有価証券報告書-第180期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、先行き不透明な中で推移したものの、雇用情勢の改善が見られるなど、緩やかな回復基調が続きました。
この間、当社グループにおいては、「阪急阪神ホールディングスグループ 長期ビジョン2025」の実現に向けて、グループ経営機能を担う当社のもと、中核会社を中心に、各コア事業の競争力強化を図るとともに、コア事業間の連携を通じてグループ総合力の発揮に努めました。
これらの結果、エンタテインメント・コミュニケーション事業においてスポーツ事業、ステージ事業及びコミュニケーションメディア事業が揃って好調であったことや、旅行事業においてヨーロッパ方面の集客が増加したこと、また国際輸送事業が航空輸送を中心に好調に推移したこと等により、営業収益、営業利益及び経常利益はいずれも増加しました。しかしながら、税金費用が増加したことに加えて、特別損益が悪化したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。
当期の当社グループの成績は次のとおりです。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(都市交通事業)
鉄道事業については、阪急電鉄において、静かさと省エネルギー性能を追求した車両1000系4編成を導入したほか、阪神電気鉄道において、普通用車両5500系のリニューアルを実施し、車内のバリアフリー設備を拡充するなど、お客様の快適性の向上に取り組みました。また、北大阪急行電鉄において、より安全に安心してご利用いただくため、千里中央駅、桃山台駅及び緑地公園駅にそれぞれ可動式ホーム柵を設置しました。このほか、スマートフォンを通じた旅客案内サービスの充実を図るため、阪急電鉄においては「TOKKアプリ」により、阪神電気鉄道においては「阪神アプリ」により、運行情報に加えて列車走行位置や各駅における列車行先案内等の情報をお知らせするサービスを開始しました。
自動車事業については、阪急バスにおいて、有馬温泉方面への利便性向上を図るため、他の事業者と共同で「有馬温泉-京都線」の運行を開始したほか、バスの運行状況や到着予定時刻等をスマートフォンで確認できるバスロケーションサービスの対象エリアを拡大し、既に導入済の阪神バスを含めた両社の全路線で同サービスの利用が可能になりました。
流通事業については、阪急線で展開している新業態のカフェ「ネスカフェ スタンド」の営業を、阪神線の一部においても開始するなど、駅の魅力度の向上に取り組みました。
これらの結果、鉄道事業において阪急線・阪神線が堅調に推移しましたが、連結子会社が減少したこと等により、営業収益は前期に比べ11億69百万円(△0.5%)減少し、2,359億67百万円となりました。また、営業利益は、鉄道事業において減価償却費や動力費が増加したこと等により、前期に比べ6億51百万円(△1.5%)減少し、415億86百万円となりました。
・ 阪急電鉄㈱運輸成績表
・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表
(注)1 上表は、第1種鉄道事業及び第2種鉄道事業の合計です。
2 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が170,670千キロ、阪神電気鉄道㈱が46,895千キロです。
3 乗車効率の算出方法
乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員) × 100
(不動産事業)
不動産賃貸事業については、「阪急三番街」(大阪市北区)の飲食エリアの一部を新たに「UMEDA FOOD HALL」としてリニューアルオープンするなど、商業施設・オフィスビルの競争力の強化と稼働率の維持向上等に取り組みました。また、大規模開発事業「梅田1丁目1番地計画(新ビル名称:大阪梅田ツインタワーズ・サウス)」については、平成34年(2022年)春の全体竣工に向け、I期部分の新築工事を鋭意進めました。このほか、「神戸阪急ビル東館 建替計画」(神戸市中央区)や他の事業者と共同で推進する「福島5丁目・7丁目共同開発計画」(大阪市福島区)、「京橋2-6街区再開発計画」(東京都中央区)の新築工事に加え、「宝塚ホテル移転計画」(兵庫県宝塚市)の準備工事や、「銀座3丁目計画」(東京都中央区)の解体工事に取り掛かりました。
不動産分譲事業については、マンション分譲では、「ジオ天六 ツインタワーズ」(大阪市北区)、「ジオ茨木東宮町」(大阪府茨木市)、「ジオ四谷荒木町」(東京都新宿区)、「ジオ深川住吉」(東京都江東区)等を販売しました。また、宅地戸建分譲では、「阪急彩都ガーデンフロント」(大阪府箕面市)、「阪急宝塚山手台フォルテ・ガーデン」(兵庫県宝塚市)、「ハピアガーデン狛江和泉多摩川」(東京都狛江市)等を販売しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ68億76百万円(3.2%)増加し、2,225億86百万円となりましたが、分譲事業において販売経費が、賃貸事業において修繕費がそれぞれ増加したこと等により、営業利益は前期に比べ10億16百万円(△2.4%)減少し、409億54百万円となりました。
