有価証券報告書-第181期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、先行き不透明な中で推移したものの、良好な雇用環境等を背景に、緩やかな回復基調が続きました。
この間、当社グループにおいては、「阪急阪神ホールディングスグループ 長期ビジョン2025」の実現に向けて、グループ経営機能を担う当社のもと、中核会社を中心に、各コア事業の競争力強化を図るとともに、コア事業間の連携を通じてグループ総合力の発揮に努めました。
これらの結果、自然災害の影響を受けたものの、不動産事業において彩都東部地区(大阪府茨木市)の施設用地を売却したことや、都市交通事業及びエンタテインメント・コミュニケーション事業が堅調に推移したこと等により、営業収益、営業利益及び経常利益はいずれも増加し、過去最高となりました。しかしながら、北神急行線に係る鉄道資産の譲渡合意に伴う特別損失を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。
当期の当社グループの成績は次のとおりです。
セグメント別の業績は次のとおりです。
(都市交通事業)
鉄道事業については、阪急電鉄において、より安全にご利用いただくため、十三駅の一部のホームに可動式ホーム柵を設置したほか、阪神電気鉄道において、洪水・高潮への対策等を目的として、阪神なんば線の淀川橋梁改築工事に着手しました。また、阪急電鉄において、観光特急「京とれいん」の2編成目となる「京とれいん 雅洛」の運行を開始したほか、阪神電気鉄道において、阪神なんば線が2019年3月20日に開通10周年を迎えたことを受け、ラッピング列車の運行をはじめ様々な企画イベントを実施するなど、さらなる旅客誘致に努めました。このほか、阪急電鉄、阪神電気鉄道、能勢電鉄及び北大阪急行電鉄において、ICOCA及びICOCA定期券の販売を開始するなど、お客様の利便性の向上に取り組みました。
自動車事業については、阪急バスにおいて、大阪梅田等のバスターミナルで多言語による案内サービスを充実させたほか、阪神バス及び大阪空港交通において、空港リムジンバスの車内に無料の公衆無線LANサービスを導入するなど、訪日外国人の利便性の向上に努めました。
流通事業については、阪急洛西口駅付近の連続立体交差化事業による高架下の駅周辺部において、「TauT 阪急洛西口」の第1期エリアをオープンしました。
これらの結果、自然災害の影響を受けたものの、阪急線・阪神線が堅調に推移したこと等により、営業収益は前期に比べ25億94百万円(1.1%)増加し、2,385億62百万円となり、営業利益は前期に比べ18億69百万円(4.5%)増加し、434億55百万円となりました。
・ 阪急電鉄㈱運輸成績表
・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表
(注)1 上表は、第1種鉄道事業及び第2種鉄道事業の合計です。
2 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が169,358千キロ、阪神電気鉄道㈱が46,640千キロです。
3 乗車効率の算出方法
乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)× 100
(不動産事業)
不動産賃貸事業については、阪急西宮北口駅直結の「阪急西宮ガーデンズ ゲート館」(兵庫県西宮市)等を開業したほか、阪神西宮駅の商業施設「エビスタ西宮」(兵庫県西宮市)を増床リニューアルしました。また、阪急梅田駅北側高架下の一部を「茶屋町あるこ」(大阪市北区)としてリニューアルオープンするなど、商業施設やオフィスビルの競争力の強化と稼働率の維持向上等に取り組みました。
大規模開発事業「梅田1丁目1番地計画(ビル名称:大阪梅田ツインタワーズ・サウス)」については、2018年4月にI期棟が予定どおり竣工し、6月から新しい阪神百貨店が部分開業するとともに、引き続き2022年春の全体竣工に向けてⅡ期棟部分の工事に取り掛かりました。このほか、当社グループが参画するコンソーシアムが「うめきた(大阪駅北地区)2期地区」の開発事業者に選定され、2027年春の全体まちびらきに向けて新たな大規模プロジェクトがスタートしました。
不動産分譲事業については、マンション分譲では、「ジオ京都桂川」(京都市南区)、「ジオ宝塚南口」(兵庫県宝塚市)、「ジオ新宿若松町」(東京都新宿区)、「ジオ千代田大手町」(東京都千代田区)等を販売しました。また、宅地戸建分譲では、「阪急彩都ガーデンウエスト」(大阪府箕面市)、「阪急宝塚山手台フォルテ・ガーデン」(兵庫県宝塚市)、「ハピアガーデン向山三丁目」(東京都練馬区)等を販売しました。
海外不動産事業については、ベトナムやタイ等のアセアン諸国でマンション・戸建分譲に取り組むなど、事業規模の拡大に努めました。
これらの取組に加え、彩都東部地区(大阪府茨木市)の施設用地を売却したこと等により、営業収益は前期に比べ146億89百万円(6.6%)増加し、2,372億76百万円となり、営業利益は前期に比べ82億95百万円(20.3%)増加し、492億50百万円となりました。
(エンタテインメント・コミュニケーション事業)
