有価証券報告書-第182期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、良好な雇用環境等を背景に、緩やかな回復基調が続いていましたが、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受け、非常に厳しい状況となりました。
当社グループにおいては、「阪急阪神ホールディングスグループ 長期ビジョン2025」の実現に向けて、グループ経営機能を担う当社のもと、中核会社を中心に、各コア事業の競争力強化を図るとともに、コア事業間の連携を通じてグループ総合力の発揮に努めました。
しかしながら、不動産事業において前期に彩都東部地区(大阪府茨木市)の施設用地を売却した反動があったことに加え、第4四半期に新型コロナウイルスの影響(※)を多くの事業で受けたため、営業収益、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも減少しました。
※ 新型コロナウイルスの影響:営業収益 △220億円、営業利益 △154億円
当期の当社グループの成績は次のとおりです。
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、増減額及び増減率については、前期の実績値を変更後のセグメント区分に組み替え、算出しています。
報告セグメントの区分変更の詳細は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
(都市交通事業)
鉄道事業については、阪急電鉄の京都線西院駅及び神戸高速線花隈駅において、改札口の新設・移転や駅施設の配置の見直し、旅客動線等を確保しながらの工事を行うこと等により、これまで地下駅のためスペース等の関係で設けられなかったエレベーター等を新たに設置して、駅のバリアフリー化をさらに推し進めました。また、阪神電気鉄道においては、推進中の阪神本線住吉・芦屋間連続立体交差事業で、魚崎駅~芦屋駅間の上り線を高架に切り替えたことにより上下線とも高架化が完了しました。さらに、2020年3月にダイヤ改正を行い、阪神なんば線を中心に一層の利便性向上を図りました。このほか、鉄道事業各社では、インバウンド需要の取込みに向けた施策を積極的に推し進めており、駅や車内での多言語案内等に努めるとともに、梅田や河原町が大阪や京都の中心部に位置するターミナル駅であることを分かりやすくするため、それぞれ駅名を「大阪梅田駅」「京都河原町駅」に変更しました。
自動車事業については、阪神バス及び大阪空港交通において、エレベーター付き車両を導入するなど、バリアフリー化に積極的に取り組み、お客様のさらなる利便性向上を図りました。
流通事業については、阪急洛西口駅付近の連続立体交差化事業により生み出された高架下において、「TauT 阪急洛西口」の第2期エリアをオープンしました。
しかしながら、コンビニエンスストア事業及び駅売店事業を外部化した影響等により、営業収益は前期に比べ113億85百万円(△4.8%)減少し、2,271億76百万円となりました。営業利益は、阪急線・阪神線が堅調に推移していたものの、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受けたこと等により、前期に比べ33億99百万円(△7.8%)減少し、400億56百万円となりました。
・ 阪急電鉄㈱運輸成績表
・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表
(注)1 上表は、第1種鉄道事業及び第2種鉄道事業の合計です。
2 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が170,554千キロ、阪神電気鉄道㈱が46,959千キロです。
3 乗車効率の算出方法
乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)× 100
(不動産事業)
不動産賃貸事業については、他の事業者と共同で推し進めてきた「京橋2-6街区再開発計画」(東京都中央区)、「福島5丁目・7丁目共同開発計画」(大阪市福島区)、「四谷駅前再開発事業(地区名称:CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷))」(東京都新宿区)が開業したほか、首都圏の銀座エリアにおいて当社グループ初の商業施設となる「阪急阪神銀座ビル」(東京都中央区)が竣工しました。また、既存の商業施設やオフィスビルの競争力の強化と稼働率の維持向上等にも取り組みました。
大規模開発事業の「梅田1丁目1番地計画(ビル名称:大阪梅田ツインタワーズ・サウス)」については、2022年春の全体竣工に向けて、予定どおりⅡ期棟の新築工事に着手しました。このほか、「神戸阪急ビル東館 建替計画」(神戸市中央区)及び「宝塚ホテル移転計画」(兵庫県宝塚市)についても着実に進捗しました。
不動産分譲事業については、マンション分譲では、「ジオ福島野田 The Marks」(大阪市福島区)、「ジオ神戸中山手通」(神戸市中央区)、「ジオ新宿百人町」(東京都新宿区)、「ジオ柏の葉キャンパス」(千葉県柏市)等を販売しました。また、宅地戸建分譲では、「ジオガーデン彩都箕面」(大阪府箕面市)、「阪急宝塚山手台フォルテ・ガーデン」(兵庫県宝塚市)、「ハピアガーデン玉川学園前」(東京都町田市)等を販売しました。
海外不動産事業については、タイやベトナム等のアセアン諸国でマンション・戸建分譲に取り組むなど、住宅分譲事業の規模拡大に努めたほか、インドネシアにおいて、同国を代表する商業・オフィス・ホテルからなる複合施設「プラザインドネシアコンプレックス」等を保有・運営・管理する現地事業体に出資して、海外での不動産賃貸事業に本格的に参入しました。
