訂正有価証券報告書-第13期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
1)経営成績
前連結会計年度第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が第1四半期連結会計期間にさらに拡大したこと、また当第4四半期連結会計期間の半導体を中心とした部品の納入遅延による工場稼働率の低下及び物流の滞留と遅延が、当連結会計年度の業績に大きな影響を及ぼしました。
その結果、当連結会計年度における当社の全社売上収益は、前年同期比で減収となりました。しかしながら、下半期は各分野で販売が回復したことから、当第4四半期連結会計期間に部品の供給不足による生産減の影響を受けたものの、前年同期比で増収となりました。
当連結会計年度における全社営業利益については、全社売上収益の減収の影響を受けましたが、下半期の販売回復に加えて、期初から継続している新型コロナウイルス感染症緊急対策(CEM※)プロジェクトの効果発現などにより、前年同期比で増益となりました。
※ 売上の下限リスクを想定したキャッシュアウト抑制と経費削減を推進する緊急対策。CEMはCOVID-19 Emergency Measuresの略。
なお、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
* 売上収益
当連結会計年度における売上収益は、主に上半期に新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことから、下半期は販売が回復したものの、前年同期比で約177億円減(6.1%減収)となる2,736億9百万円となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、新型コロナウイルス感染症の再拡大の環境下、半導体を中心とした部品の納入遅延による工場稼働率の低下及び物流の滞留と遅延により当社グループのサプライチェーンは大きく影響を受けましたが、第3四半期連結会計期間に引き続き需要及び販売が堅調に推移したことなどにより、前年同期比で約68億円増(9.4%増収)となる787億23百万円となりました。
* 営業利益
当連結会計年度における営業利益は、上半期に減収減益となったことに加え、減損損失を計上したことによるその他の費用の悪化の影響を受けました。しかしながら上述のとおり下半期の販売回復に加えて、期初から継続しているCEMプロジェクトの効果発現などにより、通期では前年同期比で約8億円増(19.9%増益)となる48億93百万円となりました。
なお、当第4四半期連結会計期間では、販売回復に加えて上記のCEMプロジェクトの効果発現などにより、前年同期比で約30億円増となる28億34百万円と大幅増益となりました。なお、当連結会計年度において、従業員の雇用などに関わる政府補助金を純損益として認識し、売上原価と販売費及び一般管理費からの控除並びにその他の収益への計上をしています。
以下、セグメントの業績評価は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した「コア営業利益※」を使用して説明します。
当連結会計年度におけるコア営業利益は、パブリックサービス分野及びメディアサービス分野が減益となりましたが、オートモーティブ分野が下半期の販売回復にともない増益となり、DXビジネスの伸長によりその他分野が大幅増益となったことから、前年同期比で約18億円増(31.5%増益)となる74億73百万円となりました。
なお、当第4四半期連結会計期間では、前年同期比で約41億円の大幅増(290.1%増益)となる55億20百万円となりました。
※ コア営業利益には、営業利益に含まれるその他の収益、その他の費用、為替差損益など、主に一時的に発生する要因を含みません。
* 税引前利益
当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が増加したことなどから、前年同期比で約17億円増(57.6%増益)となる45億33百万円となりました。
* 親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が増加したことなどから、前年同期比で約12億円増(125.8%増益)となる21億54百万円となりました。
2)財政状態
*資産
資産合計は、棚卸資産や、無形資産などの非流動資産は減少しましたが、現金及び現金同等物が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約147億円増加の2,643億26百万円となりました。
*負債
負債合計は、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムの確定拠出年金制度への移行にともない退職給付に係る負債が減少しましたが、営業債務及びその他の債務が増加したことから、前連結会計年度末比で約61億円増加となる1,958億3百万円となりました。
*資本
資本合計は、当期利益を計上したことにより利益剰余金が増加したことや、在外営業活動体の外貨換算差額などのその他の資本の構成要素が増加したことなどにより、前連結会計年度末比で約85億円増加の685億23百万円となりました。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比で1.9%ポイント増加し、24.5%となりました。
② セグメントごとの売上収益及び損益
セグメントごとの売上収益及びコア営業利益は以下のとおりです。
(百万円)