スポーツ事業については、阪神タイガースが、シーズンを通して戦い続け、多くのファンの方々のご声援を頂戴しました。また、阪神甲子園球場では、全国高等学校野球選手権大会(夏の高校野球)が第100回記念大会を迎え、連日多くのお客様にご来場いただき、大いに賑わいました。
ステージ事業については、歌劇事業において、月組公演「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」、雪組公演「ファントム」等の各公演が好評を博し、宝塚大劇場では、現在の劇場が1993年に開場して以来、過去最高の入場者数となりました。また、3年ぶりに3回目の台湾公演を行い、前回に引き続き盛況のうちに終わりました。
コミュニケーションメディア事業については、情報サービス事業において、交通システム分野等で受注が増加したほか、放送・通信事業においては、ケーブルテレビの加入者数の維持拡大に努めました。
このほか、六甲山地区においては、六甲山の自然・眺望と多様なコンテンツを組み合わせた様々なイベントや企画を開催し、さらなる集客に努めました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ54億53百万円(4.5%)増加し、1,265億31百万円となり、営業利益は前期に比べ10億8百万円(5.7%)増加し、187億59百万円となりました。
※ 2019年度より、一層の事業競争力の強化等を目的として、コミュニケーションメディア事業を「情報・通信事業」に改称のうえエンタテインメント・コミュニケーション事業から独立させるとともに、従前のエンタテインメント・コミュニケーション事業の名称を、「エンタテインメント事業」に変更しています。
(旅行事業)
旅行事業については、海外旅行部門において、積極的な販売活動に努めたことにより、アジア方面の集客が好調に推移しました。
また、国内旅行部門においては、自然災害の影響を受け、北海道方面や中国・四国方面の集客が減少しましたが、観光支援事業費補助金(「ふっこう割」)を活用した商品を企画・販売して、回復に努めました。
一方、訪日旅行部門においては、インバウンド需要の拡大が継続する中、積極的な営業活動を展開したことにより、ヨーロッパ方面からの集客が増加しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ15億6百万円(4.4%)増加し、355億28百万円となりましたが、営業利益は、宣伝広告費等の諸費用の増加等により、前期に比べ2億91百万円(△14.2%)減少し、17億64百万円となりました。
(国際輸送事業)
国際輸送事業については、日本において海外向けの航空輸送の取扱いが堅調に推移しました。
そうした中、アジアやアメリカで物流倉庫の展開を進めるなど、ロジスティクス事業の強化を図ったほか、グローバルネットワークのさらなる拡充を図りました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ62億83百万円(7.5%)増加し、899億90百万円となりましたが、営業利益は、前期に東アジア及び欧州が好調に推移していたこと等により、前期に比べ3億84百万円(△13.9%)減少し、23億92百万円となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業については、相次いで自然災害の影響を受けるなど、厳しい事業環境のもとで推移しました。そうした中、増加する訪日外国人の宿泊需要を取り込んでいくため、ホテル阪急インターナショナルや京都新阪急ホテルの客室を改装したほか、全ての直営ホテルでスマートフォンを用いた決済サービスを導入しました。また、事業規模の拡大とさらなる競争力の強化を図るため、「レム東京京橋」や1,000室超の規模を有する「ホテル阪急レスパイア大阪」など、2019年度にオープンする新規ホテルの開業に向けた取組を進めました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ23億24百万円(△3.5%)減少し、649億23百万円となり、営業利益は前期に比べ10億1百万円(△45.2%)減少し、12億14百万円となりました。
(その他)
建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ6億5百万円(1.4%)増加し、434億17百万円となり、営業利益は前期に比べ4億4百万円(21.0%)増加し、23億33百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計については、有形固定資産や投資有価証券が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ612億97百万円増加し、2兆4,662億23百万円となりました。
負債合計については、未払金(流動負債の「その他」)等が減少したものの、長期前受工事負担金や有利子負債が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ124億29百万円増加し、1兆5,508億42百万円となりました。
