有価証券報告書-第101期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)連結財務諸表に特に重要な影響を与える会計上の見積り
連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産及び負債の報告金額、偶発資産及び負債の開示、報告期間における収益及び費用の金額に影響を与える様々な見積りを行っております。
見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っておりますが、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることも起こりえます。
連結財務諸表に特に重要な影響を与える見積りを伴う会計方針は以下のとおりですが、当社及び連結子会社のすべての会計方針を包括的に記載するものではありません。当社及び連結子会社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載しております。
① 固定資産の減損
当社グループでは、百貨店、GMS、食品スーパーなど多様な形態で小売店舗を展開しており、これらに対し、新店投資や更新投資など恒常的に設備投資を実施しております。
これらの設備投資により計上された固定資産の減損判定においては、原則として店舗を基準に判定単位としております。
減損の判定に当たっては、2期連続で営業赤字となるなど減損の兆候が見られる店舗について、共通部門である本部費を配賦した店舗別の営業キャッシュ・フローの将来計画値を、当該店舗の主要な固定資産の経済的残存使用年数の期間にわたって見積もり、これが店舗資産の期末帳簿価額を下回る店舗について減損損失を計上しております。
減損損失の計上額は、店舗別の本部費配賦後の営業キャッシュ・フローの将来計画値を、加重平均資本コスト(WACC)を割引率に用いて現在価値に割引き、店舗資産の期末残高との差額を減損損失の計上額としております。
店舗別の計画値については、近年の顧客動向をもとに、近隣の競合他社の出店状況や商圏における人口動向などの外部環境の変化ならびに環境変化に対するコスト削減方策や集客施策の効果等、店舗業績に影響する把握可能なあらゆる要素を反映させております。
また、割引率に関しては、期末日時点におけるグループの負債/資本比率(D/Eレシオ)をもとに、資本資産価格モデル(CAPM)を用いて算定した株主資本コスト及び実績の借入利子率をもとに算定した負債コストを加重平均する方法で算定し、当連結会計年度は3.4%を用いております。
なお、退店や売却の意思決定を行った店舗やその他の資産については、上記に関わらず、不動産鑑定額等を基にした処分可能価額まで減損損失を計上しております。
② 繰延税金資産の回収可能性
当社グループでは、収益性の低下した店舗の減損損失や税務上の繰越欠損金など、重要な将来減算一時差異を有しております。
これらの繰延税金資産の計上に当たっては、グループ各社を、過去の課税所得水準や期末における将来減算一時差異の状況、重要な繰越欠損金の有無などの状況から、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に従って5段階に分類し、当該分類に従って、それぞれのグループ会社の課税所得と将来減算一時差異の解消見込みをスケジューリングしたうえで、回収可能と見込まれる額を繰延税金資産に計上しております。
グループ各社の将来の課税所得の見込額を算定するに当たっては、各社の業績のこれまでの趨勢や、今後想定される外部環境変化、外部環境変化に対して実施する収益向上施策等の実現方策の効果を慎重に検討のうえ実施しております。
③ 新型コロナウィルス感染症の影響
当社グループでは、上述の固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りについて、連結会計年度末時点において入手可能な情報に基づき実施しております。
新型コロナウイルス感染症の拡大により当社グループ事業への影響は、営業収益減少等の影響が大きい百貨店事業において、影響は半年程度続き、その後緩やかに回復するという仮定に基づき、会計上の見積りを行っております。
(2)経営成績
連結経営成績
(単位:百万円)
※セグメント別売上高は外部顧客への売上高
>売上高
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、第2四半期までは、堅調な国内消費や活発なインバウンド消費に加え、消費増税前の駆け込み需要もあり、前年同期を上回りました。しかしながら、第3四半期以降は、10月の消費増税後の消費マインドの低迷や暖冬の影響、そして第4四半期には新型コロナウイルス感染症の拡大により、百貨店など一部店舗で営業時間の短縮や一部営業を自粛したことなどが大きく影響し、通期の連結売上高は897,289百万円(前期比96.8%)となりました。
