固定資産譲渡益(約97億円)を計上したことなどから、前年同期比で約34億円減(15.8%減益)となる182億26百万円となりました。
* 税引前利益
当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約29億円減(13.8%減益)となる182億45百万円となりました。
* 親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が減益となったことなどから、前年同期比で約32億円減(19.8%減益)となる130億16百万円となりました。
2)財政状態
*資産
資産合計は、棚卸資産は減少しましたが、営業債権及びその他の債権や有形固定資産が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約175億円増となる3,168億19百万円となりました。
*負債
負債合計は、借入金は減少しましたが、営業債務及びその他の債務や未払費用などその他の流動負債が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約25百万円減となる1,955億98百万円となりました。
*資本
資本合計は、自己株式の取得による減少はありましたが、利益剰余金が約112億円増加したことに加え、主要通貨に対して円安が進んだことにより、その他の資本の構成要素が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約175億円増となる1,212億20百万円となりました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は、親会社の所有者に帰属する持分合計が増加したことから、前連結会計年度末比で3.2ポイント増加し36.2%となりました。
② セグメントごとの売上収益及び損益
セグメントごとの売上収益及び事業利益は以下のとおりです。
(百万円)
* モビリティ&テレマティクスサービス分野
当連結会計年度におけるモビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約19億円増(0.9%増収)となる1,994億35百万円、事業利益は同約5億円減(11.9%減益)となる38億71百万円となりました。
なお、事業利益には為替ヘッジによるマイナス影響として約32億円が含まれており、この為替ヘッジによる影響を控除して算出した同分野の事業利益は、前年同期比で増益となっています。
(売上収益)
OEM事業は、当第4四半期連結会計期間に国内自動車メーカーの生産・販売減による影響を受けたものの、欧州子会社のASK Industries S.p.A.の販売が、前期に引き続き好調に推移したことなどから、前年同期比で増収となりました。
アフターマーケット事業は、主に米国の大手量販店の在庫調整にともなう販売減の影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となりました。
テレマティクスサービス事業は、損害保険会社向け通信型ドライブレコーダーなどのテレマティクスソリューション関連商品の販売が減少したことから、前年同期比で減収となりました。
(事業利益)
為替ヘッジによるマイナス影響に加え、アフターマーケット事業及びテレマティクスサービス事業が減収の影響を受けたことから、OEM事業は増収効果により前年同期比で増益となったものの、モビリティ&テレマティクスサービス分野全体では、前年同期比で減益となりました。
* セーフティ&セキュリティ分野
当連結会計年度におけるセーフティ&セキュリティ分野の売上収益は、前年同期比で約191億円増(25.6%増収)となる937億55百万円、事業利益は同約58億円増(54.4%増益)となる164億85百万円となりました。
(売上収益)
無線システム事業は、米国を始めとする海外市場において販売が非常に好調に推移したことなどから、前年同期比で約179億円の増収となりました。
業務用システム事業は、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムで、鉄道など社会インフラ市場が回復傾向となったことなどから、前年同期比で約12億円の増収となりました。
(事業利益)
無線システム事業が大幅増収により大幅増益となり、業務用システム事業も増収により損益が改善したことから、セーフティ&セキュリティ分野全体でも、前年同期比で大幅増益となりました。
* エンタテインメント ソリューションズ分野
当連結会計年度におけるエンタテインメント ソリューションズ分野の売上収益は、前年同期比で約13億円減(2.2%減収)となる559億78百万円、事業利益は同約11億円減(132.2%減益)となる2億57百万円の損失となりました。
なお、メディア事業の業務用カメラ事業は、2024年3月期の市況などを考慮して業容を縮小することとし、これにともない第3四半期連結会計期間に構造改革費用として部材の損失引当約8億円を計上いたしました。事業利益にはこの損失引当約8億円が含まれています。
(売上収益)
メディア事業は、ヘッドホン・イヤホンの販売は堅調に推移したものの、ポータブル電源や業務用カメラなどの販売が減少したことなどから、前年同期比で約34億円の減収となりました。
エンタテインメント事業は、コンテンツビジネスの販売が好調に推移したことなどから、前年同期比で約21億円の増収となりました。
(事業利益)
エンタテインメント事業は増収効果により前年同期比で増益となったものの、メディア事業において減収の影響に加えて、業務用カメラ事業の構造改革費用として部材の損失引当約8億円を計上したことなどから、エンタテインメント ソリューションズ分野全体では前年同期比で減益となりました。
③ キャッシュ・フロー
* 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は331億72百万円となり、前年同期比で約66億円収入が増加しました。主な要因は、営業債権及びその他の債権の増加はあったものの、棚卸資産が減少したことによる運転資金の減少などによるものです。
* 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は160億62百万円となり、前年同期比で約87億円支出が増加しました。主な要因は、新社屋の建設などにともない有形固定資産の取得による支出が増加したこと及び有形固定資産の売却による収入が大きく減少したことなどによるものです。
* 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動により減少した資金は193億53百万円となり、前年同期比で約53億円支出が増加しました。主な要因は、増配及び自己株式の取得による支出の増加などによるものです。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約17億円増となる578億74百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
