四半期報告書-第68期第1四半期(2023/04/01-2023/06/30)

【提出】
2023/08/10 10:07
【資料】
PDFをみる
【項目】
39項目
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 財政状態及び経営成績の状況
当第1四半期連結累計期間における内外経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が徐々に収束方向に向かっている一方で、米国、欧州を中心としたインフレの長期化や、金融引き締めによる景気後退の懸念が高まるなど、依然として先行き不透明な状況が継続しています。
この環境下、当第1四半期連結累計期間の売上高は、時計が384億円(前年同四半期比4.4%増)、コンシューマが207億円(前年同四半期比1.2%増)、システムが22億円(前年同四半期比18.0%減)、その他が12億円(前年同四半期比2.4%増)で、626億円(前年同四半期比2.3%増)となりました。
時計は、「G-SHOCK」のフルメタルモデル『GMW-B5000』が国内、中国で人気を博したほか、国内でのインバウンド需要の回復、欧州での「G-SHOCK」人気継続により、増収となりました。
EdTech(教育)は、電子辞書は流通在庫の適正化に対応したことにより低調に推移しましたが、関数電卓は新機種「New ClassWiz」の展開が順調に進み、増収となりました。サウンド(楽器)は、エントリーモデルを中心に市場の減速傾向が継続し、減収となりました。
システムは、市場の需要減退が継続し、減収となりました。
営業利益は、時計が55億円(前年同四半期比0.4%増)、コンシューマが9億円(前年同四半期比46.1%減)、システムが8億円の営業損失(前年同四半期 営業損失8億円)、その他が0.9億円(前年同四半期比16.7%減)、調整額が△15億円で43億円(前年同四半期比10.5%減)となりました。
また、経常利益は60億円(前年同四半期比7.1%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は34億円(前年同四半期比18.2%減)、1株当たり四半期純利益(EPS)は14円48銭となりました。
当第1四半期連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末比13億円増加の3,365億円となりました。純資産は、自己株式の取得による減少があったものの為替換算調整勘定の増加などにより、前連結会計年度末比6億円増加の2,222億円となりました。その結果、自己資本比率は前連結会計年度末比0.1ポイント減の66.0%となりました。
当グループ(当社及び当社の関係会社)は今後も引き続き事業資産の効率的運営の徹底を図り、安定的かつ強靭な財務体質の構築に取り組みます。
(2) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当第1四半期連結累計期間において、当グループ(当社及び当社の関係会社)が優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について、重要な変更はありません。
(3) 研究開発活動
当第1四半期連結累計期間における研究開発費は1,270百万円であります。
当グループ(当社及び連結子会社)は、「創造 貢献」を経営理念に掲げ、独創的な製品の開発を通じて社会に貢献することを目指し、積極的な研究開発活動を行っております。
研究開発体制は、当第1四半期連結累計期間においては、要素技術から製品・サービスの開発までを一貫して行うべく、開発本部と技術本部を統合して開発本部としました。開発本部傘下には、コア技術の研究開発と事業デザインを推進する事業イノベーションセンターを新設しています。一方、新規事業の早期立ち上げのため、NBセンター(New Businessセンター)を新たに設置しました。
主な成果は次のとおりであります。
(時計)
◎ 深層硬化処理による高硬度ステンレスを採用した“G-SHOCK”
耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の40周年記念モデルの一つとして、高硬度のステンレスを採用した「RECRYSTALLIZED SERIES(リクリスタライズド シリーズ)」を開発しました。
本シリーズの「GMW-B5000PS/GMW-B5000PG」は、1983年に発売した“G-SHOCK”初号機のフォルムをそのままにフルメタル化した「GMW-B5000D」をベースとし、ベゼルやバンドなどステンレスの外装パーツには、表面層にガスを浸透させて硬質層を生成することで素材自体を固くする深層硬化処理を施しました。これにより、通常のステンレスの約3倍の硬度を実現しています。
さらに、ステンレスに熱処理を加えて再結晶化させることで、マットな質感の表面に細かなメタルの破片を散りばめたような結晶模様がランダムに浮かび上がり、一点ごとに模様や色調、光沢感が異なる仕上げとなっています。
◎ 左右非対称なフォルムを多パーツ構成で上質に仕上げたダイバーズ仕様の“MR-G”
耐衝撃ウオッチ“G-SHOCK”の最上位シリーズ“MR-G(エムアールジー)”の新製品として、ダイバーズ仕様の“FROGMAN(フロッグマン)”の左右非対称なフォルムを採用した「MRG-BF1000R」を開発しました。
新製品は、フルメタルで特徴的なフォルムを実現するため、多数に分割したパーツそれぞれを研磨してから緻密に組み上げ、細部まで美しい質感に仕上げています。また、フッ素ラバー製の緩衝体をベゼルの間やベゼルとケースの間に配置するなど耐衝撃性を備えるほか、裏蓋にはサファイアクリスタルを圧入したスクリューバックを採用し、ダイバーズウオッチに必要な気密性を確保しながら電波時計の受信感度を確保しました。
機能面では、ダイブモードでの潜水時間計測の際に、時分針が重なって1本の針のようになり、潜水時間の経過をわかりやすく表示します。さらに、3つのデュアルコイルモーターを搭載し、現在時刻から潜水時間への表示の切り替えをスムーズにして使い勝手を向上させています。