有価証券報告書-第183期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/17 9:51
【資料】
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【項目】
152項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、二度にわたり緊急事態宣言が発令されるなど、期を通じて新型コロナウイルスの影響を受け、人々の外出・往来の減少や社会経済活動の大幅な落ち込みがあったこと等から、非常に厳しい状況で推移しました。
そうした中で、当社グループでは、感染拡大防止のための取組と事業の継続等に懸命に取り組みましたが、多くの事業で新型コロナウイルスの影響(※)を大きく受けることとなりました。
これらの結果、各事業において費用の抑制に努めたこと等により営業黒字を確保したものの、営業収益及び営業利益はいずれも大幅に減少しました。また、営業外損益において持分法による投資損失を計上したことや、特別損失において新型コロナウイルス関連の損失及びホテル事業の構造改革に係る損失を計上したこと等から、経常利益及び親会社株主に帰属する当期純利益については、いずれも損失を計上することとなりました。
※ 新型コロナウイルスの影響:営業収益 △2,152億円、営業利益 △1,042億円
当期の当社グループの成績は次のとおりです。
当連結会計年度
(自 2020年4月 1日
至 2021年3月31日)
対前連結会計年度比較
増減額増減率(%)
営業収益5,689億円△1,937億50百万円△25.4
営業利益20億66百万円△931億3百万円△97.8
経常損失(△)△76億23百万円△964億18百万円-
親会社株主に帰属する
当期純損失(△)
△367億2百万円△915億62百万円-

セグメント別の業績は次のとおりです。
(都市交通事業)
都市交通事業については、新型コロナウイルスの感染が広まる中でも、安定した輸送サービスを継続するため、従業員の感染防止のための対策を徹底するとともに、鉄道やバスの車内等において、適切な換気、定期的な消毒、抗ウイルス・抗菌加工を実施するなど、お客様に安心してご利用いただくための取組を進めました。また、近年のライフスタイルの変化に伴い、深夜時間帯の鉄道のご利用は減少が続いていましたが、今般の新型コロナウイルスの感染拡大を契機に、その傾向が顕著になってきたことから、阪急電鉄及び阪神電気鉄道において、最終列車の時刻の繰上げを実施しました。
一方、新型コロナウイルス関連以外の取組としては、鉄道事業において、より安全にご利用いただくため、阪急神戸三宮駅のすべてのホーム及び阪神神戸三宮駅の一部のホームに可動式ホーム柵を設置しました。また、阪急神戸三宮駅では、神戸三宮阪急ビルの建替工事に合わせて、駅のコンコースやトイレをリニューアルし、お客様の利便性及び快適性の向上を図ったほか、阪神武庫川線において、「野球」をテーマにした新デザインの列車の運行を開始し、同線の活性化に努めました。
このほか、流通事業では、阪急洛西口駅付近の連続立体交差化事業により生み出された高架下において、「TauT 阪急洛西口」の第3期エリアをオープンし、これにより、同施設は全体開業を迎えることとなりました。
しかしながら、新型コロナウイルスの影響(※)を受け、鉄道事業・自動車事業とも旅客数が大きく減少したこと等により、営業収益は前期に比べ702億50百万円(△30.9%)減少し、1,569億26百万円となり、営業損益は前期に比べ451億64百万円悪化し、51億8百万円の営業損失となりました。
※ 新型コロナウイルスの影響:営業収益 △653億円、営業利益 △495億円
事業の内容当連結会計年度
(自 2020年4月 1日
至 2021年3月31日)
営業収益対前連結会計年度
増減率(%)
鉄道事業1,122億96百万円△30.6
自動車事業326億92百万円△31.8
流通事業139億56百万円△34.9
都市交通その他事業88億4百万円△6.5
調整額△108億24百万円-
合計1,569億26百万円△30.9

(注)当期より、広告事業の再編に伴い広告代理店事業をその他セグメントに移管しており、
都市交通セグメントにおける広告事業の収益・利益については、上記の鉄道事業に
含めています。
・ 阪急電鉄㈱運輸成績表
区分当連結会計年度
(自 2020年4月 1日
至 2021年3月31日)
対前連結会計年度
増減率(%)
営業日数(日)365△0.3
営業キロ(キロ)143.6-
客車走行キロ(千キロ)166,570△0.2
定期(千人)277,068△19.6
旅客人員定期外(千人)208,035△33.0
合計(千人)485,104△26.0
定期(百万円)28,093△17.7
運輸収入旅客運賃定期外(百万円)40,982△33.8
合計(百万円)69,075△28.1
運輸雑収(百万円)5,064△14.6
運輸収入合計(百万円)74,140△27.3
乗車効率(%)30.7-

