有価証券報告書-第122期(2025/04/01-2026/03/31)
経営者の視点による当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びにこれらの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要性がある会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
重要性がある会計方針及び見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記3 重要性がある会計方針」及び「同 注記4 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)経営成績の状況
当社は中期経営計画(2023-2025)において、収益力を回復し再び持続的な成長軌道に戻すことを目指し、事業の稼ぐ力である事業貢献利益の増大に取り組んできました。本中期経営計画の2年目までは事業の選択と集中及びグローバル構造改革を実行しました。当連結会計年度(以下「当期」)は本中期経営計画の最終年度にあたりますが、中期経営計画(2023-2025)で掲げた目標の達成とともに「Turn Around 2025」と位置づけ、持続的な成長に向けた基盤の確立に着手しました。
当期における当社グループの連結売上高は、1兆877億円(前期比3.6%減)となりました。インダストリー事業の売上高は伸長しましたが、前期に事業の選択と集中によりプロフェッショナルプリント事業等で事業領域の絞り込みを実行したことと、デジタルワークプレイス事業と画像ソリューション事業の減収が主な要因です。
売上総利益は4,784億円(前期比0.2%減)となりました。減収により売上総利益は減少しましたが、売上総利益率は、1.5ポイント改善しました。インダストリー事業の売上総利益の増加、事業の選択と集中による改善、前期にデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業及び画像ソリューション事業にて連結調整における未実現利益消去の計算を見直した影響の剥落等によるものです。
事業貢献利益は531億円(前期比66.6%増)となりました。事業貢献利益率は2.1ポイント改善しました。売上総利益率の改善に加え、前期に実施したグローバル構造改革や事業の選択と集中の効果等により販売費及び一般管理費率が0.6ポイント改善しました。
営業利益は498億円(前期は640億円の損失)となりました。 前期には、減損損失511億円、事業構造改善費用216億円、事業の選択と集中に関わる費用202億円を計上しましたが、これらの影響の剥落により、営業利益は事業貢献利益の拡大とあわせて前期比で大幅に改善しています。
なお、米国関税による影響は106億円増加しました。加えて、顧客の投資抑制、米国市況の悪化等の影響を受けましたが、価格対応、製品構成や経費の追加削減等を実行し、当社事業への影響は53億円となりました。
税引前利益は434億円(前期は791億円の損失)となりました。金融収支は、支払利息の減少、為替差益、東京サイト日野(東京都日野市)の土地の不動産信託受益権の取得による益等により前期比で86億円改善しました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は302億円(前期は474億円の損失)となりました。主に前期に実施した事業の選択と集中に伴い発生した税務上の損失に対する繰延税金資産の回収可能性が改善したことにより当期の税金費用が改善しました。また、非継続事業からは、Ambry Genetics社全株式のTempus社への譲渡に伴い譲渡価額の一部として取得したTempus社の株式の公正価値変動による益や、株式の一部売却による損等により、当期では19億円の損失(前期は450億円の利益)を計上しました。なお、ROEは6.1%(前期は△9.5%)となりました。
米国関税に関連して、当社は米国当局に対して関税の還付申請を行っております。これらについては、当局による審査を経て還付の可否及び還付額が決定されるものであり、現時点においては、還付の可否・還付額・還付時期はいずれも不確実な状況にあります。
また、過去に納付した関税については一定の要件を満たす場合には追加の還付申請を行う可能性がありますが、その対象範囲や申請時期等は現時点で未確定であり、将来の影響については不確実性を伴います。
(注)「事業貢献利益」は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の外部顧客への売上高の「その他」、営業利益は同記載のセグメント利益(△は損失)の「その他」と「調整額」の合計であります。
(注3)前第3四半期連結会計期間からプレシジョンメディシン事業を非継続事業に分類し、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。
①デジタルワークプレイス事業
デジタルワークプレイス事業の売上高は6,105億円(前期比1.0%減)となりました。
オフィスユニットは前期比で減収となりました。ハードは、地域別では米国等で減少したほか、相手先ブランド向け売上が減少しました。消耗品やサービス等のノンハードは市場における設置台数の減少が影響し、地域別では米国等で減少しました。
ITサービス等の提供を中心とするDW-DXユニットは、事業の選択と集中による一部事業の譲渡の影響を受け、前期比で減収となりました。一方で、欧州におけるビジネスコンテンツ管理や業務プロセス管理を提供するサービスや日本における自社開発のAI SaaS事業は好調に推移し、事業譲渡の影響を除くと増収となりました。
