四半期報告書-第91期第3四半期(2023/10/01-2023/12/31)
文中における財務数値の記載金額は、単位未満を切捨てにて表示しております。
(1)経営方針・経営戦略、対処すべき課題及び財政状態・経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間において、当行グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
① 通期業績予想の修正および配当予想の修正
当行グループは2024年2月1日に、2024年3月期の通期業績予想および配当予想の修正について公表しております。
(イ)通期業績予想の修正
(単位:億円)
※1 連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(信託報酬+役務取引等収益-役務取引等費用)
+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
※2 連結実質業務純益=連結粗利益-経費+持分法による投資損益
(ロ) 配当予想の修正
※ 2023年度第3四半期配当は0円に決定、期末配当は0円の予想
(ハ) 業績予想の修正の理由
2023年5月に公表した中期経営計画「AOZORA2025」に基づき、「育てる」「変わる」「再生する」の3つの場面においてお客さまのお役に立つことを目指す「あおぞら型投資銀行ビジネス」を中心とした顧客関連ビジネスが着実に成長しています。
第1~3四半期における顧客関連のビジネス利益(連結実質業務純益+株式等関係損益)は364億円、通期では440億円と前期実績338億円を大きく上回る見込みです。
今般、来期以降の当行グループの成長をより確実なものとするため、バランスシート上の課題であった(ⅰ)米国オフィス向け不動産ノンリコースローンへの対応、(ⅱ)有価証券ポートフォリオの再構築について、2024年3月期において抜本的な取組みを行い、将来リスクを大きく削減することとしました。
(ⅰ)米国オフィス向け不動産ノンリコースローンへの追加引当
米国金利上昇やCOVID-19を契機とした在宅勤務シフト等に伴い、現在米国オフィス不動産市場は流動性が極めて低い厳しい状況にあります。オフィス回帰に向けた動きや米国金利上昇ペースの落ち着きに伴い売買事例が徐々に出始めており、今後価格形成が進むことが想定されますが、市場が安定的な状況に戻るまでには1~2年程度時間を要する可能性があると考えています。
当行の案件においても、地域や物件の特性によって回復の二極化が進んでいます。こうした状況下、今後ワークアウト(物件処分による債権回収等)に取り組む案件が拡大することを想定し、追加引当による備えの強化を行うこととしました。
全ての米国オフィス向け不動産ノンリコースローン案件をあらためて精査し、足元の評価に加えて今後2年間の価格下落リスクを勘案したフォワードルッキングの観点から物件評価の見直しを行い、現時点で想定される最大限の備えとして、第3四半期において324億円の引当金繰入を計上しました。
この結果、12月末時点の米国オフィス向け不動産ノンリコースローンに対する引当率は18.8%と十分なバッファーを確保し、今後損失が発生するリスクを最小化させています。
(ⅱ)有価証券ポートフォリオの再構築の加速
米国金利上昇等の影響を受けて評価損を抱えることとなった外国債券を中心とした有価証券について、来期以降のポートフォリオ運営の柔軟性確保と収益改善を目的として、売却による処理を加速することとしました。
第3四半期に外貨ETFの売却処理を開始し、第4四半期に残る外貨ETF、モーゲージ債の一部を売却する予定としており、これらの処理の結果、第3四半期に111億円、第4四半期に298億円、下期で410億円の損失を計上する見込みです。
有価証券評価損益は、9月末の△926億円から12月末に△815億円となり、2024年3月末には△560億円に改善する見込みであり、有価証券ポートフォリオの再構築に向けて大きく前進することとなりました。
(ニ) 配当予想の修正の理由
2024年3月期配当については、注力する顧客関連ビジネスが順調に成長すること、十分な自己資本比率を維持することを前提として安定的な配当を行うこととしていましたが、このうち、顧客関連ビジネスは順調に推移している一方で、十分な自己資本の確保の観点では、2024年3月末の連結自己資本比率(国内基準)は8.8%程度、CET1比率は6.6%程度となる見込みであり、目標水準である9%、7%を一時的に下回ることとなります。
このため、来期以降の成長に向けた資本の確保および資本健全性の改善を図るべく、第3四半期配当および期末配当予想を無配とし、今期の1株当たり年間配当金は76円とさせていただきます。
(ホ) 2025年3月期の業務方針