* オートモーティブ分野
当連結会計年度におけるオートモーティブ分野の売上収益は、前年同期比で約67億円減(4.5%減収)の1,431億11百万円、コア営業利益は同約25億円増(209.5%増益)となる36億83百万円となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、売上収益は前年同期比で約62億円増(17.9%増収)となる409億56百万円、コア営業利益は前年同期比で約35億円増となる25億93百万円となり黒字に転換しました。
(売上収益)
アフターマーケット事業は、第1四半期連結会計期間中における新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう販売活動停滞などの影響を大きく受けましたが、下半期に販売が回復したことから前年同期比で増収となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、国内市場では部品の供給不足による生産減の影響を受けたことから「彩速ナビ」の販売が減少したものの、海外市場では主に米州や欧州において第3四半期連結会計期間に引き続きディスプレイオーディオなどの販売が回復したことから、前年同期比で増収となりました。
OEM事業は、主に第1四半期連結会計期間に新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう自動車メーカーの新車販売台数減少の影響を受けたことなどから、当連結会計年度では前年同期比で減収となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、国内市場では新車販売台数の回復にともない用品の販売が回復したことに加え、海外市場でも欧州子会社のASK Industries S.p.A.の販売が大きく伸長したことなどから、前年同期比で増収となりました。
(コア営業利益)
アフターマーケット事業は、増収となったことに加えて経費削減の効果などにより、大幅な増益となりました。
OEM事業は、減収の影響を受けましたが、下半期には増収となったことに加えて経費削減の効果などにより、増益となりました。
* パブリックサービス分野
当連結会計年度におけるパブリックサービス分野の売上収益は、前年同期比で約98億円減(13.9%減収)の608億81百万円、コア営業利益は同約11億円減(36.3%減益)となる18億65百万円となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、売上収益は前年同期比で約11億円減(5.4%減収)の192億35百万円、コア営業利益は同約6億円増(27.4%増益)の28億1百万円となりました。
(売上収益)
無線システム事業は、第1四半期連結会計期間にマレーシア政府が発令した活動制限令によって主力工場のマレーシア工場が閉鎖となった影響を受けたことに加え、全世界での新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう販売活動停滞の影響を受けたことなどから、下半期には販売が回復したものの、前年同期比で約46億円減収となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、米州におけるビジネスインダストリー市場での販売が第3四半期連結会計期間に引き続き堅調に推移したものの、為替影響を受けたことなどから、ほぼ前年同期並みの実績となりました。
業務用システム事業は、第1四半期連結会計期間に国内で発令された緊急事態宣言に起因する市場における設備投資減少の影響が通年にわたり継続したことなどから、前年同期比で約52億円減収となりました。
(コア営業利益)
無線システム事業は、減収の影響を受けたものの、経費削減効果及び事業体質強化活動の効果が発現したことなどから、当第4四半期連結会計期間では前年同期比で増益となり、当連結会計年度でも前年同期並みの実績まで回復しました。
業務用システム事業は、上記の減収の影響から減益となりました。
* メディアサービス分野
当連結会計年度におけるメディアサービス分野の売上収益は、前年同期比で約53億円減(9.6%減収)の500億93百万円、コア営業利益は同約3億円減(40.2%減益)となる5億3百万円となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、第3四半期連結会計期間に引き続きメディア事業の販売が回復したことから、売上収益は前年同期比で約3億円増(2.1%増収)の135億95百万円、コア営業利益は同約3億円増の2億85百万円となり黒字に転換しました。
(売上収益)
メディア事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大にともないBtoB事業での市況悪化の影響を受けましたが、テレワークや巣ごもり需要の増加によりBtoC事業の販売が好調に推移したことから、前年同期比で約1億円の減収に留まりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、テレワークや巣ごもり需要の増加などにより、ポータブル電源やホームオーディオの販売が増加したことなどから、前年同期比で約13億円増収となりました。
エンタテインメント事業は、イベントやライブの中止の影響などによる非音源ビジネスの停滞が通年にわたり継続したことから、前年同期比で約52億円減収となりました。
(コア営業利益)
メディア事業は減収の影響を受けましたが、下半期には増収となったことに加え、経費削減の効果が発現したことなどにより増益となりました。