>営業利益及び経常利益
連結営業利益は、売上高の減少に伴う粗利益の低下、イズミヤ株式会社の店舗の建て替えによる一時休業、株式会社阪急阪神百貨店における阪神梅田本店第Ⅰ期棟の減価償却費の増加などにより、11,171百万円(前期比54.7%)、連結経常利益は11,831百万円(前期比55.3%)となりました。
(百貨店事業)
阪急本店では、第2四半期まではファッションを中心に国内・インバウンド需要とも堅調に推移し、さらに、10月の消費増税前の駆け込み需要により売上が伸長しましたが、第3四半期以降は増税後の反動と暖冬の影響などにより衣料品の販売が苦戦するとともに、第4四半期は新型コロナウイルス感染症の防止のための営業時間の短縮や営業の自粛を行ったことにより、売上高前期比は96.2%となりました。
また、阪神梅田本店では、2018年6月の第Ⅰ期棟開業景気の反動に加え、阪急本店と同様に営業自粛等の影響を受けたことにより、売上高前期比は90.2%となりました。
一方、支店では、2019年10月に屋号を変更した神戸阪急(旧・そごう神戸店)と高槻阪急(旧・西武高槻店)において、食料品売場の改装などが奏功するとともに、郊外店舗では、営業自粛等の影響はあったものの、食料品売場を中心に落ち込み幅は抑えることができました。
また、売上の減少に伴う粗利の減少に加え、阪神梅田本店の減価償却費や神戸阪急及び高槻阪急の屋号変更や改装などの一時費用が増加したことなどにより、減収減益となりました。
※2019年10月1日付で神戸阪急(旧・そごう神戸店)及び高槻阪急(旧・西武高槻店)の事業を株式会社阪急阪神百貨店へ移管したため、当連結会計年度より神戸・高槻事業を百貨店事業に統合しております。なお、百貨店事業の前期比については、かかる統合後の区分に基づき、前連結会計年度実績を組み替えて比較しております。
(食品事業)
イズミヤ株式会社では、店舗の建て替え工事や業態変更を継続して進めており、当連結会計年度は、和泉府中店(大阪府泉大津市)、花園店(大阪市西成区)、洛北阪急スクエア店(京都市左京区)など計5店舗を建て替え・改装オープンし、5月に新中条店(大阪府茨木市)を出店しました。しかしながら、競合店との競争の激化により既存店の売上が苦戦するとともに、総合スーパー(GMS)の事業モデル転換の推進による衣料品や住居関連品など非食品部門の面積縮小等が売上・利益ともに影響し減収となり、前連結会計年度に引き続き営業損失となりました。
株式会社阪急オアシスでは、福島ふくまる通り57店(大阪市福島区)、キセラ川西店(兵庫県川西市)を新規出店したほか、2018年6月の大阪府北部地震により休業していた茨木東奈良店(大阪府茨木市)及び南茨木店(同)が営業を再開しました。同社では、価格政策の見直しを推進し、利益率の改善を図りましたが、競合環境の激化等により既存店の売上が伸び悩み、減収減益となりました。これらの結果、食品事業全体では減収減益となりました。
(不動産事業)
大阪・千里中央地区の商業施設セルシーの信託受益者である合同会社サントルでは、再開発のため2019年5月末でセルシーを閉館したことに伴い、テナント賃料収入が減少し減収となりました。また、株式会社阪急商業開発では、12月に洛北阪急スクエア(京都市左京区、旧・カナート洛北)が増床リニューアルオープンし、周辺地域のお客様から好評を得ておりますが、リニューアルに伴う一時休業や開業費用及び減価償却費の増加等により営業損失となりました。
これらの結果、不動産事業全体では減収減益となりました。
(その他事業)
その他事業では、当連結会計年度よりコンビニエンスストア等を運営する株式会社アズナス及びパンの販売やカフェの運営を行う株式会社阪急フレッズを連結子会社化した一方で、株式会社家族亭と株式会社サンローリーを、2020年2月1日付で、株式交換によりSRSホールディングス株式会社に譲渡しました。
株式会社ペルソナでは、キャッシュレス・消費者還元事業によりクレジット取扱高が拡大し、また、株式会社阪急建装では、飲食テナントやホテルの内装受注が拡大したことにより増収増益となりました。しかしながら、ビジネスホテル「アワーズイン阪急」を経営する株式会社大井開発では、第3四半期までは引き続き高い客室稼働率を維持しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による観光客及び出張者利用の大幅な減少に伴い減益になるとともに、持株会社である当社において、子会社からの受取配当額が減少したことなどにより、その他事業全体では増収減益となりました。
>親会社株主に帰属する当期純利益
イズミヤ株式会社、株式会社阪急オアシスの店舗等の減損損失として14,196百万円を計上したほか、イズミヤ株式会社の事業モデル転換に伴う早期退職の実施等により事業構造改革費用として3,854百万円など、特別損失を合計22,875百万円計上したことにより、13,150百万円の損失となりました。