「あおぞら型投資銀行ビジネス」を中心とした顧客関連ビジネスが順調に拡大しており、ビジネス利益がプラスの部門がさらに成長していくこと、GMOあおぞらネット銀行(GANB)が黒字化に向けて着実な歩みを進めていること、リテールビジネスの構造改革の成果が出始めていること等によりビジネス部門全体での成長が見込まれることから、2025年3月の連結粗利益は850億円程度、親会社株主に帰属する当期純利益は170億円程度を計画しています。(2025年3月期業績予想については、2024年5月の通期決算発表時に公表予定)
また、有価証券ポートフォリオ再構築の進捗により、2025年3月末時点の評価損は490億円程度と着実な改善を見込んでいます。
資本政策については、「健全性の維持」「安定的な株主還元」「戦略的な資本活用」の観点を踏まえ、引き続き、注力する顧客関連ビジネスの順調な成長および十分な自己資本比率の維持を前提として安定的な配当を実施してまいります。
2024年3月末時点で一時的に低下する自己資本比率については、来期の業績改善に伴う資本蓄積等により、2025年3月末の連結自己資本比率(国内基準)は9%、CET1比率は7%を上回る計画としています。株主還元については、来期は2024年3月期の1株当たり年間配当金予想76円からの増配を目指します。
以下、2024年2月1日付公表「2024年3月期 通期業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ」の補足資料です。
なお、当該補足資料及び「② 第3四半期決算にかかる分析及び検討」において、「親会社株主に帰属する四半期純利益」は「親会社株主純利益」と記載しております。表及びグラフ中の「1Q」、「2Q」、「中間期」、「3Q」及び「4Q」はそれぞれ以下の各期を示しております。
1Q:4-6月期 2Q:7-9月期 中間期:4-9月期 3Q:10-12月期 4Q:1-3月期







② 第3四半期決算にかかる分析及び検討
(イ) 決算のポイント
・連結粗利益は、前年同期比53億円増加し606億円
・ビジネス利益は前年同期比12億円増加の188億円、このうち顧客関連のビジネス利益は、前年同期比98億円増加の364億円と、あおぞら型投資銀行ビジネスを中心に大幅増加
・米国オフィス案件につきフォワードルッキングの観点から評価の見直しを実施、現時点で想定される最大限の備えとして第3四半期に324億円の引当金を繰入れ、与信関連費用全体で329億円の費用を計上
・有価証券については、来年度以降のポートフォリオ運営の柔軟性確保と収益改善を目的として、売却による処理を加速、第3四半期に93億円の売却損を計上。有価証券評価損は2023年9月末比110億円減少し815億円
(ロ) 経営成績及び財政状態の分析















(ハ) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
なお、海外不動産ノンリコースローンに係る貸倒引当金の算定について、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」中の「(追加情報)」において以下のとおり記載しております。
(追加情報)
(海外不動産ノンリコースローンに係る貸倒引当金)
海外不動産ノンリコースローンについては、主に米国不動産市場の環境悪化等により市場の流動性が低下しており、中でも米国オフィス市場については市況の安定化まで1~2年程度時間を要すると仮定しております。
このうち、今後の管理に注意を要する全ての債務者等に対し、キャッシュ・フロー見積法等により予想損失を見積もり、予想損失率による引当額に追加して貸倒引当金を計上しております。
また、コロナ禍並びにアフターコロナでの働き方が変化する中、市況が低迷している米国のオフィスを裏付資産とするノンリコースローンについては、物件売却等による処分の本格化に備えるためフォワードルッキングの観点により、今後1~2年程度の価格下落リスクを勘案した上で、将来、物件売却等による債権回収へ移行する可能性を鑑みて債務者区分を判定し、価格下落リスクを想定した処分価格の見積もりをもとに必要と認められる額を貸倒引当金として計上しております。
なお、当該見積もりの前提となる上記仮定は不確実性が高く、その状況によっては将来における損益が変動する可能性があります。
(2)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設等に係る計画は以下のとおりであります。
(参考)
(1)国内・海外別収支
当第3四半期連結累計期間の「国内」の資金運用収支は260億円、信託報酬は2億円、役務取引等収支は160億円、特定取引収支は7億円、その他業務収支は99億円となりました。
「海外」においては、資金運用収支は88億円、役務取引等収支は△14億円、その他業務収支は7億円となりました。
この結果、相殺消去後の合計は、資金運用収支は339億円、信託報酬は2億円、役務取引等収支は145億円、特定取引収支は7億円、その他業務収支は111億円となりました。