純資産合計については、利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ488億68百万円増加し、9,153億81百万円となり、自己資本比率は35.9%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用し、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値と比較を行っています。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ87百万円増加し、275億89百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益885億62百万円、減価償却費541億72百万円、法人税等の支払額305億42百万円等により、1,260億35百万円の収入(前年度比7.2%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出1,378億9百万円、工事負担金等受入による収入182億52百万円等により、1,161億60百万円の支出(前年度比31.5%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純減による支出88億79百万円、社債の発行による収入198億66百万円、自己株式の取得による支出101億99百万円、配当金の支払額98億96百万円等により、111億71百万円の支出(前年度比74.2%減)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント・コミュニケーション事業、旅行事業、国際輸送事業及びホテル事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、
「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
② 資本の財源及び資金の流動性
a 有利子負債
当連結会計年度末現在の有利子負債の概要は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
(※1)1年内返済予定の長期借入金は、「(2) 長期借入金」に含めています。
(※2)「(4) リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。
また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、当連結会計年度末における債務保証額は346億44百万円です。
b 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む連結有利子負債残高は8,770億55百万円です。
③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
2018年度は、国際輸送事業において航空輸送の収入が想定を上回ったほか、歌劇事業の各公演の稼働が好調に推移したものの、自然災害の影響を受けたこと等により減収となりましたが、営業利益は各事業においてコスト削減に努めたこと等により、計画に比べ49億円(4.5%)増加し1,149億円となり、またこれに伴い、EBITDAは、計画に比べ34億円(2.0%)増加し1,714億円となりました。
有利子負債残高は、相応の規模の設備投資を行いながらも、EBITDAの伸長等により計画に比べ229億円(△2.5%)減少し8,771億円となり、この結果、有利子負債/EBITDA倍率は5.1倍と計画時の想定から0.3ポイント改善し、D/Eレシオは計画どおりとなりました。
しかしながら、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益が増加したものの、北神急行線に係る鉄道資産の譲渡合意に伴う損失の計上等により、計画に比べ45億円(△6.5%)減少し655億円となり、ROEは、計画に比べ0.5ポイント減少し7.6%となりました。
(※1)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
(※2)D/Eレシオ=有利子負債/自己資本
当連結会計年度における当社グループの経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりです。
① 経営成績の状況
当期のわが国経済は、先行き不透明な中で推移したものの、良好な雇用環境等を背景に、緩やかな回復基調が続きました。
この間、当社グループにおいては、「阪急阪神ホールディングスグループ 長期ビジョン2025」の実現に向けて、グループ経営機能を担う当社のもと、中核会社を中心に、各コア事業の競争力強化を図るとともに、コア事業間の連携を通じてグループ総合力の発揮に努めました。
これらの結果、自然災害の影響を受けたものの、不動産事業において彩都東部地区(大阪府茨木市)の施設用地を売却したことや、都市交通事業及びエンタテインメント・コミュニケーション事業が堅調に推移したこと等により、営業収益、営業利益及び経常利益はいずれも増加し、過去最高となりました。しかしながら、北神急行線に係る鉄道資産の譲渡合意に伴う特別損失を計上したこと等により、親会社株主に帰属する当期純利益は減少しました。