しかしながら、前期に彩都東部地区(大阪府茨木市)の施設用地を売却した反動があったことや、賃貸事業において諸税や減価償却費等の諸費用が増加したこと等により、営業収益は前期に比べ12億29百万円(△0.5%)減少し、2,360億46百万円となり、営業利益は前期に比べ77億40百万円(△15.7%)減少し、415億10百万円となりました。
(エンタテインメント事業)
スポーツ事業については、阪神タイガースが、多くのファンの方々のご声援を受けてシーズン終盤まで上位争いを演じ、クライマックスシリーズへの進出を果たしました。また、阪神甲子園球場では、飲食・物販店舗において、選手関連商品が好評を博したほか、飲食メニューの一層の充実を図るなど、魅力ある施設運営に取り組みました。
ステージ事業については、歌劇事業において、トップスターの退団公演となった星組公演「GOD OF STARS-食聖-」・「Éclair Brillant」、花組公演「A Fairy Tale -青い薔薇の精-」・「シャルム!」等の各公演が好評を博しました。
このほか、六甲山地区においては、新たにレジャー施設「フォレストアドベンチャー・神戸六甲山」の営業を開始したほか、六甲山の自然・眺望と多様なコンテンツを組み合わせた様々なイベントや企画を開催し、さらなる集客に努めました。
しかしながら、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受けたため、営業収益は前期に比べ4億98百万円(△0.7%)減少し、740億20百万円となり、営業利益は前期に比べ17億44百万円(△13.0%)減少し、116億95百万円となりました。
(情報・通信事業)
情報サービス事業については、交通システム分野で大型案件を受注したほか、ビル管理システム分野及び今後の成長が期待できるインターネット等の分野においても、事業は順調に推移しました。
放送・通信事業については、集合住宅向けのFTTHサービス(光ファイバーを用いた高速インターネットサービス)を開始するなど、顧客ニーズに応える様々な商品を提供することにより、事業は着実に伸長しました。
あんしん・教育事業については、安全・安心に対するニーズの高まり等を背景に、児童の登下校情報を保護者にメール送信する「登下校ミマモルメ」の会員数が順調に増加しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ50億42百万円(9.4%)増加し、585億76百万円となり、営業利益は前期に比べ3億18百万円(6.0%)増加し、55億98百万円となりました。
(旅行事業)
旅行事業については、ゴールデンウィークが大型連休となったこと等により、海外旅行部門において、ヨーロッパ方面の集客が好調に推移しました。また、国内旅行部門の集客も堅調に推移したほか、訪日旅行部門では、インバウンド需要が相応に継続する中、積極的な営業活動を展開したことにより、ヨーロッパ方面からの集客が増加しました。
しかしながら、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受けたため、営業収益は前期に比べ17億62百万円(△5.0%)減少し、337億66百万円となり、営業利益は前期に比べ15億31百万円(△86.8%)減少し、2億32百万円となりました。
(国際輸送事業)
国際輸送事業については、米中貿易摩擦の影響等を受け、航空輸送の物量が減少するなど、厳しい事業環境が続きました。そうした中で、セイノーホールディングス株式会社との資本・業務提携を活かして、成田空港の近隣で成田国際ロジスティクスセンターの営業を開始し、併設されている同社グループのトラックターミナルと連携を図ることにより、国際輸送・ロジスティクス・国内輸送を組み合わせた物流サービスが提供できる体制を整備するなど、事業の競争力強化に努めました。
しかしながら、上記のとおり厳しい事業環境の影響が大きく、営業収益は前期に比べ138億4百万円(△15.3%)減少し、761億86百万円となり、営業利益は前期に比べ22億21百万円(△92.9%)減少し、1億70百万円となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業については、近畿圏のホテル間の競争が激化するなど、厳しい事業環境のもとで推移しました。そうした中で、事業規模の拡大とさらなる競争力の強化を図るため、新ブランドである「ホテル阪急レスパイア」を大阪梅田に、同じく新ブランドである「レムプラス」を銀座に、それぞれ開業し、それに先立ち「レム東京京橋」と「ホテル阪神アネックス大阪」もオープンしました。また「宝塚ホテル」においては、これまでのご愛顧に対する感謝の気持ちを込めて様々な企画・販売を行うとともに、2020年6月の移転・開業に向けた取組も進めました。
しかしながら、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受け、また上記の厳しい事業環境等もあり、営業収益は前期に比べ46億43百万円(△7.2%)減少し、602億80百万円となり、営業損益は前期に比べ43億56百万円悪化し、31億42百万円の営業損失となりました。
(その他)
建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ9億30百万円(△2.1%)減少し、424億86百万円となり、営業利益は前期に比べ47百万円(2.1%)増加し、23億81百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計については、受取手形及び売掛金が減少したものの、有形固定資産や長期貸付金(投資その他の資産の「その他」)、投資有価証券が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ228億58百万円増加し、2兆4,890億81百万円となりました。
