有価証券報告書-第62期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
当連結会計年度における当グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度における内外経済は、日本や欧米では企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復基調で推移し、中国や新興国でも持ち直しの動きが見られ、総じて堅調に推移しました。
このような環境のもと、当グループは、時計事業や関数電卓・電子辞書を中心とした教育事業などの高収益事業では、既に確立された強いビジネスモデルを軸に、引き続き継続的な改善を進めながら、事業の持続的な拡大を目指してまいりました。また、デジタルカメラや楽器、プロジェクターなどの課題事業については抜本的な体質改善を図るべく取り組むと共に、新たな柱となり収益に貢献できる新ジャンル及び新規事業の創造についても強力に推進してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,147億円(前期比2.0%減)、営業利益は295億円(前期比3.5%減)となり、通期業績は減収減益となりましたが、市場の大幅な縮小を受けてのコンパクトカメラ市場からの事業撤退や、機構改革として、事業戦略を見直し収益拡大を実現できる組織体制を確立するなど、抜本的な事業構造改革推進のスタート地点に立つことが出来ました。
なお、経常利益は287億円(前期比9.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は195億円(前期比6.3%増)となり、1株当たり当期純利益(EPS)は79円42銭(前期比9.3%増)と改善しました。
当グループは創立以来、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、ゼロから1を生む独創的な発想と先進的な技術をもって、社会への貢献を実践することにより、企業としての成長を図り企業価値を高めることを経営の使命と考えております。これからも、ユーザーファーストの視点で世の中に貢献できる新たな商品を創造し続けるべく、全社を挙げて事業構造改革を成し遂げ、安定的・継続的な収益基盤を確立してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(コンシューマ)
<時計事業>「G-SHOCK」の35周年マーケティング効果などにより引き続き堅調に推移しました。なかでも、中価格帯の「G-STEEL」が年間を通じて好調に推移し、事業全体の成長を牽引しました。
<教育事業>新市場の開拓や学生の授業・試験の変化に柔軟に対応する取り組みにより、海外の学生向関数電卓が、引き続き好調に推移しました。また、楽器については、自社生産体制強化、ラインアップ効率化、新音源の開発などの事業構造改革の実施により、収益性の改善基盤を確立しました。
<デジタルカメラ事業>コンパクトカメラ市場の急激な縮小の中で、今後の成長を慎重に見極めた結果、同事業からの撤退を決定しました。この決定に伴い、特別損失を計上しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は、2,689億円(前期比1.4%減)となりました。損益につきましては、350億円の営業利益(前期比5.8%減)となりました。時計は収益性の高い製品の販売が好調に推移し高収益性を維持、電卓は海外で関数電卓が好調に推移し収益性を確保、デジタルカメラはコンパクトデジタルカメラ市場からの撤退に向けた費用計上により赤字幅が拡大しました。
(システム)
前期、採算性の低かったプリンター事業等から撤退したことにより、収益力を大幅に改善し営業利益の黒字化を図りました。
当セグメントの売上高は、383億円(前期比3.6%減)、損益につきましては、安定した収益基盤を確保し5億円の営業利益(前期 営業損失22億円)となりました。
(その他)
当セグメントは、金型などのグループ会社の独自事業等であり、その売上高は、75億円(前期比12.6%減)、損益につきましては、5億円の営業利益(前期比70.1%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)財政状態
連結会計年度末の総資産は、前期比129億円増の3,643億円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加などにより、前期比103億円増の2,438億円となりました。固定資産は、建物及び構築物の取得、投資有価証券の増加などにより前期比25億円増の1,205億円となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(コンシューマ)
当セグメントの資産は、山形カシオの時計専用工場などを中心とする設備投資などにより、前期比24億円増の1,925億円となりました。
(システム)
当セグメントの資産は、前期に行った事業構造改革の影響などにより、前期比34億円減の373億円となりました。
(その他)
当セグメントの資産は、前期比19億円減の180億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前期比25億円増の1,577億円となりました。流動負債は、未払法人税等、及び未払費用の増加、長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替などにより、前期比182億円増の937億円、固定負債は、長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替などにより、前期比156億円減の639億円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の増加などにより前期比103億円増の2,066億円となりました。
当グループは、財務安全性を確保しながら利益の大幅な拡大により、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。この結果、ROEは、前期比0.5ポイント増の9.7%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比66億円増加の345億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益246億円(前期234億円)、減価償却費93億円(前期97億円)、運転資金(売上債権、たな卸資産、仕入債務)の減少額52億円(前期は減少額18億円)、法人税等の支払額35億円(前期69億円)などであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比べて50億円支出が増加し、83億円の支出となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出104億円(前期89億円)、有形固定資産の売却による収入6億円(前期35億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入15億円(前期は純収入17億円)などであります。
これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、前期比15億円増加の262億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出149億円などがあった前期と比べて、203億円支出が減少し、105億円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額98億円(前期108億円)などであります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比157億円増加の1,345億円となり、十分な流動性資金を確保しております。
当グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金及び設備投資資金です。なお、営業費用の主なものは、人件費、研究開発費、広告宣伝費、販売促進費などです。
当連結会計年度における資金調達につきましては、特記すべき事項はございません。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)経営成績
当連結会計年度における内外経済は、日本や欧米では企業収益や雇用環境の改善により緩やかな回復基調で推移し、中国や新興国でも持ち直しの動きが見られ、総じて堅調に推移しました。