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する(連結)子会社(以下「国内(連結)子会社」という。)であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外に本店を有する(連結)子会社(以下「海外(連結)子会社」という。)であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
(2)国内・海外別役務取引の状況
当第3四半期連結累計期間は、役務取引等収益は186億円、役務取引等費用は41億円となりました。
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
(3)国内・海外別特定取引の状況
○ 特定取引収益・費用の内訳
当第3四半期連結累計期間は、特定取引収益は104億円、特定取引費用は96億円となりました。
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
(4)国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」は、グループ内取引として相殺消去した金額であります。
4.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
5.定期性預金=定期預金
(5)国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
(6)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行1社です。
①信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)
(注)1. 「信託受益権残高」は、信託勘定全体の信託受益権残高から、当行を委託者兼受託者とする信託から取得した信託受益権額を二重信託として控除しております。また、負債のうち対応する信託種別の元本残高から同額を控除しております。
2. 元本補填契約のある信託については、前第3四半期連結会計期間及び当第3四半期連結会計期間の取扱残高はありません。
②貸出金残高の状況(業種別貸出状況)(末残・構成比)
(1)経営方針・経営戦略、対処すべき課題及び財政状態・経営成績の状況
当第3四半期連結累計期間において、当行グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
① 通期業績予想の修正および配当予想の修正
当行グループは2024年2月1日に、2024年3月期の通期業績予想および配当予想の修正について公表しております。
(イ)通期業績予想の修正
(単位:億円)
2023年度期初予想 | 2023年度修正予想 | 増減額 | |
連結粗利益※1 | 860 | 510 | △350 |
連結実質業務純益※2 | 255 | △80 | △335 |
経常利益 | 310 | △490 | △800 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 240 | △280 | △520 |
※1 連結粗利益=(資金運用収益-資金調達費用)+(信託報酬+役務取引等収益-役務取引等費用)
+(特定取引収益-特定取引費用)+(その他業務収益-その他業務費用)
※2 連結実質業務純益=連結粗利益-経費+持分法による投資損益
(ロ) 配当予想の修正
2023年度期初予想 | 2023年度修正予想※ | |
1株当たり年間配当金 | 154円 | 76円 |
※ 2023年度第3四半期配当は0円に決定、期末配当は0円の予想
(ハ) 業績予想の修正の理由
2023年5月に公表した中期経営計画「AOZORA2025」に基づき、「育てる」「変わる」「再生する」の3つの場面においてお客さまのお役に立つことを目指す「あおぞら型投資銀行ビジネス」を中心とした顧客関連ビジネスが着実に成長しています。
第1~3四半期における顧客関連のビジネス利益(連結実質業務純益+株式等関係損益)は364億円、通期では440億円と前期実績338億円を大きく上回る見込みです。
今般、来期以降の当行グループの成長をより確実なものとするため、バランスシート上の課題であった(ⅰ)米国オフィス向け不動産ノンリコースローンへの対応、(ⅱ)有価証券ポートフォリオの再構築について、2024年3月期において抜本的な取組みを行い、将来リスクを大きく削減することとしました。
(ⅰ)米国オフィス向け不動産ノンリコースローンへの追加引当
米国金利上昇やCOVID-19を契機とした在宅勤務シフト等に伴い、現在米国オフィス不動産市場は流動性が極めて低い厳しい状況にあります。オフィス回帰に向けた動きや米国金利上昇ペースの落ち着きに伴い売買事例が徐々に出始めており、今後価格形成が進むことが想定されますが、市場が安定的な状況に戻るまでには1~2年程度時間を要する可能性があると考えています。
当行の案件においても、地域や物件の特性によって回復の二極化が進んでいます。こうした状況下、今後ワークアウト(物件処分による債権回収等)に取り組む案件が拡大することを想定し、追加引当による備えの強化を行うこととしました。