※ 平成30年4月1日付で、当社は、子会社である阪急電鉄株式会社より、同社の子会社である阪急不動産株式会社の全株式を譲り受けました。そのうえで、阪急電鉄株式会社及び阪神電気鉄道株式会社の不動産事業を会社分割(吸収分割)等により阪急不動産株式会社に移管するとともに、同社の商号を阪急阪神不動産株式会社に変更し、同社を当社グループの不動産事業の中核会社としました。
(エンタテインメント・コミュニケーション事業)
スポーツ事業については、阪神タイガースが、多くのファンの方々のご声援を受けてシーズン終盤まで上位争いを演じ、クライマックスシリーズへの進出を果たしました。また、阪神甲子園球場では、飲食・物販店舗において、選手関連商品や限定企画商品が好評を博したほか、店舗のリニューアルや飲食メニューの一層の充実を図るなど、魅力ある施設運営に取り組みました。
ステージ事業については、歌劇事業において、雪組公演「ひかりふる路(みち)〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜」・「SUPER VOYAGER!」、花組公演「ポーの一族」等の各公演が好評を博しました。また、演劇事業においては、三島由紀夫が戯曲化した江戸川乱歩の「黒蜥蜴」等、話題性のある多彩な公演を催しました。
コミュニケーションメディア事業については、情報サービス事業において、システム開発の受託やEコマース(電子商取引)サイトの構築・保守等が好調に推移したほか、放送・通信事業においては、ケーブルテレビの加入者数の維持拡大に努めました。
このほか、六甲山地区においては、六甲山の自然・眺望と多様なコンテンツを組み合わせた様々なイベントや企画を開催し、一層の集客に努めました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ58億84百万円(5.1%)増加し、1,210億78百万円となり、営業利益は前期に比べ20億94百万円(13.4%)増加し、177億50百万円となりました。
(旅行事業)
旅行事業については、海外旅行部門において、ヨーロッパ方面や中国方面の集客が好調に推移したほか、国内旅行部門においても、取扱いを順調に伸ばしました。
一方、訪日旅行部門においては、インバウンド需要の拡大が継続する中、積極的な営業活動を展開したことにより、ヨーロッパ方面からの集客が増加しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ40億83百万円(13.6%)増加し、340億22百万円となり、営業利益は前期に比べ14億18百万円(222.5%)増加し、20億55百万円となりました。
(国際輸送事業)
国際輸送事業については、日本・東アジア・欧州において、航空輸送を中心に好調に推移しました。
そうした中、ケニアのナイロビ等に拠点を開設することでグローバルネットワークのさらなる拡充を図るとともに、シンガポール西部で物流倉庫を開業するなど、ロジスティクス事業の強化に努めました。
また、国際輸送事業の中核会社である株式会社阪急阪神エクスプレスが、日本国内における路線トラック便とロジスティクス事業に強みを持つセイノーホールディングス株式会社と相互のノウハウを活かした事業展開を進めることを目的として、資本・業務提携契約を締結しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ120億37百万円(16.8%)増加し、837億7百万円となり、営業利益は前期に比べ11億89百万円(74.9%)増加し、27億77百万円となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業については、厳しい競争環境が続く中、平成29年3月に宿泊主体型ホテル「レム六本木」を開業したほか、第一ホテル東京の全客室の改装を実施するなど、増加する訪日外国人の宿泊需要の取込みとさらなる競争力の強化を図りました。また、ホテル阪急インターナショナル及び第一ホテル東京シーフォートが開業25周年を迎えたことを記念して、様々なフェアを開催したほか、各ホテルにおいても、各種プランの企画・販売等に積極的に取り組みました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ16億8百万円(2.5%)増加し、672億48百万円となりましたが、既存ホテルの宿泊売上が前期を下回ったことやレム六本木の開業に伴う費用を含め諸経費が増加したこと等により、営業利益は前期に比べ5億79百万円(△20.7%)減少し、22億16百万円となりました。
(その他)