≪特別損益の状況≫
(単位:百万円)
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績の状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記以外のセグメントについては、該当事項はありません。
② 受注状況
当連結会計年度における該当事項はありません。
なお、食品事業(食料品製造業)については、過去の販売実績に基づいて見込生産を行っております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績の状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 2019年10月1日付で神戸阪急(旧・そごう神戸店)及び高槻阪急(旧・西武高槻店)の事業を株式会社阪急阪神百貨店へ移管したため、当連結会計年度より神戸・高槻事業を百貨店事業に統合しております。なお、百貨店事業の前期比については、かかる統合後の区分に基づき、前連結会計年度実績を組み替えて比較しております。
(3)財政状態
(単位:百万円)
当連結会計年度期末の資産合計は586,904百万円となり、前連結会計年度期末に比べて76,431百万円の減少となりました。これは主に、設備投資や借入金の返済等により現金及び預金が29,270百万円、イズミヤ泉佐野店、東寝屋川店、大東店の売却等により有形固定資産が11,695百万円、保有株式の株価の下落及び売却により投資有価証券が25,308百万円、それぞれ減少したことによるものです。
負債合計は342,270百万円となり、前連結会計年度期末に比べて41,461百万円の減少となりました。これは主に、仕入の減少等により支払手形及び買掛金が15,815百万円、借入金の返済等により借入金及び社債が13,206百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
純資産合計は244,634百万円となり、前連結会計年度期末に比べて34,969百万円の減少となりました。当期純損失の計上により利益剰余金が18,094百万円、保有株式の株価下落等によりその他有価証券評価差額金が17,429百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
なお、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による利益の減少に伴い、ROE(自己資本当期純利益率)が△5.0%(前連結会計年度 0.8%)、ROA(総資産経常利益率)が1.9%(前連結会計年度 3.2%)、ROIC(投下資本利益率)が2.0%(前連結会計年度 3.5%)と、資本効率性・資産効率性を示す指標はいずれも悪化しました。
(4)キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
当連結会計年度の「現金及び現金同等物の期末残高」は、25,958百万円(前期末比29,270百万円減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、9,871百万円の収入(前期比5,521百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、洛北阪急スクエアの増床開業に伴う有形固定資産の取得などにより、22,451百万円の支出(前期比14,230百万円の支出減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払などにより、16,440百万円の支出(前期は9,581百万円の収入)となりました。
なお、阪神梅田本店の建て替え工事や中国寧波への出店などの長期プロジェクトに必要な資本の財源については、営業活動によるキャッシュ・フローと外部からの借入により対応することとしております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりです。
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額
※1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利息の支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※4 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号平成30年2月16日)等を前連結会計年度の期首から適用しており、2017年度以前の総資産の金額については、当該会計基準等を遡って適用した後の金額となっております。
(1)連結財務諸表に特に重要な影響を与える会計上の見積り