負債合計については、前受金(流動負債の「その他」)や支払手形及び買掛金が減少したものの、有利子負債や未払金(流動負債の「その他」)、長期前受工事負担金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ5億67百万円増加し、1兆5,514億9百万円となりました。
純資産合計については、利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ222億91百万円増加し、9,376億72百万円となり、自己資本比率は36.4%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ40億63百万円減少し、235億26百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益867億46百万円、減価償却費565億42百万円、売上債権の減少額250億35百万円、仕入債務の減少額178億84百万円、法人税等の支払額152億95百万円等により、1,230億86百万円の収入(前年度比2.3%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出960億28百万円、投資有価証券の取得による支出276億60百万円、工事負担金等受入による収入196億31百万円、長期貸付けによる支出237億67百万円等により、1,284億98百万円の支出(前年度比10.6%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純増による収入150億3百万円、社債の発行による収入297億66百万円、社債の償還による支出200億円、自己株式の取得による支出99億60百万円、配当金の支払額110億20百万円等により、9億64百万円の収入となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報・通信事業、旅行事業、国際輸送事業及びホテル事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、
「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、特に以下の項目が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルスの影響の考え方については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
a 固定資産の減損
当社グループは、事業の特性上、多くの固定資産を保有しています。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初想定した収益等が見込めなくなった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合は、固定資産の減損を実施する可能性があります。
b 販売用不動産の評価
当社グループは、販売用不動産を多数保有しています。市場環境の変化や開発・販売計画の変更等により、正味売却価額が大きく下落した場合は、販売用不動産の評価減を実施する可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得や実現可能性の高いタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。業績の変動等により、将来の課税所得やタックス・プランニングに変更が生じた場合は、繰延税金資産が増加または減少する可能性があります。
d のれん
当社グループは、2006年度の阪神電気鉄道㈱との経営統合により発生した多額ののれんがあり、その資産性については子会社の業績や事業計画等に基づき検討しているため、将来において当初想定した収益等が見込めなくなった場合は、のれんの減損を実施する可能性があります。
② 資本の財源及び資金の流動性
a 有利子負債
当連結会計年度末現在の有利子負債の概要は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(※1)1年内返済予定の長期借入金は、「(2) 長期借入金」に含めています。
(※2)「(4) リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。
また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、当連結会計年度末における債務保証額は290億13百万円です。
b 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。重要な設備投資の計画については、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」「(1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む連結有利子負債残高は9,034億80百万円です。
c 株主還元
株主還元については、「第4 提出会社の状況」の「3 配当政策」に記載のとおりです。
③ 経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 経営成績の状況」、「② 財政状態の状況」、「③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