建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ1億64百万円(0.4%)増加し、428億11百万円となり、営業利益は前期に比べ5億88百万円(43.9%)増加し、19億29百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計については、投資有価証券や有形固定資産が増加したこと等により2兆4,101億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ602億73百万円増加しました。
負債合計については、未払金(流動負債の「その他」)等が増加したものの、有利子負債が減少したこと等により1兆5,435億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億78百万円減少しました。
純資産合計については、利益剰余金が増加したこと等により8,665億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ618億52百万円増加し、自己資本比率は34.8%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、275億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ49億71百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益1,014億10百万円、減価償却費532億76百万円、法人税等の支払額260億5百万円等により、1,358億21百万円の収入(前年度比17.5%増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出1,028億63百万円、投資有価証券の取得による支出78億7百万円、工事負担金等受入による収入212億22百万円等により、883億51百万円の支出(前年度比4.1%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純減による支出211億7百万円、社債の償還による支出100億円、自己株式の取得による支出106億89百万円、配当金の支払額93億60百万円等により、432億42百万円の支出(前年度比41.3%増)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント・コミュニケーション事業、旅行事業、国際輸送事業及びホテル事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
平成29年度について、営業利益は、エンタテインメント・コミュニケーション事業においてスポーツ事業、ステージ事業が好調であったことに加えて、各事業においてコスト削減に努めたこと等により、計画に比べ92億円(9.6%)増加し1,052億円となり、またこれに伴い、EBITDAは、計画に比べ88億円(5.8%)増加し1,608億円となりました。
有利子負債残高は、相応の規模の設備投資を行いながらも、EBITDAの伸長等により計画に比べ432億円(△4.8%)減少し8,668億円となり、この結果、有利子負債/EBITDA倍率は5.4倍と計画時の想定から0.6ポイント改善し、D/Eレシオは0.1ポイント改善し1.0倍となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加に加え、持分法による投資利益の増加や支払利息の減少による経常利益の増加に伴い、計画に比べ64億円(10.6%)増加し664億円となり、ROEは、計画に比べ0.7ポイント増加し8.2%となりました。
(※1)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
(※2)D/Eレシオ=有利子負債/自己資本
② 資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.有利子負債
当連結会計年度末現在の有利子負債の概要は、以下のとおりです。
(※1)1年内返済予定の長期借入金は、「(2) 長期借入金」に含めています。
(※2)「(4) リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。
また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、当連結会計年度末における債務保証額は408億68百万円です。
c.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む連結有利子負債残高は8,667億58百万円です。
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、先行き不透明な中で推移したものの、雇用情勢の改善が見られるなど、緩やかな回復基調が続きました。
この間、当社グループにおいては、「阪急阪神ホールディングスグループ 長期ビジョン2025」の実現に向けて、グループ経営機能を担う当社のもと、中核会社を中心に、各コア事業の競争力強化を図るとともに、コア事業間の連携を通じてグループ総合力の発揮に努めました。