当期の当社グループの成績は次のとおりです。
当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | 対前連結会計年度比較 | ||
増減額 | 増減率(%) | ||
営業収益 | 7,914億27百万円 | 311億74百万円 | 4.1 |
営業利益 | 1,149億37百万円 | 97億26百万円 | 9.2 |
経常利益 | 1,105億43百万円 | 67億68百万円 | 6.5 |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 654億76百万円 | △8億85百万円 | △1.3 |
セグメント別の業績は次のとおりです。
(都市交通事業)
鉄道事業については、阪急電鉄において、より安全にご利用いただくため、十三駅の一部のホームに可動式ホーム柵を設置したほか、阪神電気鉄道において、洪水・高潮への対策等を目的として、阪神なんば線の淀川橋梁改築工事に着手しました。また、阪急電鉄において、観光特急「京とれいん」の2編成目となる「京とれいん 雅洛」の運行を開始したほか、阪神電気鉄道において、阪神なんば線が2019年3月20日に開通10周年を迎えたことを受け、ラッピング列車の運行をはじめ様々な企画イベントを実施するなど、さらなる旅客誘致に努めました。このほか、阪急電鉄、阪神電気鉄道、能勢電鉄及び北大阪急行電鉄において、ICOCA及びICOCA定期券の販売を開始するなど、お客様の利便性の向上に取り組みました。
自動車事業については、阪急バスにおいて、大阪梅田等のバスターミナルで多言語による案内サービスを充実させたほか、阪神バス及び大阪空港交通において、空港リムジンバスの車内に無料の公衆無線LANサービスを導入するなど、訪日外国人の利便性の向上に努めました。
流通事業については、阪急洛西口駅付近の連続立体交差化事業による高架下の駅周辺部において、「TauT 阪急洛西口」の第1期エリアをオープンしました。
これらの結果、自然災害の影響を受けたものの、阪急線・阪神線が堅調に推移したこと等により、営業収益は前期に比べ25億94百万円(1.1%)増加し、2,385億62百万円となり、営業利益は前期に比べ18億69百万円(4.5%)増加し、434億55百万円となりました。
事業の内容 | 当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | |
営業収益 | 対前連結会計年度 増減率(%) | |
鉄道事業 | 1,528億48百万円 | 0.4 |
自動車事業 | 494億76百万円 | 3.2 |
流通事業 | 302億86百万円 | △1.0 |
広告事業 | 89億96百万円 | 3.2 |
都市交通その他事業 | 94億52百万円 | 9.0 |
調整額 | △124億98百万円 | - |
合計 | 2,385億62百万円 | 1.1 |
・ 阪急電鉄㈱運輸成績表
区分 | 当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | 対前連結会計年度 増減率(%) | |||
営業日数 | (日) | 365 | - | ||
営業キロ | (キロ) | 143.6 | - | ||
客車走行キロ | (千キロ) | 165,702 | △0.8 | ||
定期 | (千人) | 337,778 | 0.8 | ||
旅客人員 | 定期外 | (千人) | 318,158 | △0.6 | |
合計 | (千人) | 655,936 | 0.2 | ||
定期 | (百万円) | 33,456 | 0.8 | ||
運輸収入 | 旅客運賃 | 定期外 | (百万円) | 63,059 | △0.1 |
合計 | (百万円) | 96,516 | 0.2 | ||
運輸雑収 | (百万円) | 6,125 | △3.1 | ||
運輸収入合計 | (百万円) | 102,641 | △0.0 | ||
乗車効率 | (%) | 43.9 | - |
・ 阪神電気鉄道㈱運輸成績表
区分 | 当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | 対前連結会計年度 増減率(%) | |||
営業日数 | (日) | 365 | - | ||
営業キロ | (キロ) | 48.9 | - | ||
客車走行キロ | (千キロ) | 44,782 | △0.5 | ||
定期 | (千人) | 124,353 | 1.9 | ||
旅客人員 | 定期外 | (千人) | 121,012 | 1.2 | |
合計 | (千人) | 245,366 | 1.5 | ||
定期 | (百万円) | 12,024 | 1.9 | ||
運輸収入 | 旅客運賃 | 定期外 | (百万円) | 22,030 | 1.8 |
合計 | (百万円) | 34,054 | 1.9 | ||
