四半期報告書-第91期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31)

【提出】
2024/02/08 15:00
【資料】
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【項目】
35項目
文中における将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものです。
(1)財政状態及び経営成績の状況
①財政状態の状況
当第3四半期連結会計期間末における総資産は前連結会計年度末と比べ119億円減少の7,250億円、自己資本は164億円減少の3,816億円となり、自己資本比率は52.6%となりました。
流動資産は、現金及び預金の増加と、受取手形及び売掛金、その他流動資産の減少等により、前連結会計年度末と比べ58億円増加の4,723億円となりました。
固定資産は、建設仮勘定、機械装置及び運搬具の減少等により、前連結会計年度末と比べ178億円減少の2,526億円となりました。
流動負債は、短期借入金の減少と、その他流動負債の増加等により、前連結会計年度末と比べ3億円減少の2,642億円となりました。
固定負債は、繰延税金負債の増加等により、前連結会計年度末と比べ48億円増加の775億円となりました。
②経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間における世界経済は、各国の政策金利が高止まりで続く中、インフレによる景気下押し圧力が懸念されましたが、全体としては緩やかに回復しました。
地域別の景気状況については、米国では個人消費が徐々にペースダウンしているものの、良好な雇用情勢を背景に比較的堅調に推移しました。欧州では高いインフレ率がピークから低下しているものの、景気は足踏み状態が続いています。中国では多くの景気刺激策が打ち出されているものの、不動産市場の低迷などを背景に景気低迷が続いています。日本では物価上昇が続いているものの、インバウンド需要の回復が牽引し景気は緩やかな回復基調にあります。
当社を取り巻く事業環境は、円安による売上高及び各種の利益への押し上げ効果に加え、グローバル自動車生産は回復基調にあり、自動車業界におけるパワートレイン構成や自動車OEMメーカーのシェア変化に対するビジネスチャンスもある一方で、賃金の上昇、部材やエネルギー価格の高止まり、スマートフォンのコモディティ化による競争の激化などもあり、従来の価格適正化やコスト抑制等に留まらず、変化への柔軟な対応が求められる状況が続いています。
当第3四半期連結累計期間における経営成績の概況については以下のとおりです。なお、下記に示す売上高は外部顧客に対する売上高であり、報告セグメント間売上高は内部取引売上高として消去しています。
<コンポーネント事業>売上高は、車載市場向け製品は増加しましたが、モバイル市場向け製品や民生市場向け製品が前年同期比で減少しました。営業利益は、売上高の減少やスマートフォン向け製品の機種構成変化により、前年同期を下回りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるコンポーネント事業の売上高は2,423億円(前年同期比3.7%減)、営業利益は196億円(前年同期比44.7%減)となりました。
<センサ・コミュニケーション事業>売上高は、車載市場向け製品が増加しましたが、民生市場向け製品やモバイル市場向け製品のモデル切り替えによる減少により、事業全体では減少しました。営業利益は、売上高の減少や受注獲得に伴う開発費の増加により、前年同期を下回りました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるセンサ・コミュニケーション事業の売上高は624億円(前年同期比5.6%減)、営業損失は11億円(前年同期における営業利益は8億円)となりました。
<モジュール・システム事業>売上高は、グローバル自動車生産の回復に伴う自動車部品の需要増加や、前第4四半期連結会計期間から販売を開始したインフォテインメントの新製品などの寄与により増加しました。営業利益は、欧州向けモジュール新製品の生産立ち上げによるコスト増加があったものの、売上高の増加や価格適正化の進展により、前年同期比で改善しました。
以上の結果、当第3四半期連結累計期間におけるモジュール・システム事業の売上高は4,160億円(前年同期比18.8%増)、営業利益は7億円(前年同期における営業損失は51億円)となりました。
特別損失(減損損失)の計上について
モジュール・システム事業を構成するモジュール製品及びセンサ・コミュニケーション事業に含まれる一部車載市場向け製品に係る事業用固定資産353億円の減損損失を特別損失に計上しました。これは新製品の生産立ち上げに伴うコストの増加が想定以上に継続することに加え、これら製品に係る収益構造良化に時間を要する見込みとなり、その最新状況を当第3四半期連結会計期間において将来キャッシュ・フローの見積りに反映した結果、将来キャッシュ・フローの現在価値が当社の保有する事業用固定資産の帳簿価額を下回ることとなったことによるものです。
以上により、上記の3事業セグメントにその他を加えた当第3四半期連結累計期間における当社グループの連結業績は、売上高7,353億円(前年同期比5.0%増)、営業利益205億円(前年同期比40.2%減)、経常利益239億円(前年同期比34.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純損失203億円(前年同期における親会社株主に帰属する四半期純利益は211億円)となりました。
(2)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間におけるグループ全体の研究開発費の総額は、256億円です。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)生産、受注及び販売の実績
当第3四半期連結累計期間においては、「その他」の区分の販売高が減少しています。これは主に、前第1四半期連結会計期間末において、「物流事業」を構成していた(株)アルプス物流及びその子会社25社を持分法適用会社に変更したことに伴い、前第1四半期連結会計期間において、「物流事業」として開示していた外部顧客への売上高を「その他」の区分に含めたことによるものです。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用及び設備投資、業務提携等の投資を目的としたものであり、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本としています。
運転資金及び設備投資資金については、主に営業活動によるキャッシュ・フロー及び金融機関からの借入金にて調達しています。
なお、当第3四半期連結会計期間末の借入金残高は1,189億円(前連結会計年度末比30億円減)となり、運転資金安定のための短期借入金が733億円(前連結会計年度末比38億円減)、将来の事業基盤確立に向けた研究開発や設備投資資金の確保等のための長期借入金が455億円(前連結会計年度末比7億円増)となりました。