これらの結果、エンタテインメント・コミュニケーション事業においてスポーツ事業、ステージ事業及びコミュニケーションメディア事業が揃って好調であったことや、旅行事業においてヨーロッパ方面の集客が増加したこと、また国際輸送事業が航空輸送を中心に好調に推移したこと等により、営業収益、営業利益及び経常利益はいずれも増加しました。しかしながら、税金費用が増加したことに加えて、特別損益が悪化したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。
当期の当社グループの成績は次のとおりです。
当連結会計年度 (自 平成29年4月 1日 至 平成30年3月31日) | 対前連結会計年度比較 | ||
増減額 | 増減率(%) | ||
営業収益 | 7,602億52百万円 | 234億89百万円 | 3.2 |
営業利益 | 1,052億11百万円 | 11億53百万円 | 1.1 |
経常利益 | 1,037億74百万円 | 31億67百万円 | 3.1 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 663億61百万円 | △49億41百万円 | △6.9 |
セグメント別の業績は次のとおりです。
(都市交通事業)
鉄道事業については、阪急電鉄において、静かさと省エネルギー性能を追求した車両1000系4編成を導入したほか、阪神電気鉄道において、普通用車両5500系のリニューアルを実施し、車内のバリアフリー設備を拡充するなど、お客様の快適性の向上に取り組みました。また、北大阪急行電鉄において、より安全に安心してご利用いただくため、千里中央駅、桃山台駅及び緑地公園駅にそれぞれ可動式ホーム柵を設置しました。このほか、スマートフォンを通じた旅客案内サービスの充実を図るため、阪急電鉄においては「TOKKアプリ」により、阪神電気鉄道においては「阪神アプリ」により、運行情報に加えて列車走行位置や各駅における列車行先案内等の情報をお知らせするサービスを開始しました。
自動車事業については、阪急バスにおいて、有馬温泉方面への利便性向上を図るため、他の事業者と共同で「有馬温泉-京都線」の運行を開始したほか、バスの運行状況や到着予定時刻等をスマートフォンで確認できるバスロケーションサービスの対象エリアを拡大し、既に導入済の阪神バスを含めた両社の全路線で同サービスの利用が可能になりました。
流通事業については、阪急線で展開している新業態のカフェ「ネスカフェ スタンド」の営業を、阪神線の一部においても開始するなど、駅の魅力度の向上に取り組みました。
これらの結果、鉄道事業において阪急線・阪神線が堅調に推移しましたが、連結子会社が減少したこと等により、営業収益は前期に比べ11億69百万円(△0.5%)減少し、2,359億67百万円となりました。また、営業利益は、鉄道事業において減価償却費や動力費が増加したこと等により、前期に比べ6億51百万円(△1.5%)減少し、415億86百万円となりました。
事業の内容 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月 1日 至 平成30年3月31日) | |
営業収益 | 対前連結会計年度 増減率(%) | |
鉄道事業 | 1,522億40百万円 | 1.5 |
自動車事業 | 479億61百万円 | △2.0 |
流通事業 | 305億75百万円 | △7.2 |
広告事業 | 87億19百万円 | 2.2 |
都市交通その他事業 | 86億76百万円 | △4.3 |
調整額 | △122億 6百万円 | - |
合計 | 2,359億67百万円 | △0.5 |
・ 阪急電鉄㈱運輸成績表
区分 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月 1日 至 平成30年3月31日) | 対前連結会計年度 増減率(%) | |||
営業日数 | (日) | 365 | - | ||
営業キロ | (キロ) | 143.6 | - | ||
客車走行キロ | (千キロ) | 167,058 | 0.0 | ||
定期 | (千人) | 335,005 | 1.7 | ||
旅客人員 | 定期外 | (千人) | 319,939 | 0.6 | |
合計 | (千人) | 654,945 | 1.2 | ||
定期 | (百万円) | 33,198 | 1.7 | ||
運輸収入 | 旅客運賃 | 定期外 | (百万円) | 63,137 | 0.7 |
合計 | (百万円) | 96,335 | 1.0 | ||
運輸雑収 | (百万円) | 6,323 | 6.3 | ||
運輸収入合計 | (百万円) | 102,659 | 1.3 | ||
乗車効率 | (%) | 43.6 | - |
・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表
区分 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月 1日 至 平成30年3月31日) | 対前連結会計年度 増減率(%) | |||