運輸雑収 | (百万円) | 2,633 | 0.7 | ||
運輸収入合計 | (百万円) | 36,688 | 1.8 | ||
乗車効率 | (%) | 42.1 | - |
(注)1 上表は、第1種鉄道事業及び第2種鉄道事業の合計です。
2 客車走行キロは、社用、試運転、営業回送を含みません。なお、営業回送を含めた客車走行キロは、阪急電鉄㈱が169,358千キロ、阪神電気鉄道㈱が46,640千キロです。
3 乗車効率の算出方法
乗車効率 = 延人キロ(駅間通過人員×駅間キロ程)/(客車走行キロ×平均定員)× 100
(不動産事業)
不動産賃貸事業については、阪急西宮北口駅直結の「阪急西宮ガーデンズ ゲート館」(兵庫県西宮市)等を開業したほか、阪神西宮駅の商業施設「エビスタ西宮」(兵庫県西宮市)を増床リニューアルしました。また、阪急梅田駅北側高架下の一部を「茶屋町あるこ」(大阪市北区)としてリニューアルオープンするなど、商業施設やオフィスビルの競争力の強化と稼働率の維持向上等に取り組みました。
大規模開発事業「梅田1丁目1番地計画(ビル名称:大阪梅田ツインタワーズ・サウス)」については、2018年4月にI期棟が予定どおり竣工し、6月から新しい阪神百貨店が部分開業するとともに、引き続き2022年春の全体竣工に向けてⅡ期棟部分の工事に取り掛かりました。このほか、当社グループが参画するコンソーシアムが「うめきた(大阪駅北地区)2期地区」の開発事業者に選定され、2027年春の全体まちびらきに向けて新たな大規模プロジェクトがスタートしました。
不動産分譲事業については、マンション分譲では、「ジオ京都桂川」(京都市南区)、「ジオ宝塚南口」(兵庫県宝塚市)、「ジオ新宿若松町」(東京都新宿区)、「ジオ千代田大手町」(東京都千代田区)等を販売しました。また、宅地戸建分譲では、「阪急彩都ガーデンウエスト」(大阪府箕面市)、「阪急宝塚山手台フォルテ・ガーデン」(兵庫県宝塚市)、「ハピアガーデン向山三丁目」(東京都練馬区)等を販売しました。
海外不動産事業については、ベトナムやタイ等のアセアン諸国でマンション・戸建分譲に取り組むなど、事業規模の拡大に努めました。
これらの取組に加え、彩都東部地区(大阪府茨木市)の施設用地を売却したこと等により、営業収益は前期に比べ146億89百万円(6.6%)増加し、2,372億76百万円となり、営業利益は前期に比べ82億95百万円(20.3%)増加し、492億50百万円となりました。
事業の内容 | 当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | |
営業収益 | 対前連結会計年度 増減率(%) | |
賃貸事業 | 1,111億24百万円 | 4.1 |
分譲・その他事業 | 1,444億70百万円 | 8.2 |
調整額 | △183億18百万円 | - |
合計 | 2,372億76百万円 | 6.6 |
(エンタテインメント・コミュニケーション事業)
スポーツ事業については、阪神タイガースが、シーズンを通して戦い続け、多くのファンの方々のご声援を頂戴しました。また、阪神甲子園球場では、全国高等学校野球選手権大会(夏の高校野球)が第100回記念大会を迎え、連日多くのお客様にご来場いただき、大いに賑わいました。
ステージ事業については、歌劇事業において、月組公演「エリザベート-愛と死の輪舞(ロンド)-」、雪組公演「ファントム」等の各公演が好評を博し、宝塚大劇場では、現在の劇場が1993年に開場して以来、過去最高の入場者数となりました。また、3年ぶりに3回目の台湾公演を行い、前回に引き続き盛況のうちに終わりました。
コミュニケーションメディア事業については、情報サービス事業において、交通システム分野等で受注が増加したほか、放送・通信事業においては、ケーブルテレビの加入者数の維持拡大に努めました。
このほか、六甲山地区においては、六甲山の自然・眺望と多様なコンテンツを組み合わせた様々なイベントや企画を開催し、さらなる集客に努めました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ54億53百万円(4.5%)増加し、1,265億31百万円となり、営業利益は前期に比べ10億8百万円(5.7%)増加し、187億59百万円となりました。
※ 2019年度より、一層の事業競争力の強化等を目的として、コミュニケーションメディア事業を「情報・通信事業」に改称のうえエンタテインメント・コミュニケーション事業から独立させるとともに、従前のエンタテインメント・コミュニケーション事業の名称を、「エンタテインメント事業」に変更しています。
事業の内容 | 当連結会計年度 (自 2018年4月 1日 至 2019年3月31日) | |
営業収益 | 対前連結会計年度 増減率(%) | |
スポーツ事業 | 371億67百万円 | 1.0 |
ステージ事業 | 349億35百万円 | 2.6 |
コミュニケーションメディアその他事業 | 558億97百万円 | 8.7 |
調整額 | △14億68百万円 | - |
合計 | 1,265億31百万円 | 4.5 |
(旅行事業)
旅行事業については、海外旅行部門において、積極的な販売活動に努めたことにより、アジア方面の集客が好調に推移しました。
