有価証券報告書-第93期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/18 15:30
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174項目
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
① 財政状態の状況
当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末と比べ424億円増加の7,831億円、自己資本は335億円増加の4,475億円となり、自己資本比率は57.1%となりました。
流動資産は、現金及び預金、受取手形及び売掛金の増加と、その他流動資産の減少等により、前連結会計年度末と比べ57億円増加の5,007億円となりました。
固定資産は、建設仮勘定、無形固定資産の増加等により、前連結会計年度末と比べ366億円増加の2,824億円となりました。
流動負債は、その他流動負債の増加と、短期借入金の減少等により、前連結会計年度末と比べ138億円増加の2,407億円となりました。
固定負債は、退職給付に係る負債の減少と、繰延税金負債の増加等により、前連結会計年度末と比べ53億円減少の930億円となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、各国の金融・通商政策の動向や地政学リスクの高まり、米国による追加関税等の影響を受け、不確実性の高い状況で推移しました。北米では、個人消費は比較的底堅く推移したものの、通商政策を巡る不透明感が景気の先行きに対する懸念材料となりました。欧州では、雇用環境が比較的良好に推移した一方、景気回復の動きは緩やかにとどまりました。中国では、輸出は一定の回復を示したものの、不動産市場の低迷が継続し、景気回復は限定的なものにとどまりました。日本では、内需の下支えによる景気回復が緩やかに進んだものの、各国の通商政策等を背景とする経済・物価動向の不確実性もあり、不透明感を伴う状況で推移しました。
当社の車載市場向けビジネスには、完成車メーカーとの受託開発に基づいた専用設計製品を納入するTier1ビジネスと、Tier1メーカー向けに、顧客との受託開発に基づいた専用設計製品、及び当社開発の標準品を供給するTier2ビジネスがあります。当連結会計年度における事業環境は、車載市場において、Tier1ビジネスでは、当社主要顧客である日本・北米・欧州の自動車メーカー向けが、前期に中国市場での競争激化に伴う減産の影響を受けた後、今期は回復が依然として限定的な状況にある中、前期比でやや持ち直しの傾向が見られました。一方、Tier2ビジネスは、当社製品に対する幅広い引き合いが伸長し、引き続き堅調に推移しました。モバイル市場では、大手スマートフォンメーカー向けが堅調に推移しました。民生市場では、ゲーム機器向けやその他電子部品の需要が拡大しました。
当連結会計年度における経営成績の概況については以下のとおりです。なお、下記に示す売上高は外部顧客に対する売上高であり、報告セグメント間売上高は内部取引売上高として消去しています。
セグメントの状況
<コンポーネント事業>売上高は、モバイル市場、民生市場及び車載市場向け製品がいずれも増加しました。営業利益は、製品構成の変化や資材価格の上昇の影響により、前期比で減少しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるコンポーネント事業の売上高は3,583億円(前期比3.0%増)、営業利益は301億円(前期比0.8%減)となりました。
<センサー・コミュニケーション事業>売上高は、車載市場向け製品が従来モデルのキーレスエントリーシステム製品からデジタルキー製品への置き換えによる端境期に当たることや、パワーインダクター製品の事業譲渡の影響がありましたが、モバイル市場向けの小型フォトプリンターの伸長により、事業全体では増加しました。営業利益は、パワーインダクター製品の事業譲渡による売上高の減少や変動費率の上昇により、前期比で減少しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるセンサー・コミュニケーション事業の売上高は852億円(前期比1.3% 増)、営業損失は35億円(前期における営業損失は33億円)となりました。
<モビリティ事業>2026年3月期より従来の「モジュール・システム事業」を「モビリティ事業」へ名称を変更しました。
売上高は、前期に中国市場における当社主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカーの減産による影響がありましたが、今期はやや持ち直しの傾向が見られることや、新製品の発売等により増加しました。営業利益は、販売回復や新製品の販売による売上高の増加に加え、不採算製品の縮小、前期に発生した需要変動による操業度差異の影響もあり、前期比で増加しました。
以上の結果、当連結会計年度におけるモビリティ事業の売上高は5,550億円(前期比3.3%増)、営業利益は141億円(前期比152.6%増)となりました。
営業外収益(持分法による投資利益)の計上について
2026年3月期において、主に当社の持分法適用会社である(株)アルプス物流が保有する不動産の流動化取引を実施したこと等による持分法による投資利益79億円を営業外収益に計上しました。
特別損失(減損損失)の計上について
2026年3月期において、減損損失42億円を特別損失に計上しました。これは、低収益製品から高収益製品への事業モデル転換を推進するモビリティ事業のサウンド製品に係る事業用資産に加え、使用見込みのない処分用資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額したことによるものです。
以上により、上記の3事業セグメントにその他を加えた当連結会計年度における当社グループの連結業績は、売上高10,194億円(前期比2.9%増)、営業利益420億円(前期比23.3%増)、経常利益491億円(前期比61.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益268億円(前期比29.0%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ59億円増加し、当連結会計年度末の残高は、1,533億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における営業活動による資金の増加は、959億円(前期は658億円の増加)となりました。
この増加は、主に税金等調整前当期純利益439億円、減価償却費339億円、棚卸資産の減少額112億円及び売上債権の減少額97億円による資金の増加と、持分法による投資損益79億円による資金の減少によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における投資活動による資金の減少は、584億円(前期は16億円の減少)となりました。
この減少は、主に有形及び無形固定資産の取得による支出599億円による資金の減少によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度末における財務活動による資金の減少は、411億円(前期は372億円の減少)となりました。
この減少は、主に長期借入金の返済による支出239億円、自己株式の取得による支出200億円及び配当金の支払額122億円による資金の減少と、長期借入れによる収入139億円による資金の増加によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
1)生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
コンポーネント事業343,4752.1
センサー・コミュニケーション事業91,2432.9
モビリティ事業543,4825.0
合計978,2023.8