連結財務諸表及び財務諸表の作成にあたり、経営者は、決算日における資産及び負債の報告金額、偶発資産及び負債の開示、報告期間における収益及び費用の金額に影響を与える様々な見積りを行っております。
見積りは、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき行っておりますが、前提条件や事業環境などに変化が見られた場合には、見積りと将来の実績が異なることも起こりえます。
連結財務諸表に特に重要な影響を与える見積りを伴う会計方針は以下のとおりですが、当社及び連結子会社のすべての会計方針を包括的に記載するものではありません。当社及び連結子会社の重要な会計方針は、連結財務諸表注記の「(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)4.会計方針に関する事項」に記載しております。
① 固定資産の減損
当社グループでは、百貨店、GMS、食品スーパーなど多様な形態で小売店舗を展開しており、これらに対し、新店投資や更新投資など恒常的に設備投資を実施しております。
これらの設備投資により計上された固定資産の減損判定においては、原則として店舗を基準に判定単位としております。
減損の判定に当たっては、2期連続で営業赤字となるなど減損の兆候が見られる店舗について、共通部門である本部費を配賦した店舗別の営業キャッシュ・フローの将来計画値を、当該店舗の主要な固定資産の経済的残存使用年数の期間にわたって見積もり、これが店舗資産の期末帳簿価額を下回る店舗について減損損失を計上しております。
減損損失の計上額は、店舗別の本部費配賦後の営業キャッシュ・フローの将来計画値を、加重平均資本コスト(WACC)を割引率に用いて現在価値に割引き、店舗資産の期末残高との差額を減損損失の計上額としております。
店舗別の計画値については、近年の顧客動向をもとに、近隣の競合他社の出店状況や商圏における人口動向などの外部環境の変化ならびに環境変化に対するコスト削減方策や集客施策の効果等、店舗業績に影響する把握可能なあらゆる要素を反映させております。
また、割引率に関しては、期末日時点におけるグループの負債/資本比率(D/Eレシオ)をもとに、資本資産価格モデル(CAPM)を用いて算定した株主資本コスト及び実績の借入利子率をもとに算定した負債コストを加重平均する方法で算定し、当連結会計年度は3.4%を用いております。
なお、退店や売却の意思決定を行った店舗やその他の資産については、上記に関わらず、不動産鑑定額等を基にした処分可能価額まで減損損失を計上しております。
② 繰延税金資産の回収可能性
当社グループでは、収益性の低下した店舗の減損損失や税務上の繰越欠損金など、重要な将来減算一時差異を有しております。
これらの繰延税金資産の計上に当たっては、グループ各社を、過去の課税所得水準や期末における将来減算一時差異の状況、重要な繰越欠損金の有無などの状況から、「繰延税金資産の回収可能性に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第26号)に従って5段階に分類し、当該分類に従って、それぞれのグループ会社の課税所得と将来減算一時差異の解消見込みをスケジューリングしたうえで、回収可能と見込まれる額を繰延税金資産に計上しております。
グループ各社の将来の課税所得の見込額を算定するに当たっては、各社の業績のこれまでの趨勢や、今後想定される外部環境変化、外部環境変化に対して実施する収益向上施策等の実現方策の効果を慎重に検討のうえ実施しております。
③ 新型コロナウィルス感染症の影響
当社グループでは、上述の固定資産の減損や繰延税金資産の回収可能性等の会計上の見積りについて、連結会計年度末時点において入手可能な情報に基づき実施しております。
新型コロナウイルス感染症の拡大により当社グループ事業への影響は、営業収益減少等の影響が大きい百貨店事業において、影響は半年程度続き、その後緩やかに回復するという仮定に基づき、会計上の見積りを行っております。
(2)経営成績
連結経営成績
(単位:百万円)
| 18/03累計 | 19/03累計 | 20/03累計 | ||||||
| 金額 | 金額 | 金額 | 前期比 | 増減 | 予想比 | 増減 | ||
| 百貨店事業 | 469,604 | 494,608 | 473,225 | 95.7% | △ 21,382 | |||
| 食品事業 | 386,552 | 367,580 | 354,115 | 96.3% | △ 13,464 | |||
| 不動産事業 | 10,367 | 8,736 | 8,725 | 99.9% | △ 10 | |||
| その他事業 | 55,346 | 55,948 | 61,222 | 109.4% | + 5,274 | |||
| 売上高 | 921,871 | 926,872 | 897,289 | 96.8% | △ 29,583 | 96.7% | △ 30,710 | |