エンタテインメント事業は、上記の減収の影響から減益となりました。
なお、その他分野に含まれるDXビジネス事業は、テレマティクスソリューション関連の販売が通年にわたり好調に推移したことなどから、売上収益、コア営業利益ともに大幅に伸長しました。
③ キャッシュ・フロー
* 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は358億29百万円となり、前年同期比で約142億円収入が増加しました。主な要因は税引前利益が増加したことや運転資金からの流入によるものです。
* 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は118億4百万円となり、前年同期比で約79億円支出が減少しました。主な要因は有形固定資産及び無形資産の取得による支出が減少したことによるものです。
* 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動により減少した資金は53億42百万円となり、前年同期比で約37億円支出が増加しました。主な要因は長期借入金の返済による支出が増加したことによるものです。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約197億円増の596億44百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
* 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。
* 受注実績
当社グループの製品のうち、オートモーティブ分野・パブリックサービス分野・メディアサービス分野・その他については原則として見込生産によっています。ただし、メディアサービス分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。
* 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、2021年3月期の期初における連結業績予想との対比で、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2021年4月21日付で2021年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。
(百万円)
当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症が第1四半期連結会計期間にさらに拡大したこと、また当第4四半期連結会計期間に半導体を中心とした部品の納入遅延による工場稼働率の低下及び物流の滞留と遅延による影響を受けたことなどから、売上収益が2,736億9百万円、営業利益が48億93百万円、税引前利益が45億33百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は21億54百万円となりました。
また、当社グループは2018年1月に見直ししました中長期経営計画「2020年ビジョン」にてROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を経営指標として掲げ、最終年度である2021年3月期の目標を10%としていました。しかしながら、上述のとおり新型コロナウイルス感染症の拡大や、半導体を中心とした部品の納入遅延による影響を大きく受けたことから、当連結会計年度におけるROEは3.6%となり、目標には届きませんでした。ただし、当連結会計年度は、親会社の所有者に帰属する当期利益が大きく改善したことなどから、前連結会計年度の1.6%と比較して2.0%ポイント増加しました。これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
2) 財政状態
財政状態の分析の詳細は、(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態 に記載しています。
3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
*キャッシュ・フロー
当社は、円滑な事業活動に必要な資金について、主として銀行などの金融機関から長期借入金により資金調達を行っており、借入金の年度別返済額の集中を避けることで借り換えリスクの低減を図っています。
また、一時的な資金需要の増加にも対応できるように銀行とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性を確保しています。
なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。
また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。
(百万円)
*資金需要
当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。
*財務政策
当社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。
この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。
(百万円)
※1. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。
※2. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。
