四半期報告書-第66期第2四半期(令和3年7月1日-令和3年9月30日)

【提出】
2021/11/12 11:28
【資料】
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【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第2四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第2四半期連結累計期間における内外経済は、欧米諸国を中心に新型コロナウイルスワクチンの普及が進む一方で、変異株の感染再拡大による影響もみられました。また、前年度より顕在化していた半導体不足の影響が拡大したことに加え、部材メーカーの集積地である東南アジア地域で、感染症拡大に伴う工場生産制限が行われるなど、先行き不透明な状況が続いております。
この環境下、当第2四半期連結累計期間の売上高は、時計が781億円(前年同四半期比29.2%増)、コンシューマが384億円(前年同四半期比21.5%増)、システムが66億円(前年同四半期比30.0%減)、その他が26億円(前年同四半期比19.5%増)で1,259億円(前年同四半期比21.2%増)となりました。
時計は、部材メーカーの稼働制限に伴う生産影響や、中国における洪水影響を受けましたが、欧米を中心に需要が回復傾向にあり、増収となりました。「G-SHOCK」はメタルラインの『GMW-B5000』や、若者を中心に『GA-2100』の人気が継続し、好調に推移しました。
教育は欧州など一部地域で回復した一方、新興国を中心に休校や在宅授業が続いたことや、国内での緊急事態宣言の発令など、関数電卓、電子辞書ともに継続してコロナ影響を受けました。楽器は物流費高騰による利益影響を受けたものの、年末商戦需要の前倒しにより「Slim&Smart」モデルを中心に好調が継続し、増収となりました。
システムは、主な市場である国内において、コロナ影響による商談案件の延期などを受け、減収となりました。
営業利益は、時計が151億円(前年同四半期比50.4%増)、コンシューマが26億円(前年同四半期比275.2%増)、システムが10億円の営業損失(前年同四半期 営業損失24億円)、その他が1億円(前年同四半期比4.5%増)、調整額が△50億円で120億円(前年同四半期比185.7%増)となりました。
また、経常利益は122億円(前年同四半期比168.8%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は88億円(前年同四半期比68.6%増)、1株当たり四半期純利益(EPS)は36円28銭となりました。
当第2四半期連結会計期間末の総資産は、棚卸資産の増加などにより、前連結会計年度末比62億円増加の3,382億円となりました。純資産は、前連結会計年度末比34億円増加の2,152億円となりました。その結果、自己資本比率は63.6%となりました。
当グループ(当社及び当社の関係会社)は今後も引き続き事業資産の効率的運営の徹底を図り、安定的かつ強靭な財務体質の構築に取り組みます。
(2) キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末比22億円増加の1,392億円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、営業活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期比29億円増加の99億円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前四半期純利益122億円(前年同四半期 74億円)、減価償却費53億円(前年同四半期 53億円)、運転資金(売上債権、棚卸資産、仕入債務)の増加額47億円(前年同四半期は減少額2億円)、法人税等の支払額23億円(前年同四半期 11億円)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、投資活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期と比べて8億円支出が増加し、22億円の支出となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出50億円(前年同四半期 42億円)、投資有価証券の取得及び売却・償還による純収入29億円(前年同四半期は純収入27億円)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において、財務活動によるキャッシュ・フローは前年同四半期と比べて0.6億円支出が減少し、63億円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額54億円(前年同四半期 54億円)であります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第2四半期連結累計期間において、当グループ(当社及び当社の関係会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(4) 研究開発活動
当第2四半期連結累計期間における研究開発費は3,295百万円であります。
