有価証券報告書-第107期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/12 14:07
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この財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、将来のリスク、不確実性及び仮定を伴う予測情報を含んでいます。こうした記述は、現時点で当社が入手している情報を踏まえた仮定、予期及び見解に基づくものであり、3「事業等のリスク」などに記載された事項及びその他の要因により、当社及び連結子会社の実際の業績は、これらの予測情報から予測された内容とは大幅に異なる可能性があります。
なお、経営上の目標の達成状況については、第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等「(1)中期経営計画の進捗状況」をご参照ください。
(1)業績等の概要
①業績
「(4)経営成績に係る検討と分析 ②オペレーティング・セグメント情報」をご参照ください。
②キャッシュ・フロー
「(5)流動性と資金調達の源泉 ⑦キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
(2)仕入、成約及び売上の状況
①仕入の状況
各オペレーティング・セグメントにおいて、仕入高と売上高との差額は売上高に比べ僅少であるため、記載は省略しています。
②成約の状況
各オペレーティング・セグメントの成約高と売上高との差額は僅少であるため、記載は省略しています。
③売上の状況
「(4)経営成績に係る検討と分析」及び連結財務諸表注記事項6.「セグメント情報」をご参照ください。
(注)当社グループは、総合商社である当社を中心とした事業活動を展開しており、受注生産形態をとらない事業が多いことから、生産、受注及び販売の状況に替え、仕入、成約及び売上の状況としています。
(3)経営者の検討における重要な指標について
当社及び連結子会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローは、3「事業等のリスク」に述べる各項目の影響を受けますが、当連結会計年度末において当社の経営者は、財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの動向を検討する上で、以下の指標が有用であると考えます。
①売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)
当社及び連結子会社はさまざまな商品と地域にわたる幅広い事業活動を展開し、そのリスクリターンの形態も仲介取引から金属資源・エネルギーの権益事業まで多岐にわたります。当社及び連結子会社の経営成績及び事業の進捗を把握する上で、オペレーティング・セグメント別の売上総利益、持分法による投資損益及び当期利益(親会社の所有者に帰属)の変動要因に係る分析を重視しています。
②金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向
当社及び連結子会社の経営成績に占める金属資源・エネルギー関連事業の重要性が高いことから、金属資源・エネルギーの市況及び持分生産量は、経営成績の重要な変動要因になります。金属資源・エネルギーの価格及び需給の動向に関する詳細は、以下のとおりです。
(a)金属資源
鉄鋼や非鉄金属は産業の基幹素材であり、世界経済の成長に伴いその原料に対する需要は堅調に推移することが見込まれます。中長期的に、粗鋼生産量は中国で横ばいから減少となるも、インドや東南アジアを中心に右肩上がりで増加し、世界全体でも増加することが見込まれます。また、非鉄金属(含む電池原料)は産業・社会の低炭素化に向けた電動化や電気自動車・再生可能エネルギーの普及や、AI活用の拡大等を背景に、需要が堅調に拡大していくことが見込まれます。供給側では、鉱山操業での資機材・人件費を始めとした開発・生産コストの上昇や、既存鉱山の鉱石の品位低下や埋蔵量の減少が進む一方で、優良未開発案件には限りがあるため、その程度は異なるものの、金属資源の需給は総じて逼迫していく見込みであり、引き続き原料の安定供給が求められます。
また、社会の持続可能性追求に向け、気候変動や人権、生物多様性、サーキュラーエコノミー、水資源や地域社会との共生といった観点により、ガバナンスや環境保護体制が整った企業が生産する、高品位資源やリサイクル由来の原料、サプライチェーン全体のGHG排出量削減をもたらす原料等への需要が高まることが予想され、金属資源の需給や相場に影響を及ぼすことが予想されます。
(b)エネルギー
世界的な人口増加・経済成長に伴い、中長期的なエネルギー需要は堅調に推移する見通しです。アジアを中心に従来型エネルギーは当面不可欠との見立ては不変であり、またロシア・ウクライナ情勢、中東情勢含め地政学的リスクが再認識される中、エネルギーの安定供給と低炭素化の両立への社会ニーズが強まっています。
このような状況下、天然ガス・LNGは、経済合理的な低炭素エネルギーの安定供給に資する現実解として今後ますます重要な役割を担っていくと考えられています。石油についても新興国における底堅い需要が見込まれる一方で、電気自動車の普及、環境規制の強化等による需要減退シナリオも考えられ、今後の市場変化を注視していく必要があります。供給側では、世界的なインフレ・金利上昇に伴う開発・生産コストの上昇、グローバルな地政学的リスクの高まり、主要国の政策変更、気象等が需給双方に影響を及ぼす可能性があり、エネルギー価格のボラティリティには依然として注意が必要です。
低炭素化に向けたエネルギートランスフォーメーションの方向性は不可逆的と言えますが、制度設計や市場形成において国・地域毎に進捗の濃淡があり、時間軸は依然流動的と見られています。今後、再生可能エネルギーの更なる普及、よりクリーンな燃料への転換、モビリティの電動化等に伴い、総合エネルギーサービス、次世代燃料等、エネルギーソリューション分野における取組みニーズが拡大する見通しで、こうした取組みの進捗が将来的なエネルギー構成に及ぼす影響を見極めていく必要があります。
③キャッシュ・フロー水準、資本効率及び財務レバレッジ
中期経営計画2029(2026年5月公表)において、基礎営業キャッシュ・フローを、キャッシュ創出力を測定し資金再配分の原資を示す重要な経営指標としています。
当社は、資本効率と資金調達に係わる安定性の観点から、株主資本*の水準及び、親会社所有者帰属持分利益率(ROE)並びに負債・資本構成の方針を定期的に策定し、その履行状況を検証しています。同時に、個々の事業における環境の悪化に起因する想定損失の最大額に対するリスクバッファーの観点から株主資本の規模を検証しているほか、既存の有利子負債の再調達に加え、債務格付けの維持向上と資金調達上の安定性確保の観点から、財務レバレッジに留意しています。当社の資本管理については連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示(6)リスク関連」を、財務戦略については「(5)流動性と資金調達の源泉」をご参照ください。
*連結財政状態計算書の親会社の所有者に帰属する持分合計を指します。
(4)経営成績に係る検討と分析
① 連結損益計算書項目
(単位:億円)前期当期増減主な増減要因
収益146,626139,952△6,674(△)エネルギー
(+)生活産業、次世代・機能推進
売上総利益12,88413,282+398(+)生活産業、エネルギー
(△)金属資源
販売費及び一般管理費△8,877△9,021△144費目別内訳参照
その他の
収益・費用
有価証券損益1,163353△810(△)前期反動(機械・インフラ、化学品)
固定資産評価損益△358△58+300(+)前期反動(化学品)
固定資産処分損益580532△48(△)前期反動(次世代・機能推進)
雑損益317560+243(+)次世代・機能推進
(△)前期反動(エネルギー)
金融
収益・費用
受取利息920865△55
受取配当金1,8431,787△56(△)エネルギー
支払利息△2,060△1,903+157
持分法による投資損益4,9414,474△467(△)次世代・機能推進、エネルギー
(+)機械・インフラ
法人所得税△2,137△2,227△90
当期利益9,2168,643△573
当期利益
(親会社の所有者に帰属)
9,0038,340△663