4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループにおいては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)の状況の概要は以下のとおりです。
① 財政状態及び経営成績の状況
1)経営成績
前連結会計年度第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が第1四半期連結会計期間にさらに拡大したこと、また当第4四半期連結会計期間の半導体を中心とした部品の納入遅延による工場稼働率の低下及び物流の滞留と遅延が、当連結会計年度の業績に大きな影響を及ぼしました。
その結果、当連結会計年度における当社の全社売上収益は、前年同期比で減収となりました。しかしながら、下半期は各分野で販売が回復したことから、当第4四半期連結会計期間に部品の供給不足による生産減の影響を受けたものの、前年同期比で増収となりました。
当連結会計年度における全社営業利益については、全社売上収益の減収の影響を受けましたが、下半期の販売回復に加えて、期初から継続している新型コロナウイルス感染症緊急対策(CEM※)プロジェクトの効果発現などにより、前年同期比で増益となりました。
※ 売上の下限リスクを想定したキャッシュアウト抑制と経費削減を推進する緊急対策。CEMはCOVID-19 Emergency Measuresの略。
なお、当連結会計年度の決算に使用した損益為替レートは以下のとおりです。
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | ||
| 損益為替レート | 米ドル | 約108円 | 約106円 | 約105円 | 約106円 |
| ユーロ | 約119円 | 約124円 | 約125円 | 約128円 | |
| 前期(参考) | 米ドル | 約110円 | 約107円 | 約109円 | 約109円 |
| ユーロ | 約124円 | 約119円 | 約120円 | 約120円 |
* 売上収益
当連結会計年度における売上収益は、主に上半期に新型コロナウイルス感染症の影響を受けたことから、下半期は販売が回復したものの、前年同期比で約177億円減(6.1%減収)となる2,736億9百万円となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、新型コロナウイルス感染症の再拡大の環境下、半導体を中心とした部品の納入遅延による工場稼働率の低下及び物流の滞留と遅延により当社グループのサプライチェーンは大きく影響を受けましたが、第3四半期連結会計期間に引き続き需要及び販売が堅調に推移したことなどにより、前年同期比で約68億円増(9.4%増収)となる787億23百万円となりました。
* 営業利益
当連結会計年度における営業利益は、上半期に減収減益となったことに加え、減損損失を計上したことによるその他の費用の悪化の影響を受けました。しかしながら上述のとおり下半期の販売回復に加えて、期初から継続しているCEMプロジェクトの効果発現などにより、通期では前年同期比で約8億円増(19.9%増益)となる48億93百万円となりました。
なお、当第4四半期連結会計期間では、販売回復に加えて上記のCEMプロジェクトの効果発現などにより、前年同期比で約30億円増となる28億34百万円と大幅増益となりました。なお、当連結会計年度において、従業員の雇用などに関わる政府補助金を純損益として認識し、売上原価と販売費及び一般管理費からの控除並びにその他の収益への計上をしています。
以下、セグメントの業績評価は、売上収益から売上原価、販売費及び一般管理費を控除した「コア営業利益※」を使用して説明します。
当連結会計年度におけるコア営業利益は、パブリックサービス分野及びメディアサービス分野が減益となりましたが、オートモーティブ分野が下半期の販売回復にともない増益となり、DXビジネスの伸長によりその他分野が大幅増益となったことから、前年同期比で約18億円増(31.5%増益)となる74億73百万円となりました。
なお、当第4四半期連結会計期間では、前年同期比で約41億円の大幅増(290.1%増益)となる55億20百万円となりました。
※ コア営業利益には、営業利益に含まれるその他の収益、その他の費用、為替差損益など、主に一時的に発生する要因を含みません。
* 税引前利益
当連結会計年度における税引前利益は、営業利益が増加したことなどから、前年同期比で約17億円増(57.6%増益)となる45億33百万円となりました。
* 親会社の所有者に帰属する当期利益
当連結会計年度における親会社の所有者に帰属する当期利益は、税引前利益が増加したことなどから、前年同期比で約12億円増(125.8%増益)となる21億54百万円となりました。
2)財政状態
*資産
資産合計は、棚卸資産や、無形資産などの非流動資産は減少しましたが、現金及び現金同等物が増加したことなどから、前連結会計年度末比で約147億円増加の2,643億26百万円となりました。
*負債
負債合計は、株式会社JVCケンウッド・公共産業システムの確定拠出年金制度への移行にともない退職給付に係る負債が減少しましたが、営業債務及びその他の債務が増加したことから、前連結会計年度末比で約61億円増加となる1,958億3百万円となりました。
*資本
資本合計は、当期利益を計上したことにより利益剰余金が増加したことや、在外営業活動体の外貨換算差額などのその他の資本の構成要素が増加したことなどにより、前連結会計年度末比で約85億円増加の685億23百万円となりました。