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.金額は、販売価格によっています。
2)受注実績
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称受注高
(百万円)
前年同期比
(%)
受注残高
(百万円)
前年同期比
(%)
コンポーネント事業359,8913.326,7446.1
センサー・コミュニケーション事業89,2916.717,01731.0
モビリティ事業563,4694.923,09757.3
合計1,012,6524.566,85826.4

(注)セグメント間取引については、相殺消去しています。
3)販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりです。
セグメントの名称金額(百万円)前年同期比(%)
コンポーネント事業358,3653.0
センサー・コミュニケーション事業85,2601.3
モビリティ事業555,0543.3
報告セグメント計998,6803.0
その他20,778△1.0
合計1,019,4592.9

(注)1.セグメント間取引については、相殺消去しています。
2.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、下記のとおりです。
相手先前連結会計年度当連結会計年度
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
Apple Inc.228,63123.1236,62523.2


(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されています。
この連結財務諸表の作成に際し、連結決算日における資産・負債の数値及び連結会計年度の収益・費用の数値に影響を与える会計上の見積りを用いています。
当社は、特に以下の会計上の見積りが、当社グループの連結財務諸表に重要な影響を与えるものと考えています。
1)棚卸資産の評価
棚卸資産は取得原価又は正味売却価額のいずれか低い金額で評価しています。正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、取得原価と正味売却価額との差額について評価損を計上しています。正味売却価額は、主に顧客との販売契約に基づく予定売価を基に見積もっています。また、一定の保有期間を超えた場合、滞留又は陳腐化しているとみなし、評価損を計上しています。更に、保有期間にかかわらず将来廃却が見込まれる棚卸資産についても評価損を計上しています。
市場環境の悪化による顧客の需要減少や製品ライフサイクルの変化等に伴い、棚卸資産の収益性の低下、滞留、陳腐化が生じた場合、将来において追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
2)繰延税金資産
繰延税金資産については、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に対して、将来の収益力に基づく翌期の課税所得を見積り、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。課税所得の見積りは、事業計画及びグループ会社間の取引価格を基礎としています。また、中国市場における当社主要顧客である日本・北米・欧州自動車メーカーの販売戦略の見直し等に起因する販売数量及び製品構成の変化、部材高騰の長期化やインフレの継続といった事業環境下における目標とする原価改善の達成状況についても考慮しています。グループ会社間の取引価格は、各国の移転価格税制を考慮し、連結子会社ごとに設定しています。
将来において、事業環境の変化による顧客の需要減少や、移転価格を含む税務関連の動向の変化等により課税所得が予想を下回り、すでに計上されている繰延税金資産の全部又は一部を回収できないと判断した場合、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取崩し、税金費用が計上される可能性があります。
3)退職給付に係る負債
退職給付費用及び退職給付に係る負債は、数理計算上の前提条件に基づいて算出されています。前提条件には、割引率、長期期待運用収益率、退職率及び死亡率等の仮定が含まれています。このうち、退職給付費用及び退職給付に係る負債の計算に影響を与える最も重要な仮定は、割引率及び年金資産に係る長期期待運用収益率です。