全ての米国オフィス向け不動産ノンリコースローン案件をあらためて精査し、足元の評価に加えて今後2年間の価格下落リスクを勘案したフォワードルッキングの観点から物件評価の見直しを行い、現時点で想定される最大限の備えとして、第3四半期において324億円の引当金繰入を計上しました。
この結果、12月末時点の米国オフィス向け不動産ノンリコースローンに対する引当率は18.8%と十分なバッファーを確保し、今後損失が発生するリスクを最小化させています。
(ⅱ)有価証券ポートフォリオの再構築の加速
米国金利上昇等の影響を受けて評価損を抱えることとなった外国債券を中心とした有価証券について、来期以降のポートフォリオ運営の柔軟性確保と収益改善を目的として、売却による処理を加速することとしました。
第3四半期に外貨ETFの売却処理を開始し、第4四半期に残る外貨ETF、モーゲージ債の一部を売却する予定としており、これらの処理の結果、第3四半期に111億円、第4四半期に298億円、下期で410億円の損失を計上する見込みです。
有価証券評価損益は、9月末の△926億円から12月末に△815億円となり、2024年3月末には△560億円に改善する見込みであり、有価証券ポートフォリオの再構築に向けて大きく前進することとなりました。
(ニ) 配当予想の修正の理由
2024年3月期配当については、注力する顧客関連ビジネスが順調に成長すること、十分な自己資本比率を維持することを前提として安定的な配当を行うこととしていましたが、このうち、顧客関連ビジネスは順調に推移している一方で、十分な自己資本の確保の観点では、2024年3月末の連結自己資本比率(国内基準)は8.8%程度、CET1比率は6.6%程度となる見込みであり、目標水準である9%、7%を一時的に下回ることとなります。
このため、来期以降の成長に向けた資本の確保および資本健全性の改善を図るべく、第3四半期配当および期末配当予想を無配とし、今期の1株当たり年間配当金は76円とさせていただきます。
(ホ) 2025年3月期の業務方針
「あおぞら型投資銀行ビジネス」を中心とした顧客関連ビジネスが順調に拡大しており、ビジネス利益がプラスの部門がさらに成長していくこと、GMOあおぞらネット銀行(GANB)が黒字化に向けて着実な歩みを進めていること、リテールビジネスの構造改革の成果が出始めていること等によりビジネス部門全体での成長が見込まれることから、2025年3月の連結粗利益は850億円程度、親会社株主に帰属する当期純利益は170億円程度を計画しています。(2025年3月期業績予想については、2024年5月の通期決算発表時に公表予定)
また、有価証券ポートフォリオ再構築の進捗により、2025年3月末時点の評価損は490億円程度と着実な改善を見込んでいます。
資本政策については、「健全性の維持」「安定的な株主還元」「戦略的な資本活用」の観点を踏まえ、引き続き、注力する顧客関連ビジネスの順調な成長および十分な自己資本比率の維持を前提として安定的な配当を実施してまいります。
2024年3月末時点で一時的に低下する自己資本比率については、来期の業績改善に伴う資本蓄積等により、2025年3月末の連結自己資本比率(国内基準)は9%、CET1比率は7%を上回る計画としています。株主還元については、来期は2024年3月期の1株当たり年間配当金予想76円からの増配を目指します。
以下、2024年2月1日付公表「2024年3月期 通期業績予想および配当予想の修正に関するお知らせ」の補足資料です。
なお、当該補足資料及び「② 第3四半期決算にかかる分析及び検討」において、「親会社株主に帰属する四半期純利益」は「親会社株主純利益」と記載しております。表及びグラフ中の「1Q」、「2Q」、「中間期」、「3Q」及び「4Q」はそれぞれ以下の各期を示しております。
1Q:4-6月期 2Q:7-9月期 中間期:4-9月期 3Q:10-12月期 4Q:1-3月期







② 第3四半期決算にかかる分析及び検討
(イ) 決算のポイント
・連結粗利益は、前年同期比53億円増加し606億円
・ビジネス利益は前年同期比12億円増加の188億円、このうち顧客関連のビジネス利益は、前年同期比98億円増加の364億円と、あおぞら型投資銀行ビジネスを中心に大幅増加
・米国オフィス案件につきフォワードルッキングの観点から評価の見直しを実施、現時点で想定される最大限の備えとして第3四半期に324億円の引当金を繰入れ、与信関連費用全体で329億円の費用を計上
・有価証券については、来年度以降のポートフォリオ運営の柔軟性確保と収益改善を目的として、売却による処理を加速、第3四半期に93億円の売却損を計上。有価証券評価損は2023年9月末比110億円減少し815億円
(ロ) 経営成績及び財政状態の分析















(ハ) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当第3四半期連結累計期間において、前連結会計年度の有価証券報告書に記載した重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定について、重要な変更はありません。