当事業の事業貢献利益は387億円(前期比8.3%増)でした。オフィスユニットの減収に伴い売上総利益は減少しましたが、前期に実施したグローバル構造改革の効果に加え、DW-DXユニットにおける事業の選択と集中の効果も寄与しました。
営業利益は、370億円(前期比165.2%増)となりました。前期に発生した、前述の事業構造改善費用や減損損失が剥落した影響により、増益となりました。
②プロフェッショナルプリント事業
プロフェッショナルプリント事業の売上高は2,551億円(前期比10.4%減)となりました。
プロダクションプリントユニットは、Konica Minolta Marketing Services Holding Company Limitedの株式譲渡の影響により前期比で減収となりましたが、この影響を除くと前期並みとなりました。ハードは、米国や中国で減収となりましたが、インドでは増収となり、為替の影響も加えて前期並みとなりました。消耗品やサービス等のノンハードは、欧州やインド等の地域を中心に伸長し、増収となりました。
産業印刷ユニットは、前期比で増収となりました。ハードは米国関税の影響による商談長期化の影響を受け減収となりましたが、ノンハードは増収となりました。
当事業の事業貢献利益は110億円(前期比14.6%減)となりました。ハードの売上総利益の減少と、産業印刷ユニットにおける新製品開発にかかる費用の増加が影響しました。
営業利益は93億円(前期は131億円の損失)となりました。その他の費用として、Konica Minolta Marketing Services Holding Company Limitedの株式譲渡に伴う為替換算差額の実現による損等を子会社株式売却損に16億円計上しましたが、前期に発生した前述の事業構造改善費用や減損損失が剥落した影響により、増益となりました。
③インダストリー事業
インダストリー事業の売上高は1,267億円(前期比6.3%増)となりました。
センシングユニットは、前期比で増収となりました。光源色向け計測器では、大手顧客によるディスプレイ設備投資が回復し増収となりました。また、物体色向け計測器は新製品の販売が好調に推移し増収、自動車の外観計測向け検査装置も新規顧客への販売が拡大し増収となりました。一方でハイパースペクトルイメージング技術を応用した計測器は欧州のリサイクル市場での顧客の投資先送りにより減収となりました。
機能材料ユニットは前期比で増収となりました。当第3四半期連結会計期間に発生した生産能力の制約の影響がありましたが、生産は安定化しました。TV等の大型領域及びスマートフォン等の中小型領域ともにフィルム需要は堅調に推移し、大型のIPS方式液晶ディスプレイ向けを中心に販売を拡大しました。
IJコンポーネントユニットは、前期比で減収となりました。主にサイングラフィックス市場において、欧州や中国で販売が減少したことが影響しました。
光学コンポーネントユニットは、前期比で増収となりました。注力する半導体検査装置用及びプロジェクタ用レンズの販売が好調に推移しました。
当事業の事業貢献利益は224億円(前期比59.6%増)となりました。センシングユニット、機能材料ユニット、光学コンポーネントユニットの増収に伴う売上総利益の増加、機能材料ユニットの棚卸資産の評価損の剥落による売上総利益の増加、及び販売費及び一般管理費の効率化による減少が寄与しました。
営業利益は222億円(前期は127億円の損失)となりました。前述の減損損失が剥落した影響も寄与し、増益となりました。
④画像ソリューション事業
画像ソリューション事業の売上高は945億円(前期比11.6%減)となりました。
ヘルスケアユニットは、前期比で減収となりました。DR(デジタルラジオグラフィー)の販売台数は、アジアやインドでは増加したものの、米州と欧州で減少し、前期並みとなりました。医療ITの販売は、新製品効果もあり米国を中心に伸長しました。一方、中国でのX線フィルム需要の減少に加え、日本での仕入れ商材の販売が減少しました。
画像IoTソリューションユニットは、前期比で減収となりました。当社の保有するMOBOTIX AGの全株式を譲渡する等の事業の選択と集中を進めたことが影響しております。
映像ソリューションユニットは、前期比で増収となりました。プラネタリウム直営館及び機器販売が好調に推移しました。
当事業の事業貢献損失は18億円(前期は103億円の損失)となりました。ヘルスケアユニットにおける販売費及び一般管理費の削減と前期の減損損失計上による減価償却費の減少、画像IoTソリューションユニットにおける事業の選択と集中の効果により、収益性が改善しました。映像ソリューションユニットは安定した収益を確保しております。
営業損失は13億円(前期は259億円の損失)となりました。その他の収益として、MOBOTIX AGの株式譲渡に伴う為替換算差額の実現等による17億円の子会社株式売却益を計上しました。前期に発生した、前述の事業構造改善費用や、事業の選択と集中に関わる費用、減損損失が剥落した影響により、増益となりました。
(3)財政状態の状況
当連結会計年度末(以下「当期末」)の資産合計は、前期末比172億円(1.4%)増加し1兆2,349億円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権の増加270億円、現金及び現金同等物の増加208億円、のれん及び無形資産の増加114億円、事業の選択と集中を進めた結果、計上していた売却目的で保有する資産の減少263億円、その他の金融資産の減少189億円によるものであります。
負債合計については、前期末比576億円(7.7%)減少し6,859億円となりました。これは主に、リース負債の減少262億円、引当金の減少162億円、事業の選択と集中を進めた結果、計上していた売却目的で保有する資産に直接関連する負債の減少157億円、社債及び借入金の減少136億円、その他の流動負債の増加80億円によるものであります。
