四半期報告書-第63期第1四半期(平成30年4月1日-平成30年6月30日)

【提出】
2018/08/10 15:02
【資料】
PDFをみる
【項目】
26項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 平成30年2月16日)等を当第1四半期連結会計期間の期首から適用しており、財政状態の状況については、当該会計基準等を遡って適用した後の数値で前連結会計年度との比較・分析を行っております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期における内外経済は、国内では、企業収益の改善と良好な雇用環境を背景に、輸出や個人消費が持ち直し、緩やかな回復基調で推移しました。海外でも、一部の新興国における通貨安や貿易摩擦の深刻化への懸念はあるものの、米国や欧州など総じて堅調に推移しました。
この環境下、当第1四半期連結累計期間の売上高は、デジタルカメラ事業の撤退による売上減の影響もあり、668億円(前年同四半期比4.3%減)となりました。セグメント別内訳は、コンシューマが571億円(前年同四半期比4.4%減)、システムが80億円(前年同四半期比1.9%減)、その他が16億円(前年同四半期比9.2%減)となりました。
時計は第1四半期発売の新製品が軒並み好調に推移し増収、中でも「G-SHOCK」の初号機5000シリーズ初のフルメタル仕様モデル『GMW-B5000』、「G-SHOCK」の新たな耐衝撃構造を採用し、小型・薄型化を実現した『MTG-B1000』、「OCEANUS」のベゼルに日本の伝統技法である江戸切子を用いた『OCW-S4000C』が好調に推移しました。第1四半期発売の新製品効果は第2四半期以降に本格的に寄与します。電卓は海外の学生向け関数電卓が引き続き好調に推移し増収、電子辞書は前第1四半期の特需の反動で減収、楽器は欧州、新興国が好調に推移しました。
損益につきましては、営業利益は、コンシューマが89億円(前年同四半期比13.0%増)、システムが4億円の営業損失(前年同四半期 営業損失0.3億円)、その他が0.4億円(前年同四半期比53.1%減)、調整額が△19億円で66億円(前年同四半期比0.7%増)となりました。
時計は収益性の高い新製品の販売が好調に推移し高収益性を維持、電卓は海外で関数電卓が好調に推移し収益性を確保、楽器は構造改革効果により赤字額が縮小、システムは季節要因等により赤字となりました。
また、経常利益は61億円(前年同四半期比5.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は48億円(前年同四半期比15.1%増)、1株当たり四半期純利益(EPS)は19円54銭と改善しました。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形及び売掛金の減少などにより、前連結会計年度末比175億円減少の3,466億円となりました。純資産は、前連結会計年度末比19億円減少の2,047億円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末比2.3ポイント増の59.1%に改善されました。
当グループ(当社及び当社の関係会社)は今後も引き続き事業資産の効率的運営の徹底を図り、安定的かつ強靭な財務体質の構築に取り組みます。
(2) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当第1四半期連結累計期間において、当グループが対処すべき課題について、重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費は1,697百万円であります。
当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。
当連結会計年度においては、商品企画機能とマーケティング機能を統合した事業戦略本部を設立、事業戦略本部の立てた戦略を実現するために、効率的なものづくりを行う開発本部を設置しました。また、新規事業の開発を強力に推し進めるべく、事業開発センターを設置しました。各々の事業の垣根を越えた横断的技術融合を促進するための体制のもと、既存事業の拡大と新規事業の確立に繋げてまいります。
主な成果は次のとおりであります。
◎ 新しい耐衝撃構造を採用した“G-SHOCK”
新たな耐衝撃構造を採用し、小型・薄型化を実現した耐衝撃ウオッチ「MTG-B1000」を開発しました。ベゼルと裏蓋を4本のメタルパイプで連結する従来の構造から、ベゼルと裏蓋を面状のパーツで連結して箱型のフレームを形成することで、耐衝撃性を高めています。それに合わせて、パーツの配置を組み替えたことにより小型化と薄型化も実現し、腕に馴染みやすいサイズに仕上げました。
◎ ハイスペックな機能を小型サイズで実現した“PRO TREK”
方位・気圧/高度・温度を高精度で計測する機能性に加えて、優れた装着性と視認性を兼ね備えた小型のアウトドアウオッチ「PRW-60」を開発しました。ケースとバンドを繋ぐかん足を裏蓋と一体化させた新しい構造“CROSS FRAME STRUCTURE”の採用と、りゅうず内部のバネ、センサーの位置を見直して、ケースサイズを縦方向にマイナス7.5mm、横方向にマイナス4.4mmの小型化を実現しました。また、時分針とインデックスに施した特殊な蛍光体インクや蓄光塗料が紫外線LEDに反応して発光するネオンイルミネーターにより、暗所での視認性を確保しています。