* 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。
* 受注実績
当社グループの製品のうち、モビリティ&テレマティクスサービス分野・セーフティ&セキュリティ分野・エンタテインメント ソリューションズ分野・その他については原則として見込生産によっています。ただし、エンタテインメント ソリューションズ分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。
* 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、2024年3月期の期初における連結業績予想及び2024年4月22日付の修正業績予想との対比で、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2023年10月31日及び2024年4月22日付で2024年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。
(百万円)
当連結会計年度の経営成績は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の好調継続に加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業が堅調に推移したことなどから、売上収益は3,594億59百万円、営業利益は182億26百万円、税引前利益は182億45百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は130億16百万円となりました。
2) 財政状態
財政状態の分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態」に記載しています。
3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
*キャッシュ・フロー
当社は、円滑な事業活動に必要な資金について、主として銀行等金融機関から借入金により資金調達を行っており、借入金の年度別返済額を平準化することで借り換えリスクの低減を図っています。
また、一時的な資金需要の増加にも対応できるように銀行とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性を確保しています。
なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。
また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。
(百万円)
*資金需要
当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。
*財務政策
当社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。
この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。
(百万円)
※1. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。
※2. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。
4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループにおいては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
1)経営成績
当社は企業価値最大化へ向けて当社の強みが活かせる収益性の高い市場への事業ポートフォリオ変革に際し、当社の目指す事業戦略を明確にするため、2023年4月1日付で、「パブリックサービス分野」を「セーフティ&セキュリティ分野」へ、「メディアサービス分野」を「エンタテインメント ソリューションズ分野」へそれぞれ名称変更いたしました。
当連結会計年度における当社及び連結子会社の全社売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の好調継続に加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業が堅調に推移したことなどから前年同期比で増収となり、全社事業利益は増益となりました。全社営業利益については前年同期比で減益となりましたが、前期の第3四半期連結会計期間に計上した固定資産譲渡益(約97億円)の影響を除けば、前年同期比で大幅な増益となりました。
なお、当連結会計年度の連結経営成績のサマリーは以下のとおりです。
(単位:百万円)
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | 前年同期比 | 増減率 | |
| 売上収益 | 336,910 | 359,459 | +22,548 | +6.7% |
| 事業利益※ | 15,836 | 19,710 | +3,874 | +24.5% |
| 営業利益 | 21,634 | 18,226 | △3,407 | △15.8% |
| 税引前利益 | 21,161 | 18,245 | △2,915 | △13.8% |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 16,229 | 13,016 | △3,212 | △19.8% |
※売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除することにより算出され、主として一時的な要因からなるその他の収益、その他の費用、為替差損益などを含みません。セグメントの業績評価は「事業利益」を使用して説明します。なお2024年3月期より、「コア営業利益」から「事業利益」に名称を変更しています。
また、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | ||
| 損益為替レート | 米ドル | 約137円 | 約145円 | 約148円 | 約149円 |
| ユーロ | 約150円 | 約157円 | 約159円 | 約161円 | |
| 前期(参考) | 米ドル | 約130円 | 約138円 | 約141円 | 約132円 |
| ユーロ | 約138円 | 約139円 | 約144円 | 約142円 |
* 売上収益
当連結会計年度における売上収益は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の販売が、前期に引き続き非常に好調に推移したことに加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業、エンタテインメント ソリューションズ分野のエンタテインメント事業の販売が堅調に推移したことなどから、全社では前年同期比で約225億円増(6.7%増収)となる3,594億59百万円となりました。
*事業利益