資本合計については、前期末比748億円(15.8%)増加し5,489億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比733億円(15.8%)増加し5,365億円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素(主に在外営業活動体の換算差額)の増加445億円、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上302億円によるものであります。
これらの結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,085.64円となり、親会社所有者帰属持分比率は5.4ポイント増加の43.4%となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
当期の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー862億円の収入と、投資活動によるキャッシュ・フロー340億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは522億円のプラスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは402億円の支出となりました。
そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比178億円増加の1,107億円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前利益434億円、非継続事業からの税引前損失19億円に、減価償却費及び償却費586億円、棚卸資産の減少による増加149億円等によるキャッシュ・フローの増加と、営業債務及びその他の債務の減少による減少145億円、法人所得税の支払額95億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは862億円の収入となりました。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローには、米国の関税率の引き上げに伴う関税支払増の影響も含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出479億円、無形資産の取得による支出131億円、投資有価証券の売却による収入213億円、子会社の売却による収入57億円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは340億円の支出となりました。
なお、有形固定資産の取得による支出には、過去にセール・アンド・リースバック方式で譲渡した東京サイト日野(東京都日野市)の土地の信託受益権取得の影響が含まれております。
また、投資有価証券の売却による収入には、Ambry Genetics社の株式譲渡の受取対価であるTempus社株式の一部売却による影響が含まれております。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは522億円のプラス(前期は757億円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の償還及び長期借入金の返済334億円、短期借入金の純減少額290億円、リース負債の返済215億円等による支出と、社債の発行及び長期借入れ475億円等の収入により、財務活動によるキャッシュ・フローは402億円の支出(前期は1,108億円の支出)となりました。
(5)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注1)金額は、売価換算値で表示しております。
(注2)デジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業につきましては、共通の設備にて生産を行っておりますので、当該生産拠点における生産実績を記載しております。
(注3)当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記5 事業セグメント」に記載のとおりであります。
②受注実績
当社グループは見込み生産を主としておりますので、記載を省略しております。
③販売実績
販売状況については、「(2)経営成績の状況」において各セグメントの業績に関連付けて示しております。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①資本政策の基本的な方針
当社は、事業ポートフォリオマネジメントの徹底、コスト構造と経営資源配分の適正化を進め、中長期的な企業価値向上に向けた持続的な成長を支えるための最適な資本政策を実施していきます。
特にキャッシュ・フロー創出力の強化と資本効率(ROE・ROIC)の向上を重視し、その実現に向けて、「成長投資の実施」、「財務基盤の強化」及び「株主還元の充実」について、これらの最適バランスを目指した資本政策を推進し、資本効率を意識した最適な資本・負債構成を目指します。
1)資本効率の向上
資本コストを重視し、資本コストを安定的に上回るROE・ROICの向上を目指します。ROEの改善ドライバーとして当期純利益率と総資産回転率の改善を重視し、バランスの取れた財務基盤を維持しつつ、資本効率の向上を図ります。
当期純利益率の改善に対しては、事業別ROIC(注)を用いて事業毎の効率性と収益性を評価し、資本効率と企業価値の継続的な向上を実現していきます。
2)株主還元の充実