このような環境のもと、当グループは、時計事業や関数電卓・電子辞書を中心とした教育事業などの高収益事業では、既に確立された強いビジネスモデルを軸に、引き続き継続的な改善を進めながら、事業の持続的な拡大を目指してまいりました。また、デジタルカメラや楽器、プロジェクターなどの課題事業については抜本的な体質改善を図るべく取り組むと共に、新たな柱となり収益に貢献できる新ジャンル及び新規事業の創造についても強力に推進してまいりました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は3,147億円(前期比2.0%減)、営業利益は295億円(前期比3.5%減)となり、通期業績は減収減益となりましたが、市場の大幅な縮小を受けてのコンパクトカメラ市場からの事業撤退や、機構改革として、事業戦略を見直し収益拡大を実現できる組織体制を確立するなど、抜本的な事業構造改革推進のスタート地点に立つことが出来ました。
なお、経常利益は287億円(前期比9.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は195億円(前期比6.3%増)となり、1株当たり当期純利益(EPS)は79円42銭(前期比9.3%増)と改善しました。
当グループは創立以来、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、ゼロから1を生む独創的な発想と先進的な技術をもって、社会への貢献を実践することにより、企業としての成長を図り企業価値を高めることを経営の使命と考えております。これからも、ユーザーファーストの視点で世の中に貢献できる新たな商品を創造し続けるべく、全社を挙げて事業構造改革を成し遂げ、安定的・継続的な収益基盤を確立してまいります。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(コンシューマ)
<時計事業>「G-SHOCK」の35周年マーケティング効果などにより引き続き堅調に推移しました。なかでも、中価格帯の「G-STEEL」が年間を通じて好調に推移し、事業全体の成長を牽引しました。
<教育事業>新市場の開拓や学生の授業・試験の変化に柔軟に対応する取り組みにより、海外の学生向関数電卓が、引き続き好調に推移しました。また、楽器については、自社生産体制強化、ラインアップ効率化、新音源の開発などの事業構造改革の実施により、収益性の改善基盤を確立しました。
<デジタルカメラ事業>コンパクトカメラ市場の急激な縮小の中で、今後の成長を慎重に見極めた結果、同事業からの撤退を決定しました。この決定に伴い、特別損失を計上しました。
これらの結果、当セグメントの売上高は、2,689億円(前期比1.4%減)となりました。損益につきましては、350億円の営業利益(前期比5.8%減)となりました。時計は収益性の高い製品の販売が好調に推移し高収益性を維持、電卓は海外で関数電卓が好調に推移し収益性を確保、デジタルカメラはコンパクトデジタルカメラ市場からの撤退に向けた費用計上により赤字幅が拡大しました。
(システム)
前期、採算性の低かったプリンター事業等から撤退したことにより、収益力を大幅に改善し営業利益の黒字化を図りました。
当セグメントの売上高は、383億円(前期比3.6%減)、損益につきましては、安定した収益基盤を確保し5億円の営業利益(前期 営業損失22億円)となりました。
(その他)
当セグメントは、金型などのグループ会社の独自事業等であり、その売上高は、75億円(前期比12.6%減)、損益につきましては、5億円の営業利益(前期比70.1%増)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
① 生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
コンシューマ | 252,914 | △1.1 |
システム | 32,761 | +4.5 |
その他 | 5,429 | △12.3 |
合計 | 291,104 | △0.7 |
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 | 金額(百万円) | 前期比(%) |
コンシューマ | 268,905 | △1.4 |
システム | 38,302 | △3.6 |
その他 | 7,583 | △12.6 |
合計 | 314,790 | △2.0 |
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)財政状態
連結会計年度末の総資産は、前期比129億円増の3,643億円となりました。流動資産は、現金及び預金の増加などにより、前期比103億円増の2,438億円となりました。固定資産は、建物及び構築物の取得、投資有価証券の増加などにより前期比25億円増の1,205億円となりました。
セグメントごとの資産は、次のとおりであります。
(コンシューマ)
当セグメントの資産は、山形カシオの時計専用工場などを中心とする設備投資などにより、前期比24億円増の1,925億円となりました。
(システム)
当セグメントの資産は、前期に行った事業構造改革の影響などにより、前期比34億円減の373億円となりました。
(その他)
当セグメントの資産は、前期比19億円減の180億円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前期比25億円増の1,577億円となりました。流動負債は、未払法人税等、及び未払費用の増加、長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替などにより、前期比182億円増の937億円、固定負債は、長期借入金から1年内返済予定の長期借入金への振替などにより、前期比156億円減の639億円となりました。
当連結会計年度末の純資産は、利益剰余金の増加などにより前期比103億円増の2,066億円となりました。
当グループは、財務安全性を確保しながら利益の大幅な拡大により、中長期的な成長とROEの持続的な向上を図ってまいります。また資本コストを意識した事業活動を推進し、資本効率の最適化やフリー・キャッシュ・フローの創造に努めることで、引き続き企業価値の向上を目指してまいります。この結果、ROEは、前期比0.5ポイント増の9.7%となりました。
(3)キャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比66億円増加の345億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益246億円(前期234億円)、減価償却費93億円(前期97億円)、運転資金(売上債権、たな卸資産、仕入債務)の減少額52億円(前期は減少額18億円)、法人税等の支払額35億円(前期69億円)などであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前期と比べて50億円支出が増加し、83億円の支出となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出104億円(前期89億円)、有形固定資産の売却による収入6億円(前期35億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入15億円(前期は純収入17億円)などであります。
これらの結果、フリー・キャッシュ・フローは、前期比15億円増加の262億円となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得による支出149億円などがあった前期と比べて、203億円支出が減少し、105億円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額98億円(前期108億円)などであります。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前期比157億円増加の1,345億円となり、十分な流動性資金を確保しております。
当グループの資金需要の主なものは、製品製造のための材料の購入費等の製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用に係わる運転資金及び設備投資資金です。なお、営業費用の主なものは、人件費、研究開発費、広告宣伝費、販売促進費などです。
当連結会計年度における資金調達につきましては、特記すべき事項はございません。