経営指標の見通し及び進捗状況については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「3 対処すべき課題」「(2) 2019年度実績及び2020年度業績見込みについて」に記載のとおりです。
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、良好な雇用環境等を背景に、緩やかな回復基調が続いていましたが、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受け、非常に厳しい状況となりました。
当社グループにおいては、「阪急阪神ホールディングスグループ 長期ビジョン2025」の実現に向けて、グループ経営機能を担う当社のもと、中核会社を中心に、各コア事業の競争力強化を図るとともに、コア事業間の連携を通じてグループ総合力の発揮に努めました。
しかしながら、不動産事業において前期に彩都東部地区(大阪府茨木市)の施設用地を売却した反動があったことに加え、第4四半期に新型コロナウイルスの影響(※)を多くの事業で受けたため、営業収益、営業利益、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益はいずれも減少しました。
※ 新型コロナウイルスの影響:営業収益 △220億円、営業利益 △154億円
当期の当社グループの成績は次のとおりです。
当連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | 対前連結会計年度比較 | ||
増減額 | 増減率(%) | ||
営業収益 | 7,626億50百万円 | △287億76百万円 | △3.6 |
営業利益 | 951億70百万円 | △197億67百万円 | △17.2 |
経常利益 | 887億95百万円 | △217億48百万円 | △19.7 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 548億59百万円 | △106億16百万円 | △16.2 |
セグメント別の業績は次のとおりです。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、増減額及び増減率については、前期の実績値を変更後のセグメント区分に組み替え、算出しています。
報告セグメントの区分変更の詳細は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(セグメント情報等)」に記載のとおりです。
(都市交通事業)
鉄道事業については、阪急電鉄の京都線西院駅及び神戸高速線花隈駅において、改札口の新設・移転や駅施設の配置の見直し、旅客動線等を確保しながらの工事を行うこと等により、これまで地下駅のためスペース等の関係で設けられなかったエレベーター等を新たに設置して、駅のバリアフリー化をさらに推し進めました。また、阪神電気鉄道においては、推進中の阪神本線住吉・芦屋間連続立体交差事業で、魚崎駅~芦屋駅間の上り線を高架に切り替えたことにより上下線とも高架化が完了しました。さらに、2020年3月にダイヤ改正を行い、阪神なんば線を中心に一層の利便性向上を図りました。このほか、鉄道事業各社では、インバウンド需要の取込みに向けた施策を積極的に推し進めており、駅や車内での多言語案内等に努めるとともに、梅田や河原町が大阪や京都の中心部に位置するターミナル駅であることを分かりやすくするため、それぞれ駅名を「大阪梅田駅」「京都河原町駅」に変更しました。
自動車事業については、阪神バス及び大阪空港交通において、エレベーター付き車両を導入するなど、バリアフリー化に積極的に取り組み、お客様のさらなる利便性向上を図りました。
流通事業については、阪急洛西口駅付近の連続立体交差化事業により生み出された高架下において、「TauT 阪急洛西口」の第2期エリアをオープンしました。
しかしながら、コンビニエンスストア事業及び駅売店事業を外部化した影響等により、営業収益は前期に比べ113億85百万円(△4.8%)減少し、2,271億76百万円となりました。営業利益は、阪急線・阪神線が堅調に推移していたものの、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受けたこと等により、前期に比べ33億99百万円(△7.8%)減少し、400億56百万円となりました。
事業の内容 | 当連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | |
営業収益 | 対前連結会計年度 増減率(%) | |
鉄道事業 | 1,523億90百万円 | △0.3 |
自動車事業 | 479億32百万円 | △3.1 |
流通事業 | 214億22百万円 | △29.3 |
広告事業 | 93億57百万円 | 4.0 |
都市交通その他事業 | 94億20百万円 | △0.3 |
調整額 | △133億46百万円 | - |
合計 | 2,271億76百万円 | △4.8 |
・ 阪急電鉄㈱運輸成績表
区分 | 当連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | 対前連結会計年度 増減率(%) | |||
営業日数 | (日) | 366 | 0.3 | ||
営業キロ | (キロ) | 143.6 | - | ||
客車走行キロ | (千キロ) | 166,944 | 0.7 | ||
定期 | (千人) | 344,604 | 2.0 | ||
旅客人員 | 定期外 | (千人) | 310,525 | △2.4 | |
合計 | (千人) | 655,129 | △0.1 | ||
