四半期報告書-第68期第2四半期(2023/07/01-2023/09/30)

【提出】
2023/11/13 9:52
【資料】
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【項目】
40項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における世界経済は、一部の地域においては景気の持ち直しが見られるものの、欧米における金融引き締めやエネルギー価格の上昇による経済の停滞、中国における不動産不況による景気の減速、また地政学リスクの高まりなどから不安定な状況が継続しました。
この環境下、当第2四半期連結累計期間の売上高は、時計が817億円(前年同四半期比2.5%増)、コンシューマが437億円(前年同四半期比0.7%増)、システムが54億円(前年同四半期比27.3%減)、その他が26億円(前年同四半期比0.5%減)で、1,335億円(前年同四半期比0.2%増)となりました。
時計は、「G-SHOCK」は販売個数が減少したものの、単価の上昇が継続しました。また、欧州が堅調を持続し、インフレ影響が続く北米が持ち直す一方で、中国は前連結累計期間比で減収となるなど、地域別に異なる状況でした。全体としては期初計画を上回り、売上高は増収となりました。
EdTech(教育)は、電子辞書は低調に推移しましたが、関数電卓はコロナ後の教育現場の正常化、及び新機種「New ClassWiz」の展開が順調に進み、増収となりました。サウンド(楽器)は、エントリーモデルを中心に市場の減速傾向が継続し、減収となりました。
システムは、市場の需要減退が継続し、前期にPA事業で大型の受注があったことから減収となりました。
営業利益は、時計が106億円(前年同四半期比16.5%減)、コンシューマが18億円(前年同四半期比32.0%減)、システムが13億円の営業損失(前年同四半期 営業損失15億円)、その他が1億円(前年同四半期比28.5%減)、調整額が△31億円で81億円(前年同四半期比18.9%減)となりました。
また、経常利益は105億円(前年同四半期比8.8%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は72億円(前年同四半期比12.5%減)、1株当たり四半期純利益(EPS)は30円79銭となりました。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比81億円増加の3,433億円となりました。純資産は、自己株式の取得による減少があったものの為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末比11億円増加の2,227億円となりました。その結果、自己資本比率は64.9%となりました。
当グループ(当社及び当社の関係会社)は今後も引き続き事業資産の効率的運営の徹底を図り、安定的かつ強靭な財務体質の構築に取り組みます。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比58億円増加の1,361億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期比180億円増加の216億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益105億円(前年同四半期 114億円)、減価償却費56億円(前年同四半期 53億円)、退職給付に係る資産の減少額57億円(前年同四半期は増加額5億円)、運転資金(売上債権、棚卸資産、仕入債務)の減少額39億円(前年同四半期は増加額75億円)、法人税等の支払額31億円(前年同四半期 22億円)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、投資活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期15億円の収入に対し56億円の支出となりました。主な内訳は、定期預金の預入・払戻による純支出9億円(前年同四半期は純収入6億円)、固定資産の取得による支出49億円(前年同四半期 60億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入2億円(前年同四半期 70億円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、財務活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期と比べて68億円支出が増加し、155億円の支出となりました。主な内訳は、自己株式の取得による支出91億円(前年同四半期 22億円)、配当金の支払額53億円(前年同四半期 54億円)であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当グループ(当社及び当社の関係会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費は2,593百万円であります。
当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。
研究開発体制は、当第2四半期連結累計期間においては、要素技術から製品・サービスの開発までを一貫して行うべく、開発本部と技術本部を統合して開発本部としました。開発本部傘下には、コア技術の研究開発と事業デザインを推進する事業イノベーションセンターを新設しています。一方、新規事業の早期立ち上げのため、NBセンター(New Businessセンター)を新たに設置しました。
主な成果は次のとおりであります。
(時計)
◎ 二重液晶により計測値の視認性を高めた防塵・防泥の“G-SHOCK MUDMAN”
防塵・防泥構造の耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK MUDMAN”の新製品として、方位計測の視認性を高める二層液晶を採用しながら、薄型化により装着性を高めた「GW-9500」を開発しました。
「GW-9500」は、陸・海・空それぞれの過酷な環境で性能を発揮する“Master of G”シリーズの“MUDMAN”として、土砂やがれきが山積・散乱する陸でのミッションを遂行するレスキュー隊などの使用を想定しています。視界が阻まれた環境でも必要な情報を視認しやすくするために二層液晶を採用し、上層の液晶では大きな十字のグラフィックによって方位を、下層の液晶で時刻や計測値を表示します。
さらに、ベゼルに切削した風防ガラスをはめ合わせる構造などの採用により、従来機種GW-9300と比べて3.4mmの薄型化を実現しました。そのほか、センサーを計測・表示するダイレクトボタンやフロントボタンを大型で泥水などを排出しやすい形状にし、操作性も確保しました。
◎ スケルトン素材で内部部品を見せる“G-SHOCK”
“G-SHOCK”40周年記念モデルとして、ケースやバンド、ボタンなどにスケルトン素材を採用し、モジュールや回路基板などの内部の部品を見せるデザインとした『CLEAR REMIX(クリア リミックス)』シリーズを開発しました。
「DW-5040/DWE-5640」は、ELバックライトをLEDライトに変更。不透明なEL素子を透明な導光板に変えることで、基板が透けて見えるようにしました。LEDの光は、導光板によって液晶全体を明るく見せることができます。
「GA-114RX/GMA-S114RX」と「DW-6940RX」は、“G-SHOCK”初の試みとして、ケースとサイドボタンに耐候性に優れた透明なガラス繊維強化樹脂を採用しました。