四半期報告書-第65期第2四半期(令和2年7月1日-令和2年9月30日)

【提出】
2020/11/13 11:25
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における内外経済は、米中貿易摩擦の継続に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大と各国で実施された経済活動の制限により、甚大な影響を受けました。
この環境下、当第2四半期連結累計期間の売上高は、コンシューマが921億円(前年同四半期比27.3%減)、システムが95億円(前年同四半期比40.9%減)、その他が21億円(前年同四半期比23.4%減)で1,038億円(前年同四半期比28.7%減)となりました。
時計は、世界的に緩やかな回復傾向にあり、特に中国は実店舗とEC双方で売上を拡大しました。また、「G-SHOCK」の心拍計、GPS機能を搭載したG-SQUADが引き続き好調だったほか、『GMW-B5000GD』がけん引し、グローバルで「G-SHOCK」のメタルラインが好調に推移しました。楽器は構造改革の早期完遂により事業収益構造が大幅に改善。「巣ごもり需要」の継続で日・米・欧を中心に「Slim&Smart」モデルの売上が拡大するなど、増収となりました。電子辞書は、学校の再開により高校生モデルの販売が復調する一方で、社会人・シニア向けモデルなどが消費の冷え込みの影響を受け減収。システムは、コロナ影響による需要減退で減収となりました。
営業利益は、売上高の減少に伴い利益が減少した結果、コンシューマが108億円(前年同四半期比47.8%減)、システムが24億円の営業損失(前年同四半期 営業損失5億円)、その他が1億円(前年同四半期比13.3%減)、調整額が△43億円で42億円(前年同四半期比74.7%減)となりました。
また、経常利益は45億円(前年同四半期比70.9%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益は52億円(前年同四半期比59.0%減)、1株当たり四半期純利益(EPS)は21円53銭となりました。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形及び売掛金の減少などにより、前連結会計年度末比86億円減少の3,254億円となりました。純資産は、前連結会計年度末比10億円減少の2,015億円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末比1.3ポイント増の61.9%に改善されました。
当グループ(当社及び当社の関係会社)は今後も引き続き事業資産の効率的運営の徹底を図り、安定的かつ強靭な財務体質の構築に取り組みます。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比1億円減少の1,341億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期比94億円減少の70億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益74億円(前年同四半期 179億円)、運転資金(売上債権、たな卸資産、仕入債務)の減少額2億円(前年同四半期は減少額26億円)、法人税等の支払額11億円(前年同四半期 31億円)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、投資活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期4億円の収入に対し14億円の支出となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出42億円(前年同四半期 47億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入27億円(前年同四半期は純収入51億円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、財務活動によるキャッシュ・フローは社債の償還による支出100億円などがあった前年同四半期と比べて、118億円支出が減少し、64億円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額54億円(前年同四半期 61億円)であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費は3,340百万円であります。
当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。
研究開発体制は、新規事業及び長期的視野に立脚した基礎研究・要素技術開発を担当する事業開発センター、既存事業に直結した製品化開発を担当する開発本部から構成されております。
当第2四半期連結累計期間においては、事業開発センターから分離・独立したスポーツ健康インキュベーションセンターを新設することで、スポーツ健康ビジネスの早期事業化を図ります。また、開発本部の体制を品目別から機能別に再編し、各品目が持つ技術と開発リソースを全品目で活用して開発効率を最大化すると同時に、機能別組織を横断して各品目の開発を円滑に推進するプロデュース制を導入し、開発機能の強化を図ります。