連結業績から得られるキャッシュ・フローを元に成長分野への投資や財務バランス等を総合的に勘案し、配当を基本として利益還元の充実に努めます。自己株式の取得については、当社の財務状況や株価の推移等も勘案しつつ、利益還元策の一つとして適切に判断していきます。
3)財務健全性の担保
当社は、財務ガバナンスの強化、財務リスクの最小化、資金効率の向上、株主資本の充実により、財務基盤をより強固なものとしながら、事業の選択と集中に従った成長投資を進めていきます。
(注)事業別ROIC:事業毎に税引後営業利益を投下資本で除した比率であり、事業活動のために投下した資本を使って、どれだけ事業利益を生み出したかを示す指標であります。
事業別ROICの極大化によりROICの向上を図ります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
②資金需要
当社グループの主な資金需要は、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資や、将来の成長及び企業価値向上を目的としたM&Aによる投資であります。
③資金の源泉
当社グループの資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入や社債の発行による資金調達であります。
④資金調達についての方針
当社グループは、円滑な事業活動に必要な流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針とし、主に金融機関からの短期借入及び長期借入や社債の発行により資金調達を行っております。社債については、国内社債発行登録枠を有しており、当社の既発行社債の債券格付、発行登録予備格付はともに株式会社格付投資情報センター(R&I)及び株式会社日本格付研究所(JCR)からA格を取得しております。長期資金の調達に際しては、償還や返済の時期を分散することにより借り換えリスクの低減を図っております。また、資金調達は主に当社が行っており、必要資金を関係会社に主にキャッシュ・マネジメント・システムを通じて供給することで資金調達の一元化や効率化を図っております。
(注)2018年3月31日以降の残高には、ハイブリッドローンが含まれております。格付機関の評価により、資金調達額1,000億円の50%に対して資本性の認定をうけております。
(注)ハイブリッドローンの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記20 社債及び借入金」に記載のとおりであります。
⑤流動性
当社は営業活動によるキャッシュ・フローに加え、複数の金融機関との間で2027年9月末を期限とする1,000億円のコミットメントライン及び一つの金融機関との間で2026年10月末を期限とする50億円のコミットメントラインを締結しているほか、アンコミットメントベースの融資枠も有しております。なお、2026年3月末時点のコミットメントラインの使用残高はゼロです。
また、当社グループ内の資金の効率化については、日本・北米・欧州・アジアパシフィックの各統括拠点においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、各地域の余剰資金を当社へ集中し一元的に管理を行うことにより、資金効率の向上と金融費用の極小化及びガバナンスの向上を図っております。なお、一時的な余剰資金は、安全性が極めて高い金融資産で運用しております。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要性がある会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、「連結財務諸表の用語、様式及び作成方法に関する規則」(昭和51年大蔵省令第28号)第312条の規定により、IFRSに準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり見積りが必要となる事項については、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。
重要性がある会計方針及び見積りについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記3 重要性がある会計方針」及び「同 注記4 重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。
(2)経営成績の状況
当社は中期経営計画(2023-2025)において、収益力を回復し再び持続的な成長軌道に戻すことを目指し、事業の稼ぐ力である事業貢献利益の増大に取り組んできました。本中期経営計画の2年目までは事業の選択と集中及びグローバル構造改革を実行しました。当連結会計年度(以下「当期」)は本中期経営計画の最終年度にあたりますが、中期経営計画(2023-2025)で掲げた目標の達成とともに「Turn Around 2025」と位置づけ、持続的な成長に向けた基盤の確立に着手しました。
当期における当社グループの連結売上高は、1兆877億円(前期比3.6%減)となりました。インダストリー事業の売上高は伸長しましたが、前期に事業の選択と集中によりプロフェッショナルプリント事業等で事業領域の絞り込みを実行したことと、デジタルワークプレイス事業と画像ソリューション事業の減収が主な要因です。
売上総利益は4,784億円(前期比0.2%減)となりました。減収により売上総利益は減少しましたが、売上総利益率は、1.5ポイント改善しました。インダストリー事業の売上総利益の増加、事業の選択と集中による改善、前期にデジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業及び画像ソリューション事業にて連結調整における未実現利益消去の計算を見直した影響の剥落等によるものです。