営業日数 | (日) | 365 | - | ||
営業キロ | (キロ) | 48.9 | - | ||
客車走行キロ | (千キロ) | 45,004 | △0.0 | ||
定期 | (千人) | 122,073 | 1.9 | ||
旅客人員 | 定期外 | (千人) | 119,567 | 2.2 | |
合計 | (千人) | 241,641 | 2.1 | ||
定期 | (百万円) | 11,797 | 2.0 | ||
運輸収入 | 旅客運賃 | 定期外 | (百万円) | 21,638 | 2.4 |
合計 | (百万円) | 33,436 | 2.3 | ||
運輸雑収 | (百万円) | 2,615 | △0.2 | ||
運輸収入合計 | (百万円) | 36,051 | 2.1 | ||
乗車効率 | (%) | 41.3 | - |
(注)1 上表は、第1種鉄道事業及び第2種鉄道事業の合計です。
2 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が170,670千キロ、阪神電気鉄道㈱が46,895千キロです。
3 乗車効率の算出方法
乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員) × 100
(不動産事業)
不動産賃貸事業については、「阪急三番街」(大阪市北区)の飲食エリアの一部を新たに「UMEDA FOOD HALL」としてリニューアルオープンするなど、商業施設・オフィスビルの競争力の強化と稼働率の維持向上等に取り組みました。また、大規模開発事業「梅田1丁目1番地計画(新ビル名称:大阪梅田ツインタワーズ・サウス)」については、平成34年(2022年)春の全体竣工に向け、I期部分の新築工事を鋭意進めました。このほか、「神戸阪急ビル東館 建替計画」(神戸市中央区)や他の事業者と共同で推進する「福島5丁目・7丁目共同開発計画」(大阪市福島区)、「京橋2-6街区再開発計画」(東京都中央区)の新築工事に加え、「宝塚ホテル移転計画」(兵庫県宝塚市)の準備工事や、「銀座3丁目計画」(東京都中央区)の解体工事に取り掛かりました。
不動産分譲事業については、マンション分譲では、「ジオ天六 ツインタワーズ」(大阪市北区)、「ジオ茨木東宮町」(大阪府茨木市)、「ジオ四谷荒木町」(東京都新宿区)、「ジオ深川住吉」(東京都江東区)等を販売しました。また、宅地戸建分譲では、「阪急彩都ガーデンフロント」(大阪府箕面市)、「阪急宝塚山手台フォルテ・ガーデン」(兵庫県宝塚市)、「ハピアガーデン狛江和泉多摩川」(東京都狛江市)等を販売しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ68億76百万円(3.2%)増加し、2,225億86百万円となりましたが、分譲事業において販売経費が、賃貸事業において修繕費がそれぞれ増加したこと等により、営業利益は前期に比べ10億16百万円(△2.4%)減少し、409億54百万円となりました。
※ 平成30年4月1日付で、当社は、子会社である阪急電鉄株式会社より、同社の子会社である阪急不動産株式会社の全株式を譲り受けました。そのうえで、阪急電鉄株式会社及び阪神電気鉄道株式会社の不動産事業を会社分割(吸収分割)等により阪急不動産株式会社に移管するとともに、同社の商号を阪急阪神不動産株式会社に変更し、同社を当社グループの不動産事業の中核会社としました。
事業の内容 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月 1日 至 平成30年3月31日) | |
営業収益 | 対前連結会計年度 増減率(%) | |
賃貸事業 | 1,067億30百万円 | 2.6 |
分譲・その他事業 | 1,335億13百万円 | 3.8 |
調整額 | △176億57百万円 | - |
合計 | 2,225億86百万円 | 3.2 |
(エンタテインメント・コミュニケーション事業)
スポーツ事業については、阪神タイガースが、多くのファンの方々のご声援を受けてシーズン終盤まで上位争いを演じ、クライマックスシリーズへの進出を果たしました。また、阪神甲子園球場では、飲食・物販店舗において、選手関連商品や限定企画商品が好評を博したほか、店舗のリニューアルや飲食メニューの一層の充実を図るなど、魅力ある施設運営に取り組みました。
ステージ事業については、歌劇事業において、雪組公演「ひかりふる路(みち)〜革命家、マクシミリアン・ロベスピエール〜」・「SUPER VOYAGER!」、花組公演「ポーの一族」等の各公演が好評を博しました。また、演劇事業においては、三島由紀夫が戯曲化した江戸川乱歩の「黒蜥蜴」等、話題性のある多彩な公演を催しました。
コミュニケーションメディア事業については、情報サービス事業において、システム開発の受託やEコマース(電子商取引)サイトの構築・保守等が好調に推移したほか、放送・通信事業においては、ケーブルテレビの加入者数の維持拡大に努めました。