(注)四捨五入差異により縦計・横計が合わないことがあります(以下同様)。
販売費及び一般管理費の費目別内訳は以下のとおりです。
前期において、退職給付制度の改定に伴い327億円の費用を人件費に計上しました。
(単位:億円)前期当期増減*
人件費△4,991△4,907+84
福利厚生費△163△149+14
旅費交通費△341△359△18
通信情報費△717△764△47
借地借家料△188△193△5
業務委託料△241△350△109
減価償却費△593△621△28
租税公課△152△213△61
損失評価引当金繰入額△101△36+65
諸雑費△1,390△1,429△39
合計△8,877△9,021△144

* △は負担増
変動の内訳をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。
(単位:億円)前期当期増減*
金属資源△370△452△82
エネルギー△710△775△65
機械・インフラ△1,810△1,717+93
化学品△1,589△1,685△96
鉄鋼製品△360△407△47
生活産業△2,019△2,233△214
次世代・機能推進△985△1,123△138
その他/調整・消去△1,034△629+405
合計△8,877△9,021△144

* △は負担増
② オペレーティング・セグメント情報
オペレーティング・セグメント別の経営成績に係る変動要因の分析は以下のとおりです。
なお、非支配持分に帰属する当期利益の表示は省略しているため、縦計は合いません。
金属資源
(単位:億円)前期当期増減主な増減要因
売上総利益2,6392,491△148・豪州鉄鉱石事業△84(鉄鉱石価格下落)
・Mitsui Resources△73(原料炭価格下落)
販売費及び一般管理費△370△452△82
有価証券損益3△6△9
固定資産損益△13△2+11
雑損益24△83△107
受取配当金639702+63・Vale配当金増+85(当期435、前期350)
利息収支6512△53
持分法による投資損益820737△83・Japan Collahuasi Resources*△83(数量減少、コスト増加)
法人所得税△856△768+88
当期利益
(親会社の所有者に帰属)
2,8542,536△318

* チリ銅鉱山事業会社Compañía Minera Doña Inés de Collahuasiを保有する投資会社
鉄鉱石の価格変動による影響及び当社持分生産量
2027年3月期において、鉄鉱石価格の変動が、当社鉄鉱石事業の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度は、鉄鉱石US$1/トンあたりの価格変動により30億円と概算しています(ヘッジによる影響額を除く)。
当連結会計年度における当社鉄鉱石関連の権益見合い生産量は63.8百万トン(一般社外のVale権益見合い生産量22.5百万トン含む)です。上記の影響額は、当連結会計年度末時点で、当社が保有する権益見合いに対して、2027年3月期の出荷量の増減を織り込み、一定の米ドル及びその他関連通貨の為替相場等を前提条件とした上で算出したものです。なお、一般的に、豪ドル等の資源産出国の通貨は、輸出商品の市況に連動する傾向があり、この変動により当社連結子会社及び持分法適用会社の現地通貨建ての売上総利益は影響を受けることがあります。
エネルギー
(単位:億円)前期当期増減主な増減要因
売上総利益1,9002,025+125・Mitsui E&P USA+264(ガス価格上昇)
・LNG物流増益
・Mitsui E&P Australia△108(数量減少、原油価格下落)
・Mitsui E&P Middle East△73(原油価格下落、
数量減少)
販売費及び一般管理費△710△775△65
有価証券損益385+82・MyPower+5(当期公正価値評価益*1+60、前期発電資産売却益反動△82他)
固定資産損益△146△24+122・MyPower+63(発電資産売却益+52)
雑損益30480△224・Arctic LNG 2 プロジェクト関連
・三井エネルギー資源開発+103
(前期資産除去債務見直し反動)
受取配当金857696△161・LNGプロジェクト4案件*2△157
(当期692、前期849)
利息収支△562△529+33
持分法による投資損益571440△131・Japan Australia LNG(MIMI)減益(数量減少)
・三井エネルギー資源開発△53
(資産除去債務増加)
法人所得税△462△351+111・三井エネルギー資源開発△118(前期海外事業に係る税金費用減少の反動他)
当期利益
(親会社の所有者に帰属)
1,7351,642△93

*1 MyPowerが出資するSolstice Power TechnologiesとHelios Arcadia New Energyの経営統合に伴う公正価値評価益
*2 ADNOC LNG、サハリンⅡ、オマーンLNG 及びQatarEnergy LNG N(3)
原油・ガスの価格変動による影響及び当社持分生産量
2027年3月期において、原油価格の変動が当社石油・ガス開発事業の販売収入の変化を経由して連結損益計算書における当期利益(親会社の所有者に帰属)に及ぼす影響度はUS$1/バレルあたりGross13億円、Net*9億円と推定しています。
金属資源と同様に、実際の経営成績は、各石油・ガス開発事業における実際の生産量及び生産費用、為替相場の変動などにより影響を受けます。
また、当社の石油・ガスの持分生産量は、2026年3月期において日量211千バレル(ガスは石油換算、換算係数は石油1バレル=天然ガス5,800立方フィート、当社連結子会社・持分法適用会社・非連結先の当社権益保有見合い)となりました。
* 実感応度 (ヘッジによる影響額を含む)
機械・インフラ
(単位:億円)前期当期増減主な増減要因
売上総利益2,0012,095+94
販売費及び一般管理費△1,810△1,717+93・前期海底油田設備設置支援船事業AKOFS引当
反動*1+54
有価証券損益746116△630・前期Paiton事業売却益反動△545
・前期VLI株式売却関連益反動*2△405
・Firefly Aerospace FVTPL公正価値評価益*3+190
・T2区分異動に伴う公正価値評価益+83
・Mainstream Renewable Power+4(当期減損
損失*4△155、前期減損損失反動*5+159)
固定資産損益△4015+55
雑損益5075+25・ブラジル旅客鉄道事業+77(債務免除益)
・前期産機・建機事業評価損反動+59
・Mainstream Renewable Power融資評価損*6△56
受取配当金167185+18
利息収支△434△373+61
持分法による投資損益2,2562,398+142・小口集積による増益
・タンカー保有関連会社△57(市況要因)
・Mainstream Renewable Power△25
(当期固定資産減損損失*7△70、前期固定資産
減損損失反動*8+55他)
法人所得税△596△467+129
当期利益
(親会社の所有者に帰属)
2,3292,259△70