事業貢献利益は531億円(前期比66.6%増)となりました。事業貢献利益率は2.1ポイント改善しました。売上総利益率の改善に加え、前期に実施したグローバル構造改革や事業の選択と集中の効果等により販売費及び一般管理費率が0.6ポイント改善しました。
営業利益は498億円(前期は640億円の損失)となりました。 前期には、減損損失511億円、事業構造改善費用216億円、事業の選択と集中に関わる費用202億円を計上しましたが、これらの影響の剥落により、営業利益は事業貢献利益の拡大とあわせて前期比で大幅に改善しています。
なお、米国関税による影響は106億円増加しました。加えて、顧客の投資抑制、米国市況の悪化等の影響を受けましたが、価格対応、製品構成や経費の追加削減等を実行し、当社事業への影響は53億円となりました。
税引前利益は434億円(前期は791億円の損失)となりました。金融収支は、支払利息の減少、為替差益、東京サイト日野(東京都日野市)の土地の不動産信託受益権の取得による益等により前期比で86億円改善しました。
親会社の所有者に帰属する当期利益は302億円(前期は474億円の損失)となりました。主に前期に実施した事業の選択と集中に伴い発生した税務上の損失に対する繰延税金資産の回収可能性が改善したことにより当期の税金費用が改善しました。また、非継続事業からは、Ambry Genetics社全株式のTempus社への譲渡に伴い譲渡価額の一部として取得したTempus社の株式の公正価値変動による益や、株式の一部売却による損等により、当期では19億円の損失(前期は450億円の利益)を計上しました。なお、ROEは6.1%(前期は△9.5%)となりました。
米国関税に関連して、当社は米国当局に対して関税の還付申請を行っております。これらについては、当局による審査を経て還付の可否及び還付額が決定されるものであり、現時点においては、還付の可否・還付額・還付時期はいずれも不確実な状況にあります。
また、過去に納付した関税については一定の要件を満たす場合には追加の還付申請を行う可能性がありますが、その対象範囲や申請時期等は現時点で未確定であり、将来の影響については不確実性を伴います。
(注)「事業貢献利益」は、売上高から売上原価、販売費及び一般管理費を控除して算出しております。
セグメント別の状況は以下のとおりであります。
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |||
| (自2024.4.1 | (自2025.4.1 | ||||
| 至2025.3.31) | 至2026.3.31) | ||||
| 億円 | 億円 | 億円 | % | ||
| デジタルワークプレイス | 売上高 | 6,163 | 6,105 | △58 | △1.0 |
| 事業 | 事業貢献利益 | 357 | 387 | 29 | 8.3 |
| 営業利益 | 139 | 370 | 230 | 165.2 | |
| プロフェッショナル | 売上高 | 2,846 | 2,551 | △294 | △10.4 |
| プリント事業 | 事業貢献利益 | 129 | 110 | △18 | △14.6 |
| 営業利益 | △131 | 93 | 225 | - | |
| インダストリー事業 | 売上高 | 1,192 | 1,267 | 75 | 6.3 |
| 事業貢献利益 | 140 | 224 | 83 | 59.6 | |
| 営業利益 | △127 | 222 | 350 | - | |
| 画像ソリューション事業 | 売上高 | 1,069 | 945 | △123 | △11.6 |
| 事業貢献利益 | △103 | △18 | 84 | - | |
| 営業利益 | △259 | △13 | 246 | - | |
| 小計 | 売上高 | 11,272 | 10,870 | △401 | △3.6 |
| 事業貢献利益 | 524 | 704 | 179 | 34.3 | |
| 営業利益 | △379 | 673 | 1,052 | - | |
| 「その他」及び調整額 | 売上高 | 6 | 7 | 0 | 7.6 |
| (注2) | 事業貢献利益 | △205 | △172 | 32 | - |
| 営業利益 | △260 | △174 | 86 | - | |
| 連結損益計算書計上額 | 売上高 | 11,278 | 10,877 | △401 | △3.6 |
| 事業貢献利益 | 319 | 531 | 212 | 66.6 | |
| 営業利益 | △640 | 498 | 1,138 | - | |
(注1)売上高は外部顧客への売上高であります。
(注2)売上高は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 連結財務諸表注記 5 事業セグメント」に記載の外部顧客への売上高の「その他」、営業利益は同記載のセグメント利益(△は損失)の「その他」と「調整額」の合計であります。
(注3)前第3四半期連結会計期間からプレシジョンメディシン事業を非継続事業に分類し、非継続事業を除いた継続事業の金額を表示しております。
①デジタルワークプレイス事業
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デジタルワークプレイス事業の売上高は6,105億円(前期比1.0%減)となりました。
オフィスユニットは前期比で減収となりました。ハードは、地域別では米国等で減少したほか、相手先ブランド向け売上が減少しました。消耗品やサービス等のノンハードは市場における設置台数の減少が影響し、地域別では米国等で減少しました。