・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表
区分当連結会計年度
(自 2020年4月 1日
至 2021年3月31日)
対前連結会計年度
増減率(%)
営業日数(日)365△0.3
営業キロ(キロ)48.9-
客車走行キロ(千キロ)45,5391.0
定期(千人)107,336△15.9
旅客人員定期外(千人)76,214△35.7
合計(千人)183,550△25.5
定期(百万円)10,476△15.0
運輸収入旅客運賃定期外(百万円)13,725△36.6
合計(百万円)24,202△28.8
運輸雑収(百万円)2,362△9.0
運輸収入合計(百万円)26,565△27.4
乗車効率(%)29.6-

(注)1 上表は、第1種鉄道事業及び第2種鉄道事業の合計です。
2 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が170,228千キロ、阪神電気鉄道㈱が47,296千キロです。
3 乗車効率の算出方法
乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)× 100
(不動産事業)
不動産賃貸事業については、新型コロナウイルスの影響を受け、梅田地区をはじめ多くの商業施設で一時休館や営業時間の短縮を行うこととなりました。そうした中、阪急神戸三宮駅に直結する「神戸三宮阪急ビル」(神戸市中央区)に加え、首都圏において「H-CUBE MINAMIAOYAMA」(東京都港区)が竣工したほか、「野田阪神ウイステ」(大阪市福島区)、「エミル高槻」(大阪府高槻市)等をリニューアルするなど、商業施設やオフィスビルの競争力の強化と稼働率の維持向上等に取り組みました。また、物流施設については、「ロジスタ京都上鳥羽」(京都市南区)が竣工したほか、他の事業者と共同で推し進めている「ロジスタ・ロジクロス茨木彩都」(大阪府茨木市)についても、2021年5月の竣工に向けて工事を着実に進捗させました。
大規模開発事業の「梅田1丁目1番地計画(ビル名称:大阪梅田ツインタワーズ・サウス)」については、2021年秋の阪神百貨店のグランドオープン及び2022年春の全体竣工に向けて、Ⅱ期棟の工事を予定どおり推し進めており、「(仮称)うめきた2期地区開発事業」についても、2024年夏頃の先行街びらきに向けて工事に着手しました。
不動産分譲事業については、マンション分譲では、「ジオタワー南森町」(大阪市北区)、「ジオ北千里藤白台」(大阪府吹田市)、「ジオ新丸子」(川崎市中原区)等を販売しました。また、宅地戸建分譲では、「ジオガーデン彩都箕面」(大阪府箕面市)、「ジオガーデン西宮 浜甲子園」(兵庫県西宮市)、「ジオガーデン杉並井草」(東京都杉並区)等を販売しました。
海外不動産事業については、タイやベトナム等のアセアン諸国でマンション・戸建等の住宅分譲事業を、インドネシアで不動産賃貸事業をそれぞれ推進したほか、ベトナムにおいて物流倉庫の開発・運営に参画し、事業規模の拡大に努めました。
しかしながら、マンション分譲において前期に大規模物件の竣工・引渡があったほか、上記のとおり新型コロナウイルスの影響(※)を受けたこと等により、営業収益は前期に比べ476億86百万円(△20.2%)減少し、1,883億60百万円となり、営業利益は前期に比べ125億86百万円(△30.3%)減少し、289億23百万円となりました。
※ 新型コロナウイルスの影響:営業収益 △277億円、営業利益 △113億円
事業の内容当連結会計年度
(自 2020年4月 1日
至 2021年3月31日)
営業収益対前連結会計年度
増減率(%)
賃貸事業996億71百万円△10.2
分譲・その他事業1,057億47百万円△26.2
調整額△170億58百万円-
合計1,883億60百万円△20.2