なお、海外不動産ノンリコースローンに係る貸倒引当金の算定について、「第4 経理の状況 1 四半期連結財務諸表 注記事項」中の「(追加情報)」において以下のとおり記載しております。
(追加情報)
(海外不動産ノンリコースローンに係る貸倒引当金)
海外不動産ノンリコースローンについては、主に米国不動産市場の環境悪化等により市場の流動性が低下しており、中でも米国オフィス市場については市況の安定化まで1~2年程度時間を要すると仮定しております。
このうち、今後の管理に注意を要する全ての債務者等に対し、キャッシュ・フロー見積法等により予想損失を見積もり、予想損失率による引当額に追加して貸倒引当金を計上しております。
また、コロナ禍並びにアフターコロナでの働き方が変化する中、市況が低迷している米国のオフィスを裏付資産とするノンリコースローンについては、物件売却等による処分の本格化に備えるためフォワードルッキングの観点により、今後1~2年程度の価格下落リスクを勘案した上で、将来、物件売却等による債権回収へ移行する可能性を鑑みて債務者区分を判定し、価格下落リスクを想定した処分価格の見積もりをもとに必要と認められる額を貸倒引当金として計上しております。
なお、当該見積もりの前提となる上記仮定は不確実性が高く、その状況によっては将来における損益が変動する可能性があります。
(2)主要な設備
当第3四半期連結累計期間において、新たに確定した重要な設備の新設等に係る計画は以下のとおりであります。
会社名 | 店舗名 その他 | 所在地 | 区分 | 設備の内容 | 投資予定額 | 資金調達方法 | 着手及び 完了予定年月 | ||
総額 (百万円) | 既支払額 (百万円) | 着手 | 完了 | ||||||
当行 | 府中 別館 | 東京都 府中市 | 新設 | ストレージの更改 | 2,125 | 70 | 自己 資金 | 2023年 7月 | 2025年 7月 |
当行 | 府中 別館 | 東京都 府中市 | 更新 | 府中コンピュータセンターの冷熱源更新工事 | 664 | - | 自己 資金 | 2023年 9月 | 2024年 3月 |
当行 | 府中 別館 | 東京都 府中市 | 更新 | 府中コンピュータセンターの特別高圧受変電設備更新工事 | 1,133 | - | 自己 資金 | 2023年 8月 | 2028年 3月 |
(参考)
(1)国内・海外別収支
当第3四半期連結累計期間の「国内」の資金運用収支は260億円、信託報酬は2億円、役務取引等収支は160億円、特定取引収支は7億円、その他業務収支は99億円となりました。
「海外」においては、資金運用収支は88億円、役務取引等収支は△14億円、その他業務収支は7億円となりました。
この結果、相殺消去後の合計は、資金運用収支は339億円、信託報酬は2億円、役務取引等収支は145億円、特定取引収支は7億円、その他業務収支は111億円となりました。
種類 | 期別 | 国内 | 海外 | 相殺消去額(△) | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
資金運用収支 | 前第3四半期連結累計期間 | 34,317 | 6,626 | 510 | 40,433 |
当第3四半期連結累計期間 | 26,045 | 8,809 | 857 | 33,998 | |
うち資金運用収益 | 前第3四半期連結累計期間 | 73,515 | 27,523 | 21,411 | 79,627 |
当第3四半期連結累計期間 | 119,640 | 52,913 | 45,541 | 127,012 | |
うち資金調達費用 | 前第3四半期連結累計期間 | 39,197 | 20,897 | 20,901 | 39,193 |
当第3四半期連結累計期間 | 93,595 | 44,103 | 44,684 | 93,014 | |
信託報酬 | 前第3四半期連結累計期間 | 264 | - | 1 | 262 |
当第3四半期連結累計期間 | 253 | - | - | 253 | |
役務取引等収支 | 前第3四半期連結累計期間 | 10,259 | △886 | 151 | 9,221 |
当第3四半期連結累計期間 | 16,042 | △1,410 | 120 | 14,511 | |
うち役務取引等収益 | 前第3四半期連結累計期間 | 15,165 | 4,184 | 6,938 | 12,411 |
当第3四半期連結累計期間 | 20,773 | 4,268 | 6,368 | 18,673 | |
うち役務取引等費用 | 前第3四半期連結累計期間 | 4,906 | 5,070 | 6,787 | 3,190 |
当第3四半期連結累計期間 | 4,730 | 5,679 | 6,248 | 4,161 | |
特定取引収支 | 前第3四半期連結累計期間 | 3,066 | - | - | 3,066 |