*1 前期において、一部保有船に関する長期貸付金等の回収可能性を見直し、引当金54億円を計上
*2 前期において、保有していた発行済株式20%の内、持分10%の売却に伴う売却益と残存持分10%における評価益の合計値を計上
*3 Firefly AerospaceのIPOに伴うFVTPL公正価値評価益
*4 当期において、開発計画全体の更なる絞り込みに伴う有価証券評価損を155億円計上
*5 前期において、外部事業環境に起因した新規案件開発遅延や開発ポートフォリオの選択・集中を主因に有価証券評価損を159億円計上
*6 当期において、開発計画全体の更なる絞り込みに伴う融資の評価損を56億円計上
*7 当期において、洋上風力発電事業開発取組停止に伴う固定資産の減損を主因に持分法損失を70億円計上
*8 前期において、チリ事業に関して想定を下回る操業実績継続を背景にした事業環境の不透明性の継続を織り込み、持分法損失を55億円計上
化学品
(単位:億円)前期当期増減主な増減要因
売上総利益2,5642,517△47・前期FVTPL関連益反動△140(Ceva、Eu Yan Sang)
・MMTX△71(販売価格下落)
・Mitsui AgriScience International+69
(欧州農薬需要増加)
・ITC Antwerp子会社化*1+63
・肥料関連トレーディング増益(販売価格上昇)
販売費及び一般管理費△1,589△1,685△96
有価証券損益2211△220・前期物産フードサイエンス売却益反動△173
・海外事業に関わる減損損失△67
・前期Hexagon Composites一部売却反動△54
・ITC Antwerp公正価値評価益*2+81
固定資産損益△146△1+145・前期事業部にて計上した海外事業に関わる固定資産減損損失反動+132
雑損益△5873+131・海外事業に関わる引当金取崩益+78
受取配当金3341+8
利息収支△339△306+33
持分法による投資損益231217△14
法人所得税△143△120+23・Ceva繰延税金負債取崩益*3+60
当期利益
(親会社の所有者に帰属)
759675△84

*1 当第2四半期から連結子会社として損益取込を開始
*2 旧ITC Rubis Terminal Antwerpの持分法適用会社から連結子会社への区分異動に伴う、既存持分の公正価値評価益
*3 当期において、欧州アニマルヘルス事業戦略の見直しに伴いCeva宛投資の再編を実施した結果、繰延税金負債の取り崩しにより利益を計上
鉄鋼製品
(単位:億円)前期当期増減主な増減要因
売上総利益478525+47
販売費及び一般管理費△360△407△47
有価証券損益225△17
固定資産損益1△0△1
雑損益△483+51
受取配当金3633△3
利息収支△155△127+28
持分法による投資損益212194△18
法人所得税△50△31+19
当期利益
(親会社の所有者に帰属)
132189+57

生活産業
(単位:億円)前期当期増減主な増減要因
売上総利益1,9242,184+260・三井物産サプライチェーン・ソリューションズ(一部費用の勘定科目変更、連結化*1)
・コーヒートレーディング+64(契約公正価値評価)
・ビギホールディングス子会社化*2+62
・MITSUI & CO. COFFEE TRADING(BRAZIL)△55
(為替影響)
販売費及び一般管理費△2,019△2,233△214・三井物産サプライチェーン・ソリューションズ(一部費用の勘定科目変更、連結化*1)
・ビギホールディングス子会社化*2△57
有価証券損益11549△66・XINGU AGRI△101
(前期外貨換算調整勘定実現益反動)
固定資産損益298+96・三井物産流通グループ固定資産売却益+88
雑損益216131△85・コーヒートレーディング△66(為替ヘッジ損益)
・R-Pharmプットオプション*3△24
(当期100、前期124)
受取配当金6171+10
利息収支△271△279△8
持分法による投資損益594673+79・Industrial Pesquera Santa Priscila+56
(繰延税金負債取崩益、市況要因)
法人所得税△56△146△90
当期利益
(親会社の所有者に帰属)
537520△17

*1 前第4四半期に連結化したため、取込期間の相違に起因する損益
*2 前第2四半期から連結子会社として損益取込を開始。取込期間の相違に起因する損益
*3 R-Pharmに係るプットオプションの公正価値評価損益
次世代・機能推進
(単位:億円)前期当期増減主な増減要因
売上総利益1,3441,397+53・FVTPL関連益+53(Quantinuum)
・本店事業部トレーディング減益(商品価格要因)
販売費及び一般管理費△985△1,123△138
有価証券損益53103+50
固定資産損益628425△203・前期国内賃貸用不動産一部売却益反動△511
・国内不動産売却益+294
雑損益△52212+264・本店事業部トレーディング増益(為替要因)
受取配当金3739+2
利息収支△179△159+20
持分法による投資損益251△192△443・JA三井リース△540
(米国ファクタリング事業関連損失*△604)
・海外アセットマネジメント事業+79
(太陽光発電資産関連益)
法人所得税△192△75+117
当期利益
(親会社の所有者に帰属)
873590△283

* 当期において、JA三井リースのグループ会社の取引先First Brands Group, LLCよりファクタリング取引を通じて取得した売掛債権に対する損失の認識に伴い、持分法損失を604億円計上
(5)流動性と資金調達の源泉
①会計基準に基づかない財務指標について
(a)現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)
この流動性と資金調達の源泉の項目を含めて、本報告書では現預金差引後の有利子負債比率(ネットDER)に言及しています。当社は「ネット有利子負債」を株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)で除した比率を「ネットDER」と呼び、以下のとおり定義しています。
• 短期債務及び長期債務の合計よりリース負債を除外し、有利子負債を算出
• 有利子負債から現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)を控除した金額を「ネット有利子負債」とする
当社の経営者は、債務返済能力と親会社所有者帰属持分利益率(ROE)向上のために有利子負債と株主資本の関係を検討する目的から、ネットDERを財務諸表利用者にとって有益な指標と考えており、下表のとおり「ネット有利子負債」及び「ネットDER」を算出しています。
(単位:億円)前期末当期末
短期債務1,6391,662
長期債務46,77455,415
長短債務合計48,41357,077
(控除)リース負債△5,314△5,848
有利子負債合計43,09951,229
(控除)現金及び現金同等物、定期預金(3ヵ月超1年以内)△9,798△9,839
ネット有利子負債33,30141,390
株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)75,46687,677
ネットDER(倍)0.440.47