(エンタテインメント事業)
エンタテインメント事業については、新型コロナウイルスの影響を受け、球場や劇場での興行回数が減少するとともに、入場者数も制限されるなど、厳しい事業環境が続きました。そうした中、阪神甲子園球場や宝塚大劇場等の各施設では、安心してご来場いただけるよう、感染拡大防止のための取組に努めながら、懸命に施設運営に取り組みました。
スポーツ事業では、阪神タイガースが、ファンの方々のご声援を受けてシーズン終盤まで上位争いを演じるとともに、公式の動画配信サービス「虎テレ」等を用いた情報発信に注力するなど、ファンサービスの拡充に努めました。また、ステージ事業では、歌劇事業において、トップスターの退団公演となった雪組公演「fff -フォルティッシッシモ-」・「シルクロード~盗賊と宝石~」等の各公演が好評を博したほか、宝塚歌劇をご自宅のテレビやスマートフォン等で視聴することができるライブ配信サービスを開始し、多くのお客様にご利用いただきました。
このほか、六甲山地区においては、訪日外国人旅行客が大幅に減少しましたが、日本最大級のアスレチック施設「六甲山アスレチックパーク GREENIA」について、2021年4月のオープンに向けた取組を進めるなど、エリアの魅力度の向上に努めました。
しかしながら、上記のとおり新型コロナウイルスの影響(※)を受けたこと等により、営業収益は前期に比べ318億28百万円(△43.0%)減少し、421億92百万円となり、営業損益は前期に比べ139億54百万円悪化し、22億58百万円の営業損失となりました。
※ 新型コロナウイルスの影響:営業収益 △362億円、営業利益 △156億円
事業の内容当連結会計年度
(自 2020年4月 1日
至 2021年3月31日)
営業収益対前連結会計年度
増減率(%)
スポーツ事業211億47百万円△46.4
ステージ事業209億80百万円△39.1
調整額64百万円-
合計421億92百万円△43.0