当第3四半期連結累計期間 | 791 | - | - | 791 | |
うち特定取引収益 | 前第3四半期連結累計期間 | 4,968 | - | - | 4,968 |
当第3四半期連結累計期間 | 10,684 | - | 195 | 10,488 | |
うち特定取引費用 | 前第3四半期連結累計期間 | 1,902 | - | - | 1,902 |
当第3四半期連結累計期間 | 9,892 | - | 195 | 9,697 | |
その他業務収支 | 前第3四半期連結累計期間 | 1,658 | △12 | △666 | 2,312 |
当第3四半期連結累計期間 | 9,918 | 731 | △450 | 11,100 | |
うちその他業務収益 | 前第3四半期連結累計期間 | 25,100 | 99 | 5,697 | 19,502 |
当第3四半期連結累計期間 | 29,131 | 821 | 7,279 | 22,673 | |
うちその他業務費用 | 前第3四半期連結累計期間 | 23,442 | 111 | 6,363 | 17,190 |
当第3四半期連結累計期間 | 19,212 | 89 | 7,729 | 11,572 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内に本店を有する(連結)子会社(以下「国内(連結)子会社」という。)であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外に本店を有する(連結)子会社(以下「海外(連結)子会社」という。)であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
(2)国内・海外別役務取引の状況
当第3四半期連結累計期間は、役務取引等収益は186億円、役務取引等費用は41億円となりました。
種類 | 期別 | 国内 | 海外 | 相殺消去額(△) | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
役務取引等収益 | 前第3四半期連結累計期間 | 15,165 | 4,184 | 6,938 | 12,411 |
当第3四半期連結累計期間 | 20,773 | 4,268 | 6,368 | 18,673 | |
うち預金・貸出業務 | 前第3四半期連結累計期間 | 4,448 | 405 | 50 | 4,802 |
当第3四半期連結累計期間 | 6,487 | 439 | 348 | 6,578 | |
うち為替業務 | 前第3四半期連結累計期間 | 1,479 | - | 0 | 1,479 |
当第3四半期連結累計期間 | 2,622 | - | 0 | 2,622 | |
うち証券関連業務 | 前第3四半期連結累計期間 | 3,693 | - | 1,043 | 2,649 |
当第3四半期連結累計期間 | 3,624 | - | 70 | 3,554 | |
うち代理業務 | 前第3四半期連結累計期間 | 2,678 | 3,771 | 5,702 | 747 |
当第3四半期連結累計期間 | 2,943 | 3,796 | 5,792 | 947 | |
うち保証業務 | 前第3四半期連結累計期間 | 101 | - | 14 | 86 |
当第3四半期連結累計期間 | 111 | - | 9 | 101 | |
役務取引等費用 | 前第3四半期連結累計期間 | 4,906 | 5,070 | 6,787 | 3,190 |
当第3四半期連結累計期間 | 4,730 | 5,679 | 6,248 | 4,161 | |
うち為替業務 | 前第3四半期連結累計期間 | 554 | - | - | 554 |
当第3四半期連結累計期間 | 995 | - | - | 995 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
(3)国内・海外別特定取引の状況
○ 特定取引収益・費用の内訳
当第3四半期連結累計期間は、特定取引収益は104億円、特定取引費用は96億円となりました。
種類 | 期別 | 国内 | 海外 | 相殺消去額(△) | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
特定取引収益 | 前第3四半期連結累計期間 | 4,968 | - | - | 4,968 |
当第3四半期連結累計期間 | 10,684 | - | 195 | 10,488 | |
うち商品有価証券収益 | 前第3四半期連結累計期間 | 1,520 | - | - | 1,520 |
当第3四半期連結累計期間 | 195 | - | 195 | - | |
うち特定取引有価証券収益 | 前第3四半期連結累計期間 | - | - | - | - |
当第3四半期連結累計期間 | 8,346 | - | - | 8,346 | |
うち特定金融派生商品収益 | 前第3四半期連結累計期間 | 3,447 | - | - | 3,447 |