当社は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除したものを「事業利益」としています。
当連結会計年度における事業利益は、上記のとおり増収となったことなどから、前年同期比で約39億円増(24.5%増益)となる197億10百万円となりました。
*営業利益
当連結会計年度における営業利益は、事業利益は増益となったものの、前期は第3四半期連結会計期間に固定資産譲渡益(約97億円)を計上したことなどから、前年同期比で約34億円減(15.8%減益)となる182億26百万円となりました。
* 税引前利益
当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が減益となったことなどから、前年同期比で約29億円減(13.8%減益)となる182億45百万円となりました。
* 親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が減益となったことなどから、前年同期比で約32億円減(19.8%減益)となる130億16百万円となりました。
2)財政状態
*資産
資産合計は、棚卸資産は減少しましたが、営業債権及びその他の債権や有形固定資産が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約175億円増となる3,168億19百万円となりました。
*負債
負債合計は、借入金は減少しましたが、営業債務及びその他の債務や未払費用などその他の流動負債が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約25百万円減となる1,955億98百万円となりました。
*資本
資本合計は、自己株式の取得による減少はありましたが、利益剰余金が約112億円増加したことに加え、主要通貨に対して円安が進んだことにより、その他の資本の構成要素が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約175億円増となる1,212億20百万円となりました。
なお、親会社所有者帰属持分比率は、親会社の所有者に帰属する持分合計が増加したことから、前連結会計年度末比で3.2ポイント増加し36.2%となりました。
② セグメントごとの売上収益及び損益
セグメントごとの売上収益及び事業利益は以下のとおりです。
(百万円)
| セグメントの名称 | 2023年3月期 | 2024年3月期 | 前連結会計年度比 | |
| モビリティ&テレマティクス | 売上収益 | 197,564 | 199,435 | +1,871 |
| サービス分野 | 事業利益 | 4,396 | 3,871 | △524 |
| セーフティ&セキュリティ分野 | 売上収益 | 74,652 | 93,755 | +19,102 |
| 事業利益 | 10,675 | 16,485 | +5,810 | |
| エンタテインメント | 売上収益 | 57,265 | 55,978 | △1,286 |
| ソリューションズ分野 | 事業利益 | 798 | △257 | △1,055 |
| その他 | 売上収益 | 7,427 | 10,289 | +2,861 |
| 事業利益 | △33 | △389 | △355 | |
| 合計 | 売上収益 | 336,910 | 359,459 | +22,548 |
| 事業利益 | 15,836 | 19,710 | +3,874 | |
* モビリティ&テレマティクスサービス分野
当連結会計年度におけるモビリティ&テレマティクスサービス分野の売上収益は、前年同期比で約19億円増(0.9%増収)となる1,994億35百万円、事業利益は同約5億円減(11.9%減益)となる38億71百万円となりました。
なお、事業利益には為替ヘッジによるマイナス影響として約32億円が含まれており、この為替ヘッジによる影響を控除して算出した同分野の事業利益は、前年同期比で増益となっています。
(売上収益)
OEM事業は、当第4四半期連結会計期間に国内自動車メーカーの生産・販売減による影響を受けたものの、欧州子会社のASK Industries S.p.A.の販売が、前期に引き続き好調に推移したことなどから、前年同期比で増収となりました。
アフターマーケット事業は、主に米国の大手量販店の在庫調整にともなう販売減の影響を受けたことなどから、前年同期比で減収となりました。
テレマティクスサービス事業は、損害保険会社向け通信型ドライブレコーダーなどのテレマティクスソリューション関連商品の販売が減少したことから、前年同期比で減収となりました。
(事業利益)
為替ヘッジによるマイナス影響に加え、アフターマーケット事業及びテレマティクスサービス事業が減収の影響を受けたことから、OEM事業は増収効果により前年同期比で増益となったものの、モビリティ&テレマティクスサービス分野全体では、前年同期比で減益となりました。
* セーフティ&セキュリティ分野
当連結会計年度におけるセーフティ&セキュリティ分野の売上収益は、前年同期比で約191億円増(25.6%増収)となる937億55百万円、事業利益は同約58億円増(54.4%増益)となる164億85百万円となりました。
(売上収益)
無線システム事業は、米国を始めとする海外市場において販売が非常に好調に推移したことなどから、前年同期比で約179億円の増収となりました。
業務用システム事業は、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムで、鉄道など社会インフラ市場が回復傾向となったことなどから、前年同期比で約12億円の増収となりました。
(事業利益)
無線システム事業が大幅増収により大幅増益となり、業務用システム事業も増収により損益が改善したことから、セーフティ&セキュリティ分野全体でも、前年同期比で大幅増益となりました。
* エンタテインメント ソリューションズ分野
当連結会計年度におけるエンタテインメント ソリューションズ分野の売上収益は、前年同期比で約13億円減(2.2%減収)となる559億78百万円、事業利益は同約11億円減(132.2%減益)となる2億57百万円の損失となりました。
なお、メディア事業の業務用カメラ事業は、2024年3月期の市況などを考慮して業容を縮小することとし、これにともない第3四半期連結会計期間に構造改革費用として部材の損失引当約8億円を計上いたしました。事業利益にはこの損失引当約8億円が含まれています。
(売上収益)
メディア事業は、ヘッドホン・イヤホンの販売は堅調に推移したものの、ポータブル電源や業務用カメラなどの販売が減少したことなどから、前年同期比で約34億円の減収となりました。
エンタテインメント事業は、コンテンツビジネスの販売が好調に推移したことなどから、前年同期比で約21億円の増収となりました。
(事業利益)
エンタテインメント事業は増収効果により前年同期比で増益となったものの、メディア事業において減収の影響に加えて、業務用カメラ事業の構造改革費用として部材の損失引当約8億円を計上したことなどから、エンタテインメント ソリューションズ分野全体では前年同期比で減益となりました。