(情報・通信事業)
情報サービス事業については、交通システム分野をはじめ、従前の取組に注力したほか、今後、技術革新やデジタル化の進展等に伴い、新たな需要の創出が見込まれますので、それに対応するサービスの提供に取り組みました。
放送・通信事業については、FTTHサービス(光ファイバーを用いた高速インターネットサービス)の提供に向けた取組を推進したほか、自治体から小・中学校における高速通信ネットワークの整備等の案件を受注するなど、顧客のニーズに応える様々なサービスを展開することにより、事業の着実な伸長に努めました。
あんしん・教育事業については、安全・安心に対するニーズの高まり等を背景に、児童の登下校情報を保護者にメール送信する「登下校ミマモルメ」の会員数が順調に増加しました。
しかしながら、情報サービス事業において前期に交通システム分野で大型案件を受注していた影響等により、営業収益は前期に比べ4億92百万円(△0.8%)減少し、580億83百万円となり、営業利益は前期に比べ42百万円(△0.8%)減少し、55億56百万円となりました。
(旅行事業)
旅行事業については、新型コロナウイルスの影響(※)を受け、海外旅行部門において、期を通じてツアーの催行を中止するなど、非常に厳しい事業環境が続きました。また、国内旅行部門においては、一時はツアーの集客が好調に推移しましたが、年間全体でみれば、集客は前期を大幅に下回りました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ218億5百万円(△64.6%)減少し、119億60百万円となり、営業損益は前期に比べ76億30百万円悪化し、73億97百万円の営業損失となりました。
※ 新型コロナウイルスの影響:営業収益 △287億円、営業利益 △100億円
(国際輸送事業)
国際輸送事業については、2018年から続く米中貿易摩擦の影響に加え、新型コロナウイルスの影響を受け、物流の需要が減少するとともに、航空輸送や海上輸送の供給が不安定となるなど、厳しい事業環境が続きました。そうした中でも、東アジアにおいて緊急輸送の需要を取り込むこと等により、事業全体の収支改善に取り組みました。
また、アセアン地域で物流倉庫の展開を進めるなど、ロジスティクス事業の強化に努めたほか、グローバルネットワークのさらなる拡充を図りました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ93億66百万円(12.3%)増加し、855億52百万円となり、営業利益は前期に比べ21億37百万円増加し、23億8百万円となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業については、新型コロナウイルスの影響を受け、一部のホテルを一時休館したほか、宿泊部門・料飲部門ともに、利用者数が期を通じて大きく減少するなど、非常に厳しい事業環境のもとで推移しました。
そうした中、宝塚大劇場のオフィシャルホテルとして、「夢のつづき」をホテルのコンセプトとする「宝塚ホテル」を6月に移転・開業したほか、「レムプラス」の2号店となる「レムプラス神戸三宮」において、2021年4月の開業に向けた取組を進めるなど、競争力の強化に努めました。
しかしながら、上記のとおり新型コロナウイルスの影響(※)を受けたこと等により、営業収益は前期に比べ411億35百万円(△68.2%)減少し、191億45百万円となり、営業損益は前期に比べ147億84百万円悪化し、179億27百万円の営業損失となりました。
※ 新型コロナウイルスの影響:営業収益 △510億円、営業利益 △185億円
(その他)
建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ73億53百万円(17.3%)増加し、498億40百万円となりましたが、営業利益は前期に比べ5億円(△21.0%)減少し、18億81百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計については、販売土地及び建物や有形固定資産、投資有価証券が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,319億46百万円増加し、2兆6,210億28百万円となりました。
負債合計については、有利子負債が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ1,596億33百万円増加し、1兆7,110億42百万円となりました。
純資産合計については、利益剰余金が減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ276億86百万円減少し、9,099億85百万円となり、自己資本比率は33.1%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ16億96百万円増加し、252億22百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純損失410億13百万円、減価償却費575億2百万円、構造改革損失186億18百万円、たな卸資産の増加額367億99百万円、法人税等の支払額298億71百万円等により、325億1百万円の支出(前期は1,230億86百万円の収入)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出1,369億58百万円、固定資産の売却による収入199億11百万円、投資有価証券の取得による支出141億37百万円、工事負担金等受入による収入292億49百万円等により、1,021億51百万円の支出(前期は1,284億98百万円の支出)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純増による収入512億6百万円、コマーシャル・ペーパーの純増による収入300億円、社債の発行による収入994億74百万円、社債の償還による支出250億円、配当金の支払額121億88百万円等により、1,346億31百万円の収入(前期は9億64百万円の収入)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは、都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報・通信事業、旅行事業、国際輸送事業及びホテル事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、
「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりですが、特に以下の項目が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えています。
また、会計上の見積りを行う上での新型コロナウイルスの影響の考え方については、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
a 固定資産の減損
当社グループは、事業の特性上、多くの固定資産を保有しています。これらの固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初想定した収益等が見込めなくなった場合や将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合は、固定資産の減損を実施する可能性があります。
b 販売用不動産の評価
当社グループは、販売用不動産を多数保有しています。市場環境の変化や開発・販売計画の変更等により、正味売却価額が大きく下落した場合は、販売用不動産の評価減を実施する可能性があります。
c 繰延税金資産
当社グループは、将来の課税所得や実現可能性の高いタックス・プランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性を判断しています。業績の変動等により、将来の課税所得やタックス・プランニングに変更が生じた場合は、繰延税金資産が増加または減少する可能性があります。
d のれん
当社グループは、2006年度の阪神電気鉄道㈱との経営統合により発生した多額ののれんがあり、その資産性については子会社の業績や事業計画等に基づき検討しているため、将来において当初想定した収益等が見込めなくなった場合は、のれんの減損を実施する可能性があります。
② 資本の財源及び資金の流動性
a 有利子負債
当連結会計年度末現在の有利子負債の概要は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
有利子負債年度別要支払額
1年以内1年超
3年以内
3年超
5年以内
5年超合計
(1) 短期借入金(※1)106,263---106,263
(2) コマーシャル・ペーパー30,000---30,000
(3) 長期借入金(※1)44,971145,176152,687375,523718,358
(4) 社債10,00037,00030,000120,000197,000
(5) リース債務(※2)3,2065,1222,51757811,425
合計194,441187,299185,205496,1011,063,048

(※1)1年内返済予定の長期借入金は、「(3) 長期借入金」に含めています。
(※2)「(5) リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。
また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、当連結会計年度末における債務保証額は373億56百万円です。
b 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。重要な設備投資の計画については、「第3 設備の状況」の「3 設備の新設、除却等の計画」「(1) 重要な設備の新設等」に記載のとおりです。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。
これらの資金調達に加えて、キャッシュマネジメントシステムによるグループ資金一元化により、グループ会社からの余剰資金を集約して有効活用するとともに、感染症の流行や大規模自然災害等の予期せぬ事象に備え、取引金融機関とコミットメントライン契約を締結することにより、機動的に資金を確保する体制を構築しています。
c 株主還元
株主還元については、「第4 提出会社の状況」の「3 配当政策」に記載のとおりです。
③ 経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「① 経営成績の状況」、「② 財政状態の状況」、「③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
④ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
経営指標の見通し及び進捗状況については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」の「3 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」「(2) 長期ビジョン2025の進捗等とそのアップデートについて」に記載のとおりです。