| 百貨店事業 | 18,624 | 17,883 | 11,486 | 64.2% | △ 6,397 | |||
| 食品事業 | 1,104 | △ 438 | △ 2,503 | ― | △ 2,064 | |||
| 不動産事業 | 4,985 | 4,281 | 4,141 | 96.7% | △ 139 | |||
| その他事業 | 3,098 | 5,030 | 2,903 | 57.7% | △ 2,127 | |||
| 調整額 | △ 5,047 | △ 6,335 | △ 4,856 | ― | + 1,478 | |||
| 営業利益 | 22,765 | 20,422 | 11,171 | 54.7% | △ 9,250 | 69.8% | △ 4,828 | |
| 経常利益 | 24,272 | 21,376 | 11,831 | 55.3% | △ 9,545 | 73.0% | △ 4,368 | |
| 特別利益 | 5,243 | 895 | 1,707 | 190.6% | + 811 | |||
| 特別損失 | 6,296 | 14,221 | 22,875 | 160.9% | + 8,654 | |||
| 親会社株主に帰属する 当期純利益(△は損失) | 14,636 | 2,162 | △ 13,150 | ― | △ 15,312 | ― | △ 18,150 | |
※セグメント別売上高は外部顧客への売上高
>売上高
当連結会計年度の当社グループの連結業績は、第2四半期までは、堅調な国内消費や活発なインバウンド消費に加え、消費増税前の駆け込み需要もあり、前年同期を上回りました。しかしながら、第3四半期以降は、10月の消費増税後の消費マインドの低迷や暖冬の影響、そして第4四半期には新型コロナウイルス感染症の拡大により、百貨店など一部店舗で営業時間の短縮や一部営業を自粛したことなどが大きく影響し、通期の連結売上高は897,289百万円(前期比96.8%)となりました。
>営業利益及び経常利益
連結営業利益は、売上高の減少に伴う粗利益の低下、イズミヤ株式会社の店舗の建て替えによる一時休業、株式会社阪急阪神百貨店における阪神梅田本店第Ⅰ期棟の減価償却費の増加などにより、11,171百万円(前期比54.7%)、連結経常利益は11,831百万円(前期比55.3%)となりました。
(百貨店事業)
阪急本店では、第2四半期まではファッションを中心に国内・インバウンド需要とも堅調に推移し、さらに、10月の消費増税前の駆け込み需要により売上が伸長しましたが、第3四半期以降は増税後の反動と暖冬の影響などにより衣料品の販売が苦戦するとともに、第4四半期は新型コロナウイルス感染症の防止のための営業時間の短縮や営業の自粛を行ったことにより、売上高前期比は96.2%となりました。
また、阪神梅田本店では、2018年6月の第Ⅰ期棟開業景気の反動に加え、阪急本店と同様に営業自粛等の影響を受けたことにより、売上高前期比は90.2%となりました。
一方、支店では、2019年10月に屋号を変更した神戸阪急(旧・そごう神戸店)と高槻阪急(旧・西武高槻店)において、食料品売場の改装などが奏功するとともに、郊外店舗では、営業自粛等の影響はあったものの、食料品売場を中心に落ち込み幅は抑えることができました。
また、売上の減少に伴う粗利の減少に加え、阪神梅田本店の減価償却費や神戸阪急及び高槻阪急の屋号変更や改装などの一時費用が増加したことなどにより、減収減益となりました。
※2019年10月1日付で神戸阪急(旧・そごう神戸店)及び高槻阪急(旧・西武高槻店)の事業を株式会社阪急阪神百貨店へ移管したため、当連結会計年度より神戸・高槻事業を百貨店事業に統合しております。なお、百貨店事業の前期比については、かかる統合後の区分に基づき、前連結会計年度実績を組み替えて比較しております。
(食品事業)
イズミヤ株式会社では、店舗の建て替え工事や業態変更を継続して進めており、当連結会計年度は、和泉府中店(大阪府泉大津市)、花園店(大阪市西成区)、洛北阪急スクエア店(京都市左京区)など計5店舗を建て替え・改装オープンし、5月に新中条店(大阪府茨木市)を出店しました。しかしながら、競合店との競争の激化により既存店の売上が苦戦するとともに、総合スーパー(GMS)の事業モデル転換の推進による衣料品や住居関連品など非食品部門の面積縮小等が売上・利益ともに影響し減収となり、前連結会計年度に引き続き営業損失となりました。
株式会社阪急オアシスでは、福島ふくまる通り57店(大阪市福島区)、キセラ川西店(兵庫県川西市)を新規出店したほか、2018年6月の大阪府北部地震により休業していた茨木東奈良店(大阪府茨木市)及び南茨木店(同)が営業を再開しました。同社では、価格政策の見直しを推進し、利益率の改善を図りましたが、競合環境の激化等により既存店の売上が伸び悩み、減収減益となりました。これらの結果、食品事業全体では減収減益となりました。
(不動産事業)