ITサービス等の提供を中心とするDW-DXユニットは、事業の選択と集中による一部事業の譲渡の影響を受け、前期比で減収となりました。一方で、欧州におけるビジネスコンテンツ管理や業務プロセス管理を提供するサービスや日本における自社開発のAI SaaS事業は好調に推移し、事業譲渡の影響を除くと増収となりました。
当事業の事業貢献利益は387億円(前期比8.3%増)でした。オフィスユニットの減収に伴い売上総利益は減少しましたが、前期に実施したグローバル構造改革の効果に加え、DW-DXユニットにおける事業の選択と集中の効果も寄与しました。
営業利益は、370億円(前期比165.2%増)となりました。前期に発生した、前述の事業構造改善費用や減損損失が剥落した影響により、増益となりました。
②プロフェッショナルプリント事業
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プロフェッショナルプリント事業の売上高は2,551億円(前期比10.4%減)となりました。
プロダクションプリントユニットは、Konica Minolta Marketing Services Holding Company Limitedの株式譲渡の影響により前期比で減収となりましたが、この影響を除くと前期並みとなりました。ハードは、米国や中国で減収となりましたが、インドでは増収となり、為替の影響も加えて前期並みとなりました。消耗品やサービス等のノンハードは、欧州やインド等の地域を中心に伸長し、増収となりました。
産業印刷ユニットは、前期比で増収となりました。ハードは米国関税の影響による商談長期化の影響を受け減収となりましたが、ノンハードは増収となりました。
当事業の事業貢献利益は110億円(前期比14.6%減)となりました。ハードの売上総利益の減少と、産業印刷ユニットにおける新製品開発にかかる費用の増加が影響しました。
営業利益は93億円(前期は131億円の損失)となりました。その他の費用として、Konica Minolta Marketing Services Holding Company Limitedの株式譲渡に伴う為替換算差額の実現による損等を子会社株式売却損に16億円計上しましたが、前期に発生した前述の事業構造改善費用や減損損失が剥落した影響により、増益となりました。
③インダストリー事業
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インダストリー事業の売上高は1,267億円(前期比6.3%増)となりました。
センシングユニットは、前期比で増収となりました。光源色向け計測器では、大手顧客によるディスプレイ設備投資が回復し増収となりました。また、物体色向け計測器は新製品の販売が好調に推移し増収、自動車の外観計測向け検査装置も新規顧客への販売が拡大し増収となりました。一方でハイパースペクトルイメージング技術を応用した計測器は欧州のリサイクル市場での顧客の投資先送りにより減収となりました。
機能材料ユニットは前期比で増収となりました。当第3四半期連結会計期間に発生した生産能力の制約の影響がありましたが、生産は安定化しました。TV等の大型領域及びスマートフォン等の中小型領域ともにフィルム需要は堅調に推移し、大型のIPS方式液晶ディスプレイ向けを中心に販売を拡大しました。
IJコンポーネントユニットは、前期比で減収となりました。主にサイングラフィックス市場において、欧州や中国で販売が減少したことが影響しました。
光学コンポーネントユニットは、前期比で増収となりました。注力する半導体検査装置用及びプロジェクタ用レンズの販売が好調に推移しました。
当事業の事業貢献利益は224億円(前期比59.6%増)となりました。センシングユニット、機能材料ユニット、光学コンポーネントユニットの増収に伴う売上総利益の増加、機能材料ユニットの棚卸資産の評価損の剥落による売上総利益の増加、及び販売費及び一般管理費の効率化による減少が寄与しました。
営業利益は222億円(前期は127億円の損失)となりました。前述の減損損失が剥落した影響も寄与し、増益となりました。
④画像ソリューション事業
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画像ソリューション事業の売上高は945億円(前期比11.6%減)となりました。
ヘルスケアユニットは、前期比で減収となりました。DR(デジタルラジオグラフィー)の販売台数は、アジアやインドでは増加したものの、米州と欧州で減少し、前期並みとなりました。医療ITの販売は、新製品効果もあり米国を中心に伸長しました。一方、中国でのX線フィルム需要の減少に加え、日本での仕入れ商材の販売が減少しました。
画像IoTソリューションユニットは、前期比で減収となりました。当社の保有するMOBOTIX AGの全株式を譲渡する等の事業の選択と集中を進めたことが影響しております。
映像ソリューションユニットは、前期比で増収となりました。プラネタリウム直営館及び機器販売が好調に推移しました。
当事業の事業貢献損失は18億円(前期は103億円の損失)となりました。ヘルスケアユニットにおける販売費及び一般管理費の削減と前期の減損損失計上による減価償却費の減少、画像IoTソリューションユニットにおける事業の選択と集中の効果により、収益性が改善しました。映像ソリューションユニットは安定した収益を確保しております。
営業損失は13億円(前期は259億円の損失)となりました。その他の収益として、MOBOTIX AGの株式譲渡に伴う為替換算差額の実現等による17億円の子会社株式売却益を計上しました。前期に発生した、前述の事業構造改善費用や、事業の選択と集中に関わる費用、減損損失が剥落した影響により、増益となりました。
(3)財政状態の状況
| 前連結会計年度末 | 当連結会計年度末 | 増減 | |
