四半期報告書-第90期第1四半期(令和4年4月1日-令和4年6月30日)

【提出】
2022/08/08 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
39項目
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当第1四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末と比べ292億円減少の7,142億円、自己資本は132億円増加の4,027億円となり、自己資本比率は56.4%となりました。
流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金の減少と、棚卸資産の増加等により、前連結会計年度末と比べ153億円減少の4,437億円となりました。
固定資産は、建物及び構築物、土地、無形固定資産の減少と、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末と比べ139億円減少の2,705億円となりました。
流動負債は、賞与引当金の減少と、支払手形及び買掛金の増加等により、前連結会計年度末と比べ3億円減少の2,339億円となりました。
固定負債は、退職給付に係る負債の減少等により、前連結会計年度末と比べ85億円減少の753億円となりました。
なお、上記の資産、負債の減少及び投資有価証券の増加の主な要因は、当社の連結子会社であった(株)アルプス物流及びその子会社25社を持分法適用会社に変更した影響によるものです。
②経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルス感染再拡大の懸念があったものの、行動制限が緩和されたことにより景気の回復が続きました。一方で、世界的な半導体不足や物流需給逼迫の継続、ウクライナ情勢の深刻化に伴う原油や天然ガスなどエネルギーコストの高騰、更にインフレの加速により不透明な状況が続いています。
地域別の状況については、米国では個人消費の増加や堅調な雇用情勢を背景に景気は底堅さを維持しました。欧州では英国やドイツを中心とした経済活動がコロナ禍前の水準に回復しました。中国ではゼロコロナ政策として実施されたロックダウン(都市封鎖)による供給面の制約から成長が低迷しました。日本においては製造業を中心に輸出や設備投資が回復基調を維持するなど、総じて景気は回復傾向となりました。
こうした事業環境の中、当社では資材や物流費の高騰への対応や、部品在庫の確保による計画的な生産や売上高の維持等、迅速な変化への対応を行い業績への影響を最小限に抑えるべく活動しました。
当第1四半期連結累計期間における経営成績の概況については以下のとおりです。なお、下記に示す売上高は外部顧客に対する売上高であり、報告セグメント間売上高は内部取引売上高として消去しています。
セグメントの状況
当社は、2022年4月より、事業セグメントを収益基盤の維持・拡大を目指す「コンポーネント事業」、今後の成長領域と位置づけて伸ばす「センサ・コミュニケーション事業」、改善により収益体質の良質化を図る「モジュール・システム事業」へと再整理し、よりバランスの取れた成長に向けた取り組みを進めています。
これに伴い、当第1四半期連結会計期間において、報告セグメントの区分を変更しています。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「4.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
<コンポーネント事業>中国での新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンにより、一部コンポーネント製品の生産に影響があったものの、スマートフォン市場の好調によりモバイル機器向け製品が好調に推移し、為替の円安基調による業績への寄与もあり、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるコンポーネント事業の売上高は593億円(前年同期比40.7%増)、営業利益は53億円(前年同期比215.5%増)となりました。
<センサ・コミュニケーション事業>モバイル機器向けセンサは、スマートフォン市場の好調により堅調に推移しました。一方で、車載向け通信デバイスや民生機器向けコミュニケーションデバイスは、半導体不足による自動車メーカーの減産等が影響し、売上高は為替の円安基調により増加したものの、営業利益はコスト増加の影響を受け前年同期を下回りました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるセンサ・コミュニケーション事業の売上高は199億円(前年同期比5.2%増)、営業利益は1億円(前年同期比74.6%減)となりました。
<モジュール・システム事業>中国での新型コロナウイルス感染拡大に伴うロックダウンにより、半導体をはじめとした部品不足がサプライチェーンの混乱を招き、主要販売先である自動車メーカーの新車生産が前年同期比で大きく減少しました。
これらにより、車載インフォテインメント製品等が影響を受け、売上高は為替の円安基調により増加したものの、営業利益は資材の高騰によるコスト増加の影響を受け前年同期を下回りました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間におけるモジュール・システム事業の売上高は1,016億円(前年同期比10.8%増)、営業損失は59億円(前年同期における営業損失は36億円)となりました。
<物流事業>物流事業の主要顧客である電子部品業界において、中国でのロックダウンによるサプライチェーンの混乱や半導体不足等に伴い、自動車や電子機器の生産が本格回復に至らず、電子部品の荷動きは鈍化しました。
このような需要動向のもと、物流事業((株)アルプス物流・東証プライム市場)では、共同保管、共同集配を軸とした電子部品物流のプラットフォームを使い、エリア、市場・顧客、サービスの拡充の3方向に拡大を図りました。
これらにより、航空貨物の取り扱いなど輸出入関連ビジネスが増加したことや、新規顧客への拡販効果などにより売上高は増加しました。
以上の結果、当第1四半期連結累計期間における物流事業の売上高は205億円(前年同期比7.8%増)、営業利益は18億円(前年同期比3.1%増)となりました。
以上により、上記の4事業セグメントにその他を加えた当第1四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、売上高2,049億円(前年同期比17.3%増)、営業利益17億円(前年同期比249.6%増)、経常利益72億円(前年同期における経常利益は2億円)、親会社株主に帰属する四半期純利益26億円(前年同期における親会社株主に帰属する四半期純損失は43億円)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、88億円です。
なお、当第1四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
①連結子会社の状況
当第1四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数合計は6,076名減少し、30,824名となりました。また、臨時雇用者数が3,400名減少し1,537名となりました。
これは主に、連結子会社であった(株)アルプス物流及びその子会社25社を持分法適用の範囲に含めたことによるものです。
なお、従業員数は就業人員(当社グループからグループ外部への出向者は除きます。)です。
②提出会社の状況
当第1四半期連結累計期間において、提出会社の従業員数に著しい増減はありません。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資金需要
当第1四半期連結累計期間における当社グループは、運転資金及び将来の事業基盤に向けた研究開発に加え、コンポーネント事業及びセンサ・コミュニケーション事業は生産体制強化を図るための生産設備への投資、モジュール・システム事業は生産設備の更新や合理化のための国内外の主要な拠点での投資、物流事業は国内外における倉庫建設を中心とした拠点・ネットワーク投資といった設備投資による資金需要が生じています。
②財務政策
当社グループでは、事業活動の推進、支援を目的とし、現金及び現金同等物、営業活動からのキャッシュ・フローのほか、銀行借入金によって資金調達を行っています。具体的には、運転資金を確実に確保するために、2022年6月30日現在、短期資金調達のための4つの金融機関との400億円のコミットメントライン契約を維持しています。また、グループ内資金の効果的な活用のため、グループ各社を含めキャッシュプールシステムを運用しています。