(b)株主還元後キャッシュ・フロー
当社の経営者は、財務基盤の維持・向上において、株主還元後キャッシュ・フローを有用な指標と考えています。株主還元後キャッシュ・フローに関しては、⑤「投融資と財務政策」をご参照ください。
②資金調達の基本方針
当社の経営者は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保と財務の健全性・安定性維持を資金調達の基本方針としており、主として本邦生保、銀行等からの長期借入金や社債の発行等により10年程度の長期資金を中心とした資金調達を行っています。同時に、長期資金の年度別償還額の集中を避けることで借り換えリスクの低減を図っています。さらに、プロジェクト案件等では政府系金融機関からの借入やプロジェクトファイナンスも活用しています。
子会社については原則として銀行などの外部からの資金調達を行わず、金融子会社、現地法人などの資金調達拠点を通じたキャッシュ・マネジメント・サービスの活用により、資金調達の一元化と資金効率化、流動性の確保を図っています。結果として当連結会計年度末において有利子負債の5分の4程度が当社並びに資金調達拠点による調達となっています。
また、事業展開に伴う資金需要に対する機動的な対応と、当社の有利子負債返済における金融情勢悪化の影響を最小限に抑えるためにも、十分な現金及び現金同等物を保有しています。現金及び現金同等物の保有額については厳密な目標水準を定めていませんが、金融情勢などを勘案しつつ、安全性並びに流動性の高い短期金融商品で運用しています。
③資金調達手段
当社は、上記の当社資金調達の基本方針に則り、直接金融または間接金融の多様な手段の中から、その時々の市場環境も考慮したうえで当社にとって有利な手段を機動的に選択し、資金調達を行っています。
当社は、内外金融機関との間で長期間にわたって築き上げてきた幅広く良好な関係に基づき、長期借入を中心に必要資金を調達しています。また、国際協力銀行などの政府系金融機関からも資金調達を行っており、プロジェクト案件ではプロジェクトファイナンス等も活用して必要資金を調達しています。
これに加えて、当社では2,000億円の社債発行登録枠、コマーシャルペーパー発行枠、並びにユーロ・ミディアム・ターム・ノート発行プログラムという直接金融の調達手段も保有しており、市場環境に応じて有利な条件での資金調達を行っています。当連結会計年度末における(短期社債除く)国内社債及びユーロ・ミディアム・ターム・ノートと海外社債の発行残高は、それぞれ2,293億円及び3,505億円となっています。また海外での短期の資金調達手段として、米国三井物産による米国コマーシャルペーパープログラムとMitsui & Co. Financial Services(Europe)によるユーロコマーシャルペーパープログラムを保有しており、それぞれ時機を見て活用しています。なお、当社は長期かつ安定的な資金調達を一義としており、コマーシャルペーパーや短期借入金等に資金調達を依存していません。その結果として、当連結会計年度末における一年以内に返済予定の有利子負債が有利子負債全体に占める比率は、10.9%となりました。
当社及び一部の連結子会社は、流動性の確保・維持のため、金融機関に対してコミットメント・フィーを支払い、信用枠(コミットメントライン)を設定しています。当社は、国内外の主要銀行と103億米ドル相当のコミットメントラインを締結しています。
有利子負債の大半は円建て並びに米ドル建てでの調達によるものです。また、資産側の金利・通貨属性を考慮した上で、負債の金利条件や通貨を変換するために適宜、金利スワップや通貨スワップ、為替予約を締結しています。金利スワップ考慮後の有利子負債における固定金利比率は、現在の当社の資産と負債の状況に見合った水準と認識しています。
これらのデリバティブ取引に関しては、連結財務諸表注記事項8.「金融商品及び関連する開示」をご参照ください。また、デリバティブ関連の流動性分析については、連結財務諸表注記事項15.「金融債務及び営業債務等に関する開示」をご参照ください。
格付け
当社は、円滑な資金調達を行うため株式会社格付投資情報センター(R&I)、ムーディーズ・ジャパン株式会社(Moody's)、S&P グローバル・レーティング・ジャパン株式会社(S&P)の3社から格付けを取得しています。2026年5月31日現在の格付けは下記のとおりです。
R&IMoody'sS&P
長期(見通し)AA(安定的)A3(安定的)A(安定的)
短期a-1+P-2A-1

当社としては引き続き健全な財務基盤を維持し、格付けの維持・向上に尽力していく方針です。
なお、格付けは当社からの情報あるいは格付会社が信頼できるとする情報に基づく各格付会社自身の判断による信用リスクの分析です。格付けは売買・保有の推奨ではなく、また格付会社によりいつでも変更・取り消しされる可能性があります。また格付け基準も格付会社毎に異なります。
④流動性の状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、9,827億円となりました。この現金及び現金同等物の半分程度は円建てであり、当連結会計年度末の1年以内に返済予定の有利子負債5,572億円の返済に十分な水準であることに加え、当社は機動的な資金の引き出しが可能なコミットメントラインを確保しています。
当連結会計年度の世界経済は、米国の関税政策による下押しがある中で、AI関連の設備投資の盛り上がりなどによって緩やかに回復していましたが、年度末にかけて中東情勢の悪化によるホルムズ海峡の通航制限を受けて、エネルギーなどの供給途絶が発生し、減速感が急速に高まりました。このような状況下、当社は資金調達の基本方針に則り、金融機関との長期にわたる良好な関係や公的金融機関による各種施策、社債発行登録枠等を活用して必要資金の調達を着実に実行しました。
上述資金調達実行の結果、当連結会計年度末における有利子負債は5兆1,229億円(前連結会計年度末比8,130億円増)となりました。このうち、4,200億円は劣後特約付シンジケートローンで、格付会社は、残高の50%である2,100億円を資本と同等に扱っています。また、当連結会計年度末の有利子負債の返済年限別内訳は次のとおりです。当連結会計年度末の短期債務及び長期債務の内訳と債務残高の利率については、連結財務諸表注記事項15.「金融債務及び営業債務等に関する開示」をご参照ください。
返済年限1年以内1年超
2年以内
2年超
3年以内
3年超
4年以内
4年超
5年以内
5年超合計
金額(億円)5,5725,4848,9026,2537,63717,38151,229