この結果、親会社所有者帰属持分比率は前連結会計年度末比で1.9%ポイント増加し、24.5%となりました。
② セグメントごとの売上収益及び損益
セグメントごとの売上収益及びコア営業利益は以下のとおりです。
(百万円)
| セグメントの名称 | 2020年3月期 | 2021年3月期 | 前連結会計年度比 | |
| オートモーティブ分野 | 売上収益 | 149,790 | 143,111 | △6,679 |
| コア営業利益 | 1,190 | 3,683 | +2,493 | |
| パブリックサービス分野 | 売上収益 | 70,676 | 60,881 | △9,795 |
| コア営業利益 | 2,928 | 1,865 | △1,063 | |
| メディアサービス分野 | 売上収益 | 55,402 | 50,093 | △5,309 |
| コア営業利益 | 841 | 503 | △338 | |
| その他 | 売上収益 | 15,434 | 19,523 | +4,089 |
| コア営業利益 | 724 | 1,421 | +697 | |
| 合計 | 売上収益 | 291,304 | 273,609 | △17,695 |
| コア営業利益 | 5,684 | 7,473 | +1,789 | |
| 営業利益 | 4,080 | 4,893 | +813 | |
| 税引前利益 | 2,877 | 4,533 | +1,656 | |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | 954 | 2,154 | +1,200 | |
* オートモーティブ分野
当連結会計年度におけるオートモーティブ分野の売上収益は、前年同期比で約67億円減(4.5%減収)の1,431億11百万円、コア営業利益は同約25億円増(209.5%増益)となる36億83百万円となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、売上収益は前年同期比で約62億円増(17.9%増収)となる409億56百万円、コア営業利益は前年同期比で約35億円増となる25億93百万円となり黒字に転換しました。
(売上収益)
アフターマーケット事業は、第1四半期連結会計期間中における新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう販売活動停滞などの影響を大きく受けましたが、下半期に販売が回復したことから前年同期比で増収となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、国内市場では部品の供給不足による生産減の影響を受けたことから「彩速ナビ」の販売が減少したものの、海外市場では主に米州や欧州において第3四半期連結会計期間に引き続きディスプレイオーディオなどの販売が回復したことから、前年同期比で増収となりました。
OEM事業は、主に第1四半期連結会計期間に新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう自動車メーカーの新車販売台数減少の影響を受けたことなどから、当連結会計年度では前年同期比で減収となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、国内市場では新車販売台数の回復にともない用品の販売が回復したことに加え、海外市場でも欧州子会社のASK Industries S.p.A.の販売が大きく伸長したことなどから、前年同期比で増収となりました。
(コア営業利益)
アフターマーケット事業は、増収となったことに加えて経費削減の効果などにより、大幅な増益となりました。
OEM事業は、減収の影響を受けましたが、下半期には増収となったことに加えて経費削減の効果などにより、増益となりました。
* パブリックサービス分野
当連結会計年度におけるパブリックサービス分野の売上収益は、前年同期比で約98億円減(13.9%減収)の608億81百万円、コア営業利益は同約11億円減(36.3%減益)となる18億65百万円となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、売上収益は前年同期比で約11億円減(5.4%減収)の192億35百万円、コア営業利益は同約6億円増(27.4%増益)の28億1百万円となりました。
(売上収益)
無線システム事業は、第1四半期連結会計期間にマレーシア政府が発令した活動制限令によって主力工場のマレーシア工場が閉鎖となった影響を受けたことに加え、全世界での新型コロナウイルス感染症の拡大にともなう販売活動停滞の影響を受けたことなどから、下半期には販売が回復したものの、前年同期比で約46億円減収となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、米州におけるビジネスインダストリー市場での販売が第3四半期連結会計期間に引き続き堅調に推移したものの、為替影響を受けたことなどから、ほぼ前年同期並みの実績となりました。
業務用システム事業は、第1四半期連結会計期間に国内で発令された緊急事態宣言に起因する市場における設備投資減少の影響が通年にわたり継続したことなどから、前年同期比で約52億円減収となりました。
(コア営業利益)
無線システム事業は、減収の影響を受けたものの、経費削減効果及び事業体質強化活動の効果が発現したことなどから、当第4四半期連結会計期間では前年同期比で増益となり、当連結会計年度でも前年同期並みの実績まで回復しました。