定期 | (百万円) | 34,119 | 2.0 | ||
運輸収入 | 旅客運賃 | 定期外 | (百万円) | 61,887 | △1.9 |
合計 | (百万円) | 96,007 | △0.5 | ||
運輸雑収 | (百万円) | 5,931 | △3.2 | ||
運輸収入合計 | (百万円) | 101,938 | △0.7 | ||
乗車効率 | (%) | 43.4 | - |
・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表
区分 | 当連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | 対前連結会計年度 増減率(%) | |||
営業日数 | (日) | 366 | 0.3 | ||
営業キロ | (キロ) | 48.9 | - | ||
客車走行キロ | (千キロ) | 45,098 | 0.7 | ||
定期 | (千人) | 127,652 | 2.7 | ||
旅客人員 | 定期外 | (千人) | 118,559 | △2.0 | |
合計 | (千人) | 246,212 | 0.3 | ||
定期 | (百万円) | 12,327 | 2.5 | ||
運輸収入 | 旅客運賃 | 定期外 | (百万円) | 21,665 | △1.7 |
合計 | (百万円) | 33,993 | △0.2 | ||
運輸雑収 | (百万円) | 2,597 | △1.4 | ||
運輸収入合計 | (百万円) | 36,590 | △0.3 | ||
乗車効率 | (%) | 41.9 | - |
(注)1 上表は、第1種鉄道事業及び第2種鉄道事業の合計です。
2 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が170,554千キロ、阪神電気鉄道㈱が46,959千キロです。
3 乗車効率の算出方法
乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)× 100
(不動産事業)
不動産賃貸事業については、他の事業者と共同で推し進めてきた「京橋2-6街区再開発計画」(東京都中央区)、「福島5丁目・7丁目共同開発計画」(大阪市福島区)、「四谷駅前再開発事業(地区名称:CO・MO・RE YOTSUYA(コモレ四谷))」(東京都新宿区)が開業したほか、首都圏の銀座エリアにおいて当社グループ初の商業施設となる「阪急阪神銀座ビル」(東京都中央区)が竣工しました。また、既存の商業施設やオフィスビルの競争力の強化と稼働率の維持向上等にも取り組みました。
大規模開発事業の「梅田1丁目1番地計画(ビル名称:大阪梅田ツインタワーズ・サウス)」については、2022年春の全体竣工に向けて、予定どおりⅡ期棟の新築工事に着手しました。このほか、「神戸阪急ビル東館 建替計画」(神戸市中央区)及び「宝塚ホテル移転計画」(兵庫県宝塚市)についても着実に進捗しました。
不動産分譲事業については、マンション分譲では、「ジオ福島野田 The Marks」(大阪市福島区)、「ジオ神戸中山手通」(神戸市中央区)、「ジオ新宿百人町」(東京都新宿区)、「ジオ柏の葉キャンパス」(千葉県柏市)等を販売しました。また、宅地戸建分譲では、「ジオガーデン彩都箕面」(大阪府箕面市)、「阪急宝塚山手台フォルテ・ガーデン」(兵庫県宝塚市)、「ハピアガーデン玉川学園前」(東京都町田市)等を販売しました。
海外不動産事業については、タイやベトナム等のアセアン諸国でマンション・戸建分譲に取り組むなど、住宅分譲事業の規模拡大に努めたほか、インドネシアにおいて、同国を代表する商業・オフィス・ホテルからなる複合施設「プラザインドネシアコンプレックス」等を保有・運営・管理する現地事業体に出資して、海外での不動産賃貸事業に本格的に参入しました。
しかしながら、前期に彩都東部地区(大阪府茨木市)の施設用地を売却した反動があったことや、賃貸事業において諸税や減価償却費等の諸費用が増加したこと等により、営業収益は前期に比べ12億29百万円(△0.5%)減少し、2,360億46百万円となり、営業利益は前期に比べ77億40百万円(△15.7%)減少し、415億10百万円となりました。
事業の内容 | 当連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | |
営業収益 | 対前連結会計年度 増減率(%) | |
賃貸事業 | 1,110億15百万円 | △0.1 |
分譲・その他事業 | 1,432億27百万円 | △0.9 |
調整額 | △181億96百万円 | - |
合計 | 2,360億46百万円 | △0.5 |
(エンタテインメント事業)
スポーツ事業については、阪神タイガースが、多くのファンの方々のご声援を受けてシーズン終盤まで上位争いを演じ、クライマックスシリーズへの進出を果たしました。また、阪神甲子園球場では、飲食・物販店舗において、選手関連商品が好評を博したほか、飲食メニューの一層の充実を図るなど、魅力ある施設運営に取り組みました。
ステージ事業については、歌劇事業において、トップスターの退団公演となった星組公演「GOD OF STARS-食聖-」・「Éclair Brillant」、花組公演「A Fairy Tale -青い薔薇の精-」・「シャルム!」等の各公演が好評を博しました。
このほか、六甲山地区においては、新たにレジャー施設「フォレストアドベンチャー・神戸六甲山」の営業を開始したほか、六甲山の自然・眺望と多様なコンテンツを組み合わせた様々なイベントや企画を開催し、さらなる集客に努めました。