このほか、六甲山地区においては、六甲山の自然・眺望と多様なコンテンツを組み合わせた様々なイベントや企画を開催し、一層の集客に努めました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ58億84百万円(5.1%)増加し、1,210億78百万円となり、営業利益は前期に比べ20億94百万円(13.4%)増加し、177億50百万円となりました。
事業の内容 | 当連結会計年度 (自 平成29年4月 1日 至 平成30年3月31日) | |
営業収益 | 対前連結会計年度 増減率(%) | |
スポーツ事業 | 368億17百万円 | 8.6 |
ステージ事業 | 340億45百万円 | 3.6 |
コミュニケーションメディアその他事業 | 514億 9百万円 | 4.3 |
調整額 | △11億94百万円 | - |
合計 | 1,210億78百万円 | 5.1 |
(旅行事業)
旅行事業については、海外旅行部門において、ヨーロッパ方面や中国方面の集客が好調に推移したほか、国内旅行部門においても、取扱いを順調に伸ばしました。
一方、訪日旅行部門においては、インバウンド需要の拡大が継続する中、積極的な営業活動を展開したことにより、ヨーロッパ方面からの集客が増加しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ40億83百万円(13.6%)増加し、340億22百万円となり、営業利益は前期に比べ14億18百万円(222.5%)増加し、20億55百万円となりました。
(国際輸送事業)
国際輸送事業については、日本・東アジア・欧州において、航空輸送を中心に好調に推移しました。
そうした中、ケニアのナイロビ等に拠点を開設することでグローバルネットワークのさらなる拡充を図るとともに、シンガポール西部で物流倉庫を開業するなど、ロジスティクス事業の強化に努めました。
また、国際輸送事業の中核会社である株式会社阪急阪神エクスプレスが、日本国内における路線トラック便とロジスティクス事業に強みを持つセイノーホールディングス株式会社と相互のノウハウを活かした事業展開を進めることを目的として、資本・業務提携契約を締結しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ120億37百万円(16.8%)増加し、837億7百万円となり、営業利益は前期に比べ11億89百万円(74.9%)増加し、27億77百万円となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業については、厳しい競争環境が続く中、平成29年3月に宿泊主体型ホテル「レム六本木」を開業したほか、第一ホテル東京の全客室の改装を実施するなど、増加する訪日外国人の宿泊需要の取込みとさらなる競争力の強化を図りました。また、ホテル阪急インターナショナル及び第一ホテル東京シーフォートが開業25周年を迎えたことを記念して、様々なフェアを開催したほか、各ホテルにおいても、各種プランの企画・販売等に積極的に取り組みました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ16億8百万円(2.5%)増加し、672億48百万円となりましたが、既存ホテルの宿泊売上が前期を下回ったことやレム六本木の開業に伴う費用を含め諸経費が増加したこと等により、営業利益は前期に比べ5億79百万円(△20.7%)減少し、22億16百万円となりました。
(その他)
建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ1億64百万円(0.4%)増加し、428億11百万円となり、営業利益は前期に比べ5億88百万円(43.9%)増加し、19億29百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計については、投資有価証券や有形固定資産が増加したこと等により2兆4,101億5百万円となり、前連結会計年度末に比べ602億73百万円増加しました。
負債合計については、未払金(流動負債の「その他」)等が増加したものの、有利子負債が減少したこと等により1兆5,435億92百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億78百万円減少しました。