主な成果は次のとおりであります。
(コンシューマ)
◎ 光る鍵盤で初心者でも楽しめる電子キーボード
高品位な音色と豊かな表現力が特長の“AiX音源”を搭載し、初心者から楽器経験者まで幅広い方が楽しめる「LK-515」と、軽量・コンパクトサイズでグリップ付きの持ち運びしやすいデザインの「LK-315」を開発しました。メロディに合わせて光る鍵盤を追いかけることで初心者でも演奏を楽しめるほか、習熟度に合わせて3段階のステップで練習できる好評の“ステップアップレッスン”機能も搭載しています。「LK-515」は、人気のJ-POPから話題のアニメソングまで全200曲の内蔵曲に加え、スマートフォンやタブレットの専用アプリから曲を購入し、付属のオーディオケーブルをつないで追加することが可能です。
◎ パソコン・スマホと接続できるラベルライター“Lateco”
パソコンやスマートフォンでデザインしたラベルを、無線LANやUSBを経由して印刷できる「EC-P10」を開発しました。使い慣れたデバイスで操作することにより文字入力やデザインがしやすいことに加え、専用アプリに収録されたサンプルからデザインを選ぶこともできるため、より簡単にラベル作成が可能です。また、ユーザーから要望の多かった24mm幅のテープにも対応。従来の6mm・9mm・12mm・18mm幅テープと合わせて、幅広い用途でのラベル作成が可能です。
◎ Wi-Fi対応で電子黒板に画面を投影できる中国向け電子辞書
Wi-Fiに対応した中国向けの電子辞書「E-XA800/E-XA300/E-XA200/E-XA99」を開発しました。専用ソフトを使えば、教室内の電子黒板に電子辞書の画面を無線で投影しながら授業ができます。また、英語教科書の音声をダウンロードして予習や復習に活用可能です。さらに、中国における新試験制度や新課程標準に適した新規コンテンツも収録しました。検索時間などの動作速度も新しいCPUを搭載することで向上させたほか、ユーザビリティ調査を基にした新開発UIによる直感的な操作性の実現、繰り返し使用できる充電池の採用など使い勝手を高めています。
◎ デュアルコアガード構造を採用した“G-SHOCK”
新開発のデュアルコアガード構造を採用した耐衝撃ウオッチ「MTG-B2000BD/B2000D」を開発しました。ケースと裏蓋を継ぎ目なく一体化させたカーボンモノコックケースをメタルで包み込むことで、金属と樹脂の特長を融合させた“MT-G”シリーズらしく、軽量でありながら外観での美しいメタルの存在感を際立たせました。性能面では、衝撃・遠心力・振動に耐える強化構造「TRIPLE G RESIST」を備えるほか、3つのデュアルコイルモーターによってスピーディーな運針を可能にしています。さらに、標準電波の受信機能に加えて、スマートフォンの専用アプリと連携して海外での時差も自動で修正できます。
(5) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産及び販売の実績に著しい変動がありました。その内容については、「(1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
① 生産実績
当第2四半期連結累計期間の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同四半期比(%)
コンシューマ82,491△29.6
システム7,912△46.4
その他1,391△23.1
合計91,794△31.4

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当第2四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同四半期比(%)
コンシューマ92,101△27.3
システム9,564△40.9
その他2,198△23.4
合計103,863△28.7

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(6) 主要な設備
設備の新設、除却等の計画
設備投資計画(新設・補充)につきましては、新型コロナウイルス感染症拡大により合理的に算定することが困難なことから、前連結会計年度の有価証券報告書提出日現在においては未定としておりました。
当グループの当連結会計年度(自 2020年4月1日 至 2021年3月31日)の設備投資計画(新設・補充)は4,500百万円であり、セグメントごとの内訳は次のとおりであります。
セグメントの名称投資予定額
(百万円)
設備等の主な内容・目的
コンシューマ3,700新機種生産設備及び開発体制の強化のための設備等
システム400新機種生産設備及び開発体制の強化のための設備等
その他200新機種生産設備及び生産性向上のための設備等
全社200新技術開発・生産技術・基礎研究設備、情報技術関連設備等
合計4,500

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 上記設備投資計画に伴う所要資金については、主として、自己資金を充当する予定であります。
3 経常的な設備の更新のための除売却を除き、重要な設備の除売却の計画はありません。