当第3四半期連結累計期間 | 2,141 | - | - | 2,141 | |
うちその他の特定取引収益 | 前第3四半期連結累計期間 | - | - | - | - |
当第3四半期連結累計期間 | - | - | - | - | |
特定取引費用 | 前第3四半期連結累計期間 | 1,902 | - | - | 1,902 |
当第3四半期連結累計期間 | 9,892 | - | 195 | 9,697 | |
うち商品有価証券費用 | 前第3四半期連結累計期間 | - | - | - | - |
当第3四半期連結累計期間 | 9,892 | - | 195 | 9,697 | |
うち特定取引有価証券費用 | 前第3四半期連結累計期間 | 1,902 | - | - | 1,902 |
当第3四半期連結累計期間 | - | - | - | - | |
うち特定金融派生商品費用 | 前第3四半期連結累計期間 | - | - | - | - |
当第3四半期連結累計期間 | - | - | - | - | |
うちその他の特定取引費用 | 前第3四半期連結累計期間 | - | - | - | - |
当第3四半期連結累計期間 | - | - | - | - |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」には、収益・費用の相殺消去額及びその他の連結調整による増減額を含んでおります。
(4)国内・海外別預金残高の状況
○ 預金の種類別残高(末残)
種類 | 期別 | 国内 | 海外 | 相殺消去額(△) | 合計 |
金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | 金額(百万円) | ||
預金合計 | 前第3四半期連結会計期間 | 5,407,869 | - | 24,722 | 5,383,146 |
当第3四半期連結会計期間 | 5,837,989 | - | 37,279 | 5,800,710 | |
うち流動性預金 | 前第3四半期連結会計期間 | 2,966,993 | - | 3,912 | 2,963,081 |
当第3四半期連結会計期間 | 3,418,374 | - | 9,825 | 3,408,549 | |
うち定期性預金 | 前第3四半期連結会計期間 | 2,299,808 | - | - | 2,299,808 |
当第3四半期連結会計期間 | 2,272,000 | - | - | 2,272,000 | |
うちその他 | 前第3四半期連結会計期間 | 141,067 | - | 20,810 | 120,256 |
当第3四半期連結会計期間 | 147,613 | - | 27,453 | 120,160 | |
譲渡性預金 | 前第3四半期連結会計期間 | 23,000 | - | - | 23,000 |
当第3四半期連結会計期間 | 40,000 | - | - | 40,000 | |
総合計 | 前第3四半期連結会計期間 | 5,430,869 | - | 24,722 | 5,406,146 |
当第3四半期連結会計期間 | 5,877,989 | - | 37,279 | 5,840,710 |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
3.「相殺消去額(△)」は、グループ内取引として相殺消去した金額であります。
4.流動性預金=当座預金+普通預金+貯蓄預金+通知預金
5.定期性預金=定期預金
(5)国内・海外別貸出金残高の状況
○ 業種別貸出状況(末残・構成比)
業種別 | 前第3四半期連結会計期間 | 当第3四半期連結会計期間 | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
国内(除く特別国際金融取引勘定分) | 3,001,076 | 100.00 | 3,156,546 | 100.00 |
製造業 | 244,114 | 8.13 | 288,173 | 9.13 |
農業、林業、漁業 | 3,114 | 0.10 | 156 | 0.00 |
鉱業、採石業、砂利採取業 | - | - | - | - |
建設業 | 17,237 | 0.57 | 18,650 | 0.59 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | 154,263 | 5.14 | 108,259 | 3.43 |
情報通信業 | 105,363 | 3.51 | 123,018 | 3.90 |
運輸業、郵便業 | 48,309 | 1.61 | 48,266 | 1.53 |
卸売業、小売業 | 86,029 | 2.87 | 80,889 | 2.56 |
金融業、保険業 | 349,848 | 11.66 | 372,990 | 11.82 |
不動産業 | 753,848 | 25.12 | 763,709 | 24.19 |