純資産合計については、利益剰余金が増加したこと等により8,665億12百万円となり、前連結会計年度末に比べ618億52百万円増加し、自己資本比率は34.8%となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、275億1百万円となり、前連結会計年度末に比べ49億71百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益1,014億10百万円、減価償却費532億76百万円、法人税等の支払額260億5百万円等により、1,358億21百万円の収入(前年度比17.5%増)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出1,028億63百万円、投資有価証券の取得による支出78億7百万円、工事負担金等受入による収入212億22百万円等により、883億51百万円の支出(前年度比4.1%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純減による支出211億7百万円、社債の償還による支出100億円、自己株式の取得による支出106億89百万円、配当金の支払額93億60百万円等により、432億42百万円の支出(前年度比41.3%増)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント・コミュニケーション事業、旅行事業、国際輸送事業及びホテル事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。
このため生産、受注及び販売の実績については、「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
平成29年度について、営業利益は、エンタテインメント・コミュニケーション事業においてスポーツ事業、ステージ事業が好調であったことに加えて、各事業においてコスト削減に努めたこと等により、計画に比べ92億円(9.6%)増加し1,052億円となり、またこれに伴い、EBITDAは、計画に比べ88億円(5.8%)増加し1,608億円となりました。
有利子負債残高は、相応の規模の設備投資を行いながらも、EBITDAの伸長等により計画に比べ432億円(△4.8%)減少し8,668億円となり、この結果、有利子負債/EBITDA倍率は5.4倍と計画時の想定から0.6ポイント改善し、D/Eレシオは0.1ポイント改善し1.0倍となりました。
また、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益の増加に加え、持分法による投資利益の増加や支払利息の減少による経常利益の増加に伴い、計画に比べ64億円(10.6%)増加し664億円となり、ROEは、計画に比べ0.7ポイント増加し8.2%となりました。
指標 | 平成29年度 (実績) | 平成29年度 (計画) | 平成29年度 (計画比) |
営業利益 | 1,052億円 | 960億円 | 92億円増(9.6%増) |
EBITDA(※1) | 1,608億円 | 1,520億円 | 88億円増(5.8%増) |
有利子負債 | 8,668億円 | 9,100億円 | 432億円減(4.8%減) |
有利子負債/EBITDA倍率 | 5.4倍 | 6.0倍 | 0.6ポイント減 |
D/Eレシオ(※2) | 1.0倍 | 1.1倍 | 0.1ポイント減 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 664億円 | 600億円 | 64億円増(10.6%増) |
ROE | 8.2% | 7.5% | 0.7ポイント増 |
(※1)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却費
(※2)D/Eレシオ=有利子負債/自己資本
② 資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析については、「(1) 経営成績等の状況の概要」の「③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
b.有利子負債
当連結会計年度末現在の有利子負債の概要は、以下のとおりです。
有利子負債 | 年度別要支払額(単位:百万円) | ||||
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 | 合計 | |
(1) 短期借入金(※1) | 100,721 | - | - | - | 100,721 |
(2) 長期借入金(※1) | 41,369 | 68,821 | 96,998 | 459,519 | 666,710 |
(3) 社債 | - | 45,000 | 17,000 | 30,000 | 92,000 |
(4) リース債務(※2) | 1,493 | 2,582 | 1,849 | 1,400 | 7,326 |
合計 | 143,585 | 116,404 | 115,848 | 490,920 | 866,758 |
(※1)1年内返済予定の長期借入金は、「(2) 長期借入金」に含めています。
(※2)「(4) リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。
また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、当連結会計年度末における債務保証額は408億68百万円です。
c.財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む連結有利子負債残高は8,667億58百万円です。