しかしながら、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受けたため、営業収益は前期に比べ4億98百万円(△0.7%)減少し、740億20百万円となり、営業利益は前期に比べ17億44百万円(△13.0%)減少し、116億95百万円となりました。
事業の内容 | 当連結会計年度 (自 2019年4月 1日 至 2020年3月31日) | |
営業収益 | 対前連結会計年度 増減率(%) | |
スポーツ事業 | 394億88百万円 | △0.0 |
ステージ事業 | 344億45百万円 | △1.4 |
調整額 | 86百万円 | - |
合計 | 740億20百万円 | △0.7 |
(情報・通信事業)
情報サービス事業については、交通システム分野で大型案件を受注したほか、ビル管理システム分野及び今後の成長が期待できるインターネット等の分野においても、事業は順調に推移しました。
放送・通信事業については、集合住宅向けのFTTHサービス(光ファイバーを用いた高速インターネットサービス)を開始するなど、顧客ニーズに応える様々な商品を提供することにより、事業は着実に伸長しました。
あんしん・教育事業については、安全・安心に対するニーズの高まり等を背景に、児童の登下校情報を保護者にメール送信する「登下校ミマモルメ」の会員数が順調に増加しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ50億42百万円(9.4%)増加し、585億76百万円となり、営業利益は前期に比べ3億18百万円(6.0%)増加し、55億98百万円となりました。
(旅行事業)
旅行事業については、ゴールデンウィークが大型連休となったこと等により、海外旅行部門において、ヨーロッパ方面の集客が好調に推移しました。また、国内旅行部門の集客も堅調に推移したほか、訪日旅行部門では、インバウンド需要が相応に継続する中、積極的な営業活動を展開したことにより、ヨーロッパ方面からの集客が増加しました。
しかしながら、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受けたため、営業収益は前期に比べ17億62百万円(△5.0%)減少し、337億66百万円となり、営業利益は前期に比べ15億31百万円(△86.8%)減少し、2億32百万円となりました。
(国際輸送事業)
国際輸送事業については、米中貿易摩擦の影響等を受け、航空輸送の物量が減少するなど、厳しい事業環境が続きました。そうした中で、セイノーホールディングス株式会社との資本・業務提携を活かして、成田空港の近隣で成田国際ロジスティクスセンターの営業を開始し、併設されている同社グループのトラックターミナルと連携を図ることにより、国際輸送・ロジスティクス・国内輸送を組み合わせた物流サービスが提供できる体制を整備するなど、事業の競争力強化に努めました。
しかしながら、上記のとおり厳しい事業環境の影響が大きく、営業収益は前期に比べ138億4百万円(△15.3%)減少し、761億86百万円となり、営業利益は前期に比べ22億21百万円(△92.9%)減少し、1億70百万円となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業については、近畿圏のホテル間の競争が激化するなど、厳しい事業環境のもとで推移しました。そうした中で、事業規模の拡大とさらなる競争力の強化を図るため、新ブランドである「ホテル阪急レスパイア」を大阪梅田に、同じく新ブランドである「レムプラス」を銀座に、それぞれ開業し、それに先立ち「レム東京京橋」と「ホテル阪神アネックス大阪」もオープンしました。また「宝塚ホテル」においては、これまでのご愛顧に対する感謝の気持ちを込めて様々な企画・販売を行うとともに、2020年6月の移転・開業に向けた取組も進めました。
しかしながら、第4四半期に新型コロナウイルスの影響を受け、また上記の厳しい事業環境等もあり、営業収益は前期に比べ46億43百万円(△7.2%)減少し、602億80百万円となり、営業損益は前期に比べ43億56百万円悪化し、31億42百万円の営業損失となりました。
(その他)
建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ9億30百万円(△2.1%)減少し、424億86百万円となり、営業利益は前期に比べ47百万円(2.1%)増加し、23億81百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計については、受取手形及び売掛金が減少したものの、有形固定資産や長期貸付金(投資その他の資産の「その他」)、投資有価証券が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ228億58百万円増加し、2兆4,890億81百万円となりました。
負債合計については、前受金(流動負債の「その他」)や支払手形及び買掛金が減少したものの、有利子負債や未払金(流動負債の「その他」)、長期前受工事負担金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ5億67百万円増加し、1兆5,514億9百万円となりました。