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当連結会計年度末の株主資本(親会社の所有者に帰属する持分合計)は8兆7,677億円となり前連結会計年度末比で1兆2,211億円増加しました。ネット有利子負債は4兆1,390億円となり同8,089億円増加、ネットDERは前連結会計年度末の0.44倍から0.47倍へ0.03ポイント上昇しました。
また流動比率は、前連結会計年度末の155.6%に対し当連結会計年度末は140.8%となっています。
以上のような数値、及び資金調達環境から判断すると、当社の財務の健全性は引き続き確保されており、中期経営計画に沿った投融資を含む当社の円滑な事業活動を行う上で、現時点で大きな支障はないと認識しています。
当社及び連結子会社は、主として第三者及び関連当事者のために、各種の支払保証を行っていますが、これらの保証において当社及び連結子会社の流動性に実質的な影響を及ぼすものはありません。将来の契約履行義務並びに保証等については連結財務諸表注記事項25.「偶発債務」をご参照ください。
当社及び連結子会社は、個別プロジェクト案件等に対するノンリコースファイナンスなどを除き、金融機関との重要な金融取引において、期限の利益喪失となり得る財務比率制限、担保提供制限、追加債務負担制限、利益処分の制限等の財務制限条項を含む契約を締結しないことを基本方針としていることもあり、これらの財務制限条項において重要なものはありません。
連結子会社や持分法適用会社からの配当受取に関しては、その配当の有無が当社の流動性に大きな影響を与えるという状況にはないと認識しています。また、当該連結子会社及び持分法適用会社に適用される現地法制に照らして適切な純資産や配当可能利益がある限り、配当等による資金の受領を制限する契約または法制上の制限として重要なものはありません(一般的な源泉課税並びに現地税法に基づくその他の税金を除く)。
なお、当社及び連結子会社は、翌連結会計年度において、確定給付型年金制度に5億円拠出する見込みです。
⑤投融資と財務政策
当連結会計年度の基礎営業キャッシュ・フローは約9,790億円の獲得となり、これに資産リサイクルにより獲得した約3,430億円と合わせて約1兆3,220億円のキャッシュ・インとなりました。一方、金属資源セグメントにおけるRhodes Ridge鉄鉱石事業、エネルギーセグメントにおける石油・ガス生産事業等、投融資*1は約1兆3,800億円となり、総額約5,300億円の株主還元を加味すると、株主還元後キャッシュ・フロー*2は約5,880億円の赤字となりました。
当社は、再現性の高いキャッシュ創出力と強固な財務基盤を維持しています。経営の選択肢を広く確保し、さまざまなシナリオに柔軟に対応しながら、投資と株主還元のバランスを考慮した最適な資金配分を実現していきます。当連結会計年度のキャッシュ・フロー詳細については、後述の「⑦キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
*1 定期預金の増減を除外した投資キャッシュ・フローに一部非支配持分からの取得に伴う財務キャッシュ・フローを足したもの
*2 基礎営業キャッシュ・フローに資産リサイクルによるキャッシュ・インを加え、投融資と株主還元によるキャッシュ・アウトを控除した金額
0102010_030.png(注)実績値は10億円単位の概数を表示
既存の債務からの再調達については、前述の「②資金調達の基本方針」、及び「③資金調達手段」をご参照ください。
⑥資産及び負債並びに資本
(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減
総資産168,115208,215+40,100
流動資産56,86970,560+13,691
非流動資産111,246137,655+26,409
流動負債36,54250,106+13,564
非流動負債53,94767,930+13,983
ネット有利子負債33,30141,390+8,089
親会社の所有者に帰属する持分合計75,46687,677+12,211
ネットDER0.44倍0.47倍+0.03

資産
流動資産:
(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減主な増減要因
流動資産56,86970,560+13,691
現金及び現金同等物9,7749,827+54
営業債権及びその他の債権22,25023,445+1,195・売掛金+1,631
(エネルギー、化学品、次世代・機能
推進、金属資源、機械・インフラ)
取引数量増加
・貸付金△414
(機械・インフラ)貸付金非流動化
その他の金融資産9,39119,698+10,307・(次世代・機能推進、エネルギー、
機械・インフラ)デリバティブ債権増加
・(次世代・機能推進、コーポレート、
エネルギー)差入証拠金増加
棚卸資産9,60510,864+1,259・(機械・インフラ、金属資源、
エネルギー、化学品)取扱数量増加
前渡金4,3104,770+460・(機械・インフラ)取扱数量増加
未収法人所得税234333+99
その他の流動資産1,3071,624+317・(次世代・機能推進)

非流動資産:
(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減主な増減要因
非流動資産111,246137,655+26,409
持分法適用会社に対する投資49,73055,605+5,875・持分法による投資損益見合い+4,474
・為替変動+4,299
・Mitsui E&P Mozambique増資+445
・中東発電事業*1+323
・Blue Point低炭素アンモニア事業+252
・JA三井リース増資+175
・持分法適用会社からの受取配当△3,703
・キャッシュ・フロー・ヘッジ損益△169
・Mainstream Renewable Power減損損失
△155
・GEG再編に伴う一部資産売却△117
・ITC Antwerp子会社化△111
その他の投資21,91128,208+6,297・FVTOCI公正価値評価+5,466
(うち、LNG事業*2+788)
・FVTPL公正価値評価+504
・為替変動+408
・IHI株式売却△138
営業債権及びその他の債権3,0723,636+564・(機械・インフラ)貸付金非流動化、取引数量増加
・(エネルギー)貸付金増加
その他の金融資産2,2262,759+533・(機械・インフラ)為替変動
・(生活産業)公正価値評価益
有形固定資産24,69637,218+12,522・Rhodes Ridge鉄鉱石事業+8,571
・石油・ガス生産事業+1,008
(うち、為替変動+415)
・豪州鉄鉱石事業+806
(うち、為替変動+756)
・ITC Antwerp子会社化+590
・Mitsui Resources+285
(うち、為替変動+204)
・GEG再編に伴うMaraen Holdings
子会社化+245
・Intercontinental Terminals
Company+200(うち、為替変動+117)
・Mitsui & Co. Energy Marketing and
Services (USA)蓄電池リース資産+175
・発電事業+139
・米国不動産△197(うち、為替変動+30)
・LNG船減価償却△190
投資不動産2,1231,854△269
無形資産5,0545,783+729・ITC Antwerp子会社化+177
・GEG再編に伴うMaraen Holdings
子会社化+166
繰延税金資産9431,027+84
その他の非流動資産1,4901,565+75

