有価証券報告書-第51期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国・中国間の貿易摩擦問題をはじめとした世界政治・経済への警戒感やこれに伴う金融資本市場の変動、第4四半期には新型コロナウイルス感染症拡大の影響が深刻化し、景気の先行きは不透明な状況が続きました。
外食業界におきましても、昨年10月からの消費税増税による生活防衛意識の高まり、労働力不足に伴う人件費及び物流費の高騰、相次ぐ自然災害の影響など、依然として厳しい経営環境が続きました。
このような状況下、当社グループでは、中期経営計画『創業50周年に向けて』(2018年度-2020年度)の2ヵ年目に突入し、“おいしさ、しあわせ創造”の経営理念の下、主力のケンタッキーフライドチキン(KFC)においては、「原点回帰」「お客様目線(現場目線)」「人財育成」の3つを基本テーマに掲げ、持続的なブランド価値の向上を図るべく活動を展開してまいりました。
①「原点回帰」
創業から大事にしているおいしさへのこだわりを伝承し、誰にもまねのできない「オリジナルチキン」をお得 感のあるメニューでお客様に提供するとともに、並行して新商品施策も強化してまいりました。「パリパリ旨塩チキン」(2019年4月)、「サクサク骨なしケンタッキー麻辣味」(2019年10月)、「ブラックホットチキン」(2020年1月)、「クアトロチーズサンド」(2020年3月)など“チキン専門店”として「本当のおいしさ」を提供してまいりました。
②「お客様目線(現場目線)」
日常利用の促進を目的として導入した「500円ランチ」は、2020年1月から定番メニューに加わりました。これまで特別な日やクリスマスに利用されるイメージから、日常的にご利用いただけるブランドとして認知されるとともに、ネットオーダーシステムの強化など、さらなる利便性の向上に取り組んでまいりました。2019年10月の消費 税増税、軽減税率導入時には、「お客様への分かりやすさ」を考慮し、主力の定番商品は価格を据え置くとともに、「店内飲食」「持ち帰り」の税込価格を統一いたしました。強化しているデリバリーサービスは、配達代行も含めて実施店舗を220店舗まで拡大し、お客様のニーズに合わせたサービスの提供と価値向上に努めてまいりました。
③「人財育成」
お客様に最高の体験を提供するため、店舗運営を支える従業員とともに働きがいのある職場環境を構築し、将来の経営土台を創る取り組みを実施いたしました。
店舗数につきましては、当連結会計年度において19店舗(直営7店舗・フランチャイズ12店舗)を出店し、1,133店舗となりました。改装につきましては、212店舗(直営46店舗・フランチャイズ166店舗)と、期初計画120店舗(直営20店舗・フランチャイズ100店舗)を大幅に上回る改装を実施いたしました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、日常利用の促進によりチェーン売上高が期初想定を上回って推移したことや原価率の改善及び全社的に経費最適化を促進した効果もあり、売上高は796億3千4百万円(対前連結会計年度比7.1%増)、営業利益は47億8千5百万円(同116.9%増)となりました。しかしながら、持分法適用関連会社において、直近の決算内容、また新型コロナウイルス感染症拡大による消費動向の変化、これに起因した売上高の減少等により収益性が低下し、当該会社株式の実質価額が著しく下落したことで持分法による投資損失を計上したため、経常利益は32億5千2百万円(同9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億3千3百万円(同25.4%減)となりました。
(2) 中期経営計画の達成状況
当社グループでは、2020年度(2021年3月期)を最終年度とする中期経営計画を策定し、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益の目標を定めております。
最終年度目標及びこれまでの実績推移は、以下のとおりであります。
中期経営計画の初年度である2019年3月期においては、マーケティング施策の効果による売上高の回復などにより、いずれの主要指標についても当初計画を上回る結果となりました。
2ヵ年目にあたる当連結会計年度においては、(1)経営成績の分析に記載しましたとおり、売上高につきましては、前連結会計年度に引き続き日常利用の促進策を強化した結果、年間を通じて日常化が定着したことにより、チェーン売上高が当初の想定を上回って推移し、売上高は796億3千4百万円(進捗率106.2%)となりました。利益面につきましては、原価率の改善や全社的に経費最適化を促進した結果、売上高販管費率が改善し営業利益は47億8千5百万円(進捗率199.4%)と大幅に目標を達成したものの、持分法による投資損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は対前連結会計年度比25.4%減の15億3千3百万円(進捗率95.9%)となりました。
(3) 財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、208億9千8百万円となり、前連結会計年度末と比べ17億2百万円の増加となりました。
その主な要因は、現金及び預金の増加16億4千9百万円及び売掛金の増加1億1千7百万円等によるものであります。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は、171億1千3百万円となり、前連結会計年度末と比べ21億1千万円の減少となりました。
その主な要因は、有形・無形固定資産の減少2億8千4百万円、投資有価証券の減少16億7千4百万円等によるものであります。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、125億1千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ7億8百万円の減少となりました。
その主な要因は、買掛金の減少10億3千7百万円、未払金の増加10億5千9百万円、未払法人税等の減少2億9千8百万円及び未払消費税等の減少2億4千4百万円等によるものであります。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は、36億9千万円となり、前連結会計年度末と比べ1億2千1百万円の減少となりました。
その主な要因は、その他固定負債の減少1億7千万円等によるものであります。
⑤ 純資産
連結会計年度末における純資産の残高は、218億7百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億2千1百万円の増加となりました。