純資産合計については、利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ222億91百万円増加し、9,376億72百万円となり、自己資本比率は36.4%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ40億63百万円減少し、235億26百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益867億46百万円、減価償却費565億42百万円、売上債権の減少額250億35百万円、仕入債務の減少額178億84百万円、法人税等の支払額152億95百万円等により、1,230億86百万円の収入(前年度比2.3%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出960億28百万円、投資有価証券の取得による支出276億60百万円、工事負担金等受入による収入196億31百万円、長期貸付けによる支出237億67百万円等により、1,284億98百万円の支出(前年度比10.6%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純増による収入150億3百万円、社債の発行による収入297億66百万円、社債の償還による支出200億円、自己株式の取得による支出99億60百万円、配当金の支払額110億20百万円等により、9億64百万円の収入となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報・通信事業、旅行事業、国際輸送事業及びホテル事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、
「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、特に以下の項目が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルスの影響の考え方については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(追加情報)」に記載のとおりです。
a 固定資産の減損
当社グループは、事業の特性上、多くの固定資産を保有しています。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初想定した収益等が見込めなくなった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合は、固定資産の減損を実施する可能性があります。
b 販売用不動産の評価
当社グループは、販売用不動産を多数保有しています。市場環境の変化や開発・販売計画の変更等により、正味売却価額が大きく下落した場合は、販売用不動産の評価減を実施する可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得や実現可能性の高いタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。業績の変動等により、将来の課税所得やタックス・プランニングに変更が生じた場合は、繰延税金資産が増加または減少する可能性があります。
d のれん
当社グループは、2006年度の阪神電気鉄道㈱との経営統合により発生した多額ののれんがあり、その資産性については子会社の業績や事業計画等に基づき検討しているため、将来において当初想定した収益等が見込めなくなった場合は、のれんの減損を実施する可能性があります。
② 資本の財源及び資金の流動性
a 有利子負債
当連結会計年度末現在の有利子負債の概要は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
有利子負債 | 年度別要支払額 | ||||
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 | 合計 | |
(1) 短期借入金(※1) | 123,710 | - | - | - | 123,710 |
(2) 長期借入金(※1) | 34,696 | 98,848 | 165,707 | 350,502 | 649,755 |
(3) 社債 | 25,000 | 17,000 | 10,000 | 70,000 | 122,000 |
(4) リース債務(※2) | 2,404 | 3,625 | 1,779 | 205 | 8,014 |
合計 | 185,811 | 119,474 | 177,487 | 420,707 | 903,480 |
(※1)1年内返済予定の長期借入金は、「(2) 長期借入金」に含めています。
(※2)「(4) リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。
また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、当連結会計年度末における債務保証額は290億13百万円です。
b 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。重要な設備投資の計画については、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」「(1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む連結有利子負債残高は9,034億80百万円です。
c 株主還元
株主還元については、「第4 提出会社の状況」の「3 配当政策」に記載のとおりです。
③ 経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 経営成績の状況」、「② 財政状態の状況」、「③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
経営指標の見通し及び進捗状況については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「3 対処すべき課題」「(2) 2019年度実績及び2020年度業績見込みについて」に記載のとおりです。