*1 貸付金(流動資産)からの区分変更
*2 Ruwais LNG、ADNOC LNG、オマーンLNG、サハリンⅡ、及びQatarEnergy LNG N(3)
・LNGプロジェクトなどの公正価値測定で用いている原油価格の前提は、足元の市況水準と、複数の第三者機関の見通しを踏まえて決定しています。具体的には、ブレント原油1バレルあたり直近の90米ドルから数年かけて65米ドルに下落し、中期的には70米ドル、長期的には75米ドルで推移する前提としています。
2025年3月末及び2026年3月末における持分法適用会社に対する投資をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。
(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減
金属資源5,4406,275+835
エネルギー6,8697,894+1,025
機械・インフラ16,76318,968+2,205
化学品3,4673,851+384
鉄鋼製品3,5143,581+67
生活産業9,50010,751+1,251
次世代・機能推進4,1804,286+106
その他/調整・消去△3△1+2
連結合計49,73055,605+5,875

2025年3月末及び2026年3月末における有形固定資産をオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。
(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減
金属資源5,63615,278+9,642
エネルギー8,4699,570+1,101
機械・インフラ1,7982,092+294
化学品2,9133,878+965
鉄鋼製品250591+341
生活産業2,4922,578+86
次世代・機能推進1,3001,237△63
その他/調整・消去1,8381,994+156
連結合計24,69637,218+12,522

2025年3月末及び2026年3月末におけるオペレーティング・リースに供されている有形固定資産の内訳については、連結財務諸表注記事項9.「リース」をご参照ください。
負債
(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減主な増減要因
流動負債36,54250,106+13,564
短期債務1,6391,662+23
1年以内に返済予定の長期債務6,2975,095△1,202
営業債務及びその他の債務16,75718,781+2,024・(化学品、エネルギー、機械・
インフラ、金属資源、コーポレート)
買掛金の増加
その他の金融負債6,53918,067+11,528・(次世代・機能推進、エネルギー、コーポレート、機械・インフラ)
デリバティブ債務の増加
・(次世代・機能推進、金属資源)
未払金の増加
未払法人所得税356665+309
前受金3,6754,583+908・(機械・インフラ)
引当金707583△124
その他の流動負債573670+97
非流動負債53,94767,930+13,983
長期債務(1年以内返済予定分を除く)40,47750,320+9,843・借入の増加
その他の金融負債3,1874,164+977
退職給付に係る負債419459+40
引当金2,5863,319+733
繰延税金負債6,8289,080+2,252
その他の非流動負債450587+137

資本
(単位:億円)2025年3月末2026年3月末増減主な増減要因
資本金3,4343,442+8
資本剰余金4,0774,185+108
利益剰余金58,01161,402+3,391
その他の資本の構成要素10,73619,627+8,891
(内訳)
FVTOCIの金融資産1,4105,378+3,968
外貨換算調整勘定9,22714,783+5,556・豪ドル+2,268
(25/3 93.97→26/3 109.68円/AUD)
・米ドル+1,726
(25/3 149.52→26/3 159.88円/USD)
キャッシュ・フロー・ヘッジ99△534△633
自己株式△792△977△185・自己株式取得△2,000
・自己株式消却+1,791
親会社の所有者に帰属する
持分合計
75,46687,677+12,211
非支配持分2,1602,502+342

⑦キャッシュ・フローの状況
(単位:億円)前期当期増減
営業活動によるキャッシュ・フロー10,1759,529△646
投資活動によるキャッシュ・フロー△1,620△10,335△8,715
フリー・キャッシュ・フロー8,555△806△9,361
財務活動によるキャッシュ・フロー△7,496269+7,765
現金及び現金同等物の為替相場変動の影響額△267591+858
現金及び現金同等物の増減79254△738

営業活動によるキャッシュ・フロー
(単位:億円)前期当期増減
営業活動によるキャッシュ・フローa10,1759,529△646
営業活動に係る資産・負債の増減b△1,001△1,352△351
リース負債の返済による支出c△901△1,092△191
基礎営業キャッシュ・フローa-b+c10,2759,789△486

・営業活動に係る資産・負債(Working Capital)の増減によるキャッシュ・フローは1,352億円の資金支出、リース負債の返済は1,092億円の資金支出となり、これらを除いた基礎営業キャッシュ・フローは、9,789億円となりました。
- 持分法適用会社からの配当金を含む配当金の受取額は5,506億円となり、前期の6,361億円から855億円減少
- 減価償却費及び無形資産等償却費は3,332億円となり、前期の3,137億円から195億円増加
基礎営業キャッシュ・フローのオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
(単位:億円)前期当期増減
金属資源3,5793,304△275
エネルギー3,6342,620△1,014
機械・インフラ1,4521,841+389
化学品9061,026+120
鉄鋼製品60179+119
生活産業18178△103
次世代・機能推進270464+194
その他/調整・消去193277+84
連結合計10,2759,789△486

減価償却費及び無形資産等償却費のオペレーティング・セグメント別の内訳は以下のとおりです。
(単位:億円)前期当期増減
金属資源734808+74
エネルギー9661,005+39
機械・インフラ334350+16
化学品356374+18
鉄鋼製品2943+14
生活産業366401+35
次世代・機能推進165166+1
その他/調整・消去187185△2
連結合計3,1373,332+195

投資活動によるキャッシュ・フロー
(単位:億円)前期当期当期の内訳
投資活動によるキャッシュ・フロー△1,620△10,335
持分法適用会社に対する投資△406△909
取得△2,551△1,595・Mitsui E&P Mozambique△445
・Blue Point低炭素アンモニア事業△252
・米国不動産△227
・JA三井リース△175
・化学品海外事業△106
売却・回収2,145687・米国不動産+168
その他の投資1,048680
取得△575△481・LNG事業△143
売却・償還1,6231,161・MyPower+268
・IHI株式売却+138
有形固定資産等△3,328△10,338
取得△3,461△11,084・Rhodes Ridge鉄鉱石事業△7,238
・石油・ガス生産事業△1,271
・豪州鉄鉱石事業△663
・発電事業△425
・Mitsui Resources△215
・Intercontinental Terminals Company△184
売却133746・国内不動産
・MyPower+187
投資不動産1,075478
取得△127△12
売却1,201490・XINGU AGRI農地+138
・三井物産流通グループ+136
・国内物流施設+119
貸付金の増加及び回収386△1・LNG事業△159
定期預金の増減-純額1734
子会社またはその他の事業の取得による支出△653△280・ITC Antwerp△280
子会社またはその他の事業の売却による収入240-