物品賃貸業 | 144,849 | 4.83 | 180,426 | 5.72 |
その他サービス業 | 166,544 | 5.55 | 205,043 | 6.50 |
地方公共団体 | 10,509 | 0.35 | 4,957 | 0.16 |
その他 | 917,043 | 30.56 | 962,003 | 30.47 |
海外及び特別国際金融取引勘定分 | 876,579 | 100.00 | 916,964 | 100.00 |
政府等 | - | - | - | - |
金融機関 | - | - | - | - |
その他 | 876,579 | 100.00 | 916,964 | 100.00 |
合計 | 3,877,656 | ―― | 4,073,510 | ―― |
(注)1.「国内」とは、当行(海外店を除く)及び国内(連結)子会社であります。
2.「海外」とは、当行の海外店及び海外(連結)子会社であります。
(6)「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づく信託業務の状況
連結会社のうち、「金融機関の信託業務の兼営等に関する法律」に基づき信託業務を営む会社は、当行1社です。
①信託財産の運用/受入状況(信託財産残高表/連結)
資 産 | ||||
科目 | 前第3四半期連結会計期間 | 当第3四半期連結会計期間 | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
貸出金 | 32,952 | 4.12 | 54,354 | 6.74 |
有価証券 | 174,317 | 21.79 | 166,507 | 20.64 |
信託受益権 | 5,152 | 0.64 | 4,875 | 0.60 |
受託有価証券 | 220,452 | 27.56 | 220,070 | 27.28 |
金銭債権 | 173,490 | 21.69 | 184,017 | 22.82 |
有形固定資産 | 108,734 | 13.59 | 83,605 | 10.37 |
その他債権 | 2,920 | 0.37 | 1,682 | 0.21 |
現金預け金 | 81,892 | 10.24 | 91,451 | 11.34 |
合計 | 799,912 | 100.00 | 806,564 | 100.00 |
負 債 | ||||
科目 | 前第3四半期連結会計期間 | 当第3四半期連結会計期間 | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
金銭信託 | 191,090 | 23.89 | 191,806 | 23.78 |
金銭信託以外の金銭の信託 | 112,736 | 14.09 | 133,322 | 16.53 |
有価証券の信託 | 220,632 | 27.58 | 220,252 | 27.31 |
金銭債権の信託 | 36,402 | 4.55 | 41,524 | 5.15 |
包括信託 | 239,052 | 29.89 | 219,658 | 27.23 |
合計 | 799,912 | 100.00 | 806,564 | 100.00 |
(注)1. 「信託受益権残高」は、信託勘定全体の信託受益権残高から、当行を委託者兼受託者とする信託から取得した信託受益権額を二重信託として控除しております。また、負債のうち対応する信託種別の元本残高から同額を控除しております。
2. 元本補填契約のある信託については、前第3四半期連結会計期間及び当第3四半期連結会計期間の取扱残高はありません。
②貸出金残高の状況(業種別貸出状況)(末残・構成比)
業種別 | 前第3四半期連結会計期間 | 当第3四半期連結会計期間 | ||
金額(百万円) | 構成比(%) | 金額(百万円) | 構成比(%) | |
製造業 | 10 | 0.03 | 10 | 0.02 |
農業、林業、漁業 | - | - | - | - |
鉱業、採石業、砂利採取業 | 0 | 0.00 | - | - |
建設業 | 27 | 0.08 | 26 | 0.05 |
電気・ガス・熱供給・水道業 | - | - | 16,025 | 29.48 |
情報通信業 | 25 | 0.08 | 24 | 0.05 |
運輸業、郵便業 | 5 | 0.02 | 5 | 0.01 |
卸売業、小売業 | 51 | 0.16 | 154 | 0.28 |
金融業、保険業 | - | - | - | - |
不動産業 | 29,124 | 88.38 | 34,474 | 63.43 |
物品賃貸業 | - | - | - | - |
その他サービス業 | 3,492 | 10.60 | 3,453 | 6.35 |
地方公共団体 | - | - | - | - |
その他 | 213 | 0.65 | 179 | 0.33 |
合計 | 32,952 | 100.00 | 54,354 | 100.00 |