その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益15億3千3百万円の計上、配当金の支払による利益剰余金の減少11億2千1百万円等によるものであります。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して16億4千9百万円増加し、149億1千7百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比較して収入が15億2百万円減少し、39億3千4百万円の収入となりました。その主な要因は税金等調整前当期純利益33億8千8百万円、減価償却費19億5千5百万円、持分法による投資損失の計上16億4千3百万円、仕入債務の減少10億3千7百万円及び法人税等の支払額21億8千3百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比較して支出が3億6千1百万円増加し、6億2千6百万円の支出となりました。その主な要因は、有形・無形固定資産の取得による支出10億5千7百万円、有形固定資産の売却による収入1億9千7百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比較して支出が2百万円減少し、16億5千7百万円の支出となりました。その主な要因は、配当金の支払額11億2千1百万円及びリース債務の返済による支出5億3千5百万円等によるものであります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループでは、経営環境の変化に備えて手元流動性を十分確保することで安定した財務基盤を維持することに努めており、当連結会計年度末における流動比率は167.0%となっております。
当面の資金需要につきましては、原材料費や販売費及び一般管理費に計上されるサービスに対する費消のほか、新規出店や既存店舗の改装による設備投資や株主還元であり、これらは自己資金で賄う予定であります。
この他にも当社グループの新たな収益の源泉として、M&Aも含めた投資も引き続き検討してまいります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づいて会計上の見積りを行っておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は不確定要素が多く、実際の結果は、これら見積りと異なる場合があります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、米国・中国間の貿易摩擦問題をはじめとした世界政治・経済への警戒感やこれに伴う金融資本市場の変動、第4四半期には新型コロナウイルス感染症拡大の影響が深刻化し、景気の先行きは不透明な状況が続きました。
外食業界におきましても、昨年10月からの消費税増税による生活防衛意識の高まり、労働力不足に伴う人件費及び物流費の高騰、相次ぐ自然災害の影響など、依然として厳しい経営環境が続きました。
このような状況下、当社グループでは、中期経営計画『創業50周年に向けて』(2018年度-2020年度)の2ヵ年目に突入し、“おいしさ、しあわせ創造”の経営理念の下、主力のケンタッキーフライドチキン(KFC)においては、「原点回帰」「お客様目線(現場目線)」「人財育成」の3つを基本テーマに掲げ、持続的なブランド価値の向上を図るべく活動を展開してまいりました。
①「原点回帰」
創業から大事にしているおいしさへのこだわりを伝承し、誰にもまねのできない「オリジナルチキン」をお得 感のあるメニューでお客様に提供するとともに、並行して新商品施策も強化してまいりました。「パリパリ旨塩チキン」(2019年4月)、「サクサク骨なしケンタッキー麻辣味」(2019年10月)、「ブラックホットチキン」(2020年1月)、「クアトロチーズサンド」(2020年3月)など“チキン専門店”として「本当のおいしさ」を提供してまいりました。
②「お客様目線(現場目線)」
日常利用の促進を目的として導入した「500円ランチ」は、2020年1月から定番メニューに加わりました。これまで特別な日やクリスマスに利用されるイメージから、日常的にご利用いただけるブランドとして認知されるとともに、ネットオーダーシステムの強化など、さらなる利便性の向上に取り組んでまいりました。2019年10月の消費 税増税、軽減税率導入時には、「お客様への分かりやすさ」を考慮し、主力の定番商品は価格を据え置くとともに、「店内飲食」「持ち帰り」の税込価格を統一いたしました。強化しているデリバリーサービスは、配達代行も含めて実施店舗を220店舗まで拡大し、お客様のニーズに合わせたサービスの提供と価値向上に努めてまいりました。
③「人財育成」
お客様に最高の体験を提供するため、店舗運営を支える従業員とともに働きがいのある職場環境を構築し、将来の経営土台を創る取り組みを実施いたしました。
店舗数につきましては、当連結会計年度において19店舗(直営7店舗・フランチャイズ12店舗)を出店し、1,133店舗となりました。改装につきましては、212店舗(直営46店舗・フランチャイズ166店舗)と、期初計画120店舗(直営20店舗・フランチャイズ100店舗)を大幅に上回る改装を実施いたしました。
これらの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、日常利用の促進によりチェーン売上高が期初想定を上回って推移したことや原価率の改善及び全社的に経費最適化を促進した効果もあり、売上高は796億3千4百万円(対前連結会計年度比7.1%増)、営業利益は47億8千5百万円(同116.9%増)となりました。しかしながら、持分法適用関連会社において、直近の決算内容、また新型コロナウイルス感染症拡大による消費動向の変化、これに起因した売上高の減少等により収益性が低下し、当該会社株式の実質価額が著しく下落したことで持分法による投資損失を計上したため、経常利益は32億5千2百万円(同9.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は15億3千3百万円(同25.4%減)となりました。
(2) 中期経営計画の達成状況
当社グループでは、2020年度(2021年3月期)を最終年度とする中期経営計画を策定し、売上高、営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益の目標を定めております。
最終年度目標及びこれまでの実績推移は、以下のとおりであります。