割引率は、優良債券の利回りを参考に決定しており、連結会計年度末において割引率を再検討した結果、割引率の変動が退職給付債務に重要な影響を及ぼすと判断した場合にはこれを見直した上で、退職給付債務を算定しています。長期期待運用収益率は、保有している年金資産のポートフォリオに基づく一定期間における運用実績を基に、今後の運用方針及び市場動向を考慮して設定しています。
これらの仮定が実際の結果と異なる場合、又は仮定を変更した場合、将来期間における退職給付費用及び退職給付に係る負債に影響を及ぼすことがあります。
当連結会計年度の退職給付費用の計算に使用した割引率及び長期期待運用収益率は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(退職給付関係)」を参照ください。
4)固定資産の減損
当社グループの資産又は資産グループに減損が生じている可能性を示す事象があり、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額がこれらの帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しています。減損損失の測定に当たって見積られる回収可能価額は、資産又は資産グループの正味売却価額と使用価値のいずれか高い方の金額を使用しています。
減損損失を認識するかどうかの判定及び使用価値の算定において見積られる将来キャッシュ・フローは、事業計画を基礎として算定しています。当該事業計画は、主に顧客・製品別にまとめた受注予測、予測されている限界利益率及び固定費を前提として策定しています。また、当社主要顧客である日本・北米・欧州の自動車メーカーの販売戦略の見直し等に起因する販売数量及び製品構成の変化、部材高騰の長期化やインフレの継続といった事業環境下における目標とする原価改善の達成状況についても考慮しています。また、使用価値の算定に使用する割引率は、当社に要求される加重平均資本コストを採用しています。将来、事業環境の変化等により固定資産の収益性が低下した場合、減損損失の計上が必要となる可能性があります。
また、固定資産の耐用年数については、各市場における製品ライフサイクルを基礎として、生産設備等の経済的耐用年数を設定しています。製品ライフサイクルについては、事業・市場・顧客単位等の性質を勘案して決定しています。
当連結会計年度において減損会計を適用するに当たり、将来キャッシュ・フローの見積りに用いた重要な仮定は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」を参照ください。
② 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の当社グループにおける連結業績は、売上高10,194億円(前期比2.9%増)、営業利益420億円(前期比23.3%増)、経常利益491億円(前期比61.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益268億円(前期比29.0%減)となりました。
セグメント別の売上高及び営業利益については、「(1)経営成績等の状況の概要 ②経営成績の状況」を参照ください。
③ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要の主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であり、投資を目的とした資金需要は設備投資、業務提携等によるものです。
当社グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としています。日本、欧州、中国、米国及びアセアンの各地域においてキャッシュ・マネジメント・システムを導入しグループ資金の効率化を図るとともに、金融機関とのコミットメントライン契約により流動性を担保しています。
運転資金及び設備投資資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金にて調達しています。資金の源泉を安定的に確保するため、CCC(Cash Conversion Cycle)改善による流動性資金の拡充、金融機関からの借入金の長期化、コマーシャルペーパー発行枠の確保等、資金調達の多様化を図っています。
なお、キャッシュ・フローの状況の分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」を参照ください。

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