また、国内旅行部門においては、自然災害の影響を受け、北海道方面や中国・四国方面の集客が減少しましたが、観光支援事業費補助金(「ふっこう割」)を活用した商品を企画・販売して、回復に努めました。
一方、訪日旅行部門においては、インバウンド需要の拡大が継続する中、積極的な営業活動を展開したことにより、ヨーロッパ方面からの集客が増加しました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ15億6百万円(4.4%)増加し、355億28百万円となりましたが、営業利益は、宣伝広告費等の諸費用の増加等により、前期に比べ2億91百万円(△14.2%)減少し、17億64百万円となりました。
(国際輸送事業)
国際輸送事業については、日本において海外向けの航空輸送の取扱いが堅調に推移しました。
そうした中、アジアやアメリカで物流倉庫の展開を進めるなど、ロジスティクス事業の強化を図ったほか、グローバルネットワークのさらなる拡充を図りました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ62億83百万円(7.5%)増加し、899億90百万円となりましたが、営業利益は、前期に東アジア及び欧州が好調に推移していたこと等により、前期に比べ3億84百万円(△13.9%)減少し、23億92百万円となりました。
(ホテル事業)
ホテル事業については、相次いで自然災害の影響を受けるなど、厳しい事業環境のもとで推移しました。そうした中、増加する訪日外国人の宿泊需要を取り込んでいくため、ホテル阪急インターナショナルや京都新阪急ホテルの客室を改装したほか、全ての直営ホテルでスマートフォンを用いた決済サービスを導入しました。また、事業規模の拡大とさらなる競争力の強化を図るため、「レム東京京橋」や1,000室超の規模を有する「ホテル阪急レスパイア大阪」など、2019年度にオープンする新規ホテルの開業に向けた取組を進めました。
これらの結果、営業収益は前期に比べ23億24百万円(△3.5%)減少し、649億23百万円となり、営業利益は前期に比べ10億1百万円(△45.2%)減少し、12億14百万円となりました。
(その他)
建設業等その他の事業については、営業収益は前期に比べ6億5百万円(1.4%)増加し、434億17百万円となり、営業利益は前期に比べ4億4百万円(21.0%)増加し、23億33百万円となりました。
② 財政状態の状況
当連結会計年度末の資産合計については、有形固定資産や投資有価証券が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ612億97百万円増加し、2兆4,662億23百万円となりました。
負債合計については、未払金(流動負債の「その他」)等が減少したものの、長期前受工事負担金や有利子負債が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ124億29百万円増加し、1兆5,508億42百万円となりました。
純資産合計については、利益剰余金が増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ488億68百万円増加し、9,153億81百万円となり、自己資本比率は35.9%となりました。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用し、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値と比較を行っています。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物については、前連結会計年度末に比べ87百万円増加し、275億89百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローについては、税金等調整前当期純利益885億62百万円、減価償却費541億72百万円、法人税等の支払額305億42百万円等により、1,260億35百万円の収入(前年度比7.2%減)となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローについては、固定資産の取得による支出1,378億9百万円、工事負担金等受入による収入182億52百万円等により、1,161億60百万円の支出(前年度比31.5%増)となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローについては、借入金の純減による支出88億79百万円、社債の発行による収入198億66百万円、自己株式の取得による支出101億99百万円、配当金の支払額98億96百万円等により、111億71百万円の支出(前年度比74.2%減)となりました。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント・コミュニケーション事業、旅行事業、国際輸送事業及びホテル事業など多種多様な事業を営んでいるため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。このため、生産、受注及び販売の実績については、