業務用システム事業は、上記の減収の影響から減益となりました。
* メディアサービス分野
当連結会計年度におけるメディアサービス分野の売上収益は、前年同期比で約53億円減(9.6%減収)の500億93百万円、コア営業利益は同約3億円減(40.2%減益)となる5億3百万円となりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、第3四半期連結会計期間に引き続きメディア事業の販売が回復したことから、売上収益は前年同期比で約3億円増(2.1%増収)の135億95百万円、コア営業利益は同約3億円増の2億85百万円となり黒字に転換しました。
(売上収益)
メディア事業は、新型コロナウイルス感染症の拡大にともないBtoB事業での市況悪化の影響を受けましたが、テレワークや巣ごもり需要の増加によりBtoC事業の販売が好調に推移したことから、前年同期比で約1億円の減収に留まりました。
また、当第4四半期連結会計期間では、テレワークや巣ごもり需要の増加などにより、ポータブル電源やホームオーディオの販売が増加したことなどから、前年同期比で約13億円増収となりました。
エンタテインメント事業は、イベントやライブの中止の影響などによる非音源ビジネスの停滞が通年にわたり継続したことから、前年同期比で約52億円減収となりました。
(コア営業利益)
メディア事業は減収の影響を受けましたが、下半期には増収となったことに加え、経費削減の効果が発現したことなどにより増益となりました。
エンタテインメント事業は、上記の減収の影響から減益となりました。
なお、その他分野に含まれるDXビジネス事業は、テレマティクスソリューション関連の販売が通年にわたり好調に推移したことなどから、売上収益、コア営業利益ともに大幅に伸長しました。
③ キャッシュ・フロー
* 営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において営業活動により増加した資金は358億29百万円となり、前年同期比で約142億円収入が増加しました。主な要因は税引前利益が増加したことや運転資金からの流入によるものです。
* 投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において投資活動により減少した資金は118億4百万円となり、前年同期比で約79億円支出が減少しました。主な要因は有形固定資産及び無形資産の取得による支出が減少したことによるものです。
* 財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度において財務活動により減少した資金は53億42百万円となり、前年同期比で約37億円支出が増加しました。主な要因は長期借入金の返済による支出が増加したことによるものです。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前年同期比で約197億円増の596億44百万円となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
* 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。
| セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前連結会計年度比(%) |
| オートモーティブ分野 | 138,836 | △6.94 |
| パブリックサービス分野 | 59,346 | △17.49 |
| メディアサービス分野 | 48,720 | △15.31 |
| その他 | 20,816 | 32.25 |
| 合計 | 267,719 | △9.06 |
(注)金額は販売価格で計上しており、消費税等は含まれていません。
* 受注実績
当社グループの製品のうち、オートモーティブ分野・パブリックサービス分野・メディアサービス分野・その他については原則として見込生産によっています。ただし、メディアサービス分野におけるエンタテインメント事業の一部は受注生産によっていますが、これらは受注と同時に生産・引渡しを行うため受注高と販売高はほぼ同額です。
* 販売実績
当連結会計年度における販売実績は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②セグメントごとの売上収益及び損益」に、セグメントごとに記載しています。なお、主要な販売先については、総販売実績に対する販売割合が100分の10以上を占める相手先がないため、記載を省略しています。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討事項
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討事項は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」第93条の規定によりIFRSに準拠して作成しています。この連結財務諸表の作成に当たって、必要と思われる見積りは、合理的な基準に基づいて実施しています。詳細につきましては、「第5 経理の状況1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び判断」に記載のとおりです。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