前期及び当期における上述の投資活動によるキャッシュ・フローをオペレーティング・セグメント別に見ると以下のとおりです。
(単位:億円)前期当期
金属資源△1,408△8,266
エネルギー△1,227△2,073
機械・インフラ1,2308
化学品△383△606
鉄鋼製品59△80
生活産業△28571
次世代・機能推進355483
その他/調整・消去38127
連結合計△1,620△10,335

財務活動によるキャッシュ・フロー
(単位:億円)前期当期当期の内訳
財務活動によるキャッシュ・フロー△7,496269
短期債務の増減-純額△819△163
長期債務の増加及び返済1,2646,763
(長期債務の増加)14,71026,378
(長期債務の返済)△13,446△19,616
リース負債の返済による支出△901△1,092
自己株式の取得及び売却△3,998△1,996
配当金支払による支出△2,742△3,018
非支配持分株主との取引△301△225

当期の資金調達状況については、前述の「③資金調達手段」をご参照ください。
(6)重要な判断を要する会計方針及び見積り
重要な判断を要する会計方針及び見積りとは、会社の財政状態や経営成績に重要な影響を及ぼす会計方針及び会計上の見積りであり、かつ本質的に不確実な事柄に関する経営者の重要な、あるいは主観的な判断を反映させることを要するものです。重要性がある会計方針は、連結財務諸表注記事項2.「連結財務諸表の作成基準並びに重要性がある会計方針の要約(5)重要性がある会計方針の要約」をご参照ください。
IFRS会計基準に基づく連結財務諸表の作成にあたっては、経営者の判断の下、一定の前提条件に基づく見積りが必要となる場合がありますが、この前提条件の置き方等により、連結財政状態計算書上の資産及び負債、連結損益計算書上の収益及び費用、または開示対象となる偶発債務等に重要な影響を及ぼすことがあります。
なお、ロシア・ウクライナ情勢及びそれに伴うロシアに対する制裁措置等や、ホルムズ海峡の通航制限を含む中東情勢の緊迫化による影響はグローバルに及び、当社が行うさまざまな事業分野に影響を及ぼす可能性がありますが、商品や事業内容、所在地域によってその影響範囲は異なるため、見積りにおいては個々の状況に鑑み判断しています。中東地域に対して当社及び連結子会社が行っている投資のうち主なものは、LNGプロジェクトに対するその他の投資(FVTOCIの金融資産)であり、これらは緊迫化した中東情勢が短期的に正常化に向かうという仮定を置いて公正価値を測定しています。
以下の各項目は、その認識及び測定にあたり、経営者の重要な判断及び会計上の見積りを必要とするものです。
①非金融資産及び持分法適用会社に対する投資の減損損失及び減損損失の戻入
・前連結会計年度及び当連結会計年度における、有形固定資産、投資不動産、暖簾及び耐用年数を確定できない無形資産を除く無形資産の減損損失計上額は349億円及び79億円です。また、前連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額に重要性はありません。当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は20億円です。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における減価償却累計額及び減損損失累計額控除後の帳簿価額は2兆9,335億円及び4兆1,863億円です。
・前連結会計年度及び当連結会計年度における、持分法適用会社に対する投資の減損損失計上額は242億円及び222億円です。また、前連結会計年度及び当連結会計年度における同資産の減損損失の戻入額は発生していません。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における持分法適用会社に対する投資の帳簿価額は4兆9,730億円及び5兆5,605億円です。
・非金融資産の減損損失及び減損損失の戻入(持分法適用会社に対する投資を含む)は、当社の連結損益計算書上の当期利益に対し重要な影響を及ぼすことがあります。
・減損損失は主に連結子会社における事業環境の悪化に伴う収益性の低下、事業内容見直し、及び持分法適用会社に対する投資の市場価格の下落等によるものです。
・非金融資産の減損の兆候の有無の判定を行い、減損の兆候があると判断された場合には、資産または資金生成単位の回収可能価額を算定し、回収可能価額が帳簿価額を下回っている場合に、差額を減損損失として認識しています。
・回収可能価額は処分費用控除後の公正価値と使用価値のうち、いずれか高い金額としています。
・公正価値は市場性のある持分法適用会社に対する投資の場合は市場価格を、それ以外の場合は独立の第三者による評価結果を使用するなど、市場参加者間の秩序ある取引において成立し得る価格を合理的に見積り算定しています。
・使用価値の算定に使用される将来キャッシュ・フローは、経営者により承認された経営計画や、それが入手できない場合は直近の非金融資産の状況を反映した操業計画に基づいて見積っています。この将来キャッシュ・フローの見積り方法として、以下の例があげられます。
- 不動産について、直近の近隣不動産売却価額や賃料が合理的な期間継続するという前提を置く。
- 工場設備にて製造している製品の将来にわたる一定期間の販売価格を、過去における同期間の平均値やアナリストの分析資料等を勘案して見積る。
- 石炭・原油等の資源事業に関わる開発設備及び鉱業権について、直近の確認埋蔵量等に基づく生産計画に沿って当該資産を使用して生産され、減損判定時点における先物価格を基にした価格、第三者による予想価格、もしくは長期販売契約上の販売価格で売却される前提を置く。
- 顧客関係について、将来の一定期間の収益につき、過去における収益への貢献度、解約率、及びアナリストの市況予想等を勘案して見積る。
・使用価値の計算においては、割引率は、資金生成単位の固有のリスクを反映した市場平均と考えられる収益率を合理的に反映する率を使用しています。
・非金融資産は、その性質や、所在地、所有者、操業者、収益性等の操業環境が異なるため、将来キャッシュ・フローの想定や、割引率の算定において考慮すべき各種の要因は、個別の非金融資産ごとに異なります。
・過年度に認識した減損損失が、もはや存在しないまたは減少している可能性を示す兆候の有無に関して、期末日に判定を行っています。こうした兆候が存在する場合、当社及び連結子会社は資産または資金生成単位の回収可能価額の見積りを行い、最後に減損損失が認識されて以降、資産の回収可能価額の決定に用いた仮定に変更がある場合にのみ、過去に認識した減損損失を連結損益計算書上の利益として戻し入れています。
