四半期報告書-第65期第1四半期(令和2年4月1日-令和2年6月30日)

【提出】
2020/08/14 14:14
【資料】
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【項目】
38項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期における内外経済は、長期化する米中貿易摩擦の影響に加え、新型コロナウイルス感染症の世界的な拡大による各国の都市封鎖により、企業活動が大きく制限されました。その後、中国では経済活動の再開により徐々に回復が見られたものの、米国や欧州では雇用・所得環境の悪化により消費が減速し、景気が大幅に下押しされるなど各国経済に深刻な影響を及ぼしました。
日本でも4月に緊急事態宣言が発令され、個人生活、企業活動が制限されたことや、海外経済悪化の影響から内外需ともに大きく落ち込んだ上、インバウンド需要の消失により極めて厳しい状況となりました。
この環境下、当第1四半期連結累計期間の売上高は、コンシューマが351億円(前年同四半期比39.4%減)、システムが37億円(前年同四半期比43.5%減)、その他が10億円(前年同四半期比20.8%減)で400億円(前年同四半期比39.5%減)となりました。
時計は全世界的に実店舗販売が落ち込み減収となる一方で、ECでの販売は拡大。また、「G-SHOCK」の心拍計、GPS機能を搭載した新ラインG-SQUADが好調に推移しました。経済活動が再開した中国においては、5月以降、実店舗、EC双方で急速な回復を見せました。楽器は「巣ごもり需要」で日・米・欧を中心に「Slim&Smart」モデルが大幅に売上拡大し、増収となりました。電子辞書は学校の再開により高校生モデルの学校での販売が復調する一方で、シニア向け、その他学生向けモデルなどが消費の冷え込みの影響を受け、減収となりました。システムはコロナ影響による需要減退で減収となりました。
営業利益は、各種コストダウンを進めたものの、全体的な売上減に伴い利益が減少した結果、コンシューマが24億円(前年同四半期比75.6%減)、システムが17億円の営業損失(前年同四半期 営業損失8億円)、その他が0.6億円(前年同四半期比36.7%増)、調整額が△19億円で11億円の営業損失(前年同四半期 営業利益75億円)となりました。
また、経常損失は10億円(前年同四半期 経常利益70億円)、親会社株主に帰属する四半期純損失は9億円(前年同四半期 親会社株主に帰属する四半期純利益49億円)、1株当たり四半期純損失は3円72銭となりました。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、受取手形及び売掛金の減少などにより、前連結会計年度末比153億円減少の3,187億円となりました。純資産は、前連結会計年度末比42億円減少の1,983億円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末比1.6ポイント増の62.2%に改善されました。
当グループ(当社及び当社の関係会社)は今後も引き続き事業資産の効率的運営の徹底を図り、安定的かつ強靭な財務体質の構築に取り組みます。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費は1,709百万円であります。
当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。
研究開発体制は、新規事業及び長期的視野に立脚した基礎研究・要素技術開発を担当する事業開発センター、既存事業に直結した製品化開発を担当する開発本部から構成されております。
当第1四半期連結累計期間においては、事業開発センターから分離・独立したスポーツ健康インキュベーションセンターを新設することで、スポーツ健康ビジネスの早期事業化を図ります。また、開発本部の体制を品目別から機能別に再編し、各品目が持つ技術と開発リソースを全品目で活用して開発効率を最大化すると同時に、機能別組織を横断して各品目の開発を円滑に推進するプロデュース制を導入し、開発機能の強化を図ります。
主な成果は次のとおりであります。
(コンシューマ)
◎ パソコンやタブレットで関数計算やグラフ描画ができる数学学習ツール
数学計算やグラフ化を直感的に示すことができ、数学や統計のオンライン授業に役立つ数学学習ツール「ClassPad.net」を開発しました。動画配信型のオンライン授業や電子黒板を使った授業では、「ClassPad.net」を用いてグラフや図形を投影することで、板書の時間を短縮できるなど効率的に授業を進めることができます。また、係数の増減によるグラフの傾きや変化を動かしながら生徒に見せることができるので、数学の本質的な理解にも役立ちます。さらに、Web会議システムを使った双方向型のオンライン授業では、「ClassPad.net」を生徒とリアルタイムで共有しながら見せることができ、投影資料を瞬時に画面に呼び込むことで、よりスムーズな授業の進行が可能になります。授業中に作成したグラフや図形は、URLひとつで簡単に生徒と共有できるなど、オンライン授業の質の向上を総体的にサポートするツールです。
(システム)
◎ 大画面・高性能CPUを搭載したハンディターミナルのフラッグシップモデル
Android™プラットフォームを採用したハンディターミナルのフラッグシップモデルとして、テンキーを備えた「IT-G600」とフルスクリーンの「IT-G650」を開発しました。両モデルは、高性能CPUや大容量メモリにより、業務アプリケーションを快適に動作できることに加え、さまざまな業務課題の解決に必要な各種ツールを搭載し、Android™を通じて多くのパートナーソフトウエアを活用できます。さらに、背面に搭載した拡張インターフェイスにより、例えばサーモカメラや暗所カメラなど、特定の業務に特化した機能を追加することもできます。
本体は、視認性に優れた大画面タッチパネルを備えながら、片手で操作できるデザインを追求しました。当社が得意とするタフネス構造で、落下強度1.8m(IT-G600)/1.5m(IT-G650)を有するほか、-20℃~50℃の幅広い温度帯での動作を実現。IP67M準拠の防塵防滴性能により水や埃の侵入を防ぎ、ハードな環境下での利用も可能です。
(4) 生産、受注及び販売の実績
当第1四半期連結累計期間において、生産及び販売の実績に著しい変動がありました。その内容については、「(1) 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
① 生産実績
当第1四半期連結累計期間の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同四半期比(%)
コンシューマ36,612△38.4
システム3,793△47.8
その他755△13.7
合計41,160△39.1

(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
② 受注実績
当グループ(当社及び連結子会社)は見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
③ 販売実績
当第1四半期連結累計期間の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前年同四半期比(%)
コンシューマ35,174△39.4
システム3,757△43.5
その他1,076△20.8
合計40,007△39.5

(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。