大阪・千里中央地区の商業施設セルシーの信託受益者である合同会社サントルでは、再開発のため2019年5月末でセルシーを閉館したことに伴い、テナント賃料収入が減少し減収となりました。また、株式会社阪急商業開発では、12月に洛北阪急スクエア(京都市左京区、旧・カナート洛北)が増床リニューアルオープンし、周辺地域のお客様から好評を得ておりますが、リニューアルに伴う一時休業や開業費用及び減価償却費の増加等により営業損失となりました。
これらの結果、不動産事業全体では減収減益となりました。
(その他事業)
その他事業では、当連結会計年度よりコンビニエンスストア等を運営する株式会社アズナス及びパンの販売やカフェの運営を行う株式会社阪急フレッズを連結子会社化した一方で、株式会社家族亭と株式会社サンローリーを、2020年2月1日付で、株式交換によりSRSホールディングス株式会社に譲渡しました。
株式会社ペルソナでは、キャッシュレス・消費者還元事業によりクレジット取扱高が拡大し、また、株式会社阪急建装では、飲食テナントやホテルの内装受注が拡大したことにより増収増益となりました。しかしながら、ビジネスホテル「アワーズイン阪急」を経営する株式会社大井開発では、第3四半期までは引き続き高い客室稼働率を維持しましたが、新型コロナウイルス感染症拡大による観光客及び出張者利用の大幅な減少に伴い減益になるとともに、持株会社である当社において、子会社からの受取配当額が減少したことなどにより、その他事業全体では増収減益となりました。
>親会社株主に帰属する当期純利益
イズミヤ株式会社、株式会社阪急オアシスの店舗等の減損損失として14,196百万円を計上したほか、イズミヤ株式会社の事業モデル転換に伴う早期退職の実施等により事業構造改革費用として3,854百万円など、特別損失を合計22,875百万円計上したことにより、13,150百万円の損失となりました。
≪特別損益の状況≫
(単位:百万円)
| 科目 | 金額 | 主な内容 | ||
| 特別利益 | 1,707 | (対前連結会計年度 + 811 百万円) | ||
| 固定資産売却益 | 997 | イズミヤ泉佐野店、若江岩田店 | ||
| 投資有価証券売却益 | 693 | |||
| 負ののれん発生益 | 17 | |||
| 特別損失 | 22,875 | (対前連結会計年度 + 8,654 百万円) | ||
| 減損損失 | 14,196 | イズミヤ、阪急オアシス、阪急阪神百貨店 | ||
| 事業構造改革費用 | 3,854 | イズミヤにおける早期退職加算金、商品評価損 | ||
| 固定資産除却損 | 1,848 | 阪急阪神百貨店、イズミヤ、阪急商業開発 | ||
| 固定資産売却損 | 930 | イズミヤ大東店 | ||
| 事業整理損 | 821 | 阪急キッチンエール九州事業終了、ウイズシステム事業譲渡 | ||
| 店舗等閉鎖損失 | 747 | セルシー建て替え、イズミヤ店舗再編 | ||
| 株式交換差損 | 477 | 家族亭株式及びサンローリー株式とSRSホールディングス株式との株式交換 | ||
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度における生産実績の状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 品名 | 生産高(百万円) | 前期比(%) |
| 食品事業 | 食料品 | 33,410 | 97.7% |
| 合計 | 33,410 | 97.7% | |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.金額は、販売価格によっております。
3.上記以外のセグメントについては、該当事項はありません。
② 受注状況
当連結会計年度における該当事項はありません。
なお、食品事業(食料品製造業)については、過去の販売実績に基づいて見込生産を行っております。
③ 販売実績
当連結会計年度における販売実績の状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 品名 | 販売高(百万円) | 前期比(%) |
| 百貨店事業 | 衣料品 | 125,268 | 92.4% |
| 身の回り品 | 86,452 | 96.7% | |
| 家庭用品 | 13,024 | 93.2% | |
| 食料品 | 143,281 | 98.1% | |
| 食堂・喫茶 | 9,642 | 93.2% | |
| 雑貨 | 88,738 | 96.1% | |
| サービス・その他 | 7,089 | 98.2% | |
| 消去 | △272 | 82.7% | |
| 計 | 473,225 | 95.7% | |
| 食品事業 | スーパーマーケット | 347,298 | 96.4% |
| 食料品製造 | 9,584 | 98.3% | |