1) 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、2021年3月期の期初における連結業績予想との対比で、以下のとおりとなりました。なお、当社グループは、2021年4月21日付で2021年3月期通期連結業績予想の修正を行っています。
(百万円)
| 2021年3月期 通期連結業績予想 (2021年4月21日付 業績予想の修正前の予想) | 2021年3月期 通期連結実績 | 2021年3月期 通期連結業績予想比 | |
| 売上収益 | 260,000 | 273,609 | 105.2% |
| 営業利益 | 2,000 | 4,893 | 244.7% |
| 税引前利益 | 850 | 4,533 | 533.3% |
| 親会社の所有者に帰属する当期利益 | △1,400 | 2,154 | - % |
当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度第4四半期に発生した新型コロナウイルス感染症が第1四半期連結会計期間にさらに拡大したこと、また当第4四半期連結会計期間に半導体を中心とした部品の納入遅延による工場稼働率の低下及び物流の滞留と遅延による影響を受けたことなどから、売上収益が2,736億9百万円、営業利益が48億93百万円、税引前利益が45億33百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益は21億54百万円となりました。
また、当社グループは2018年1月に見直ししました中長期経営計画「2020年ビジョン」にてROE(親会社所有者帰属持分当期利益率)を経営指標として掲げ、最終年度である2021年3月期の目標を10%としていました。しかしながら、上述のとおり新型コロナウイルス感染症の拡大や、半導体を中心とした部品の納入遅延による影響を大きく受けたことから、当連結会計年度におけるROEは3.6%となり、目標には届きませんでした。ただし、当連結会計年度は、親会社の所有者に帰属する当期利益が大きく改善したことなどから、前連結会計年度の1.6%と比較して2.0%ポイント増加しました。これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しています。
2) 財政状態
財政状態の分析の詳細は、(1)経営成績等の状況の概況 ①財政状態及び経営成績の概要 2)財政状態 に記載しています。
3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
*キャッシュ・フロー
当社は、円滑な事業活動に必要な資金について、主として銀行などの金融機関から長期借入金により資金調達を行っており、借入金の年度別返済額の集中を避けることで借り換えリスクの低減を図っています。
また、一時的な資金需要の増加にも対応できるように銀行とコミットメントライン契約を締結し、十分な流動性を確保しています。
なお、当社は、営業活動により獲得されたキャッシュ・フローと投資活動で支出されたキャッシュ・フローの合計をフリーキャッシュ・フローとして定義し、当社はこの指標を戦略的投資又は借入金返済に充当可能な資金、或いは資金調達にあたって外部借入への依存度合いを測る目的から、有用な指標と考えており、以下のとおりフリーキャッシュ・フローを算出しています。
また、これらの分析の詳細は、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フロー」に記載しています。
(百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 21,642 | 35,829 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △19,675 | △11,804 |
| フリーキャッシュ・フロー | 1,966 | 24,024 |
*資金需要
当社の運転資金のうち主なものは、当社グループ製品製造のための材料及び部品の購入のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものです。営業費用の主なものは人件費及び宣伝販促費等のマーケティング費用です。当社グループの研究開発費は営業費用の一部として計上されていますが、研究開発に携わる従業員の人件費が研究開発費の主要な部分を占めています。
*財務政策
当社は、株主への安定的な利益還元を図っていくとともに、今後の成長に向けた投資、財務基盤の強化を図り、大きな成長を実現する事業の構築を推進して行き、その時々の経営状況に鑑みて、株主還元、有利子負債の返済、投融資に配分して資金を使用します。
この2年間での資金配分は以下のとおりとなっています。
(百万円)
| 2020年3月期 | 2021年3月期 | |
| 株主還元 | 983 | 819 |
| 投融資 | 21,203 | 14,199 |
| 有利子負債の返済 | - | 3,855 |
※1. 投融資は、投資キャッシュ・フローから定期預金の増減、資産売却及び分配による収入を除外した額。
※2. 有利子負債は、借入金純増減額の減少額とリース負債の返済額の合計額で、合計額がマイナスの場合は「-」(増加(収入)となる。)となります。
4) 経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループにおいては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載した各種の要因が、当社グループの経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。