| 資産合計 (億円) | 12,176 | 12,349 | 172 |
| 負債合計 (億円) | 7,435 | 6,859 | △ 576 |
| 資本合計 (億円) | 4,740 | 5,489 | 748 |
| 親会社の所有者に帰属する持分合計(億円) | 4,631 | 5,365 | 733 |
| 1株当たり親会社所有者帰属持分 (円) | 935.99 | 1,085.64 | 149.65 |
| 親会社所有者帰属持分比率 (%) | 38.0 | 43.4 | 5.4 |
当連結会計年度末(以下「当期末」)の資産合計は、前期末比172億円(1.4%)増加し1兆2,349億円となりました。これは主に、営業債権及びその他の債権の増加270億円、現金及び現金同等物の増加208億円、のれん及び無形資産の増加114億円、事業の選択と集中を進めた結果、計上していた売却目的で保有する資産の減少263億円、その他の金融資産の減少189億円によるものであります。
負債合計については、前期末比576億円(7.7%)減少し6,859億円となりました。これは主に、リース負債の減少262億円、引当金の減少162億円、事業の選択と集中を進めた結果、計上していた売却目的で保有する資産に直接関連する負債の減少157億円、社債及び借入金の減少136億円、その他の流動負債の増加80億円によるものであります。
資本合計については、前期末比748億円(15.8%)増加し5,489億円となりました。
親会社の所有者に帰属する持分合計は、前期末比733億円(15.8%)増加し5,365億円となりました。これは主に、その他の資本の構成要素(主に在外営業活動体の換算差額)の増加445億円、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上302億円によるものであります。
これらの結果、1株当たり親会社所有者帰属持分は1,085.64円となり、親会社所有者帰属持分比率は5.4ポイント増加の43.4%となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)
| 前連結会計年度 | 当連結会計年度 | 増減 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 510 | 862 | 351 |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | 246 | △340 | △586 |
| 計 (フリー・キャッシュ・フロー) | 757 | 522 | △234 |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △1,108 | △402 | 705 |
当期の連結キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フロー862億円の収入と、投資活動によるキャッシュ・フロー340億円の支出の結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは522億円のプラスとなりました。
また、財務活動によるキャッシュ・フローは402億円の支出となりました。
そのほかに、現金及び現金同等物に係る為替変動の影響額等があり、当期末の現金及び現金同等物の残高は、前期末比178億円増加の1,107億円となりました。
当期における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
税引前利益434億円、非継続事業からの税引前損失19億円に、減価償却費及び償却費586億円、棚卸資産の減少による増加149億円等によるキャッシュ・フローの増加と、営業債務及びその他の債務の減少による減少145億円、法人所得税の支払額95億円等によるキャッシュ・フローの減少により、営業活動によるキャッシュ・フローは862億円の収入となりました。
なお、営業活動によるキャッシュ・フローには、米国の関税率の引き上げに伴う関税支払増の影響も含まれております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
有形固定資産の取得による支出479億円、無形資産の取得による支出131億円、投資有価証券の売却による収入213億円、子会社の売却による収入57億円等により、投資活動によるキャッシュ・フローは340億円の支出となりました。
なお、有形固定資産の取得による支出には、過去にセール・アンド・リースバック方式で譲渡した東京サイト日野(東京都日野市)の土地の信託受益権取得の影響が含まれております。
また、投資有価証券の売却による収入には、Ambry Genetics社の株式譲渡の受取対価であるTempus社株式の一部売却による影響が含まれております。
この結果、営業活動によるキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュ・フローは522億円のプラス(前期は757億円のプラス)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
社債の償還及び長期借入金の返済334億円、短期借入金の純減少額290億円、リース負債の返済215億円等による支出と、社債の発行及び長期借入れ475億円等の収入により、財務活動によるキャッシュ・フローは402億円の支出(前期は1,108億円の支出)となりました。
(5)生産、受注及び販売の実績
①生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年4月1日 至 2026年3月31日) | 前期比(%) |
| デジタルワークプレイス事業(百万円) | 342,606 | 94.1 |