| サービス・その他 | 2,441 | 92.0% | |
| 消去 | △5,208 | 103.5% | |
| 計 | 354,115 | 96.3% | |
| 不動産事業 | 商業不動産賃貸管理 | 13,266 | 100.1% |
| サービス・その他 | 12,299 | 94.3% | |
| 消去 | △16,840 | 95.9% | |
| 計 | 8,725 | 99.9% | |
| その他事業 | ホテル | 5,222 | 96.0% |
| 店舗内装工事 | 6,660 | 106.6% | |
| 飲食店 | 3,143 | 100.6% | |
| 百貨店友の会 | 1,160 | 70.6% | |
| 個別宅配・宅配プラットフォーム | 7,605 | 80.9% | |
| 外食 | 7,436 | 83.9% | |
| 人材派遣 | 2,273 | 108.8% | |
| その他 | 53,408 | 119.2% | |
| 消去 | △25,687 | 97.7% | |
| 計 | 61,222 | 109.4% | |
| 合計 | 897,289 | 96.8% | |
(注)1. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2. 2019年10月1日付で神戸阪急(旧・そごう神戸店)及び高槻阪急(旧・西武高槻店)の事業を株式会社阪急阪神百貨店へ移管したため、当連結会計年度より神戸・高槻事業を百貨店事業に統合しております。なお、百貨店事業の前期比については、かかる統合後の区分に基づき、前連結会計年度実績を組み替えて比較しております。
(3)財政状態
(単位:百万円)
| 19/03末 | 20/03末 | 増減 | 19/03末 | 20/03末 | 増減 | ||
| 現金及び預金 | 55,229 | 25,958 | △ 29,270 | 支払手形及び 買掛金 | 59,732 | 43,917 | △ 15,815 |
| 受取手形及び 売掛金 | 49,886 | 44,445 | △ 5,440 | 借入金及び社債 | 164,920 | 151,713 | △ 13,206 |
| 棚卸資産 | 33,920 | 29,688 | △ 4,232 | 負債合計 | 383,731 | 342,270 | △ 41,461 |
| 流動資産合計 | 150,003 | 112,116 | △ 37,887 | 株主資本 | 239,755 | 221,732 | △ 18,022 |
| 固定資産合計 | 513,331 | 474,788 | △ 38,543 | 純資産合計 | 279,603 | 244,634 | △ 34,969 |
| 資産合計 | 663,335 | 586,904 | △ 76,431 | 負債純資産合計 | 663,335 | 586,904 | △ 76,431 |
当連結会計年度期末の資産合計は586,904百万円となり、前連結会計年度期末に比べて76,431百万円の減少となりました。これは主に、設備投資や借入金の返済等により現金及び預金が29,270百万円、イズミヤ泉佐野店、東寝屋川店、大東店の売却等により有形固定資産が11,695百万円、保有株式の株価の下落及び売却により投資有価証券が25,308百万円、それぞれ減少したことによるものです。
負債合計は342,270百万円となり、前連結会計年度期末に比べて41,461百万円の減少となりました。これは主に、仕入の減少等により支払手形及び買掛金が15,815百万円、借入金の返済等により借入金及び社債が13,206百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
純資産合計は244,634百万円となり、前連結会計年度期末に比べて34,969百万円の減少となりました。当期純損失の計上により利益剰余金が18,094百万円、保有株式の株価下落等によりその他有価証券評価差額金が17,429百万円、それぞれ減少したことなどによるものです。
なお、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症の影響による利益の減少に伴い、ROE(自己資本当期純利益率)が△5.0%(前連結会計年度 0.8%)、ROA(総資産経常利益率)が1.9%(前連結会計年度 3.2%)、ROIC(投下資本利益率)が2.0%(前連結会計年度 3.5%)と、資本効率性・資産効率性を示す指標はいずれも悪化しました。
(4)キャッシュ・フロー
(単位:百万円)
| 主な項目 | 18/03 | 19/03 | 20/03 | |
| 営業活動によるキャッシュ・フロー | 32,739 | 15,392 | 9,871 | |
| 税金等調整前当期純利益(△は損失) | 23,219 | 8,050 | △ 9,337 | |
