四半期報告書-第90期第3四半期(2022/10/01-2022/12/31)

【提出】
2023/02/08 15:00
【資料】
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【項目】
39項目
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末と比べ142億円減少の7,292億円、自己資本は132億円増加の4,027億円となり、自己資本比率は55.2%となりました。
流動資産は、棚卸資産、受取手形及び売掛金の増加と、現金及び預金の減少等により、前連結会計年度末と比べ60億円増加の4,651億円となりました。
固定資産は、建物及び構築物、土地、機械装置及び運搬具の減少と、投資有価証券の増加等により、前連結会計年度末と比べ203億円減少の2,641億円となりました。
流動負債は、短期借入金、支払手形及び買掛金の増加と、賞与引当金の減少等により、前連結会計年度末と比べ121億円増加の2,463億円となりました。
固定負債は、退職給付に係る負債の減少と、繰延税金負債の増加等により、前連結会計年度末と比べ53億円減少の785億円となりました。
なお、上記の固定資産、固定負債の減少及び投資有価証券の増加の主な要因は、当社の連結子会社であった(株)アルプス物流及びその子会社25社を持分法適用会社に変更した影響によるものです。
②経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、新型コロナウイルスによる行動制限や物流需給、半導体不足等の緩和等に伴い、緩やかな回復基調となりました。一方で、ウクライナ情勢に起因する資源価格の上昇やインフレの加速、各国の中央銀行による金融引き締め政策等により、依然として先行き不透明な状況が続いています。
地域別の状況については、米国・欧州では巣ごもり需要が一巡するも、個人消費は堅調に推移しました。中国ではゼロコロナ政策と、12月以降の行動制限緩和による感染拡大が、企業活動や個人消費に影響を及ぼしています。日本においては、社会経済活動は総じてコロナ禍前の水準に戻りましたが、急激な為替変動や物価上昇の影響は色濃く、回復は緩やかなものとなりました。
こうした事業環境において、当社では資材や物流費高騰への対応、部品在庫の確保による計画的な生産及び売上高の維持等、計画の達成に向けて活動しました。
当第3四半期連結累計期間における経営成績の概況については以下のとおりです。なお、下記に示す売上高は 外部顧客に対する売上高であり、報告セグメント間売上高は内部取引売上高として消去しています。
セグメントの状況
当社は、2022年4月より、事業セグメントを収益基盤の維持・拡大を目指す「コンポーネント事業」、今後の成長領域と位置づけて伸ばす「センサ・コミュニケーション事業」、改善により収益体質の良質化を図る「モジュール・システム事業」へと再整理し、よりバランスの取れた成長に向けた取り組みを進めています。これに伴い、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントの区分を変更しています。
また、第1四半期連結会計期間末において、「物流事業」を構成していた(株)アルプス物流及びその子会社25社を持分法適用会社に変更したことに伴い、第2四半期連結会計期間より、「その他」の区分に含めています。詳細は、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項(セグメント情報等) セグメント情報」の「4.報告セグメントの変更等に関する事項」をご参照ください。
<コンポーネント事業>モバイル機器向け製品は、顧客メーカーのスマートフォン販売好調により堅調に推移しました。2022年12月の中国におけるゼロコロナ政策緩和、その後の感染拡大に伴う中国工場の稼働率低下により生産量が一部落ち込んだものの、為替の円安基調による業績への寄与もあり、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるコンポーネント事業の売上高は2,517億円(前年同期比25.3%増)、営業利益は355億円(前年同期比28.8%増)となりました。
<センサ・コミュニケーション事業>世界的な自動車生産の回復に伴い車載向けセンサの売れ行きが堅調に推移し、為替の円安基調による業績への寄与もあり、売上高は前年同期を上回りました。一方、半導体コスト増加等の影響やスマートフォン向けセンサの顧客モデルの切り替えに伴い、営業利益は前年同期を下回りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるセンサ・コミュニケーション事業の売上高は661億円(前年同期比11.4%増)、営業利益は8億円(前年同期比63.1%減)となりました。
<モジュール・システム事業>2022年12月のゼロコロナ政策緩和に伴う感染拡大によって中国工場の稼働率が低下しましたが、自動車メーカーの新車生産の回復や為替の円安基調による業績への寄与もあり、売上高、営業利益ともに前年同期を上回りました。しかし、資材や物流費等の高騰分に対する取引先への適正価格化活動やコスト削減等に注力するも材料費の高止まりが続いたこと、一部の製品については円安による業績への寄与が限定的であることにより、営業利益の回復は緩やかとなりました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるモジュール・システム事業の売上高は3,501億円(前年同期比32.0%増)、営業損失は51億円(前年同期における営業損失は80億円)となりました。
以上により、上記の3事業セグメントにその他を加えた当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、売上高7,006億円(前年同期比18.1%増)、営業利益344億円(前年同期比23.5%増)、経常利益366億円(前年同期比29.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益211億円(前年同期比43.2%増)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、269億円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)従業員数
①連結子会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、連結会社の従業員数合計は6,515名減少し、30,385名となりました。また、臨時雇用者数が3,326名減少し1,611名となりました。
これは主に、連結子会社であった(株)アルプス物流及びその子会社25社を持分法適用の範囲に含めたことによるものです。
なお、従業員数は就業人員(当社グループからグループ外部への出向者は除きます。)です。
②提出会社の状況
当第3四半期連結累計期間において、提出会社の従業員数に著しい増減はありません。
(7)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間においては、「その他」の区分の販売高が減少しています。これは主に、第1四半期連結会計期間末において、「物流事業」を構成していた(株)アルプス物流及びその子会社25社を持分法適用会社に変更したことに伴い、第1四半期連結会計期間において、「物流事業」として開示していた外部顧客への売上高を第2四半期連結会計期間より「その他」の区分に含めたことによるものです。
(8)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①資金需要
当第3四半期連結累計期間における当社グループは、運転資金及び将来の事業基盤に向けた研究開発に加え、コンポーネント事業及びセンサ・コミュニケーション事業は生産体制強化を図るための生産設備への投資、モジュール・システム事業は生産設備の更新や合理化のための国内外の主要な拠点での投資といった設備投資による資金需要が生じています。
②財務政策
当社グループでは、事業活動の推進、支援を目的とし、現金及び現金同等物、営業活動からのキャッシュ・フローのほか、銀行借入金によって資金調達を行っています。具体的には、運転資金を確実に確保するために、2022年12月31日現在、短期資金調達のための4つの金融機関との400億円のコミットメントライン契約を維持しています。また、グループ内資金の効果的な活用のため、グループ各社を含めキャッシュプールシステムを運用しています。