「① 経営成績の状況」におけるセグメント別の業績に関連付けて示しています。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されています。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び報告期間における収入・費用の金額並びに開示に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積りについては、過去の実績や状況等に応じ合理的に判断を行っていますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
なお、当社グループの連結財務諸表で採用されている重要な会計方針は、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等」「(1) 連結財務諸表」「注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。
② 資本の財源及び資金の流動性
a 有利子負債
当連結会計年度末現在の有利子負債の概要は、以下のとおりです。
(単位:百万円)
有利子負債 | 年度別要支払額 | ||||
1年以内 | 1年超 3年以内 | 3年超 5年以内 | 5年超 | 合計 | |
(1) 短期借入金(※1) | 102,670 | - | - | - | 102,670 |
(2) 長期借入金(※1) | 34,365 | 86,549 | 135,696 | 399,129 | 655,740 |
(3) 社債 | 20,000 | 35,000 | 17,000 | 40,000 | 112,000 |
(4) リース債務(※2) | 1,567 | 2,557 | 1,846 | 672 | 6,644 |
合計 | 158,603 | 124,106 | 154,542 | 439,802 | 877,055 |
(※1)1年内返済予定の長期借入金は、「(2) 長期借入金」に含めています。
(※2)「(4) リース債務」は、流動負債と固定負債のリース債務の合計です。
また、当社グループの第三者に対する保証は、関係会社の借入金等に対する債務保証です。保証した借入金等の債務不履行が保証期間に発生した場合、当社グループが代わりに弁済する義務があり、当連結会計年度末における債務保証額は346億44百万円です。
b 財務政策
当社グループは、運転資金及び設備資金等については、内部資金または借入金及び社債により資金を調達することとしています。このうち、長期借入金及び社債にて調達した資金については、その大半を回収期間が長期にわたる鉄道事業や不動産賃貸事業を中心とした固定資産の取得等に充当しています。また、これらの資金は、固定金利に比重を置いた調達を実施しています。
なお、当連結会計年度末における借入金、社債及びリース債務を含む連結有利子負債残高は8,770億55百万円です。
③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗状況
2018年度は、国際輸送事業において航空輸送の収入が想定を上回ったほか、歌劇事業の各公演の稼働が好調に推移したものの、自然災害の影響を受けたこと等により減収となりましたが、営業利益は各事業においてコスト削減に努めたこと等により、計画に比べ49億円(4.5%)増加し1,149億円となり、またこれに伴い、EBITDAは、計画に比べ34億円(2.0%)増加し1,714億円となりました。
有利子負債残高は、相応の規模の設備投資を行いながらも、EBITDAの伸長等により計画に比べ229億円(△2.5%)減少し8,771億円となり、この結果、有利子負債/EBITDA倍率は5.1倍と計画時の想定から0.3ポイント改善し、D/Eレシオは計画どおりとなりました。
しかしながら、親会社株主に帰属する当期純利益は、営業利益が増加したものの、北神急行線に係る鉄道資産の譲渡合意に伴う損失の計上等により、計画に比べ45億円(△6.5%)減少し655億円となり、ROEは、計画に比べ0.5ポイント減少し7.6%となりました。
指標 | 2018年度 (実績) | 2018年度 (計画) | 2018年度 (計画比) |
営業利益 | 1,149億円 | 1,100億円 | 49億円増(4.5%増) |
EBITDA(※1) | 1,714億円 | 1,680億円 | 34億円増(2.0%増) |
有利子負債 | 8,771億円 | 9,000億円 | 229億円減(2.5%減) |
有利子負債/EBITDA倍率 | 5.1倍 | 5.4倍 | 0.3ポイント減 |
D/Eレシオ(※2) | 1.0倍 | 1.0倍 | - |
親会社株主に帰属する 当期純利益 | 655億円 | 700億円 | 45億円減(6.5%減) |
ROE | 7.6% | 8.1% | 0.5ポイント減 |
(※1)EBITDA=営業利益+減価償却費+のれん償却額
(※2)D/Eレシオ=有利子負債/自己資本