| プロフェッショナルプリント事業(百万円) | ||
| インダストリー事業(百万円) | 117,840 | 104.9 |
| 画像ソリューション事業(百万円) | 18,865 | 68.5 |
| 報告セグメント計(百万円) | 479,311 | 95.1 |
| その他(百万円) | - | - |
| 合計(百万円) | 479,311 | 95.1 |
(注1)金額は、売価換算値で表示しております。
(注2)デジタルワークプレイス事業、プロフェッショナルプリント事業につきましては、共通の設備にて生産を行っておりますので、当該生産拠点における生産実績を記載しております。
(注3)当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記5 事業セグメント」に記載のとおりであります。
②受注実績
当社グループは見込み生産を主としておりますので、記載を省略しております。
③販売実績
販売状況については、「(2)経営成績の状況」において各セグメントの業績に関連付けて示しております。
(6)資本の財源及び資金の流動性
①資本政策の基本的な方針
当社は、事業ポートフォリオマネジメントの徹底、コスト構造と経営資源配分の適正化を進め、中長期的な企業価値向上に向けた持続的な成長を支えるための最適な資本政策を実施していきます。
特にキャッシュ・フロー創出力の強化と資本効率(ROE・ROIC)の向上を重視し、その実現に向けて、「成長投資の実施」、「財務基盤の強化」及び「株主還元の充実」について、これらの最適バランスを目指した資本政策を推進し、資本効率を意識した最適な資本・負債構成を目指します。
1)資本効率の向上
資本コストを重視し、資本コストを安定的に上回るROE・ROICの向上を目指します。ROEの改善ドライバーとして当期純利益率と総資産回転率の改善を重視し、バランスの取れた財務基盤を維持しつつ、資本効率の向上を図ります。
当期純利益率の改善に対しては、事業別ROIC(注)を用いて事業毎の効率性と収益性を評価し、資本効率と企業価値の継続的な向上を実現していきます。
2)株主還元の充実
連結業績から得られるキャッシュ・フローを元に成長分野への投資や財務バランス等を総合的に勘案し、配当を基本として利益還元の充実に努めます。自己株式の取得については、当社の財務状況や株価の推移等も勘案しつつ、利益還元策の一つとして適切に判断していきます。
3)財務健全性の担保
当社は、財務ガバナンスの強化、財務リスクの最小化、資金効率の向上、株主資本の充実により、財務基盤をより強固なものとしながら、事業の選択と集中に従った成長投資を進めていきます。
(注)事業別ROIC:事業毎に税引後営業利益を投下資本で除した比率であり、事業活動のために投下した資本を使って、どれだけ事業利益を生み出したかを示す指標であります。
事業別ROICの極大化によりROICの向上を図ります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、以下のとおりであります。
②資金需要
当社グループの主な資金需要は、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用並びに当社グループの設備新設、改修等に係る投資や、将来の成長及び企業価値向上を目的としたM&Aによる投資であります。
③資金の源泉
当社グループの資金の主な源泉は、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入や社債の発行による資金調達であります。
④資金調達についての方針
当社グループは、円滑な事業活動に必要な流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針とし、主に金融機関からの短期借入及び長期借入や社債の発行により資金調達を行っております。社債については、国内社債発行登録枠を有しており、当社の既発行社債の債券格付、発行登録予備格付はともに株式会社格付投資情報センター(R&I)及び株式会社日本格付研究所(JCR)からA格を取得しております。長期資金の調達に際しては、償還や返済の時期を分散することにより借り換えリスクの低減を図っております。また、資金調達は主に当社が行っており、必要資金を関係会社に主にキャッシュ・マネジメント・システムを通じて供給することで資金調達の一元化や効率化を図っております。
(注)2018年3月31日以降の残高には、ハイブリッドローンが含まれております。格付機関の評価により、資金調達額1,000億円の50%に対して資本性の認定をうけております。
(注)ハイブリッドローンの詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表注記20 社債及び借入金」に記載のとおりであります。⑤流動性
当社は営業活動によるキャッシュ・フローに加え、複数の金融機関との間で2027年9月末を期限とする1,000億円のコミットメントライン及び一つの金融機関との間で2026年10月末を期限とする50億円のコミットメントラインを締結しているほか、アンコミットメントベースの融資枠も有しております。なお、2026年3月末時点のコミットメントラインの使用残高はゼロです。
また、当社グループ内の資金の効率化については、日本・北米・欧州・アジアパシフィックの各統括拠点においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入しており、各地域の余剰資金を当社へ集中し一元的に管理を行うことにより、資金効率の向上と金融費用の極小化及びガバナンスの向上を図っております。なお、一時的な余剰資金は、安全性が極めて高い金融資産で運用しております。