②暖簾の減損
・前連結会計年度における暖簾減損損失計上額は7億円であり、当連結会計年度における暖簾減損損失計上額に重要性はありません。また、対応する前連結会計年度末及び当連結会計年度末における帳簿価額は2,267億円及び2,653億円です。
・暖簾は、企業結合のシナジーから便益を享受できると期待される資金生成単位または資金生成単位グループに配分し、年一回及び減損の兆候を示す事象が発生した時点で、減損テストを実施しています。
・減損テストでは、暖簾及び暖簾を配分した資金生成単位または資金生成単位グループの帳簿価額合計を回収可能価額と比較し、帳簿価額合計が回収可能価額を上回る場合に、その差額を減損損失として認識します。回収可能価額の見積りは、非金融資産の減損と同様の見積り方法を用いています。
③公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産
・公正価値で測定する市場性ない資本性金融資産については、主に評価差額をその他の包括利益に認識することを選択しています。前連結会計年度末及び当連結会計年度末における、市場性ないFVTOCIの金融資産の公正価値はそれぞれ7,551億円及び8,537億円です。
・市場性ないFVTOCIの金融資産については、主に割引キャッシュ・フロー法、類似企業比較法またはその他の適切な評価方法を用いて評価しており、経営者が金額的重要性が高いと判断する場合には、外部の評価専門家の評価を利用しています。
・重要な観察不能なインプットである原油価格の見積りについては、連結財務諸表注記事項24.「公正価値測定(3)定期的に公正価値で測定される資産及び負債に係る開示」をご参照ください。
・また、割引キャッシュ・フロー法に使用される将来キャッシュ・フローは、非金融資産及び持分法に対する投資の減損と同様に、経営者により承認された経営計画等に基づいて見積っています。これらの見積りや仮定は、当社の連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要な影響を及ぼすことがあります。
④繰延税金資産の回収可能性
・繰延税金資産の回収可能性の判断の変更に伴う繰延税金資産の増減は、当社の連結損益計算書上の当期利益及び連結包括利益計算書上のその他の包括利益に重要性がある影響を及ぼすことがあります。
・経営者は、有税償却に関する無税化の実現可能性や当社及び子会社の課税所得の予想等、現状入手可能な全ての将来情報を用いて、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。当社は、回収可能と見込めないと判断した部分を除いて繰延税金資産を計上していますが、将来における課税所得の見積りの変更や、法定税率の変更等により、回収可能額が変動する可能性があります。
⑤石油・ガス産出活動及び鉱物採掘活動における埋蔵量の見積り
・埋蔵量は、当社及び連結子会社が保有している権益に対応した経済的かつ法的に採掘可能な生産物として見積られた量です。埋蔵量を算出するための見積り及び前提は以下の地質学的、技術的、経済的要因によって左右されます。
- 地質学的要因:鉱物の分量、品位等
- 技術的要因:生産技術、回収率、生産費用、輸送費用等
- 経済的要因:生産物の需要、価格、為替レート等
・埋蔵量の見積りに使用される経済的な前提は毎期変動し、かつ一連の生産活動の中で地質データの更新が行われることにより埋蔵量の見積り額は毎期変動することになります。報告された埋蔵量の変動は、当社及び連結子会社の経営成績及び財政状態に対して各種の影響を及ぼします。具体的には、
- 埋蔵量の変更に伴う将来キャッシュ・フローの見積りの変動により保有資産が減損する可能性があります。
- 生産高比例法の分母の変動または経済的耐用年数の変動に伴い、連結損益計算書上の当該事業に係る減価償却費が変動する可能性があります。
- 埋蔵量の見積りの変更が生産設備の廃棄や、原状回復義務、環境関係の資産除去債務の引当金の発生時期及び債務金額の増減に影響を与える可能性があります。
⑥確定給付費用及び確定給付制度債務
・従業員の確定給付費用及び確定給付制度債務は、割引率等の年金数理計算上の基礎率に基づき見積られています。IFRS会計基準では、実績と見積りとの差はその他の包括利益として認識後、即時に利益剰余金に振替えられるため、包括利益及び利益剰余金に影響を及ぼします。経営者は、この数理計算上の仮定を適切であると考えていますが、実績との差異や仮定の変動は将来の確定給付費用及び確定給付制度債務に影響します。
・当社及び連結子会社の割引率は、各年度の測定日における高格付けの固定利付社債の利回りに基づき決定しています。各測定日に決定した割引率は、測定日現在の確定給付制度債務及び翌年度の純期間費用を計算するために使用されます。
・確定給付費用及び確定給付制度債務に関する見積りや前提条件については連結財務諸表注記事項18.「従業員給付」をご参照ください。
⑦気候変動による影響
・当社及び連結子会社において、気候変動の影響を受け、関連する資産・負債に金額的重要性があるのはエネルギーセグメントの事業であり、将来の状況が重要性のある影響を及ぼす可能性があります。当連結会計年度末における会計上の重要性がある見積り及び判断については以下のとおりです。
・エネルギーセグメントは、主に石油・ガス開発事業及びLNG事業から構成され、これらの事業は今後、脱炭素化の世界的潮流が強まる中で、将来的な制約・規制強化により石油・ガス及びLNGの需要が低下する場合は、既存案件から有形固定資産の減損、持分法適用会社に対する投資の減額、及びその他の投資の公正価値の低下等が生じる可能性があります。これらの評価は主に油価の影響を受け、同前提は、市況水準や複数の第三者機関の公表する中長期見通しを考慮して策定しています。第三者機関のうち、IEAの公表するシナリオについては、STEPS(Stated Policies Scenario)に重点を置いていますが、その他のシナリオも参考にしています。
・当連結会計年度末の連結財政状態計算書に計上したエネルギーセグメントにおける主要な資産及び負債の金額は以下のとおりです。
有形固定資産957,037百万円
持分法適用会社に対する投資789,415百万円
その他の投資337,055百万円
引当金(非流動)176,434百万円

・なお、連結財務諸表における会計上の見積りは、各事業における固有の状況等を総合的に勘案して行っており、気候変動に関連するシナリオ分析のみによって資産及び負債の測定が決定されるものではありません。

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