当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。
研究開発体制は、開発本部と技術本部、スポーツ健康インキュベーションセンターから構成されております。
当第2四半期連結累計期間においては、新しい価値を生み出す商品の開発力を強化するため、開発本部に新規事業及び長期的視野に立脚した基礎研究・要素技術開発を担当する事業開発センターを統合・再編しました。一方、開発本部から機能別組織を移管して新設した技術本部では、品目を横断した技術力の活用効率最大化を図ります。
主な成果は次のとおりであります。
(時計)
◎ ベゼルに積層カーボンを採用した新たな外装デザインの“MT-G”
耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の新製品として、メタルと樹脂の特長を融合させた“MT-G”シリーズより、ベゼルに積層のカーボン素材を採用した「MTG-B2000YBD/B2000XD」を開発しました。
「MTG-B2000YBD」は、側面のベゼルフレームをカーボンとグラスファイバーのシートを幾層にも重ね立体成型をすることで、従来のステンレスのベゼルフレームと比較して約77%の軽量化を実現しました。「MTG-B2000XD」は、ベゼルのトップ部分に高度なプレス加工と切削加工技術を駆使して複雑な形状に成型した積層のカーボン素材を採用しています。
(コンシューマ)
◎ ピアノ音色の表現や音響を向上したスリムな電子ピアノ“Privia”
インテリアに調和するスリムなデザインの電子ピアノ“Privia(プリヴィア)”の新製品として、低域から高域までの幅広い音域における表現力を高め、より臨場感ある演奏を実現する「PX-S1100/S3100」を開発しました。
スピーカーの内部構造を見直すことで、出力される音の空気感や定位感、明瞭感が増し、響きがより豊かになっています。デザインは、ミニマルでシンプルながら、ボディの印字にゴールドカラーを採用するなど、ワンランク上の気品のある外観に仕上げました。付属のワイヤレスMIDI&AUDIOアダプターを使えばBluetooth®スピーカーとして楽しめるほか、専用アプリとの連携によりワイヤレスで直感的に音色や機能設定を変更することも可能です。
上記以外にセグメントに関連づけられない基礎研究に係る主な成果は次のとおりであります。
◎ ウォーキングを量から質に転換するスマートフォンアプリ「Walkmetrix」
当社と株式会社アシックスの共創事業の第2弾として、ウォーキング用スマートフォンアプリ「Walkmetrix(ウォークメトリックス)」を開発しました。
アシックスが推奨するウォーキングの理論「ファストウォーキング」に基づき、十分に息が上がるペースでのウォーキング「ファストウォーク」や、通常のウォーキングとファストウォークを交互に行う「インターバルウォーク」などを取り入れた、体力向上/ダイエット/リフレッシュの3種類のウォーキングプログラムを用意。歩数や距離などの量だけでなく、歩行スピードや歩幅などの歩きの質も考慮した計測評価・プログラムが特徴で、質の高いウォーキングをサポートします。また、“G-SHOCK”「GSR-H1000AST-1AJR/1JR」に接続すると、時計で計測した心拍データを基に「持久力スコア」を表示できます。
◎ AR(拡張現実)を実現する組込専用プロジェクションモジュール
IoTやAI技術による家屋や施設、工場などのスマート化が進む中、現実空間にデジタル情報を表示して拡張現実を生み出すプロジェクションARに最適な組込専用プロジェクションモジュール「LH-200」を開発しました。
独自のレーザー&LEDハイブリッド光源と光学設計技術により、A5サイズの小型・軽量でありながら2,000lmの明るさを実現しており、場所を選ばず多種多様な情報が投映できます。また、さまざまな機器への組み込みを想定した冷却設計、部品や床面など特殊な対象にも投映しやすい光源調整機能、フィルターレスの防塵設計などの特長も兼ね備え、設置場所や導入するシステム用途に応じてフレキシブルに運用できます。
(5) 生産、受注及び販売の実績
当第2四半期連結累計期間において、生産及び販売の実績に著しい変動がありました。その内容については、「(1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
① 生産実績
当第2四半期連結累計期間の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同四半期比(%)
時計70,00835.1
コンシューマ36,95220.4
システム4,474△43.5
その他1,75326.0
合計113,18723.3

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
② 受注実績
当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当第2四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同四半期比(%)
時計78,15729.2
コンシューマ38,43121.5
システム6,698△30.0
その他2,62619.5
合計125,91221.2

(注) セグメント間の取引については相殺消去しております。