③ キャッシュ・フロー
* 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は331億72百万円となり、前年同期比で約66億円収入が増加しました。主な要因は、営業債権及びその他の債権の増加はあったものの、棚卸資産が減少したことによる運転資金の減少などによるものです。
* 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は160億62百万円となり、前年同期比で約87億円支出が増加しました。主な要因は、新社屋の建設などにともない有形固定資産の取得による支出が増加したこと及び有形固定資産の売却による収入が大きく減少したことなどによるものです。
* 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動により減少した資金は193億53百万円となり、前年同期比で約53億円支出が増加しました。主な要因は、増配及び自己株式の取得による支出の増加などによるものです。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約17億円増となる578億74百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
* 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| モビリティ&テレマティクスサービス分野 | 193,965 | △7.04 |
| セーフティ&セキュリティ分野 | 98,610 | 20.97 |
| エンタテインメント ソリューションズ分野 | 54,246 | △7.70 |
| その他 | 10,289 | 38.91 |
| 合計 | 357,111 | 0.21 |
(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。
* 受注実績
当社グループの製品のうち、モビリティ&テレマティクスサービス分野・セーフティ&セキュリティ分野・エンタテインメント ソリューションズ分野・その他については原則として見込生産によっています。ただし、エンタテインメント ソリューションズ分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。
* 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、2024年3月期の期初における連結業績予想及び2024年4月22日付の修正業績予想との対比で、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2023年10月31日及び2024年4月22日付で2024年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。
(百万円)
| (参考) 2024年3月期 通期連結業績予想 (2023年4月27日付 期初業績予想) | 2024年3月期 通期連結業績予想 (2024年4月22日付 修正業績予想) | 2024年3月期 通期連結実績 | (参考) 2024年3月期 通期連結業績予想比 (2023年4月27日付 期初業績予想) | 2024年3月期 通期連結業績予想比 (2024年4月22日付 修正業績予想比) | |
| 売上収益 | 350,000 | 359,000 | 359,459 | 102.7% | 100.1% |
| 営業利益 | 13,400 | 18,100 | 18,226 | 136.0% | 100.7% |
| 税引前利益 | 12,400 | 18,100 | 18,245 | 147.1% | 100.8% |
| 親会社の所有者に帰属する 当期利益 | 8,000 | 12,900 | 13,016 | 162.7% | 100.9% |
当連結会計年度の経営成績は、セーフティ&セキュリティ分野の無線システム事業の好調継続に加え、モビリティ&テレマティクスサービス分野の海外OEM事業が堅調に推移したことなどから、売上収益は3,594億59百万円、営業利益は182億26百万円、税引前利益は182億45百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は130億16百万円となりました。
2) 財政状態
財政状態の分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態」に記載しています。
3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
*キャッシュ・フロー
当社は、円滑な事業活動に必要な資金について、主として銀行等金融機関から借入金により資金調達を行っており、借入金の年度別返済額を平準化することで借り換えリスクの低減を図っています。
また、一時的な資金需要の増加にも対応できるように銀行とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性を確保しています。
なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。
また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。
(百万円)
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 26,607 | 33,172 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △7,329 | △16,062 |
| フリーキャッシュ・フロー | 19,278 | 17,110 |
*資金需要
当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。
*財務政策
当社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。
この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。
(百万円)
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | |
| 株主還元 | 980 | 8,963 |
| 投融資 | 16,115 | 22,402 |
| 有利子負債の返済 | 12,331 | 10,283 |
※1. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。
※2. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。
4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループにおいては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。