2019年3月期実績 (中計初年度) | 2020年3月期実績 (当連結会計年度) | 中期経営計画目標 (中計最終年度) | |
売上高(百万円) | 74,344 | 79,634 | 75,000 |
営業利益(百万円) | 2,206 | 4,785 | 2,400 |
親会社株主に帰属する 当期純利益(百万円) | 2,055 | 1,533 | 1,600 |
中期経営計画の初年度である2019年3月期においては、マーケティング施策の効果による売上高の回復などにより、いずれの主要指標についても当初計画を上回る結果となりました。
2ヵ年目にあたる当連結会計年度においては、(1)経営成績の分析に記載しましたとおり、売上高につきましては、前連結会計年度に引き続き日常利用の促進策を強化した結果、年間を通じて日常化が定着したことにより、チェーン売上高が当初の想定を上回って推移し、売上高は796億3千4百万円(進捗率106.2%)となりました。利益面につきましては、原価率の改善や全社的に経費最適化を促進した結果、売上高販管費率が改善し営業利益は47億8千5百万円(進捗率199.4%)と大幅に目標を達成したものの、持分法による投資損失の計上により、親会社株主に帰属する当期純利益は対前連結会計年度比25.4%減の15億3千3百万円(進捗率95.9%)となりました。
(3) 財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、208億9千8百万円となり、前連結会計年度末と比べ17億2百万円の増加となりました。
その主な要因は、現金及び預金の増加16億4千9百万円及び売掛金の増加1億1千7百万円等によるものであります。
② 固定資産
当連結会計年度末における固定資産の残高は、171億1千3百万円となり、前連結会計年度末と比べ21億1千万円の減少となりました。
その主な要因は、有形・無形固定資産の減少2億8千4百万円、投資有価証券の減少16億7千4百万円等によるものであります。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、125億1千4百万円となり、前連結会計年度末と比べ7億8百万円の減少となりました。
その主な要因は、買掛金の減少10億3千7百万円、未払金の増加10億5千9百万円、未払法人税等の減少2億9千8百万円及び未払消費税等の減少2億4千4百万円等によるものであります。
④ 固定負債
当連結会計年度末における固定負債の残高は、36億9千万円となり、前連結会計年度末と比べ1億2千1百万円の減少となりました。
その主な要因は、その他固定負債の減少1億7千万円等によるものであります。
⑤ 純資産
連結会計年度末における純資産の残高は、218億7百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億2千1百万円の増加となりました。
その主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益15億3千3百万円の計上、配当金の支払による利益剰余金の減少11億2千1百万円等によるものであります。
(4) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度の現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して16億4千9百万円増加し、149億1千7百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比較して収入が15億2百万円減少し、39億3千4百万円の収入となりました。その主な要因は税金等調整前当期純利益33億8千8百万円、減価償却費19億5千5百万円、持分法による投資損失の計上16億4千3百万円、仕入債務の減少10億3千7百万円及び法人税等の支払額21億8千3百万円等によるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比較して支出が3億6千1百万円増加し、6億2千6百万円の支出となりました。その主な要因は、有形・無形固定資産の取得による支出10億5千7百万円、有形固定資産の売却による収入1億9千7百万円等によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは前連結会計年度と比較して支出が2百万円減少し、16億5千7百万円の支出となりました。その主な要因は、配当金の支払額11億2千1百万円及びリース債務の返済による支出5億3千5百万円等によるものであります。
(5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループでは、経営環境の変化に備えて手元流動性を十分確保することで安定した財務基盤を維持することに努めており、当連結会計年度末における流動比率は167.0%となっております。
当面の資金需要につきましては、原材料費や販売費及び一般管理費に計上されるサービスに対する費消のほか、新規出店や既存店舗の改装による設備投資や株主還元であり、これらは自己資金で賄う予定であります。
この他にも当社グループの新たな収益の源泉として、M&Aも含めた投資も引き続き検討してまいります。
(キャッシュ・フロー関連指標の推移)
2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
自己資本比率(%) | 53.2 | 53.6 | 57.7 | 55.7 | 57.4 |
時価ベースの自己資本比率(%) | 112.48 | 111.03 | 124.86 | 115.71 | 135.83 |
キャッシュ・フロー対有利子 負債比率(年) | - | 0.0 | - | - | - |
インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍) | 35.02 | 119.05 | 66.12 | 283.23 | 385.99 |
(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
詳細については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)に記載しております。
連結財務諸表の作成にあたっては、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づいて会計上の見積りを行っておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による影響は不確定要素が多く、実際の結果は、これら見積りと異なる場合があります。