| 減価償却費 | 16,223 | 17,399 | 18,519 | |
| 減損損失 | 3,479 | 2,592 | 14,196 | |
| 売上債権の増減額(△は増加) | △ 2,248 | △ 3,017 | 4,857 | |
| たな卸資産の増減額(△は増加) | 1,796 | 968 | 3,783 | |
| 仕入債務の増減額(△は減少) | 833 | △ 2.249 | △ 14,955 | |
| 法人税等の支払額 | △ 5,721 | △ 7,304 | △ 5,525 | |
| 投資活動によるキャッシュ・フロー | △ 35,492 | △ 36,682 | △ 22,451 | |
| 有形固定資産の取得による支出 | △ 19,197 | △ 30,289 | △ 26,675 | |
| 無形固定資産の取得による支出 | △ 4,009 | △ 3,713 | △ 6,938 | |
| 事業譲受による支出 | △ 14,536 | ― | △ 648 | |
| 有形固定資産の売却による収入 | 3,259 | 1,412 | 9,138 | |
| 財務活動によるキャッシュ・フロー | △ 13,812 | 9,581 | △ 16,440 | |
| 短期借入金の純増減額(△は減少) | △ 2,000 | 8.000 | 7,000 | |
| 長期借入金の返済による支出 | △ 29,578 | △ 22,624 | △ 20,375 | |
| 長期借入れによる収入 | 30,150 | 20,040 | 98 | |
| 配当金の支払額 | △ 4,938 | △ 4,941 | △ 4,944 | |
| 営業CF+投資CF+財務CF | △ 16,565 | △ 11,707 | △ 29,020 | |
| 現金及び現金同等物の期末残高 | 67,150 | 55,229 | 25,958 |
当連結会計年度の「現金及び現金同等物の期末残高」は、25,958百万円(前期末比29,270百万円減)となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、9,871百万円の収入(前期比5,521百万円の収入減)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、洛北阪急スクエアの増床開業に伴う有形固定資産の取得などにより、22,451百万円の支出(前期比14,230百万円の支出減)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済や配当金の支払などにより、16,440百万円の支出(前期は9,581百万円の収入)となりました。
なお、阪神梅田本店の建て替え工事や中国寧波への出店などの長期プロジェクトに必要な資本の財源については、営業活動によるキャッシュ・フローと外部からの借入により対応することとしております。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりです。
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率 | 42.3% | 41.2% | 42.4% | 42.0% | 41.5% |
| 時価ベースの自己資本比率 | 40.3% | 34.6% | 36.4% | 28.7% | 16.7% |
| キャッシュ・フロー 対有利子負債比率 | 5.6 | 4.3 | 4.9 | 11.3 | 16.9 |
| インタレスト・ カバレッジ・レシオ | 19.8倍 | 36.1倍 | 32.5倍 | 21.1倍 | 12.9倍 |
自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業活動によるキャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー/利息の支払額
※1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
※2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式総数(自己株式控除後)により算出しております。
※3 営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利息の支払額については、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
※4 「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号平成30年2月16日)等を前連結会計年度の期首から適用しており、2017年度以前の総資産の金額については、当該会計基準等を遡って適用した後の金額となっております。